1930年代、欧州。
第一次大戦で傷付いた世界を大恐慌の暗い影が覆い、ファシズムの軍靴の音が響き始めた暗黒の時代。
ある計画に巻き込まれた裏社会で生きる者たちの姿を描く、モノトーンのグラフィックが印象的なステルスアクションゲームが公開されています。
「Calvino Noir」です。
iOS のグラフィック技術「Metal」で表現された光と影、雨と霧の演出が退廃的な世界を見事に演出する、雰囲気に溢れたハードボイルドな作品です。
ただ、一瞬のミスですぐ即死する主人公の弱さと難易度の高さが、ゲームの雰囲気をなかなか味あわせてくれない、敷居の高い作品でもあります。
価格は 480 円。 しかしそのままでは3章までしかプレイ出来ず、ゲームをクリアするにはさらに 840 円(もしくは 480円x2)の課金が必要です。
この「有料アプリなのにラストまでいくのに追加課金が要る」というのも、お薦めし辛い点ですが・・・
クオリティは高く、他にない独特な雰囲気を持つため、今回取り上げておこうと思います。
真横視点の建物の中を、警備員に見つからないように移動していくゲームで、見た目やプレイスタイルは This War of Mine に似ています。
画面をタップするとその場所に移動し、ドアに近づくと開けるボタンが、人に近づけば会話や攻撃を行うボタンが現れます。
こうした移動先を直接タップするゲームは指で画面が隠れるのが難点ですが、このゲームは移動速度が遅く、激しい操作は必要ないため、それほどやり辛さはありません。
画面下には歩きと走りの切り替えボタンと、懐中電灯の ON / OFF ボタンがあります。
走ると素早く移動できますが、足音がするため近くの敵が警戒します。
懐中電灯の光も警備に見つかると警戒されてしまいます。
主人公は丸腰で、警備に見つかると銃で撃たれてすぐ死にます。
このゲームに体力はなく、一発撃たれたら即終了で、しかも警備員の反応は早いです。
走って近づこうものならすぐ気付かれるし、ゆっくり背後から近づいても移動が遅いので、そのうち振り向かれて撃たれて死亡。
ほんと、ハードボイルドなことを言う割にはアッサリ死んでくれます。
マップ内には隠れられる場所があり、そこで敵を待ち伏せて急襲するのがコツになりますが、警備の巡回ルートに隠れられるポイントがないことも多いです。
しかし懐中電灯や走りで誘き寄せようとしても、なかなか気付いてくれない。
警戒した警備員には赤いメーターが現れ、最大になると不審な場所を確認しに向かうのですが、メーターがなかなか貯まらず、しかし警戒させようとして近付き過ぎると撃たれます。
最初の主人公である「ウィルト」は扉の向こうを確認できないので、ドアを開けたら警備員と出くわして即死というケースも間々あり、とにかく慣れるまでは死にまくることでしょう。
死んだ時にリトライできるまで少し間があるのも、ちょっとイライラします。
※敵を倒したい時はこんな風に物陰に隠れ、間近まで引き付けてから攻撃する必要があります。
それにしても光と影の表現が凄いです。
※仲間と会話するシーン。 選択肢が表示されることもあります。
台詞回しがいちいちキザですが、それが良いです。
しかしそれでも続けてしまうのは、このハードボイルドな世界観とシックなビジュアル、全編に漂う古い洋画のような雰囲気のためでしょう。
グラフィックにはかなり力が入れられていて、3D で描かれている建物は非常にリアル、細かいところまで描き込まれています。
それが懐中電灯の光でリアルな影を投影させます。
雨や霧に浮かぶ人物のシルエットもとても「絵」になっており、見る価値のあるビジュアルです。
メッセージは全て日本語化されており、小説風のセリフがそれらしい雰囲気を出しています。
言い回しが独特すぎて解り辛い文章になっていることも多いのですが、それはそれで洋画っぽさはありますね。
ゲームが進むと、エンジニアのアルノ、鍵開けが得意なシスカが仲間に加わり、他にもスポット参戦のキャラクターが登場、それぞれを切り替えながら進む場面が出て来ます。
