病に倒れた父の薬を求めて、長老から授かった地図を片手に、兄弟は村を出た。
それは美しくも奇想天外な旅の始まりだった・・・

SASUKE を楽勝で完全制覇できそうな驚異的身体能力を持つ兄弟が、自然美あふれる風景をバックに道なき道を進んでゆく、童話物語のような 3D アクションアドベンチャーゲームが公開されています。
Brothers: A Tale of Two Sons」です。

元は XBOX Live で 2013 年に公開されていたゲームで、パソコンや PS3/4 版も発売されていました。
Unreal Engine をフル活用した牧歌的で目を見張るほど美しいグラフィックと、2人の兄弟を左右別々のスティックで同時にコントロールする操作が特徴のアドベンチャーゲームです。

価格は 600 円ですが、XBOX や PS 版は 1500 円だったので、むしろお得。
買い切りゲームなので広告や課金は一切ありません。
開発したのはスウェーデンの Starbreeze Studios というメーカーです。

Brothers: A Tale of Two Sons

Brothers: A Tale of Two Sons

2スティック制のゲームで、左スティックで兄を、右スティックで弟を操作します
2人のキャラクターを切り替えながら進むのではなく、同時に動かすのが特徴ですが、謎解きメインのアドベンチャーゲームなので、この操作スタイルでも難しいという事はありません。
一部にアクションが必要な場面もありますが、謎解きを含め、全体の難易度は低めです。

スティックを長押しすると、近くのものに対して何らかの行動を行います。
ロープやレバーならつかみ、物があるなら持ち上げ、人なら話しかけます。
それらは先に進むために必要ですが、物語に直接関係ないものでも色々な反応を見せてくれます。

例えば、ボールを投げたり、楽器を弾いたり、井戸をのぞき込んだり・・・
兄弟で反応が違い、特に弟はイタズラ好きなので、寄り道して色々いじってみるのも楽しいですね。
もちろん謎解きでも、背の高い兄と小柄な弟の身体的特徴をうまく活用する必要があります。

なお、つかんだものを離すときは、画面を二本指タップして下さい。
この操作だけは説明がなく、少し解り辛いので注意。

海外のゲームですが、文字は一切出て来ません。 声も架空の言語になっています。
よって英語が分からなくても問題なく遊べ、物語は映像の演出のみで理解できるようになっています。

Brothers: A Tale of Two Sons
※小川の側の小屋でハープを弾く弟と、それを聞いて喜ぶ老人。
静止画では解りませんが、川の流れも非常に美しいです。
ちなみに兄が弾くと雑音になって老人が悶えますw


Brothers: A Tale of Two Sons
※巨人と遭遇し、おもわず弟をかばう兄。 ファンタジーな世界になっていて、人間でない存在も出て来ます。
ちなみにこの巨人はすごくいい人。


アンリアルエンジンのパワー全開で描かれた風景の書き込みは非常に細かく、何度も足を止めて景色を眺めたくなることでしょう。
のどかな村を抜け、険しい山を越え、機械仕掛けの遺跡を抜け、夜の森に入り、その後も驚くような情景が続きます。

効果音も凝っていて、プレイ前にはヘッドホンの使用を勧められます。
自然の中を散策するゲームとも言えますが、中盤からはアクションシーンも増え、物語に引き込まれていくことでしょう。

クリアまでは3時間ほどで、悩んだり寄り道しまくったりしても4~5時間ほどです。
ただ、スマホ / タブレットのこの手の「ビジュアル重視の散策ゲーム」は映像を作り込んでいる分、ゲーム的にショボいか世界が狭いかのどちらかの場合が多いですが、これは元が家庭用ゲーム機のソフトですし、場面が豊富でゲーム性も十分。
妥協のないクオリティのビジュアルが最後まで続くので、むしろボリュームを感じる内容ですね。

Brothers: A Tale of Two Sons
※巨大な機械仕掛けの水車やクレーンがある謎の古代遺跡。
他にも予想外な光景が次々出て来るので、プレイヤーを飽きさせません。


Brothers: A Tale of Two Sons
※絶壁でクリフハンガーする兄と、その兄にロープでぶら下がっている弟。 握力とスタミナは超人級。

Brothers: A Tale of Two Sons
※そんな超人兄弟なのに、弟は母が水死したトラウマで泳げません。
泳いで進む場面は兄につかまっていないと溺れるので注意。
それにしても、ゆらめく水底の表現が美しいです。

一本道のストーリーのアドベンチャーゲームなので、何度も繰り返し遊べるようなものではありませんが、それでも1つの物語として満足できる内容だと思います。

とにかく自然美あふれるグラフィックだけでも一見の価値があります。
難易度やクリアまでの時間も、景色を楽しみながらストレスなく進んでいけて、最後に「とても良かった」と実感して終われるので、このぐらいでちょうど良い気がしますね。

ゲームという形式を取った1つの映像作品」といった感じの、万人にオススメしたいアプリです。

Brothers: A Tale of Two Sons (iTunes が起動します)