日本のアクション RPG の名作シリーズ「イース」。
スマホ版のイース I は昨年4月末に公開されており、その直接の続編となります。
ストーリーが繋がっているため、イース I をプレイしていないと解り辛い点が多いのでご注意下さい。
オリジナルの発売は 1988 年ですが、今回スマホに移植されたのは 2009 年に発売された PSP 版「イース I&II クロニクルズ」の II の部分です。
数多くあるイースのリメイク作の1つであり、グラフィックやサウンドは近年のものに改善されています。
移植を担当したのはイース I の時と同じく、フランスのレトロゲーム専門メーカー DotEmu。
DotEmu の移植ゲームはどこかに手落ちがある事が多いのですが、今作は大きな難点は見られません。
ゲーム自体には、今見ると色々どうかと思うところもあるのですが・・・
一方で、イース I より遊びやすくなっているのも感じます。
価格は 600 円。 買い切りゲームなので広告や課金はありません。
前作同様、体当たりで敵を倒していく、見下ろし型のアクション RPG です。
体当たりなので通常攻撃のボタンはありません。
操作感はやや軽いというか、機敏すぎるというか、そんな印象。
素早く移動できるのは良いのですが、最初は動かし辛く感じるかもしれません。
画面右側を押しっぱなしにすると歩きになるので、町の中などで細かく動きたい時はそれを使いましょう。
イースの戦闘は「半キャラずらし」が有名ですが、スマホ版のイースは「ナナメ体当たり」が基本。
敵の側面にナナメからぶつかることで、そのままノーダメージで押し込んでいく事ができます。
しかも今作は、前よりも攻撃しやすくなっている印象です。
正面からぶつかるとダメージを受けますが、ほぼ正面でもナナメに動いていれば、ナナメ攻撃扱いにしてくれて、そのまま押し込んでいける事が多いです。
スマホの操作性が加味されたのでしょうか? 前作よりもサクサク倒していけますね。
とは言え、食らうとダメージが大きいのは前作と同様で、ちょっとのミスでいきなりピンチになったり、やられたりします。
難易度の選択が可能ですが、少なくとも「ノーマル」の場合は油断は禁物です。
ただ、オートセーブになっていて、やられても直前から手軽にコンティニュー可能。
セーブもどこでも出来るので、その辺はご安心を。
敵を倒していると経験値とお金を入手でき、そのうちレベルアップ。
前作はレベルは 10 で最大で、しかもゲーム中盤にそこまで到達し、ショップでの買い物も前半しかありませんでしたが、今作はレベル上限が大幅に高くなり、レベルアップも頻繁。
前作より「ちゃんと RPG」していて、装備を買い換える機会も増えています。
よって手強いボスに遭遇した際、レベルを上げて再戦するという RPG らしい攻略も可能です。
ただ、逆にレベルと装備が足りない場合、ザコにも全くダメージを与えられないため、何ヶ所かのポイントで「絶対に一定以上のレベルまで上げないと先に進めない」という状況になります。
上限が広がったけど、下限はある、みたいな感じでしょうか。
※ナナメから体当たりすれば、敵が多かろうが強かろうが押し込んで一網打尽!
