ゲームを進めながら自分のデッキ(山札)にカードを加えていく、「デッキ構築型ゲーム」というシステムを創始した、世界大会も行われている有名カードゲーム Dominion(ドミニオン)

2009 年には専門家による表彰「ドイツ年間ゲーム大賞」、愛好家による投票「ドイツゲーム賞」、カードゲームの最高表彰「アラカルト・カードゲーム賞」、その他数々の表彰を総ナメにしています。
その公式アプリが、ようやく iOS に登場しました。
Dominion」です。

ただし、現時点(2015/12)では iPad 版のみですので悪しからず・・・

このアプリ、iPhone 史上最大の「出る出る詐欺アプリ」でした。
当初は非公式なドミニオンアプリが公開されていて、完成度も悪くなかったのですが、公式ライセンスを得た会社からのクレームで早々に削除。
その後、そのアプリを取り込む形で iOS 版の開発が行われていたのですが、何度もスクリーンショットや開発状況が発信されるも、発売に至る気配なし。

そして1年ほど経ち、誰もが忘れた頃に「iPhone のドミニオンも公開されたよ!」というアナウンスが出たのですが、それは「PC 版を iPhone や iPad でも遊べるよ」という話で、当然タッチパネルに最適化されていないので操作性もレスポンスも悪い。
フザケンナとクレームが出る中、とうとうアプリ版の話は一切語られなくなってしまいました。

それから数年・・・ 派生作の たんとくおーれ の方が先に発売されてしまい、PC 版も初期バージョンの運営が終わって、このまま消えてしまうのかと思っていたら、その後に公開された PC 版「Dominion Online」の移植となる iPad 版が、先日いきなり公開されました。

余談が長くなりましたが・・・ ともあれ PC で運営されているものがベースなので、ちゃんと作られているし、数多く登場した拡張セットのカードも網羅されています。

アプリ本体は無料で、課金しなくても基本セットのドミニオンなら十分楽しめます。
ゲーム終了後に全画面広告が出て来ますが、スタミナなどはありません。
ただ、詳細は後述しますが・・・ 拡張セットの値段はビックリするぐらい高いのでご注意を。

Dominion ドミニオン

Dominion ドミニオン

ドミニオンは「コイン」のカードを使って、「アクション」や「勝利点」のカードを集めていくゲームです。

各プレイヤーは自分のデッキから5枚のカードを引いて手札とし、コインのカードを出して、場にあるコイン・アクション・勝利点のカードを購入します。
コスト4、つまり価格が4のカードなら、手札にあるコイン1のカードを4枚出せば買える訳ですね。
コイン2のカードなら2枚出せば購入できます。

アクションカードには、カードを3枚引ける「鍛冶屋」など様々な効果のものがあります。
アクションカードの使用とカードの購入は1ターンに1回ずつしか行えませんが、そのターンのアクション使用回数を増やす「村」、カード購入数を増やす「木こり」などを使えば、複数の行動を行えます。
もちろんそのためのアクションカードも、事前に購入しておく必要がありますが。

買ったカードは「捨て札」に移されます。
「買ったのに捨てるの?」と思われそうですが、ドミニオンは山札がなくなったら、捨て札をシャッフルして新しい山札にします。
つまり捨て札は「後から手札に戻ってくるカード」という事になります。

自分のターンが終わったら、手札はすべて捨て札にして、山札からまた新たに5枚のカードを引いて手札にします。
このため手札は、そのターンに使えるだけ使って構いません。
このアプリでは、まずアクションカードを使用して、その後にカードの購入を行います。
購入時に「PLAY TREASURES」のボタンを押すと手元のコインカードが全部場に出されるので、普段はこのボタンで一括して出してしまいましょう。

ゲームの目的は緑色の「勝利点カード」を買い、点数を貯めることです。
ただ、勝利点カードは使用することは出来ません。 手札に来たら、単に邪魔なだけ。
よって集めなければならないのに、集めるほどデッキに余計なカードが増えてしまうことになります。

デッキのカードが少ないうちは、それぞれのカードが頻繁に手札に戻ってくる訳ですが、デッキの枚数が増えるほど各カードの回転率は下がっていきます。
これを考慮し、必要なカードを必要なだけデッキに加え、要らないカードを取り過ぎないようにして、勝利点カードは準備が整ってから獲得していくのが、ドミニオンの基本的な戦略になります。

アクションカードの中には、コインカードの価値を上げる「鉱山」、カードを完全に破棄する「礼拝堂」といったものもあります。
これらを使ってコイン1のカードを減らし、2や3のコインカードに変えて、デッキを圧縮するのも戦法の1つですね。

ゲームは「勝利点6」のカードが全部なくなるか、それ以外の3種類のカードがなくなる(売り切れる)と終了で、その時にもっとも勝利点が高い人が勝者です。

Dominion ドミニオン
※鉱山カードを使うと手札が燃える。 こういう演出は良いですね。
ちなみに燃えているのは、そのカードを破棄することを表わしています。


Dominion ドミニオン
※1人用モードのエリアマップ。 こういうモードがあると長く楽しめて良いですが・・・
ただ、後半ステージに行くにはカードのセットの購入が必要。


