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ダークドラゴンが落ちたという、暗く荒廃した島に上陸した主人公。
この地で村を築き、自給自足の体制を整え、怪物のうろつく島を探索し、深き森にいるドラゴンを探し出すサバイバルアドベンチャーゲームが公開されています。
ダークドラゴン」(A Dark Dragon)です。

この作品は 2013 年にアメリカの個人開発者が公開した、「A Dark Room」というテキストゲームがベースになっています。
これはパソコンなら、以下のページでウェブブラウザ上でプレイ可能です。
http://adarkroom.doublespeakgames.com/
(右下の language で日本語化することが可能です。iOS アプリ版も公開されていますが、そちらは英語のみ)

テキストゲーム(文字のみのゲーム)ですから内容としてはシンプルで、最初期のパソコンゲームのようなシステム&雰囲気ですが、しかしサバイバルゲームとしてしっかり楽しめる内容で、欧米では結構知られていたようです。

それを 2014 年、韓国のアプリメーカーが最近のゲームらしいグラフィックを追加してリメイク、Android で人気になっていました。
今回公開されたものは、その iOS 移植版です。

割と原作の A Dark Room に忠実なので、システムはやはり古風なのですが、これはこれで楽しめるし、人によっては一周回って新しく感じるかもしれません。

240 円の有料アプリ版「ダークドラゴン」と、広告が表示される無料版「A Dark Dragon AD」があり、どちらも課金はありますが、進行に必須な訳ではありません。
広告付き無料版で広告を解除するには約 360 円分の課金通貨が必要で、有料版より割高になりますのでご注意を。

ダークドラゴン

このゲームはいくつかのパートに分かれていますが、まずは島に上陸し、火を付けて部屋を暖めなければなりません。
オールを漕ぐボタンや薪を燃やすボタンを何度か押していると、一人の女がやって来ます。
彼女は暖まると「自分は建築家であり、物が作れる」と言います。
ゲームは実質、ここからスタートします。

まずは「木を集める」のボタンで木材を増やさなければなりません。
コマンドは実行後、しばらく待たないと再実行できません。 木材収集の待機時間は 15 秒。
よってクリッカー系のように連打する訳ではありませんが、序盤の展開はややクリッカーに似ていますね。

木材が集まったら「」や「小屋」の作成を行えます。
罠を作れば「罠の確認をする」のコマンドを実行できるようになり、毛皮や肉を入手可能に。
小屋を作れば住民が増えるようになります。

この島は無人島ではなく、たくさんの人々がいます。
しかし大破壊でもあったのか、多くの人が家を無くし、流浪しています。
小屋があればそうした人々が住み着き、村が形成されます。
村人は「労働者」となり、木を自動で集めてくれ、狩猟小屋を作れば狩りも行ってくれるようになります。

ただ、このゲームは完全な放置型ゲームではないので、自動収集はアプリを起動している時しか行われません。
自分でコマンドを実行しないと集められない素材もあります。

ダークドラゴン
※小屋を作ると、荒れ果てた大地をさまよう人々が集まってきます。
施設が整えば猟師や職人にすることが出来るので、各物資の入手量のバランスが取れるように労働者を配分しましょう。
でもまずはどんどん小屋を作り、人口を増やすのを優先したいところ。


小屋を増やし、村を拡張して生産力を拡大、交易所を建設すると、商人から「コンパス」を買えます。
ここから島の探索を行えるようになります。

探索は RPG のスタイルになっていて、フィールドマップ上を移動して行います。
しかし未探索地域は真っ暗で、視界も狭く、まずはどこに何があるのか調べて回らなければなりません。

しかも1マス歩くごとに水、2マス歩くごとに燻製肉を消費します。
燻製肉は村に燻製場を作れば用意できますが、持てる重量に限りがあり、あまり多くは持ち出せません。
そして尽きると1歩目で飢え、2歩目でダウン。 スペランカー並みにアッサリ倒れます。

探索中には当然、敵も出て来ます。 武器がないうちは攻撃は「拳」。
戦闘はリアルタイム制で、ゲージが貯まったらボタンを押して攻撃する方式です。 ターン制ではないのでボーッとしていたら殴られ放題になるのでご注意を。
受けたダメージは肉をかじれば回復しますが、燻製肉が減ると移動できる距離は縮まってしまいます。
まあ、HP が 0 になったらどのみち倒れますが。

マップ上には「前線基地」があり、そこで水と燻製肉を補充できますが、最初はその場所も解りません。
ちょっと無理をして遠出して、基地が見つからなかったらもうピンチ。
とにかく厳しいです。 序盤は特に。

