メタボ体型のさえない中年勇者が一筆書きでダンジョンを攻略・・・ するゲームを作っていく、ドットグラフィックがユニークなソーシャル RPG が登場しています。
勇者ヤマダくん」です。

数々のイベントでプロモーションを行い、販売は DMM が担当、開発中の頃からハデな広報が展開されていた、独特なノリを持つ曰く付きのゲームですね。

ただ、忌憚なく言わせて貰いますと、そのノリが・・・ イタい。 イタすぎる。
パンツ一丁で「チンチン」を連呼する中年男性が主人公という点ですでに独特ですが、それより何より効果音が「声」ってところが聞いててイタい。

ボイスがネタ丸出しなゲームは他に おしり前マン などがありますが、そちらがまだギャグという感じなのに対し、こちらは「がんばって騒いでるけど面白さのツボがズレているシロウトの Youtube 動画を延々と見せられている感じ」です。

もちろん感じ方は人によりますし、慣れればユニークで良いかなと思えてくるのですが、慣れるまでは折れそうになる心を必死で支えなければならない精神的耐久力を試される葛藤ゲーでしたね。

ですがゲーム自体は良いと思います。
序盤はソシャゲ感を強く感じましたが、中盤からのゲーム性には「ゲームクリエイターの作品らしさ」を感じることが出来ます。
しかし課金についての批判が多く、それでこのノリですから、巷ではかなり叩いている人も多い模様。
良くも悪くも話題満載のゲームですね。

アプリ本体は無料ですが、スタミナも課金もあります。
無課金でも進行できない訳ではありませんが、このゲームの課金通貨や一部の拡張要素は、ほぼ課金以外では利用できない、言わば「絶対課金」なシステムです。

勇者ヤマダくん

ゲームシステムは「一筆書きパズル+RPG」です。
ステージが始まると、どこかで見たようなダンジョンが、どこかで聞いたようなフレーズと共に現れます。

プレイヤーはスタート地点からゴール地点までを一筆書きでなぞっていきます。
一筆書きを始めると 20 秒のカウントダウンが始まり、時間が尽きると徐々に HP が減っていきますが、じっくり画面を眺めて、一筆書きのルートを判断してからなぞり始めれば良いので、一筆書き自体は難しいものではありません。

一筆書きを終えると主人公のヤマダくんが進んでいきますが、ダンジョン内のモンスターにぶつかるとターン制のバトルが行われます。
戦闘は自動で、プレイヤーは見ているだけで良いのですが、完全なパズルゲームではないので、一筆書きが完璧でも主人公が弱いとモンスターにやられることがあります。

ただ、ダンジョン内で拾える「魔法」を5つまで装備することができ、これで戦闘の支援を行えます。
HP を回復する薬や、攻撃力アップの巻物、魔法を反射する巻物などがあり、これらも併用しないとダンジョンの突破は困難ですね。

ゴールにたどり着けば次のフロアへ。 全てのマスを一筆書きで巡っていればボーナスを得られ、クリア評価もアップしますが、必ずしも全てのマスを巡り、全ての敵を倒す必要はありません。
HP を温存したい時はゴール直行もアリで、ステージによっては特定の魔法がないとパーフェクトクリアできない場合もあります。

最終フロアを突破すればステージクリアですが、大抵はボスクラスの敵が待ち受けています。
やられた場合はスタミナだけ減り、ほとんど何も得られないままダンジョンから追い出されてしまうのが辛いところ。
無論、課金通貨(おにぎり)を使えば復活できるのですが・・・

勇者ヤマダくん
※一筆書きは必ずしもパーフェクトでなくても OK。 余裕がないならクリアと宝箱回収を優先しましょう。
右は「ミナサンダー」の巻物で全体攻撃しているところ。
画面押しっぱなしで早送りできますが、油断するとすぐ死ぬので、危ない時は慎重に行き、アイテムも惜しまずに。


クリアするとダンジョン内で得た宝箱から、装備や強化アイテムを入手できます。
装備はかなり豊富で、鉄の剣や鋼の鎧などのマジメなものから、ハエたたきやブラ&パンティーなどのネタ装備まで様々。

どの装備にも料理人セットや学生服セットなどの「セット」が用意されていて、集めて身に付けると特殊効果を得られます。
また武器にも特殊効果や、特定の敵に大ダメージを与えられる効果が付いています。

ゲーム序盤は単に強いものを装備していれば良いのですが、中盤からは難易度が上がり、キャラクターのレベルアップも存在しないため、この特性を活用しないとクリアは難しくなります。
例えば、サムライ系の敵が多いエリアでは「戦国キラー」の槍を装備し、槍は攻撃が外れやすいため「狩人セット」で命中率を補填する、といった具合。

装備や魔法、進化素材は各ダンジョンで手に入るものが決まっていて、時には欲しいものが出るまで何度もクリアしなければなりません。
出ない時はホント出ないので、その辺はやや辛いですが、ただ「ドロップアイテムが出ない」ってのは、「課金ガチャでレアが出ない」より良いですね。