シスカは扉を開けずにその向こうを確認できるので、うまく生かせばゲームも進めやすくなります。
ただ、チェックポイントに仲間を全員集めないと先に進めないので、それぞれを個別に進ませるのが面倒なことも多いです。
もちろん2人がチェックポイントに到達しても、3人目でミスって死ぬと1人目からやり直し。
誰かを追尾できるようにするなど、もうちょっと遊びやすいシステムに出来た気もしますね。
※雨の街角に佇む裏社会の3人。 1つ1つのシーンが絵になります。
静止画では解りませんが、雨や霧の表現もリアルです。
※ここはちょっと解り辛い場面。 上階の四角いものはクレーンの操作盤で、エンジニアのアルノが近付くと操作ボタンが現れます。
これを使って左下にある容器を UFO キャッチャーします。 警備に注意。
※申し訳程度ですが強化要素もあります。
強化に使うコインはステージ内をくまなく探索して見つけなければなりません。
色々と難点が多く、手放しでお薦めできるアプリではないのですが、この雰囲気が気に入りそうな方には悪くないと思います。
本当、良くも悪くも「雰囲気」が全てのゲームで、そしてその雰囲気は非常に良いです。
ある程度進み、ゲームに慣れてくると、ストーリーの先も気になって来ますね。
iTunes レビューには「落ちる」という報告が見られますが、実際に私も iPad Air で何度か落ちています。
落ちてもチェックポイントから再開できるし、頻発する訳ではないのですが、高度な影の表現などはいかにも負荷が高そうなので、プレイ前は本体を再起動しておいた方が無難かもしれません。
iTunes の対応表記は iPhone 5s 以上、iPad Air 以上で、iPhone 5 は対象外のようです。
古い白黒の洋画を現代の技術でゲーム化したようなアプリです。
好みの分かれる作品だと思いますが、アダルトな雰囲気に浸りたい方には良いですね。
・Calvino Noir(iTunes が起動します)
第一次大戦で傷付いた世界を大恐慌の暗い影が覆い、ファシズムの軍靴の音が響き始めた暗黒の時代。
ある計画に巻き込まれた裏社会で生きる者たちの姿を描く、モノトーンのグラフィックが印象的なステルスアクションゲームが公開されています。
「Calvino Noir」です。
iOS のグラフィック技術「Metal」で表現された光と影、雨と霧の演出が退廃的な世界を見事に演出する、雰囲気に溢れたハードボイルドな作品です。
ただ、一瞬のミスですぐ即死する主人公の弱さと難易度の高さが、ゲームの雰囲気をなかなか味あわせてくれない、敷居の高い作品でもあります。
価格は 480 円。 しかしそのままでは3章までしかプレイ出来ず、ゲームをクリアするにはさらに 840 円(もしくは 480円x2)の課金が必要です。
この「有料アプリなのにラストまでいくのに追加課金が要る」というのも、お薦めし辛い点ですが・・・
クオリティは高く、他にない独特な雰囲気を持つため、今回取り上げておこうと思います。
真横視点の建物の中を、警備員に見つからないように移動していくゲームで、見た目やプレイスタイルは This War of Mine に似ています。
画面をタップするとその場所に移動し、ドアに近づくと開けるボタンが、人に近づけば会話や攻撃を行うボタンが現れます。
こうした移動先を直接タップするゲームは指で画面が隠れるのが難点ですが、このゲームは移動速度が遅く、激しい操作は必要ないため、それほどやり辛さはありません。
画面下には歩きと走りの切り替えボタンと、懐中電灯の ON / OFF ボタンがあります。
走ると素早く移動できますが、足音がするため近くの敵が警戒します。
懐中電灯の光も警備に見つかると警戒されてしまいます。
主人公は丸腰で、警備に見つかると銃で撃たれてすぐ死にます。
このゲームに体力はなく、一発撃たれたら即終了で、しかも警備員の反応は早いです。
走って近づこうものならすぐ気付かれるし、ゆっくり背後から近づいても移動が遅いので、そのうち振り向かれて撃たれて死亡。
