自然公園を開発しながら、たまに釣りをして資金を稼ぐ、カイロソフトの新作アプリが公開されています。
大自然ものがたり」です。

iPhone では新作ですが、このゲームのオリジナルが公開されたのは 2009 年。
スマホで公開されているカイロのアプリの中で、これより古いのは「ゲーム発展国++」と「ワクワク!まんが道場」しかなく、つまり最古クラスです。
まだカイロアプリの基本形が作られる前の作品で、施設配置型の経営 SLG の原型、といった感じでしょうか。

正直、あまりにシンプルで、他のカイロゲームより見劣りするのは否めません。
ただ、そのぶん初心者向きと言えるので、今になってこれが移植されたのは「入門用」という位置付けなのかもしれません。
価格は 360 円。 公開セールかもしれませんが、他のカイロアプリより安めです。

大自然ものがたり

四角いマスの上に「たんぼ」や「お花畑」などを作って、自然公園としてのステータスを高めていきます。
と言っても、最初の公園はたった9マスしかありません
1マスのサイズもデカくて、後のカイロソフトのアプリと比べると、すっごく大雑把。

配置場所を考慮する必要もあまりなく、影響範囲のようなものも存在せず、単に人気が5の土地を置いたら、公園全体の人気のステータスが +5 されるという単純化されたシステム
まあ、だからこそ初心者には良いかもしれませんね。

公園の中央には「観光案内所」があり、やって来たお客さんはここに移動して利用料を払います。
また、観光案内所の周囲のマスを「作業員」が巡回していて、土地から「エサ」と「資材」を回収し、たまに「名物」が入っている(かもしれない)プレゼントボックスも発見します。

土地ごとに産出するものが決まっていて、例えば田んぼはエサ、森は資材を生み出します。
欲しい資源を生み出す土地を、案内所の周囲に優先して設置しておきたいですね。
資材は土地の「改良」に使うことができ、繰り返し行えばレベルが上がって、資源産出量も増加します。

「エサ」は釣りエサのことで、池や川を作った後に使えます。
池の中にエサをドボドボ放り込むと魚が増え、増やしたら「釣り」を開始。
パワーを決めて竿を振り、魚がかかったら矢印ボタンで引き寄せます。
画面上部には増減するゲージがあり、これが最大にならないように気をつけながら、手前まで引き寄せれば釣り上げることが出来ます。

釣った魚はその場で換金され、資金が増えます。
このゲームの序盤はなかなかお金が増えません。
中盤までは釣りが大きな収入源になるので、エサはお金を生み出す元だと言えますね。

大自然ものがたり
※ゲーム中盤までの最大の収入源は、公園の運営ではなく、この釣り。
エサを投入しないと魚は増えないので注意。 最初は朝に金魚を釣りまくって稼ぎましょう。


ゲームの当面の目標は、新しい「称号」を獲得して自然公園としてのランクを上げること。
称号を獲得するには「年間来場者数」と「保有資金」が一定値を超えていなければなりません

称号を獲得すると、新しい「研究」が現れます。
「土地拡張」や「自然の開発」などがあり、資金を投入することで徐々に研究が進んでいきます。
上位の称号をゲットできれば、民宿の設置や道路整備、駅の建設なども行えます。

新しい自然は、特定の土地を「接続」することでも登場します。
このゲームは単に土地を置いただけでは相互作用は生まれないのですが、土地を並べて「接続カード」を使うと、その2つの土地に相互作用が生じて、ステータスが底上げされます。

そして池+池で川、滝+池で渓流、川+枯れ木で桜など、特定の組み合わせで異なる自然が発生します。
特に川は長く伸ばすほど魚のキャパシティが増えるので、釣りのためにも重要になります。
ただし1つの接続は4つまでです。

大自然ものがたり
※川は池を2つ置いて、それを接続して作ります。 4マスになれば「大河」、四角形の4マスなら「湖」が作られます。
湖や大河が出来れば釣れる魚も増えますが、池に現れる「フナ」や「ニゴイ」を釣っておかないと川の魚は増えないようなので注意。


大自然ものがたり
※研究は徐々に進んでいきますが、資金は徐々に消費されていくのではなく、実行時にまとめて払います。
継続的に経費がかかる訳ではないのでご安心を。
右は「ツアー」の画面。 これも称号獲得後、「研究」することで実行可能になります。


ただこのゲーム、やっていて「ヒドい」と思った部分もあります・・・
それは「称号」の獲得条件に保有資金が関わっている事と、保有できる資金には上限があること。

このゲームには、資金・資源・エサ、全ての項目に所持上限があります
それをアップさせるには、プレゼントボックスから得られる「名物」を使用しなければなりません

最初は資金を 500,000 円までしか所持できないのですが、3つ目の称号で早くも 650,000 円の保有が条件になります。 つまり上限を増やさないとランクアップできない
これを序盤にアップさせるには、「たんぼ」で出たボックスから得られる「無農薬オニギリ」が必要です。