しかしキャラの強さがドロップ次第のゲームにスタミナがあると、運が悪いと「スタミナを全部費やしても全く無駄に終わり、またスタミナ待ちになった」ということになるので、その点の相性の悪さは否めませんが。
(一応、960 円でスタミナ制を撤廃する課金もあります)

素材とお金が貯まれば装備のレベルを上げられますが、このゲームは装備レベルを上げてもそれほど強くならず、大半の装備にメリットとデメリット(特性は有用だけど防御力は低いなど)があります。
意外と装備の組合わせや、魔法の使い方などの「攻略」が重要なゲームですね。
無論、課金ダンジョンで強い素材をガンガンゲットすれば、力押しも可能だと思いますが・・・

勇者ヤマダくん
※どのステージでどの装備が手に入るかは開始時に確認できます。
ただ、入手できる魔法はここには表示されていませんし、敵がレアなアイテムをドロップする事もあります。
セットを集めれば右のように「珍コレ」のコンプリート画面が出て、様々なボーナスが発生。
チンチン言いまくるのはどうかと思いますが。


勇者ヤマダくん
※豊富なアイテムのどれを使うかがゲーム攻略のキモ。
右は「徳川の洞窟」のボス、マサムネ戦。 多くのプレイヤーにとって最初の「壁」となるはず。 そして本当に壁が邪魔。
まずは「壁壊しの巻物」が必要。 これは風雲ヤマダ城の森で手に入ります。
さらに体力回復薬と、強化や補助の魔法も欲しい。武器はもちろん戦国キラー系で。
準備なしで正面からボスに挑んで勝てるゲームではないです。


このゲームの難点で、批判の対象にもなっていたのは「アイテム所持数制限」。

前述したようにこのゲームは豊富な装備と、その使い分けが重要で、強化や進化のための素材も必要になります。
ところがアイテムは 素材・武器・防具 それぞれ 30 個しか所有できず、特に素材には魔法なども含むため、すぐにいっぱいになってしまいます。
いっぱいになると売るか消費しないとクエストにも向かえません。

よって倉庫を拡張しなければなりませんが、それには 240 円の課金が必要です。
「240 円の課金」です。 課金通貨ではありません。
つまり、無課金ではどうしようもない。

おまけに課金通貨のおにぎりも、最初に3つ貰えますが、以後はほとんど無課金では手に入りません。
他のゲームのように進行やログインボーナスで手に入ったりすることは滅多にない、冒頭でも述べたような「絶対課金通貨」となっています。
にも関わらず、仲間がアイテムを集めてくる要素など、いくつかのシステムはこの課金通貨を使わないと利用できません。

この点に無課金派からの批判が集中、ゲーム自体にも悪ノリ感があるから余計に叩かれています。
私的には課金ガチャよりはシステム的にも金額的にもマシな気がするのですが、「無課金でも頑張ればなんとかなる」ではなく「金を払う以外に方法がない」ってのは、やはり叩かれるのも仕方ない気も。
まあ、「無料ゲーム」を甘く見ていたということでしょうか・・・
こう言っては何ですが、世の中には「ゲームにビタ一文払いたくないけど声だけは大きい人」が多いので。

なお、散々叩かれたからか、現在は 公式 Twitter で「倉庫がタダで +20 される呪文」が公開 されていて、これを入力すれば倉庫の制限はラクになります。
まあ、それでも倉庫は足りなさ気味で、クエストから帰るたびに飽和し、その都度アイテムを売るか消費しないといけないので正直面倒ですが。

勇者ヤマダくん
※課金アイテム販売のママゾン。 でも BGM はジャパネットた○た風w
見てのように倉庫拡張は 240 円で、課金通貨では買えない。 黄金のカギは課金ダンジョンに行くためのもの。
ゲーム作りはボランティアじゃないから、収益も考えないといけないのは当然の話。
しかし案配や建前というものも世の中にはある・・・ 難しいところですね。


ドットのキャラクターがユニークで、演出も豊富。
クエストをクリアするごとに部屋に誰かがやって来て、ちょっとしたコント(?)が繰り広げられるのも面白く、中盤からは単発の「スペシャルダンジョン」も次々と登場します。
隠し要素、隠しアイテムなども色々あり、意外なほどボリュームは多いです。

初見はシンプルな印象を受け、しかも色々イタいので、その時点で脱落する人も少なくないと思いますが、全体としては前評判通りのクオリティーのゲームだと思います。
天然の炎上マーケティングゲームですが、世の中には誰にも気付かれずにひっそり消えていくゲームも多いので、こういうのも悪くないのかも・・・?

話題作ですし、前述の呪文を使えば倉庫も当初よりラクになります。
このノリが平気な方、精神的に耐えられた方にとっては、続けるほど面白くなるゲームだと思いますね。
ただ、意外にも中盤以降はローグライク的な工夫が必要なので、ライトユーザーには難しいかも?

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※ Youtube 公式 PV