ほんと、ハードボイルドなことを言う割にはアッサリ死んでくれます。
マップ内には隠れられる場所があり、そこで敵を待ち伏せて急襲するのがコツになりますが、警備の巡回ルートに隠れられるポイントがないことも多いです。
しかし懐中電灯や走りで誘き寄せようとしても、なかなか気付いてくれない。
警戒した警備員には赤いメーターが現れ、最大になると不審な場所を確認しに向かうのですが、メーターがなかなか貯まらず、しかし警戒させようとして近付き過ぎると撃たれます。
最初の主人公である「ウィルト」は扉の向こうを確認できないので、ドアを開けたら警備員と出くわして即死というケースも間々あり、とにかく慣れるまでは死にまくることでしょう。
死んだ時にリトライできるまで少し間があるのも、ちょっとイライラします。
※敵を倒したい時はこんな風に物陰に隠れ、間近まで引き付けてから攻撃する必要があります。
それにしても光と影の表現が凄いです。
※仲間と会話するシーン。 選択肢が表示されることもあります。
台詞回しがいちいちキザですが、それが良いです。
しかしそれでも続けてしまうのは、このハードボイルドな世界観とシックなビジュアル、全編に漂う古い洋画のような雰囲気のためでしょう。
グラフィックにはかなり力が入れられていて、3D で描かれている建物は非常にリアル、細かいところまで描き込まれています。
それが懐中電灯の光でリアルな影を投影させます。
雨や霧に浮かぶ人物のシルエットもとても「絵」になっており、見る価値のあるビジュアルです。
メッセージは全て日本語化されており、小説風のセリフがそれらしい雰囲気を出しています。
言い回しが独特すぎて解り辛い文章になっていることも多いのですが、それはそれで洋画っぽさはありますね。
ゲームが進むと、エンジニアのアルノ、鍵開けが得意なシスカが仲間に加わり、他にもスポット参戦のキャラクターが登場、それぞれを切り替えながら進む場面が出て来ます。
シスカは扉を開けずにその向こうを確認できるので、うまく生かせばゲームも進めやすくなります。
ただ、チェックポイントに仲間を全員集めないと先に進めないので、それぞれを個別に進ませるのが面倒なことも多いです。
もちろん2人がチェックポイントに到達しても、3人目でミスって死ぬと1人目からやり直し。
誰かを追尾できるようにするなど、もうちょっと遊びやすいシステムに出来た気もしますね。
※雨の街角に佇む裏社会の3人。 1つ1つのシーンが絵になります。
静止画では解りませんが、雨や霧の表現もリアルです。
※ここはちょっと解り辛い場面。 上階の四角いものはクレーンの操作盤で、エンジニアのアルノが近付くと操作ボタンが現れます。
これを使って左下にある容器を UFO キャッチャーします。 警備に注意。
※申し訳程度ですが強化要素もあります。
強化に使うコインはステージ内をくまなく探索して見つけなければなりません。
色々と難点が多く、手放しでお薦めできるアプリではないのですが、この雰囲気が気に入りそうな方には悪くないと思います。
本当、良くも悪くも「雰囲気」が全てのゲームで、そしてその雰囲気は非常に良いです。
ある程度進み、ゲームに慣れてくると、ストーリーの先も気になって来ますね。
iTunes レビューには「落ちる」という報告が見られますが、実際に私も iPad Air で何度か落ちています。
落ちてもチェックポイントから再開できるし、頻発する訳ではないのですが、高度な影の表現などはいかにも負荷が高そうなので、プレイ前は本体を再起動しておいた方が無難かもしれません。
iTunes の対応表記は iPhone 5s 以上、iPad Air 以上で、iPhone 5 は対象外のようです。
古い白黒の洋画を現代の技術でゲーム化したようなアプリです。
好みの分かれる作品だと思いますが、アダルトな雰囲気に浸りたい方には良いですね。
・Calvino Noir(iTunes が起動します)
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