アプリのクオリティは相応に高く、手札は扇状に広げられていて、カードの移動も解りやすいです。
手札はドラッグでもタップでも出すことができ、操作性も問題ないですね。
効果音は少なく、BGM も2曲が交互に流れるのみですが、カードの絵は細かく描かれています。

ゲームはオンライン対戦と1人用のキャンペーンモードに別れていて、キャンペーンがあるのは嬉しいところ。
チュートリアルをクリア後、20 ステージで構成されているエリアをクリアしていきます。
無料版では3つのエリア、計 60 ステージをプレイ可能です。

オンライン対戦は PC 版のプレイヤーとも対戦できるようで、人が多くマッチングも早いです。
対戦中のレスポンスも快適で、この辺はさすが PC のオンライン版の移植と言ったところ。

しかしこのアプリ、ゲーム以外の部分に難点が多いです・・・
まず、ネットに接続されていないと1人用モードさえプレイできません。

1人用の時でも頻繁にサーバーとの通信を行っているようで、短時間でも接続が切れるとすぐに再接続のメッセージが表示されます。
そしてこの頻繁な通信の影響か、バッテリーの減りもすごく早い。
そんなに高度なグラフィックが使われている訳でもないのに、気が付くとなくなっています。

そして課金。 基本セットで遊んでいるうちは無料でも問題ないのですが、キャンペーンで拡張セットが必要なステージに進むには、150 ゴールドでカードセットを買わないといけません。
「150 円なら安いんじゃない?」と思うなかれ・・・ 160 ゴールド分の課金で、お値段 1900 円。

拡張セットは合計8種類あり、一括購入も用意されているのですが、1115 ゴールド必要。
そして 1200 ゴールド分の課金額は、なんと 10,800 円!
いやー、タダより高いものは無いですね。

まだ iPad 版しか無いこと、メッセージが英語なことも難点と言えるでしょうか。
ただ、基本のカードセットのみで遊ぶ場合は、カードの種類はそんなに多くないので、英語でもあまり問題はありません。

Dominion ドミニオン
※通常ゲームの設定画面。 ここで人のマークを選んで SEEK のボタンを押すと、マッチングが行われてオンライン対戦に入ります。 右の空白はチャット欄。
使用するカードセットの選択もありますが、拡張カードセットを買っていない場合は常に基本セットでの対戦になるようです。
脳みそマークを選んだ場合は AI と対戦できますが、それでもネット接続は必要。
「CHALLENGE OTHER PLAYERS」は任意のプレイヤーと、任意のカード設定で対戦できます。


Dominion ドミニオン
※豊富な拡張カードセットが一通りそろっているのはファンには嬉しい点ですが、値段が・・・
もちろん実物のカードを買うよりは安いんだけど・・・


やや作りが甘い点もありますが、しっかりドミニオンを楽しめるアプリであり、全画面広告は出ますが動画広告はまだなく、基本セットで遊ぶ範囲なら無課金でも問題ありません。
オンライン対戦をするにはアカウント登録が必要ですが、ユーザー名とパスワードだけで OK です。(メールアドレスの登録は任意)

近代のカードゲームを語るには外せない作品です。
iPad が必要ですが、ドミニオンの経験者はもちろん、ドイツゲームやカードゲームが好きな人は、一度試しておきたいアプリでしょう。

なお、PC 版の移植なので、パソコンでも同様のものがプレイ可能です。
iPad がない人はそちらでやってみる手も・・・?

Dominion (iTunes 起動、iPad 専用)
Dominion Online(PC 版ページ)


【 ドミニオン : 基本カードセットの初心者向け解説 】

順番はチュートリアルで出て来るものを優先し、それ以外はコスト順にしています。
コインと勝利点以外のカード(王国カード)は、ゲームに出て来るのは 10 枚です。
どれが選ばれるかは解りません。

・コインのカード
右上に並んでいる、カードを買うためのコイン。1・2・3がある。
それぞれに Copper(銅貨)、Silver(銀貨)、Gold(金貨)という呼び名があり、カードの説明文で使われている。
これらのカードは Treasure(財宝)カードとも呼ばれ、黄色になっている。

・勝利点カード
左上に並んでいる、勝利点を獲得するためのカード。1・3・6がある。
それぞれに Estate(屋敷)、Duchy(公領)、Province(属領)という呼び名があり、カードの説明文で使われている。
これらのカードは Victory(勝利点)カードとも呼ばれ、緑色になっている。

・Smithy(鍛冶屋):コスト4
山札からカードを3枚引く。

・Village(村):コスト3
そのターンのアクションカードの使用可能数が2増える。
(このカードの使用で1枚分使うので、実質 +1)
さらに山札からカードを1枚引く。

・Woodcutter(木こり):コスト3
そのターンのカード購入可能数が1増える。
さらにそのターンのコインが2増える。

・Witch(魔女):コスト5
他のプレイヤー全員に「呪い」カードを1枚ずつ与える攻撃カード。
さらに山札からカードを2枚引く。

・Curse(呪い)
魔女カードによって無理やり取らされるカード。 勝利点 -1。
これがデッキに入ることでカードの回転率も悪化する。

・Moat(堀):コスト2
攻撃カードを使われた時、手札にこのカードがあれば無効化できる。
無効化してもこのカードは手札に残る。
自分のターンに使うと山札からカードを2枚引ける。