ただ、地形に当たってズレたりとか、何かの拍子で敵の正面に触れてしまうといきなり大ダメージを食らう。
これはこれでアクション性はありますね。
なお、左上にいるキャラはマスコット(ストラップ)で、好きな場所にぶら下げられます。
※起動時に出て来るオープニングアニメ。
こういうのがあるゲームは当時珍しく、今考えるとアニメファン向けのゲームのハシリだったのかもしれません。
このアニメ、当時のものをそのまま流しているようで、昭和の雰囲気ですが、ゲームが始まったら平成なグラフィックになります。
※今回のヒロイン、リリアちゃん。
イースはゲーム界の寅さんみたいな存在で、主人公は常に同じですが、舞台とヒロインは毎回変わります。
今回もキャラの立ち絵のグラフィックは「クロニクルズ」と「オリジナル」を選べますが、今回のオリジナルは前よりも古く感じる・・・
前作との大きな違いは「魔法」が追加されたこと。
ファイアーボールやタイムストップなどがあり、装備中は魔法ボタンが現れ、これを活用した戦闘が可能です。
ファイアーボールは MP が十分なら相応に連射が可能で、タメ撃ちもアリ。
さらにあるアイテムを装備すればホーミング弾に変化。
ボス戦はこのファイアーボールで戦うことが多く、相手も弾を撃ってくるため、もはやシューティングゲームに近い状態になります。
一方、前作と同様、今作でも難点だと思ったのは・・・ 謎解きの部分。
イースは「RPG はやさしさの時代へ」をキャッチコピーにしており、難解なゲームばかりだった当時の PC 用 RPG に「遊びやすさ」をもたらしたゲームだったのですが・・・ あくまで当時の話。
今となってはむしろ解りにくいゲームで、進め方のヒントが難解とか、ほぼ情報なしで隠し通路を見つけないと進めないとか、謎でも何でも無い入口でさえ妙に見つけ辛かったりとか、かなり行き詰まりやすいです。
で、そんなゲームであるためか、クロニクルズにはヒント機能があるのですが、これが役に立っていない。
前作の頃から大雑把すぎて役立っていなかったのですが、今作に至ってはバグっているのか何なのか、最初の「病院に行け」の表示のまま、ずっと変わりません。
どんだけ通院させたいんだこのヒント。
まあ往年の名作であるため、ネット上に攻略情報はたくさん転がっているので、行き詰まっても調べれば何とかなるのですが・・・ 情報なしだと辛いのは否めませんね。
前作のスマホ版同様、解像度の低い PSP 版の画面をそのまま拡大しているため、文字が粗く見えるのも難点。
グラフィックはそこまで粗さを感じず、むしろ照明効果のおかげで「ドットなのにすごく綺麗」と思うシーンもあるのですが、文字は OS の字ではないので・・・
iPad だと特に粗く見えるので、このゲームはスマホの方がお勧めです。
※ライトの魔法で廃坑を照らしているシーン・・・ グルグル回る光球に応じてキャラクターの影がなびき、その様子がとても美しいです。
ただ、このライトの魔法、隠されたものを暴くはずなのですが、全然暴いてくれない。 ただ明るくなるだけ。
隠し通路をこれで見つけるはずなのですが・・・ これは正常動作してるのか?
※モンスターと話すユニークな魔法もあります。 セリフが妙に人間ポイのが笑えますw
町の人と話した時も、そのセリフに変化が。
消費した MP は休憩しても回復しないので、リリアの家で休むか、アイテムを使いましょう。
※建物内での会話シーンでは前作同様、こんな風に一枚絵が表示されます。
ちなみにこのシーンの「バノアの手紙」が「ババアの手紙」に見えたのは、字が粗いせいなのか、私の心が汚れているせいなのか。
全体としては、謎解きに不条理な部分があり、マップも妙に解りにくい印象がありますが、ゲームとしてはアクションとしても RPG としても前作より良くなっていると思います。
ただ、前作をやっていないとストーリー的に難があるので、今作だけ勧めるということは出来ませんね。
ある意味、最大の壁は前作のボス戦かも・・・
現代の視点では、やはり古く感じるゲームだと思います。
