戦車形態、ドローン形態、戦闘機形態に変形する未来のスーパーマルチロールマシンが、迫り来るテロリストから都市を防衛する、美しい 3D グラフィックのアクションシューティングが公開されました。
Battle Supremacy: Evolution」です。

ただ、最初に言ってしまいますが・・・ 私的な評価は芳しくありません
リアルな戦車戦ゲーム「Battle Supremacy」の後継作であり、あの Radiation IslandSky Gamblers シリーズで知られる Atypical Games の新作ですから、期待はしていたのですが・・・
そうでなかったら取り上げず、スルーしてましたね。

しかし注目している方は多いと思うので、どういう内容かを知らせる意味でもレビューしておこうと思います。
600 円の買い切りゲームで、課金や広告は一切ありません。

Battle Supremacy Evolution

Battle Supremacy Evolution

前作の Battle Supremacy は第二次世界大戦の戦車をテーマにしていましたが、今作は未来の戦いで、前作とはマシンもゲームスタイルも全然違います。

機銃はオートマチックで、メインの攻撃はロックオンミサイル
ロックオンは敵の方を向くだけで行われます。
さらに自動操縦も搭載していて、これを ON にすれば目的地への移動や敵への接近もオート。
シールドを搭載しているため回避もあまり必要ありません。

「え? じゃあ何をするの?」と言いたくなったと思いますが、シールド張って、ミサイルボタンを連打していれば OK です。
いやぁ、さすが未来世界。 すべてが自動。

「それって面白いの?」と思われそうですが・・・ えぇ、面白くないです。
グラフィックは良いのですが、それを「見る」だけ。
その映像に関しても、軽快な動きの未来マシンなので、逆に車両の重量感のようなものがなく、軽い感じが否めません。
実際、未来の無人機の戦いは、こんな感じになるのでしょうね・・・

ただ、これらは序盤の戦車形態での話。
最初は変形が制限されているので、こんな感じの簡易的な戦車戦のみが行われますが、ゲームが進めばドローン形態や戦闘機形態も登場してゲームが変わります。

しかし、確かに変わるけど、また新たな問題が・・・

Battle Supremacy Evolution
※戦車戦は敵に遭遇したらシールドを張って、後はミサイルを撃っていればやられません。
3D シューティングなのに自分で狙いを付けないので、敵を倒している感じが乏しいです・・・


Battle Supremacy Evolution
※こちらはドローン形態。 そろそろゲームでも、こうしたドローンが一般的に登場するようになるのでしょうか。

ドローン形態は空中を移動でき、ホバリングも可能。
ヘリコプターのような挙動で、上空からの攻撃が可能なのですが・・・ 操作性が問題

画面左側のスティックは推進・後退・左右平行移動になり、画面右をスライドして視点と一緒に機体の向きを変える形になります。
左前方に行きたい時は、まず左側を向いてから、左のスティックを上に倒して前方に推進します。

つまり右側のスティックが操縦桿、左のスティックがアクセルとバックになる訳ですが、戦車形態の時は左側がハンドルで、推進とバックも兼ねていたため、メインのコントロールが何の説明もなく左から右に変わります。

フライトシミュレーター的な操作になる訳ですが、そういう操作を知っている私でもかなり戸惑ったぐらいで、それを知らない方だと「全然思うように動かねぇ!」となること請け合いです。
最近はこういう操作スタイルのゲームは減っていますしね。

で、「こういう時こそ自動操縦の出番だ!」と思ったら、自動操縦は射線と障害物を考慮しないので、ビルの向こうの敵を狙ったまま制止したりする。 これじゃあ撃っても当たらない。
しかも微妙にこちらの攻撃が当たらない距離で止まってしまい、集中砲火を浴びたりする。
ちょうどドローン形態で戦うぐらいのタイミングで建物だらけの市街戦になるので、肝心な時に役に立たない。

iTunes のレビューでは操作性に対する批判が続発していますが、それはコレのせいですね。

戦闘機形態は高速移動が可能ですが、早すぎて行き過ぎてしまう事と、地表付近の敵を狙い辛いため、移動と一部の空中戦の時しか使いません。

Battle Supremacy Evolution
※戦闘機形態の時は、同社の空中戦のゲームと同じような感じになります。
ただ、出番は多くないですね。


Battle Supremacy Evolution
※巨大な敵施設を攻撃するシーン。 ステージによってはこうした特殊なターゲットが登場します。

結果、戦闘が自動すぎて面白くない、操作が解り辛い、リアルさを感じないなどの影響で、どうにも楽しめないのが本音です。

100 以上のミッションがあることもウリになっていますが、ストーリー性があるのは最初の 12 ステージのみで、以後は同じような汎用ステージが延々と続きます。
ステージ数だけ水増ししている感じ。
まあ、最初の 12 ステージが本編で、残りはやり込み要素と考えれば良いのですが・・・

操作に慣れてステージが進み、難易度も上がって来ると、横移動で敵の攻撃をかわしながら迎撃する必要も出て来るので、相応に遊べるようになって来ます。
ただ、それでもあまり戦闘の臨場感があるゲームではありません。
静止画で見るとグラフィックは本当に綺麗なのですが。

Sky Gamblers シリーズも、ロックオンとホーミングミサイルで戦う Air SupremacyCold War より、機銃で狙い撃つ Storm Raiders の方が面白くて評判も良いので、やはりこの手のゲームは、あまり近代化し過ぎていない方が良いのでしょうね。

Battle Supremacy: Evolution(iTunes が起動します)