雇われのスナイパーとなってテロリストを狙い撃つ、カジュアルな狙撃型ガンシューティングをゲームロフトが公開しています。
スナイパーフューリー」です。

このゲーム、その名前からてっきり「Hitman: Sniper がヒットしてるから、それを模倣しようとしたんだろう」と思っていたのですが・・・
おもいっきり違ってました。

このゲームが模倣したのは、動物や恐竜を狩る Deer Hunterディノ・ハンター の方でした。

Deer Hunter 系はほぼ無抵抗な動物を銃で撃ちまくる、1ステージが早ければ数秒で終わる程の、手軽でサクサク進むカジュアル 3D ガンシューティングです。
ですからスナイパーフューリーも、手軽にサクサクと人間を射殺するカジュアルな 3D ガンシューティングになっています。

「それって酷すぎない?」と思った方もいると思いますが・・・ えぇ、酷いです。
ただ、民間の婦人も射殺対象であった Hitman: Sniper と違い、こちらは相手が軍人やテロリストなので、その点ではまだマシなのかな・・・

アプリ本体は無料で、動画広告などはありませんが、スタミナ制で課金要素は多いです。
ゲームロフト久々の大型タイトル(だと思っていた)ので、早めにご紹介したいと思いますが、本格的な FPS とかリアル系スナイパーゲームではないので、その点は(私みたいに)間違えないように。

スナイパーフューリー

スナイパーフューリー

移動はなく、ターゲットに照準を合わせ、銃で射殺するのみのシンプルなガンシューティングです。
ズームを調整するスライダーがあり、これで画面を拡大 / 縮小しながらターゲットを狙います。

ステージによっては赤外線スコープも使えますが、Deer Hunter みたいに脳や心臓を狙うために使うのではなく、物陰や吹雪などに隠れて見辛くなっているターゲットを判別するのに使用します。

ほとんどのステージはテロリストを数人倒せばクリア。
ステージによっては1人か2人の敵を倒すだけで終わるので、30 秒かからないこともあります。
物足りなさを感じるかもしれませんが、サクサク進むテンポの良さも、この系統の長所でしょう。

ただ Deer Hunter と違って相手が人間ですから、向こうもバリバリ銃を撃ってきます。
自分が撃たれて死ぬことは普通なく、制限時間が切れるまでやられることはないのですが、ステージによっては護衛対象がいる場合があり、この時は味方がやられる前に敵を倒していかないとミッション失敗になってしまいます。

ステージによっては狙撃ではなく、アサルトライフルで正面切って敵と撃ち合う場合もあります。
「ぜんぜんスナイパーじゃないじゃん」と思うかもしれませんが、Deer Hunter や ディノ・ハンター にもマシンガンで動物を撃ちまくるステージがありましたから、それを踏襲している感じですね。

スナイパーフューリー
※赤外線サーモで敵を識別中。 ステージ1は寒冷地帯なので、これを使わないと吹雪で敵が見辛いこともあります。
さすがに相手が人間なので、脳や心臓を狙って撃つようなことはありません。
最後の敵を倒す時には、銃弾を追いかけるダイナミックなカメラワークもあります。


スナイパーフューリー
※アサルトライフルで敵を銃撃するシーン。 敵もバンバン撃ってきますが、強力な主人公補正により時間切れまで弾は食らいません。
遮蔽物に隠れたりせず、たくさんの敵が道のど真ん中に立って銃を撃ってくる様子は、昭和のガンシューティングを彷彿とさせます。


ステージは「ストーリーミッション」と、いくつかの「サブミッション」に別れています。
これは Deer Hunter もそうだったのですが、メインミッションは「銃のパワー」が一定値以上ないとプレイ出来ず、足りない場合は強化して来なければなりません。
もちろん強化するには資金が必要なので、サブミッションを繰り返して稼ぐ必要があります。

そのため Deer Hunter 系のパワーアップは、パワーアップというより「ゲームの進行に必要な作業」です。
正直、パワーアップしている感じが全くなく、むしろ進行の足かせでしかない印象で、海外ではよく見られますが、このシステムは好きになれませんね。

また、強化の途中で「素材」と「ゴールド」を要求される場合があります。
素材はサブミッションを繰り返していれば得られますが、ゴールドは一定時間ごとに基地から回収するか、「他プレイヤーの基地」を襲撃して収奪しなければなりません。

クラクラ系のような開発と襲撃の要素がある訳ですが、開発といっても守備メンバーを配置するだけです。
似たシステムは ダーククエスト5 にもありましたが、取って付けた感じが否めませんね。

ダーククエスト5は海外では成功しているゲームなので、その要素をセルフコピーしたという事だと思いますが、私的にはそれでなくてもサブミッションで消費されるスタミナが基地の襲撃でも必要になるので、面倒に感じるのが本音で、Deer Hunter 系のテンポの良さも損なっている気がします。

スタミナは5分で1回復し、最大値は 10。
少ない訳ではありませんが、1プレイの時間が短いゲームなので、短時間でなくなりがち。
基地襲撃には3も消費してしまいます。
まあ、少なすぎるという程ではない気もしますが。

銃は基本のものはゲーム内の資金で買えますが、大半は課金通貨でないと購入できません。
他のゲームの広告はありませんが、これら「課金装備のセール広告」は起動するごとに表示されます。
必須ではありませんが、課金用の消費アイテムや、課金ガチャで手に入る基地の守備メンバーなどもあり、素材を使う強化には海外の悪しき伝統「パワーアップ待ち時間」も存在します・・・

まあ、本体無料だから仕方ないし、この辺も Deer Hunter 系を踏襲していると言えばそうなのですが。

スナイパーフューリー
※基地の設定画面。  守備メンバーはドロップやガチャで入手、守備ドローンは課金通貨で配備します。
これらのメンバーで、貯まっていくゴールドを他プレイヤーから守りますが、防衛に成功してもその戦いの模様を見られる訳ではありません。


スナイパーフューリー
※武器を強化しないと先に進めない。 よって、ほぼ基準の強さの武器で戦うことになるので、強くなったのをほとんど実感できません。 課金武器なら別かも知れないけど。
強化にはゴールドも必要なので、他プレイヤーの基地の襲撃も必要。
無課金武器は最大まで強化しないと、次のエリアに進むためのパワー条件を満たせません。


スクリーンショットだといかにも本格 FPS のように見えるので、リアルな銃撃戦を期待してしまいがちですが、そういうものではありません。
敵の動きにもリアルさがなく、Hitman: Sniper のように銃撃に驚いて逃げ出すとか、そういう細かい表現はありません。

ただ、Deer Hunter や ディノ・ハンター はマニア専用になってしまった FPS からあえて離れ、徹底してカジュアルにガンシューティングを作ったことで、世界的な大ヒットになりました。
ですからこういうアプローチも悪くないのでしょうし、こちらの方が好きという方もいると思います。

悪い意味での洋ゲー的な課金システムのゲームでもありますが、無課金でも進められない訳ではありませんし、手軽なガンシューティングがやりたい方には悪くないと思います。
また「ゲームロフトのパクリゲー」とか言われそうなアプリの気もするけど。

スナイパーフューリー(iTunes が起動します)