するすると伸びていく木の枝を剪定し、光の当たる場所まで導いていく、不思議な雰囲気のゲームが登場しています。
Prune」です。

木の枝が自動的に、ランダムな方向に伸びていき、様々な形の盆栽が形作られる「盆栽シミュレーター」のアプリは海外で人気で、数多くの種類があります。
その盆栽シミュレーターでパズルゲームをやるようなアプリで、独特なアイデアですね。
「Zen」(禅)を意識した雰囲気も非常に良いです。

価格は 480 円で、ゲームと言うより雰囲気を楽しむものであるため、この値段だと賛否が分かれると思いますが、非常に iPhone にマッチした内容です。

Prune

地面を上にスライドすると、その方向に木が伸びていきます。
そのうち幹が枝分かれし、新しい枝が次々と現れて広がっていきます。
枝が光の当たる場所まで来ると、桜のような花が咲きます。

枝がどこに付き、どの方向に伸びていくかはランダムなので、作られる木は毎回違ったものになります。

ある程度のところで木の成長は止まってしまいます。
しかし画面をスライドして枝をカットすると、切り取られた枝の分だけ、他の枝が伸びていきます。
要らない枝を切り、伸びて欲しい枝を残すことで、木が成長する方向をコントロールすることが出来ます。

花が規定の数だけ咲けばステージクリア。
前述したように光の当たる場所でないと花は咲かないので、開始地点が日陰である場合、日の当たる方に誘導していく必要があります。

Prune

ゲームが進むと、赤くて丸い球体が現れます。
白地に赤い丸なので、日本の国旗のように見えますが、この赤い丸は触れてはいけないトラップで、避けていかなければなりません。

もし枝が触れてしまうと、そこから木が赤く浸食されていき、真っ赤になると枯れてしまいます。
壁に枝が触れると折れてしまい、風が吹いて枝がなびいてしまうステージもあります。

しかしリトライは何度でも可能です。
リトライするボタンはなく、今ある木を根元からカットして、新たに生やせばそれがリトライになります。
やり直すのに特に制限はありません。

ステージが進むと複数の木を生やせるようになったり、枝で触れると扉が開くスイッチなどが登場します。
この辺りになるといかにも「ゲーム」という感じになりますね。
枝の伸び方がランダムなので運の要素が強く、あまりパズルという感じではありませんが、繰り返していればそのうち解けるし、これはこれで良いと思います。
どうしてもクリアできない場合は、ステージをスキップする事も出来ます。

後半は工場のようなシーンになり、回転ノコギリのような機械的なトラップも現れます。
意外性のあるステージも必要だとは思いますが、こうなると風情が乏しくなってしまうので、雰囲気的には良し悪しでしょうか。

しかしどこを切り取っても絵になるビジュアルは非常に良く、ゲームもテンポ良く進むため、ずっとやり続けてしまいますね。

Prune

5つのエリアで構成されており、1つのエリアに 1~12 のステージがあります。
1ステージが短く、サクサク進むため、全体のボリュームはそれほどある訳ではありません。
集中してやると1時間ちょっとで終わってしまうでしょう。

しかし雰囲気重視のゲームはダラダラ続くのも良くないし、適度な時間で、少し余韻を残すぐらいで終わるのも良いと思います。
クリア時には程よい達成感を得られるでしょう。

ゲームよりビジュアルを楽しみたい方にお勧めのアプリですね。
どちらかと言うとゲームクリアより、「美しいクリア画像」を作る方がメインなのかもしれません。

Prune(iTunes が起動します)