村を拡張し、作業場を作れば「制作」のコマンドを実行できます。
これで「水袋」「袋」「骨の槍」などを作れば、ようやくそこそこ探索できるようになって来ます。
本格的な探索パートは、そこからですね。

ダークドラゴン
※探索中は常に水と燻製肉の残り数に注意。 帰る分も必要なので遠出のしすぎは厳禁。 もし倒れてしまうと所持品を全て失ってしまいます。
ただ、貴重品を持っていないのなら倒れてもあまりデメリットはありません。
燻製肉だけを持てるだけ持って、帰還するつもりのない強行偵察を行ってみるのも戦法の1つ。


探索で生還しても、途中で倒れても、「疲労」と「汚染」が蓄積されていきます。
これらは木材や肉などの物資で回復させなければなりません。
村に一通りの施設を作った後は、物資は主にこれらの治療に使うことになります。
疲労は貯まるほど回復に必要な物資が多くなるので、こまめに治しておきましょう。

探索を進めると、いずれボスがいる場所が見つかります。
このゲームの探索はステージクリア制になっていて、ボスを撃破すれば次のマップに進めます。
この辺りは原作とは違う部分ですね。

先に進むほど敵は手強くなりますが、強力な装備をドロップするようになり、新しい素材を落とすことも。
村に持ち帰ればその素材を使った新たな生産を行えるようになり、交易所の品ぞろえも増えていきます。

ドラゴンを見つけ出せれば、また新たな展開がスタートします。
このゲームは各パートごとに、まったく違うシステムになるのがユニークです。

やや難点だと思ったのは、村作りのシーンで出て来る突発イベント。
大抵は罠が壊されるとか、火事になって小屋がなくなるとかのバッドイベントで、たまに起こるのなら良いのですが、同じものがやたら頻発する場合があります。
罠を作っても作っても、その端から壊されるとイヤになってきます・・・

もうちょっと、一度起きたバッドイベントは起こり辛くなるとかの調整は欲しかったところですね。
探索時の操作性も、ボタンの位置がやたら変わるなど、やや使い辛さがあります。

※バッドイベントの多くは、火の灯る部屋にいれば発生しないようです。
出来るだけ部屋で過ごすようにすれば、火災や襲撃などの被害は受け辛くなります。

ダークドラゴン
※左は探索準備画面。 強力な武器は重いため、所持重量が減ってしまうデメリットがあるので注意。
防具には重量はなく、所持品にも含まれず、常に身に付けていることになります。
特技はイベントで覚えるものもありますが、多くは自然に身に付きます。 例えば、素手攻撃を繰り返しているとボクサーや武道家の特技を覚えるなど。
右は全体マップ。 ステージ数は結構多いです。


ダークドラゴン
※左は突発イベントの火災。 バッドイベントは殺伐とした雰囲気を出すのに一役買ってますが、連発されまくるとちょっと・・・
右は探索中の戦利品画面。 「肉を食べる」「立ち去る」などのボタンがアイテム取得ボタンの後にあるので、出て来たアイテムの数によって位置が動いてしまう。
肉を食べるつもりないのに食べてしまって、後で餓死するとか普通にあり得るので、ボタン選択は慎重に。


一見ダークなサバイバルゲームなので、かなり厳しいゲームのように見えますが、村作りパートはそれほど難しい訳ではありません。
主人公が死んだりすることはなく、物資を貯めて作れる物を作っていけば、着実に進行していくはずです。

探索パートのゲームバランスは、古い RPG を模しているためか「かなり厳しい」と思えますが、1歩1歩手探りで進めていくウィザードリィのようなバランスも嫌いでない方には、むしろ楽しめるのではないでしょうか。
最近のゲームしか知らない人だと「すぐ死ぬ、クソゲー」で片付けそうですが・・・

パソコン黎明期のゲームの雰囲気をそのまま残しているアプリです。
これも Lifelineナイト・アンド・ドラゴン のような復刻タイプのゲームと言えるでしょうか?
現代においては尖った内容ですが、気に入った人なら没頭して楽しめるゲームだと思います。

ダークドラゴン(iPhone、有料版、iTunes 起動)
A Dark Dragon AD(iPhone、広告付き無料版、iTunes 起動)

ダークドラゴン(Android、有料版、Google Play へ移動)
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A Dark Room(原作、ブラウザ版、スマホではプレイ不可)
A Dark Room(iPhone 版、120 円、英語のみ)