しかし作業員がプレゼントボックスを見つけてくれるかどうかは運次第
プレゼントボックスから名物が出るかどうかも運次第。(資金を使えば確率を上げられるがかなり高く付く)
名物を使った時に上限が上がるかどうかも運次第。(上限アップの時と来客アップの時がある)
まさかの三重ハードル

そしてそもそも、このアイテムが「たんぼ」から見つかるという情報が一切ない。
たんぼが案内所の近くに1つしかない場合、運が良くないとなかなかボックスは出てこないし、もし案内所の周りにたんぼを作っていなかったらアウト
そして「アウト」になっていることに気付くことさえ出来ないという・・・
称号を得られないと土地が広がらないし、案内所も増えませんから、完全に停滞します。

初心者向けの作りの割に、こんなトラップのような仕様があるのはどうなのかと。
おそらくこれで行き詰まる人は、結構いると思われます。
まあ知っていれば対処できるので、最初の案内所の周りには複数の「たんぼ」を用意しておくのを忘れないようにしましょう

そしてやや邪道ですが、プレゼントボックスが見つかったらセーブして、名物が出なかったらリセット。
名物が出てきても、使って上限が上がらなかったらリセットした方が良いですね。
ボックスはそうそう出てくるものではないので。

大自然ものがたり
※これが問題の称号獲得条件と、そのために必要な無農薬オニギリ。
田んぼからオニギリが出てくるまで、どうあがいても昇格できない。


シンプルな作りですが、発展して来客数が増えれば、かなりの数のお客さんがワラワラやって来るので、眺めているだけでも楽しいカイロらしさのある展開になっていきます。
「釣り」もやや煩わしさはありますが、ゲームのアクセントになっているし、後半は釣りに頼らなくても資金は増えていくので、最後まで地道に釣り続けないといけない訳ではありません。

開発範囲がかなり狭く、こぢんまりしている印象ですが、紛れもなくカイロソフトのゲームではあります
このゲームが入門者向け、「星になったカイロくん」が子供向け、次いで「冒険ダンジョン村」と「大江戸タウンズ」が初心者向けで、それらを経て「ゆけむり温泉郷」に進むのが、これからカイロソフトのゲームをやるライトユーザーには良いでしょうか。

大自然ものがたり(iTunes が起動します)


【 ちょこっと攻略 】

・資源を採集できるのは観光案内所の周囲8マスのみです。ここに何を設置するかが重要です。
・本文で述べたように、案内所の周囲に「たんぼ」を置いておかないとゲームが行き詰まります。2つ以上あった方が無難。
・森や雑木林から得られる名物でカード所持上限が、山や野菜畑から得られる名物で資材の所持上限が上がります。
池や川は資源を産出しません。案内所の近くに置くのは出来れば避けましょう。

・改良工事の「カード」の項目は、完了時に池や川に宝箱が現れる確率です。池や川の工事でなくても発生します
・序盤は「清掃活動」と「肥料をまく」でカードを狙いながら工事をするのがオススメ。
・カードの商人は1月と7月の3週目にやって来ます。

・魚には適した時間帯があり、その時に釣ると報酬 1.5 倍です。
・序盤の魚のうち、金魚は朝、メダカは昼、フナは夕方、うなぎは夜。ニジマスは朝です。
適した時間帯の魚はレーダーで赤く表示されます
・最初は金魚ばかりなので、朝に釣りに行きましょう。
・朝と昼の区別は見た目では付きませんが、昼になる時に「週」が変わるので、それが目安になります。
・池と川では出てくる「新種」の魚が違います。そして池の魚を出さないと川の魚は増えないようです。
・魚の大きさは、その池や川のステータスに影響されます。

・接続は、池+池で「」に、川4つで「大河」に、川4つを四角形にすると「」になります。
・川と枯れ木を接続すれば桜になります。ただ、これにするとその川は大河や湖に出来ません。桜を作った後に「接続解除カード」を使う手もあります。
・池と滝を接続すると渓流になります。渓流の魚の難度は川や湖より高いです。
・枯れ木を2つ接続すると紅葉樹林が出来ます。
・山2つと民宿を接続すると温泉宿が出来ます。
・池に滝のカードを使うと雪山になります。

・草原に花畑を重ねると野菜畑になります。草原2つを重ねると雑木林になります。これらは景観作りの邪魔になる場合があるのでご注意を。