いまどき体当たりで攻撃するメーカー製のアクション RPG ってないし、家庭用ゲーム機がファミコンの時代だった頃のゲームですし。
オリジナルを知らない世代の人だと、やや同人ゲームっぽく感じるかもしれません・・・
でも、それが良さでもありますし、これで 600 円ならお得と言えるでしょう。
ともあれ、無事にイースの 1 と 2 がスマホに移植されたことは、古くからのファンには嬉しいですね。
・Ys Chronicles II(iPhone 版、iTunes 起動)
・イース II クロニクルズ(Android 版、Google Play へ移動)
・イース I クロニクルズ(前作のレビュー)
※Youtube 公式 PV (海外版)
1980 年代後半から現代まで続いている息の長いシリーズですが、その2作目がスマホにも登場しました。
「Ys Chronicles II」です。
スマホ版のイース I は昨年4月末に公開されており、その直接の続編となります。
ストーリーが繋がっているため、イース I をプレイしていないと解り辛い点が多いのでご注意下さい。
オリジナルの発売は 1988 年ですが、今回スマホに移植されたのは 2009 年に発売された PSP 版「イース I&II クロニクルズ」の II の部分です。
数多くあるイースのリメイク作の1つであり、グラフィックやサウンドは近年のものに改善されています。
移植を担当したのはイース I の時と同じく、フランスのレトロゲーム専門メーカー DotEmu。
DotEmu の移植ゲームはどこかに手落ちがある事が多いのですが、今作は大きな難点は見られません。
ゲーム自体には、今見ると色々どうかと思うところもあるのですが・・・
一方で、イース I より遊びやすくなっているのも感じます。
価格は 600 円。 買い切りゲームなので広告や課金はありません。
前作同様、体当たりで敵を倒していく、見下ろし型のアクション RPG です。
体当たりなので通常攻撃のボタンはありません。
操作感はやや軽いというか、機敏すぎるというか、そんな印象。
素早く移動できるのは良いのですが、最初は動かし辛く感じるかもしれません。
画面右側を押しっぱなしにすると歩きになるので、町の中などで細かく動きたい時はそれを使いましょう。
イースの戦闘は「半キャラずらし」が有名ですが、スマホ版のイースは「ナナメ体当たり」が基本。
敵の側面にナナメからぶつかることで、そのままノーダメージで押し込んでいく事ができます。
しかも今作は、前よりも攻撃しやすくなっている印象です。
正面からぶつかるとダメージを受けますが、ほぼ正面でもナナメに動いていれば、ナナメ攻撃扱いにしてくれて、そのまま押し込んでいける事が多いです。
スマホの操作性が加味されたのでしょうか? 前作よりもサクサク倒していけますね。
とは言え、食らうとダメージが大きいのは前作と同様で、ちょっとのミスでいきなりピンチになったり、やられたりします。
難易度の選択が可能ですが、少なくとも「ノーマル」の場合は油断は禁物です。
ただ、オートセーブになっていて、やられても直前から手軽にコンティニュー可能。
セーブもどこでも出来るので、その辺はご安心を。
敵を倒していると経験値とお金を入手でき、そのうちレベルアップ。
前作はレベルは 10 で最大で、しかもゲーム中盤にそこまで到達し、ショップでの買い物も前半しかありませんでしたが、今作はレベル上限が大幅に高くなり、レベルアップも頻繁。
前作より「ちゃんと RPG」していて、装備を買い換える機会も増えています。
よって手強いボスに遭遇した際、レベルを上げて再戦するという RPG らしい攻略も可能です。
ただ、逆にレベルと装備が足りない場合、ザコにも全くダメージを与えられないため、何ヶ所かのポイントで「絶対に一定以上のレベルまで上げないと先に進めない」という状況になります。
上限が広がったけど、下限はある、みたいな感じでしょうか。
※ナナメから体当たりすれば、敵が多かろうが強かろうが押し込んで一網打尽!
