日本の弾幕シューティングを、欧米人が欧米センスで欧米的に作ったらこうなってしまう。
おそらく作ってる方は大マジメで、日本人にはネタゲーにしか見えない、スーパーカルチャーギャップシューティングが登場しています。
オペレーションドラキュラ」です。

日本の弾幕シューティングをリスペクトしているのは伝わってくるのですが、キャラクターデザイン、ゲームシステム、ゲームバランスなど、何もかもがジャパンじゃない
先日紹介した Samurai Blitz をニッポンポーンだとするならば、こちらはもうニッポンポポポポーンぐらいのレベルです。
ああ、もう、自分で何言ってんだか解らない。

とにかく、やりたいことは解るんだけど違います。 それはもう「コイン いっこ いれる」ぐらい違う。
Touch Arcade には「日本以外の国で作られた日本系弾幕シューティングの代表作になるかもしれない」とか書かれているらしいですが、いや、日本人視点では極めて洋ゲーだからコレ
どうやら向こうの日本は別の世界線にあるアナザーニッポンであるようです。

operation_dracula オペレーションドラキュラ

縦スクロールのシューティングゲームです。
操作性は割と良好で、画面下部には指置き場になるステータス表示欄もあります。
欧米のスマホシューティングは相対移動になってなかったり、指置き場がなかったりするものが多いのですが、これはそういうことはありません。
ただ、指でステータス表示が隠れてしまうため、ゲージやライフが見辛いのは気になりますが。

自機の当り判定はかなり小さく、狭い弾の間も抜けられるようになっています。
ただし当り判定の位置はパッと見ではよく解りません。

そして自機や敵機は画面のサイズに対してかなり大きめで、しかも敵が横から出て来たり、中央で弾をバラまいたりします。
おかげで常に至近距離での戦いになります。
弾速も割と速めなので、撃たれた瞬間に被弾することもザラ。
最近のゲームは敵に近づくと得点が上がるものが多いですが、このゲームはもう常時最接近状態。

おかげで難易度は非常に高く、イージーとノーマルの2つの難易度がありますが、ノーマルなんて異様なレベルです。

ただライフが3つあり、ライフ回復アイテムも多めに出て来ます。
また一定時間ごとに敵弾を消せる特殊攻撃を発動でき、それとは別にボムもあるので、それらを多用すれば何とか切り抜けていくことが出来ます。

つまり弾幕シューではあるけど、日本のシューティングのような敵弾の隙間を抜けていくものではなく、欧米的な「ごり押しシューティング」に近いですね。

operation_dracula オペレーションドラキュラ
※画面が狭いのに真ん中に陣取ってとんでもない弾幕をバラまいてくるボス。
他のゲームだと接近ボーナスを得られるぐらいの位置で常に戦わないといけない。辛すぎる。
おまけに被弾するとパワーダウンする。
右は怒首領蜂の4面ボスで、速度の違う弾幕と両腕からのレーザーで攻撃してきます。 ・・・って、ん?
硬い敵を倒すと弾消しが発生するなど、ちゃんと日本の弾幕シューを再現している部分もあるのですが・・・


道中の敵の攻撃や中ボスは、怒首領蜂(ドドンパチ)によく似ています
って言うか、見た目も攻撃も怒首領蜂そのまんまの敵が多いです。
もうドドンパクリです。 いいのかコレ。

まあパクリと言うより「オマージュ」なんでしょうし、それ以外の部分があまりにアレ過ぎるので、パクリ感は薄まってますが。
(ただ、効果音とかも色んなところからパクってる気がしないでもない)

一方、ボスはオリジナルです。
しかしオリジナルだからこそ、色々とおかしい。

まず、ダサい。 すごくダサい。
アメリカの小学生がアメコミの悪役を描いたような感じにダサい。

そして攻撃が異常。 怒首領蜂も真っ青な凶悪攻撃を至近距離から連発します。
正面に極太レーザーを「何の前触れもなく」出すとか、根本的なところも解っていない。

そして異様に硬い。 1面のボスから嫌になるほど硬い。
ここで時間を食うため、ゲームのテンポも悪化しています。

そもそも主人公のグラフィックからしてアメリカ全開で暑苦しい
まあそれは絵柄の違いであって良い悪いじゃないとは思うけど、少なくともアジア方面ではあり得ないデザインで、洋ゲー感・イロモノ感をますます際立たせています。

operation_dracula オペレーションドラキュラ
※左が1面のボス。 ここまで割と綺麗なグラフィックなのに、これが出て来るといきなりチープというか、ダサくなる。 攻撃なども何かが違う。
右は主人公のお三方。 このタイトル画面の時点で日本人視点では「え? 日本系シューティング?」となる。 ゲームを始めるともっと痛感する。


とにかくシューティングとしては、画面が狭すぎて常に圧迫感があります。
さらにアメリカ的な「大雑把さ」を押し通しているので、日本やアジアのものとは全く異なります。
そしてどうやら、それに気付いていないところが恐ろしい。

ただ、この「全開で間違ってる日本的弾幕シュー」なところが、このゲームの魅力かもしれません。
個性と言う意味では極まってますね。
一応 80~90 年代のゲーセンの片隅の、常に人がいない筐体に、ネオジオとかでこんなシューティングがあったような気もしないでもないです。

ラスボス戦には進めませんが、一応イージーモードもあります。(あまりイージーじゃないけど)
まさにシューティング界の「キル・ビル」。 「あくまでネタとしては」こういうのも面白いかも。
ネタゲーとしては 960 円ってのは高いですが。

オペレーションドラキュラ(iTunes が起動します)