まるでファミコン以前のゲームのようなレトロなグラフィックでありながら、ハードでテクニカル、思わず遊び続けてしまうテンポの良さを持つ、秀作のアクションゲームが登場しています。
Downwell」です。

このゲームは大学生が1人で作り始めたということで話題で、今作が処女作とのこと。
初めてのゲーム作りでそうそう良作は出来ないので、私は噂を聞いても全く期待していなかったのですが、そのレトログラフィックと小気味良いアクションが海外で注目を集め、アメリカのゲームメーカー Devolver Digital が制作に協力、さらに多くの協力者も現われて今回のリリースに至った模様です。
制作者の方もこのゲームの開発のために大学を辞めたとのことで、その本気さが伝わって来ます。

内容は井戸をひたすら降っていく縦スクロールのジャンプアクションゲーム
ただ、真下に弾を撃ち、その反動で空中に浮くことが出来る「ガンブーツ」と呼ばれる武器を装備していて、独特の操作感があります。
空中にいられる時間に制限がある「マイティーボンジャック」のような操作感、と言えば解る人は解るでしょうか。

360 円の買い切りゲームで、課金や広告は一切ありません。

Downwell

操作は左右移動とジャンプのボタンで行います。
ジャンプ中に再びボタンを押すと「ガンブーツ」で真下に弾を撃ち、空中で少し浮きます。
連続で撃てばそのまま浮き続け、空中を左右に移動することも出来ます。

ただしガンブーツには弾数があり、なくなると撃てなくなります。
もちろん浮遊も出来なくなるので、その時点で強制的に落下。
弾は着地することで再装填されますが、延々と浮き続けられる訳ではないのがポイントです。

攻撃手段にはもう1つ「踏みつけ」があり、ほとんど敵は踏めば一撃で倒せます
これは正確には「足の下に敵がいれば倒せる」という形なので、ジャンプしていなくても、例えば床の上に立ったままでも、真下から敵が来ればそのまま倒せます。

敵の中には銃撃に高い耐性を持つ者や、撃たれると凶暴化する者もいるのですが、こういう敵も踏めば一撃。
ただ、位置がズレて横から当たってしまうとダメージを受けてしまうので、やや危険も伴います。
また赤い敵は踏みつけ無効で、触れると逆にこちらがダメージ。
銃撃と踏みつけをうまく使い分けて進むのがゲームのコツになります。

難易度はかなり高く、ライフ制ですが残機はなし。 コンティニューもないシビアなゲーム。
最初のうちは独特な操作に慣れず、1分ほどでゲームオーバーになってしまうでしょう。

しかし慣れるとどんどん先に進めるようになる、噛めば噛むほど味の出るスルメゲームでもあり、1ゲームが短くてスピーディーに進むため、延々と繰り返してしまう楽しさがあります。

Downwell
※左画像は足下から幽霊が接近中。 でもこのまま制止していれば、勝手に足に触れて踏み付けになり倒せます。
逆に幽霊は銃撃に耐性があるので、撃っても倒し辛いです。
右は強行突破中。 上方への攻撃手段がほとんどないゲームなので、敵をやり過ごしてしまうと対処困難に。
時には危険承知で逃げまくるしかない時も。

たまに横穴があり、ジェムの山や武器、ショップなどが見つかります。
武器はショットガンやレーザー、3 way ショットなど豊富に用意されていますが、多数の弾を撃つものや、強力なものほど弾の消費が早いです。
それは空中浮遊できる時間が短くなることも意味するので、武器によってはむしろプレイし辛くなります。

ただユニークなのは、このゲームの武器アイテムはライフ回復や弾数アップも兼ねていること。
つまり使い辛い武器でも、取らないと回復や強化を行えない訳です。
必然的に色々な武器を使いながら進行することになり、どうしてもの時はスルーも可能という、良いアイデアのシステムですね。

ジェムはショップでの買い物に使え、売り物は主に回復と弾数アップ。
ライフが最大の時に回復するとゲージが1つ増え、それが4つ貯まると最大ライフが1増えます。
また、ジェムを多く取ると「ジェムハイ」の状態になり、一時的にショットが強化されます。

さらにステージをクリアすると、パワーアップアイテムを取得できます。
3つの候補の中から1つを選べ、一緒に攻撃してくれるドローンが付いたり、弾切れしても空中を浮遊できたり、ジャンプ時に爆発して周囲を攻撃できたりします。
クリアごとに得られるため、先に進むほど様々なパワーアップ効果を重複して受けられます。

Downwell
※左はショップ画面。 お地蔵さんが店員で、回復アイテムはおにぎりやお寿司。
海外ライクなゲームなのに、ここだけ妙にジャパニーズ。
右はステージクリア時のパワーアップアイテムの選択。 スマホ初期によく見られたけど、最近は少なくなった、択一制の方式。


洞窟内の地形はランダム生成で、プレイごとに変化。
よって「覚えて攻略」ということは出来ず、プレイヤーのテクニックと慣れが全てです。
得られるショットやパワーアップアイテムもランダムなので、展開はプレイごとに変化し、同じものにはなりません。

ただ、そのために「運」に左右されるゲームであることも確か
どんなアイテムを得られるかは運次第だし、序盤から厳しい地形が出て来ることもあります。
弾切れして落下した時、その下に危険な敵がいるかどうかも運次第。

慣れてくると運次第の状況を避けるコツも分かってくるのですが、慣れないうちはどうしても運ゲーになりがちで、それで難易度もかなり高いので、全く上達できずにあきらめてしまう人も少なくないでしょう。
アクションが苦手な人がパターン化で対処することは出来ないゲームなので、それが面白さであると同時に、人を選ぶ点でもあるでしょうね。

Downwell
※武器アイテムは強化アイテムも兼ねている。 使い辛い武器の場合は、取るかどうか悩みどころ。
1つのエリアは3つのステージで構成されていて、右は3つ目のエリアの水中ステージ。
箱やビンから出て来る泡を取らないと窒息ダメージを受けますが、泡の数が少ないので、必然的にスピードが必要。


Downwell
※iPad だとレイアウトが変わります。 縦画面のゲームですが iPad では横持ち。
そして方向キーとボタンが左右に配置されるレイアウトになります。
こちらの方が画面が見やすく、プレイしやすいですね。


総合的に見て、「ゲームとしてのクオリティ」の高いアプリです。
見た目は地味、特に静止画では全く面白そうに見えないと思いますが、やってみると軽快に楽しめるアクションゲームであることが解り、先に進むとよく考えて作られていることも解ります。
ある程度やり込める人でないと厳しい印象もありますが。

大学生だと、こういう ATARI 時代のようなグラフィックとアクションのゲームは知らないと思うのですが、どういう経緯でこのスタイルに行き着いたのか、ちょっと不思議です。
しかし在り来たりな見た目では目立たないし、このグラフィックだからこそ海外で注目されたというのもあると思うので、これで正解だったのでしょう。

いかにも海外のクリエイターが作ったようなゲームですが、それを日本のクリエイターが作っていることに、今後の可能性を感じます。
ライトユーザーには色々な意味で辛いアプリですが、アクションが好きなスマホゲーマーは、一度やっておくべきゲームでしょう。

Downwell(iTunes が起動します)