細密に描かれた美しい 3D の風景をバックに、連合軍の戦闘機が超兵器満載のスーパーナチスドイツや特大日本帝国を破壊しまくる、高クオリティな縦スクロールシューティングゲームが登場しています。
AirAttack 2」です。

1作目の「AirAttack」はまだ Unity がゲームエンジンとしてそこまでメジャーではなかった 2010 年に登場し、「スマホの Unity でここまで出来る」というのを実証したアプリで、その功績を Unity から表彰された、近代のゲーム史における重要な作品の1つです。

そのためか今作も Unity のパワーをフル活用したグラフィックと演出が特徴で、破壊の美しさと楽しさが重視されている印象ですね。
シューティングとしては前作同様、やや大雑把な印象がありますが、弾幕シューティングのような細密な弾よけを要求されるゲームではなく、難易度も低めのため、誰でも楽しめる内容に仕上がっています。

360 円の買い切りアプリで、スタミナや広告はありません。
課金通貨っぽいものはあるのですが、実際には課金がないため、現時点では地道なゲームプレイで貯めるしかありません。
開発したのは東欧、スロバキアのメーカーです。
なお「Air Attack 2」(Air と Attack の間にスペースがある)という全く無関係で高額のアプリがあるので注意して下さい。

AirAttack 2

操作は指のやや上に自機が位置するタッチ操作と、指の場所に関わらず動かした方向に自機が移動する相対移動の双方を選べます。
どちらも操作性は良く、初期設定はタッチ操作なのですが、このゲームはタッチ操作のままでも割と快適にプレイできますね。

ショットは自動で、画面をもう一本の指でタッチするとボムを投下します。
ボムは地上の敵や建物を攻撃できる強力な武器ですが、ほぼ真下に投下するため、砲台などに当てたい時はスキを見て接近する必要があります。

自機の当り判定はかなり大きく、羽の端の方に弾が当たっても被弾してしまいます。
その代わり耐久力が高く、何発も弾を食らっても大丈夫で、しかも HP 回復アイテムが頻繁に出ます
耐久力と回復で突き進む、欧米らしいゴリ押しシューティングですね。

ただゴリ押し型ではありますが、敵の攻撃はちゃんと回避可能な程度であり、覚えてないとかわせないような無茶な攻撃は(メインステージには)ほとんどありません。
この手の欧米型ゴリ押しシューティングは、ゴリ押し型で無理にバランスを取ろうとして、無茶な攻撃を連発してくる傾向があるのですが、このゲームはそんな無理な作りにはなっていません。

そのぶんゲームの難易度はかなり低く、シューティングに慣れている人だと初見でラストまでストレートにクリア出来てしまう程度なのですが、このゲームは演出とグラフィックがメインだと思うし、シューティング初心者でも楽しめるので、これでもまあ良いかなと思います。

とにかくグラフィックが素晴らしく、敵機を撃破すればバラバラになって落ちていくし、ボムを建物に撃てばヒビが入り、破片を散らせながらリアルに崩れていきます。
走っている車が他の車にぶつかって事故ったりするし、列車は鉄橋を壊せば落ちていくし、あまりにもリアルな表現のおかげで破壊する楽しさが倍増しています。
この破壊の作り込みはホント感心します。

AirAttack 2
※左は崩壊しかけているブランデンブルク門。 右はボスの巨大航空機がバキっと折れているところ。
とにかく「破壊の美学」なゲームです。 爽快感さえ感じますね。


AirAttack 2
※ボスの空飛ぶ円盤登場! UFO ではありません。 史実でドイツが開発していた飛行兵器ハウニブです。
他にもトリープフリューゲルや秋水、震電など超兵器が続々登場。
右は巨大戦艦。 3D モデルの作りがすごい。


ステージは連続でプレイする訳ではなく、1ステージクリアするごとにセレクト画面に戻ります。
開始前にはパワーアップ画面が表示され、ゲーム中に回収したコインでショットやボムの強化、補助武装の購入などを行えます。

ただ、このパワーアップがややイマイチな部分でしょうか。
ショットやボムは強化してもあまり大きくはパワーアップせず、補助武器は消費アイテムで、しかも使い捨てるには値段が高いので、そんなの普通は購入しない。
ホーミングミサイルは永続的な追加装備ですが、やたら高額な割に大して強くない。
護衛機は特殊通貨(課金通貨っぽいもの)でないと購入できない場合が多く、こんなものに使うなら新機体を買う。
(しかも現時点では課金がないのであまり貯められない)

そして何より、前述したようにゲームの難易度が低いので、それほどパワーアップしなくても普通に進める
まあパワーアップしなくても進めるのは、地道にパワーアップしないと敵が硬すぎてどうしようもなかった Sky Force 2014 より良い気がしますが。

また、メインステージクリア後もスコアアタックが楽しめる「サバイバル」ステージがあるのですが、ここの敵の攻撃がかなりムチャ。
画面の後方や真横から敵機が次々と出て来るため、パターンを覚えていないとまともに進めません。
スマホシューティングは下部に指がありますから、その死角からも攻撃を受けてしまう。

サバイバルはメインステージが終わった人のために作られているのだと思いますが、難しくするやり方が残念な感じですね。

AirAttack 2
※左がパワーアップ画面。 ただ稼がなければならない資金の割には、強化具合が乏しい。
まあ強化要素が全くないよりは良いのですが。
右はサバイバルステージで、日本の町を無差別爆撃します。
ただニッポンだからか、敵がナナメ後方から編隊を組んで突っ込んでくるので、出て来るタイミングを覚えておかないとどうしようもないです。


やや気になる点もありますが、かなり楽しめる縦スクロールシューティングです。
難易度が低めとは言え、ステージ数は今の時点(2015/12)でも 22 もあり、多彩な背景と演出、奇想天外なボスが待ち受けています。
それらを楽しむゲームとして、十分な内容ではないでしょうか。

また、各ステージで高評価クリアをしようとすると、これはかなり難しいです。
というか、自機が十分に強化されていないとムリ。
ずっと特殊武器を使える特殊ステージなどもあるし、相応にやり込めるゲームにはなってますね。

とにかく今作も、Unity のパワーを実感できるゲームです。
最新スマホのパワーを手頃な難易度のシューティングで体験できる、お勧めのアプリです。

AirAttack 2(iTunes が起動します)