ただ、地形に当たってズレたりとか、何かの拍子で敵の正面に触れてしまうといきなり大ダメージを食らう。
これはこれでアクション性はありますね。
なお、左上にいるキャラはマスコット(ストラップ)で、好きな場所にぶら下げられます。
※起動時に出て来るオープニングアニメ。
こういうのがあるゲームは当時珍しく、今考えるとアニメファン向けのゲームのハシリだったのかもしれません。
このアニメ、当時のものをそのまま流しているようで、昭和の雰囲気ですが、ゲームが始まったら平成なグラフィックになります。
※今回のヒロイン、リリアちゃん。
イースはゲーム界の寅さんみたいな存在で、主人公は常に同じですが、舞台とヒロインは毎回変わります。
今回もキャラの立ち絵のグラフィックは「クロニクルズ」と「オリジナル」を選べますが、今回のオリジナルは前よりも古く感じる・・・
前作との大きな違いは「魔法」が追加されたこと。
ファイアーボールやタイムストップなどがあり、装備中は魔法ボタンが現れ、これを活用した戦闘が可能です。
ファイアーボールは MP が十分なら相応に連射が可能で、タメ撃ちもアリ。
さらにあるアイテムを装備すればホーミング弾に変化。
ボス戦はこのファイアーボールで戦うことが多く、相手も弾を撃ってくるため、もはやシューティングゲームに近い状態になります。
一方、前作と同様、今作でも難点だと思ったのは・・・ 謎解きの部分。
イースは「RPG はやさしさの時代へ」をキャッチコピーにしており、難解なゲームばかりだった当時の PC 用 RPG に「遊びやすさ」をもたらしたゲームだったのですが・・・ あくまで当時の話。
今となってはむしろ解りにくいゲームで、進め方のヒントが難解とか、ほぼ情報なしで隠し通路を見つけないと進めないとか、謎でも何でも無い入口でさえ妙に見つけ辛かったりとか、かなり行き詰まりやすいです。
で、そんなゲームであるためか、クロニクルズにはヒント機能があるのですが、これが役に立っていない。
前作の頃から大雑把すぎて役立っていなかったのですが、今作に至ってはバグっているのか何なのか、最初の「病院に行け」の表示のまま、ずっと変わりません。
どんだけ通院させたいんだこのヒント。
まあ往年の名作であるため、ネット上に攻略情報はたくさん転がっているので、行き詰まっても調べれば何とかなるのですが・・・ 情報なしだと辛いのは否めませんね。
前作のスマホ版同様、解像度の低い PSP 版の画面をそのまま拡大しているため、文字が粗く見えるのも難点。
グラフィックはそこまで粗さを感じず、むしろ照明効果のおかげで「ドットなのにすごく綺麗」と思うシーンもあるのですが、文字は OS の字ではないので・・・
iPad だと特に粗く見えるので、このゲームはスマホの方がお勧めです。
※ライトの魔法で廃坑を照らしているシーン・・・ グルグル回る光球に応じてキャラクターの影がなびき、その様子がとても美しいです。
ただ、このライトの魔法、隠されたものを暴くはずなのですが、全然暴いてくれない。 ただ明るくなるだけ。
隠し通路をこれで見つけるはずなのですが・・・ これは正常動作してるのか?
※モンスターと話すユニークな魔法もあります。 セリフが妙に人間ポイのが笑えますw
町の人と話した時も、そのセリフに変化が。
消費した MP は休憩しても回復しないので、リリアの家で休むか、アイテムを使いましょう。
※建物内での会話シーンでは前作同様、こんな風に一枚絵が表示されます。
ちなみにこのシーンの「バノアの手紙」が「ババアの手紙」に見えたのは、字が粗いせいなのか、私の心が汚れているせいなのか。
全体としては、謎解きに不条理な部分があり、マップも妙に解りにくい印象がありますが、ゲームとしてはアクションとしても RPG としても前作より良くなっていると思います。
ただ、前作をやっていないとストーリー的に難があるので、今作だけ勧めるということは出来ませんね。
ある意味、最大の壁は前作のボス戦かも・・・
現代の視点では、やはり古く感じるゲームだと思います。
いまどき体当たりで攻撃するメーカー製のアクション RPG ってないし、家庭用ゲーム機がファミコンの時代だった頃のゲームですし。
オリジナルを知らない世代の人だと、やや同人ゲームっぽく感じるかもしれません・・・
でも、それが良さでもありますし、これで 600 円ならお得と言えるでしょう。
ともあれ、無事にイースの 1 と 2 がスマホに移植されたことは、古くからのファンには嬉しいですね。
・Ys Chronicles II(iPhone 版、iTunes 起動)
・イース II クロニクルズ(Android 版、Google Play へ移動)
・イース I クロニクルズ(前作のレビュー)
※Youtube 公式 PV (海外版)
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