宝石が描かれたチップやカードを取り合う、シンプルながら思考性の高い、宝石商をテーマにしたドイツゲームがスマホ用のアプリになっています。
Splendor」(宝石の煌めき)です。

専門家が決める「ドイツ年間ゲーム大賞」で 2014 年のノミネート作になっており、ファン投票で決まる「ドイツゲーム賞」では 10 位でした。
コインでカードを買って集める系」のボードゲームで、見た目もオシャレ、アプリのクオリティも高いですね。

価格は 840 円で、やや高め・・・ と言いたいところですが、Apple の価格改定を加味するとドイツゲーム系アプリとしては相場でしょうか。
もちろん広告や課金はありません。

Splendor 宝石の煌めき

プレイヤーは2~4人。
ゲームが始まると5色の「宝石チップ」と、16 枚の「発展カード」、さらに「貴族カード」が並べられます。

プレイヤーは自分の番に、まず宝石チップを「3色を1枚ずつ」か「同色を2枚」取得します。
ただし同色を2枚取る時は、その色のチップが4枚以上残っていなければなりません。
どの色の宝石を取るかは自由です。

再び順番が回ってきたら、場に出ている発展カードを、宝石チップで買うことが出来ます。
発展カードには「青3 緑1 白1」のように必要となる宝石が書かれていて、その分だけ宝石チップを支払えば購入(Purchase)できます。
宝石が足りない場合や、欲しいカードがない場合は再び宝石チップを取ります。

1ターンに出来る行動は1つだけで、「チップを取ってすぐカードも買う」ということは出来ません。
カードが買われた場合、場のカードはすぐ山札から補充されます。

そして発展カードには、宝石が1つ描かれています。
それが緑の宝石である場合、それを持っていると、以後カードを買う時に緑の宝石が1つ割引されます。
つまり「緑3」で買えるカードは、「緑2」で買えるようになる訳です。
もし緑の宝石が書かれた発展カードを3枚持っている場合、緑3のカードは無条件で購入できます。
よって発展カードがあればあるほど、カードを購入しやすくなっていきます。

発展カードには勝利点も書かれていて、これが 15 点に到達した人の勝利。
ただ、勝利点が付いているカードは必要な宝石が多く、いきなり買うことは出来ません。
勝利点のない、安い発展カードを集めて、購買力を高めてから狙う必要がありますね。

画面端に並べられている貴族カードも勝利点を得られるもので、書かれている宝石の条件を満たした人が入手できます。
ただしこの条件は、発展カードに書かれた宝石のみで満たさなければなりません。
「赤4 黒4」なら、赤と黒の宝石が書かれた発展カードを4枚ずつ所持しておく必要があり、宝石チップは無効です。

貴族カードはそれぞれ1枚ずつしかないので、早い者勝ちです。
中盤からは貴族カードの入手に必要な発展カードを狙っていくことになるでしょう。

Splendor 宝石の煌めき
※発展カードは下段は安く、上段は高価。 上段が買われることはあまりなく、下段の取り合いになります。
最初は取れる端から取って、ある程度集まってからその後の方針を決めましょう。
なお、宝石チップは 10 枚しか所持できず、オーバーしたらその場で捨てることになります。


そしてもう1つ、確保(Reserve)というルールがあります。
場にあるカードを、他の人が手出しできないよう自分の手元に置いてしまうもので、言葉は悪いですが「つばを付けておく」といった感じですね。
このアクションを実行すると、オマケとして金塊チップも1つ貰えます。
これはオールマイティの宝石チップとして使えます。

確保しても買った訳ではないのでカードの効果は発揮されませんが、どうしても買いたいカードがあって人に取られたくない時や、相手に取られるとヤバいカードがある時などに、対抗手段として利用できます。
このアクションを行うとカードの購入や宝石チップの入手が出来ないので、4人プレイだと後れを取るだけになりがちですが、少人数の場合は互いの状況を把握しやすいため、妨害も時には有効です。

カードの動き、ビジュアル、BGM などが良く、スマホ / タブレット用のドイツゲームとしては優れたアプリですが、唯一にして大きな欠点は AI が弱いこと・・・

AI には Secret behavior(悟られない行動)、Balanced(バランス型)、Specialzed(集中型)、Opportunistic(日和見)の4種類があるのですが、強弱はありません。
で、正直、負けたことがない・・・

2~4人プレイを一通り行った後、4人プレイを数回試しましたが、ずっと1位です。
こういうのは勝ち負けがあるから、もしくはなかなか勝てない相手に工夫して勝つから面白い訳で、いきなりずっと勝っていると飽きてしまいます。
まあ、たまたま巡りが良かった可能性もありますが、少なくとも強くはないですね・・・

人との対戦は本体を交互に使って行う形式で、オンライン対戦はありません。
ソロプレイ用の「チャレンジ」というモードがありますが、様々な条件下で、一定ターン以内に規定の勝利点を稼ぐソリティアになっています。
正直、対戦ではないので面白味に欠けますね。

Splendor 宝石の煌めき
※発展カード選択時、Purchase にドラッグすると購入しますが、右下の Reserve にドラッグすると確保になります。
2人プレイで「相手にそのカードを取られたら貴族をゲットされてしまう」という時などに有効。 ただし確保は3枚まで。
対人戦だと「1位を妨害するために、みんなで特定の宝石のカードとチップをがめてしまう」みたいな戦法を取ることも出来そうですが、AI が相手だと無理ですね・・・


Splendor 宝石の煌めき
※集計画面。 とにかく 15 点になれば勝利。 貴族よりも勝利点の高い発展カードもあるので、必ずしも貴族カードが必要な訳ではありません。
なお、正確には「誰かが 15 点になった後、1巡したら終了」なので、その1巡の間に誰かが 16 点以上になったらそちらが逆転します。


オリジナルの Splendor(宝石の煌めき)は駆け引きが重要なゲームだったようで、コンピューターゲームでは再現しにくかったかもしれません。
しかし手頃な時間で決着が付き、ルールが複雑でなく、見た目も綺麗で、優れたドイツゲームなのはやっていて感じます。

カードやチップが大きめで、細かい文字もないため、スマホでもプレイしやすいのもありますね。
この手のゲームの初心者の方には良いのではないでしょうか。

近年のボードゲームの秀作の1つです。
ドイツゲーム系が好きな人なら、押さえておきたいアプリでしょう。

Splendor(iPhone 版、iTunes 起動)

Splendor(Android 版、Google Play へ移動)
Splendor(PC 版、Steam へ移動)

※Youtube プレイ動画(BoardGameGeek)