・Mine(鉱山):コスト5
手札のコインのカードを1枚破棄して、それが1なら2のコインに、2なら3のコインにすることが出来る。(3は破棄しても意味がない)
カードの枚数を増やさずにコインを強化できる。

・Gardens(庭園):コスト4
勝利点カードの一種で、ゲーム終了時に持っているカードの合計数 10 枚あたり、1点の勝利点を得られる。 端数切り捨て。

・Chapel(礼拝堂):コスト2
手札から最大4枚までのカードを「破棄」できる。
破棄は捨てるのではなく、ゲームから消滅させるので、もう手札には戻ってこない。

・Throne Room(玉座の間):コスト4
指定したアクションカードを2回連続で使用できる。

・Adventurer(冒険者):コスト6
山札からコインカードを2枚得る。
正確には、2枚のコインカードが出るまで山札が引かれ、そのコインが手札に加わり、コイン以外の引かれたカードは捨て札になる。

・Cellar(地下貯蔵庫):コスト2
手札の中の好きなカードを捨てて、その分だけカードを引き直せる。
このカードは使用してもアクションカードの使用可能数が減らない。
(アクション+1 なので、使用時に -1 されて、差し引き 0)

・Workshop(工房):コスト3
コスト4までの好きなカードを1枚購入できる。

・Chancellor(宰相):コスト3
そのターンのコインが2枚増える。 さらに、自分の山札のカードを全部捨て札にすることが出来る。
つまり、デッキをすぐシャッフルできる。
シャッフルしない選択も可能で、その時は単にそのターンのコインが増えるだけ。

・Remodel(改築):コスト4
手札のカードを1枚「破棄」して、そのカードのコスト +2 までの好きなカードを1枚貰える。
破棄なので捨てたカードはデッキから消える。

・Moneylender(金貸し):コスト4
手札にあるコイン1のカードを1枚破棄し、そのターンのコインを3増やす。
コイン3のカードを貰える訳ではないので注意。

・Feast(祝宴):コスト4
コスト5以下の好きなカードを1枚貰えるが、使用後にこのカードは「破棄」する。
コイン1枚分お得。

・Thief(泥棒):コスト4
攻撃カード。 他のプレイヤーは山札からカードを2枚引き、その中にコインのカードがあった場合、泥棒使用者がそのうちの1枚を破棄させることが出来る。
さらに、破棄されたコインカードを好きなだけ泥棒使用者は貰うことができる。
なお、破棄されなかったカードは捨て札になる。

・Spy(密偵):コスト4
攻撃カード。 まず、山札からカードを1枚引ける。
その後、使用者は山札からもう1枚カードを引き、それを捨てる(DISCARD)か山札に戻す(PUT BACK)かを選べる。
さらに他のプレイヤー全員も山札からカードを1枚引き、それを捨てるか山札に戻すかを密偵使用者が選ぶことができる。
このカードは使用してもアクションカードの使用可能数が減らない。
(アクション+1 なので使用時に -1 されて、差し引き 0)

・Militia(民兵):コスト4
攻撃カード。 まず、そのターンのコインが2増える。
さらに、他のプレイヤーは手札が3枚になるまで、手札を捨てなければならない。

・Bureaucrat(役人):コスト4
攻撃カード。 まず、コイン2のカードを1枚貰える。(捨て札に移す)
その後、他のプレイヤーは手札にある勝利点カードを1枚、自分の山札の上に置く。
つまり、次のターンもその勝利点カードを引いてしまうことになる。
勝利点カードが手札になかった人は、手札が公開されるだけで何も起きない。

・Market(市場):コスト5
そのターンのコインが1枚増え、山札からカードを1枚引き、カードの購入可能数も1増える。
このカードは使用してもアクションカードの使用可能数が減らない。
(アクション+1 なので使用時に -1 されて、差し引き 0)

・Council Room(議事堂):コスト5
山札からカードを4枚引く。 さらにそのターンのカード購入可能数が1増える。
ただし、他のプレイヤーも全員山札からカードを1枚引ける。

・Laboratory(研究所):コスト5
山札からカードを2枚引く。
このカードは使用してもアクションカードの使用可能数が減らない。
(アクション+1 なので使用時に -1 されて、差し引き 0)

・Festival(祝祭):コスト5
そのターンのコインが2増え、カード購入可能数も1増える。
このカードは使用してもアクションカードの使用可能数が減らない。
(アクション+1 なので使用時に -1 されて、差し引き 0)

・Library(書庫):コスト5
手札が7枚になるまで山札からカードを引く。
この時、アクションカードが出た場合は、それを手札に入れるか(PUT IN HAND)、スルーするか(SET ASIDE)を選べる。

※拡張カードセットのものを含む、ドミニオンのカード一覧は以下のページで公開されています。
http://suka.s5.xrea.com/dom/list.cgi