シリーズの累計ダウンロード数、実に25億。(2015年4月時点)
世界で最も多くの人間がプレイしたゲームと言っても過言ではないであろう、フィンランドの Rovio が誇る投射物理パズルゲーム Angry Birds
内容については、ここをご覧の皆さんには言うまでもないでしょう。

その Angry Birds の正当な続編、派生作ではないナンバリングタイトルが満を持して公開されました。
アングリーバード 2 (Angry Birds 2)」です。

正直言うと私は Angry Birds は飽きていて、今さら感があったのですが、今作は大幅に改修されていて、そんな私でも十分に楽しめます
グラフィックや演出が強化され、ゲームのテンポもさらに良くなっており、破壊の面白さがさらに増していますね。

そして今作の大きな特徴は「ランダム性」が強くなっていること。
同じステージが、同じ状態で出て来ません。 もう誰かの攻略をマネしてクリアすることは出来ません。
ただ、どのステージもワンショットでクリア可能な調整になっていて、難易度が上がっている訳ではありません。

アプリ本体は無料ですが、ミスるとライフが減るスタミナ制
この点が今作の欠点と言えるでしょうか。

アングリーバード2 Angry Birds 2

アングリーバード2 Angry Birds 2

投射器(パチンコ)で鳥の形をした弾を放り投げ、ブロックで作られた積み木のような建物にぶつけます。
建物は物理シミュレートされた動きで傾き、崩れ、倒壊していきます。
その壊れっぷりが楽しいゲームで、建物の中にいるブタを全滅させればステージクリアです。

そのゲーム内容は、意外なほど前作と変わっていません。
基本システムは全く同じです。
では、なぜ前作が飽きている人でも楽しめるのか?

まずは何と言っても演出。
ブタの表情が豊かになり、飛んでくる鳥を目で追い、破壊されると驚きながら落ちていきます。
ステージ開始時には建物がパッと現れるのではなく、徐々に組み立てられていき、壊れる際に飛び散る瓦礫や爆風などもハデになっています。
シンプルなゲームだからこそ、そして破壊のゲームであるからこそ、表現は大切ですね。

そしてゲームのテンポ。
今回は1つのステージが複数のシーンで構成されていて、多くのシーンは1回の投射でクリア可能になっています。
1回でクリアすると「ストライク」、2回でクリアすると「バーディー」という表示が出ます。

このため以前のように、何度も投射を行って徐々に建物を崩していく、といった感じではなくなりました。
強固な建物を少しずつ崩していく戦略性は薄れましたが、一気にぶっ壊し、サクサク進めるためやっていて楽しいですね。
もちろんステージが進めばなかなかクリアできないようなシーンも出て来ますが、前ほどダラダラ続くステージはありません。

今回は投射するバードを選択可能で、3枚の手札の中から選べます。
使ったバードのカードは手札から消え、全て使い切ってもクリアできないとライフが減少。
減ったライフは時間が経過しないと回復しません。 つまりソーシャルゲームのスタミナに相当します。

ただ、ミスらない限り減らないので、ノーミスで進めば待ち時間は要りません。
キャンディークラッシュ のシステムと言えば、解る人も多いでしょうか。

アングリーバード2 Angry Birds 2
※何の特技も持っていなかった赤バードも、今回はウェーブを出して建物を「押す」ことが出来るようになりました。
崩すのではなく「押す」というのは、状況によってはかなり有用。 一躍主力キャラに。
使いやすいキャラを後に残していくことも攻略のコツです。


アングリーバード2 Angry Birds 2
※数ステージごとに被空挺に乗ったボスが登場。
耐久力が高く、何度もダメージを与えるか、画面外に吹っ飛ばさないと倒せません。


そして前述したように、今作はステージ構成が「ランダム」になっているのが特徴です。
全てがランダムな訳ではなく、建物の位置、大まかな形、地形、しかけの位置などはステージごとに決められています。

しかし建物のブロックの構成は、プレイするごとに変わります。 リトライしても変化します。
例えば下の画像は、同じステージの同じシーンです。

アングリーバード2 Angry Birds 2

見ての通り全然違います。
さらに、使えるバードは最大3枚の手札によって決まりますが、どのカードが来るかはランダムです
よってバードの種類が増えてくると、どれが使えるかも毎回変わります。

ランダムであるため、運が悪いとどうしようもないケースもあります。
例えば建物が石のブロックで覆われていて、使えるバードが石に弱い黄色のバードと水色のバードだけだった場合、クリアは困難になります。
うまくバードの特技を生かせば大抵の状況は打破できますが、運によって難易度が大幅に変わるのは難点と言えるでしょう。

ただ、決まり切った手順でクリアして行くゲームより、プレイヤーがその場の状況に臨機応変に対応していくゲームの方が、より良いゲームだと Rovio は考えているようです。
解法が一様でない Bad PiggiesAmazing Alex のようなパズルゲームを公開してきたメーカーですから、Angry Birds にもそうした側面を与えたかったのかもしれません。

アングリーバード2 Angry Birds 2
※ステージマップ。 この画面もかなり綺麗です。
前作はいかにも「ミニゲーム」でしたが、今作は見るからにリッチなゲームになりましたね。


アングリーバード2 Angry Birds 2
※課金通貨はスタミナ回復やコンティニューの他、この「魔法」の購入に使用します。
画像はアヒルを降らせる魔法で、どれも強力な効果を持ちますが、狙った場所に使えないので効果が安定せず、運が悪いと全然役に立たずに終わることもあります。


ステージ数はかなり多いです。 現時点でもなんと 240 ステージ!
これで1つのステージに複数のシーンがあるのですから、どれだけのボリュームなのか解るでしょう。
どっかの国の、一日二日ですぐアップデート待ちになるようなソーシャルゲームとは違います。
また「アリーナ」と呼ばれる日替わりステージも用意されています。

マップ画面のグラフィックの書き込みも細かく、初期シリーズとは見違えるほどですね。
Angry Birds も公開から5年以上経ってますし、技術の進歩を感じられます。

アプリ本体はタダですし、とりあえずやっておいて損はありません。
「もうアングリーバードはいいや・・・」という人も多いと思いますが、今作はそれでも試す価値のあるアプリです。

アングリーバード2 (Angry Birds 2)(iTunes が起動します)