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多くの人々が生活の足に、買い物に、娯楽に活用する、大きな駅と併設のショッピングセンターを建設していく、駅建設シミュレーションゲームがカイロソフトより公開されました。
箱庭シティ鉄道」です。

先日「ゲームセンター倶楽部」と同時に公開されたアプリ。
昨年 12 月から数えて、8本目のカイロソフトの新作 iOS ゲームです。
いやもうホント、出すぎ。

内容は ゆけむり温泉郷財閥タウンズクルーズ大紀行 のような見下ろし視点の施設配置型 SLG ですが、今回は作るのは「駅」。
当然ながら駅のホームは細長い。
よって開発スペースも狭く、そこまで好きなように施設を置ける訳ではありません。

ただ、駅併設のショッピング街を作れる「フロア」を設けられ、これをどこに置くかで駅の形は大きく変わります。
お客が列車でやって来ること、その車両を編成できることも今作の特徴でしょうか。

また今作はガラケー版がなく、最初からスマホ用に作られています。
そのためメニュー表示なども今までとはちょっと違います。

価格は 840 円で、買い切りゲームではあるのですが、今作には「本体無料+課金型ゲーム」として作られていた跡があり、この点も特徴。
そのため課金やガチャはありませんが、「課金ゲーを直前に買い切りに変えました系アプリ」によくありがちな違和感も、チラホラ見られます。

※記事を書いた後に知ったのですが、Android 版には課金があるようです。
買い切りなのに課金の名残があるのは、Android で横行している不正入手対策のためでもあるようです。


箱庭シティ鉄道

まずは小さな駅舎からスタート。 最初は短いホームと改札しかありません。
建設コマンドでホームを延長し、設置スペースを確保、売店やベンチ、自販機や案内板などの施設を配置していきます。

お客さんは改札と列車からやって来て、周辺の施設を利用。
売店や自販機で買い物をしてくれれば売上げが増え、案内板やベンチが使われると研究ポイントが増加します。
お金や体力があるならお店をハシゴしてくれることがあり、ベンチは体力を回復させます。

施設には「相性」も存在し、売店の近くにベンチがあれば品質がアップ、ゴミ箱があるとなぜか在庫が増加して売り切れになりにくくなります。
組合わせも考えながら配置するのが、カイロの配置型 SLG の基本であり楽しさですね。

とは言え・・・ 配置できるのはホームの壁側のみ。
ホームは縦幅4マスですが、うち1つは線路、その横は列車の乗降場所。
配置できる場所は幅2マスしかなく、施設の前にはスペースも必要で、ゲーム序盤はあまり自由な配置は行えません。

売上げや研究ポイントの入手量も少なく、最初のうちは売上げ5万円+賃料 20 万円、研究ポイント +5 とか、その程度。
建設やホーム延長に数百万円、研究にも数十ポイントかかるので、お金が尽きるとしばらくは何も出来ません。
正直、序盤はやれることが少なく、最初から間延びしている印象もありますね・・・ 普通にやると。

ただ、そんな序盤の間延びした展開を一気に解決できる手段があります。
それは・・・ 高速モード
カイロソフトのゲームの大半は一度クリアすると高速化できますが、今作は「メダル」を使って高速モードを序盤から「レンタル」可能。
レンタル期間は時間制ではなく、次にアプリが再起動されるまで。

最初にメダルをある程度貰えるので、それを使えば当面はずっと高速でプレイ出来ます。
これだと間延びした展開も、建設待ちも気になりません。 サクサクと進行できますね。

メダルをたくさん貯めれば高速モードの永久アンロックも可能ですが、こちらはさすがに高額。
非課金ゲーになっているから、課金で何とかすることもできない・・・
ただ、ゲームが進めば永久アンロックに必要なメダルも自然と貯まることでしょう。
※Android 版には永久アンロックはないようです。 代わりに月額課金で高速モードにするボタンがあるようです。

メダルは駅開発やイベント、都市レベルのアップなどで貰えますが、もう1つユニークな方法があります。
それは「広告を 24 時間 ON にすること」。
広告を課金で OFF にするゲームはよくありますが、このゲームは驚きの逆方式。
いやぁ、色々考えますね・・・

なお、高速モードにするとスマホの負荷は当然高くなります。
このゲームは駅が大きくなると非常に多くのお客さんで賑わいます。
その人の数は歴代カイロゲームの中でも最多クラス。

最初からスマホ用に作られているので、キャラクター出現数もガラケー基準ではなくスマホ基準なのかもしれませんが、旧機種の方は負荷に注意して下さい。
描画設定を「速度重視」にして対処することも可能です。

箱庭シティ鉄道
※駅のホームなので置けるものは限られているしスペースも少ない。 まずはどんどんホームを延長しましょう。
右は序盤の配置例。 お客さんは品質の高いお店を優先するため、一番右の売店の品質をアイテムで高くし、そこから隣のジュース屋や電話などにハシゴして貰おうという作戦。 ベンチは回復用。
とは言え、実際にはそんなにうまくいかない。特に序盤はお客さんの体力と資金が少ないので、途中で帰ってしまう・・・
でも動線を考えた配置にするのは基本です。
商店の仕入れ先は、品質をアイテム等で増やして再募集をすれば上位のものに変えられます。

箱庭シティ鉄道
※今作は「調査ターゲット」にしたお客さんしかレベルが上がりません。 よってこまめな変更が必要。
お店のレベルを上げるには特定のお客さんが利用する必要があり、例えばジュース屋なら「マジメ少年」、弁当屋なら「調査員」。
上げたい施設に対応したお客さんのレベルを上げ、その人数を増やすのが施設レベルアップの近道です。
ただし子供は所持金が少ないので、レベルを上げても「お客さん」としてはあまり美味しくありません。
乗降数が多く、所持金も多い人のレベルを上げた方が売上げには寄与します。


このゲームは駅のホームだけでなく、ショッピングスペースである「フロア」も増設可能です。
フロアは列車が止まらない、単なる施設の設置場所ですが、線路がないので広くスペースを使えます。
フロアを連続で設けると合体して大きなフロアになり
、より広い商店街も形成可能。
ホームは狭く、設置できるお店に制限もあるので、店舗はフロアの方がメインですね。

駅が拡大すると地下や2階も建設可能になりますが、線路を越えられる連絡橋や地下通路も、このフロアと階段を繋げて作ります。
ただ、この辺りのフロアのルールや、階段を利用した立体的な動線の構築などには、やや解り辛さもあります・・・

町への投資を繰り返せば新しい路線と契約でき、ホームも追加できます。
費用はかかりますが、新たな電車が来れば乗降客が増加、多くの新規客もやって来ます。

列車の車両は自分で研究し、編成に組み込んでいくことが出来ます。
車両には 速度・定員・客層別の相性 があり、上位の車両を増やせば運賃もアップ。
ホームの設備を充実させることでも運賃は上がるため、序盤はショボかった売上げも徐々に増えていくことでしょう。
お客さんも施設の利用でレベルアップし、体力や所持金が増えていきます。

1年が経過するとゲームは一旦終了。
スコアが集計されてランキングが付けられ、それ応じた報酬を貰えた後、開発を行う駅を再び選択します。

同じ駅を選択すれば開発続行となりますが、ここで他の駅に移ることも出来ます。
駅ごとに広さや町の人口などが異なり、研究した列車や施設、資金や研究ポイントなどを引き継いでスタートできます。

ランキングの上位になることで、選択できる駅はどんどん増加。
開発済みの駅からも一部の収入を得られるため、毎年新しい地域に移り、次々と新駅を作っていくことが利益のアップにも繋がります。
それは同じ場所をずっと開発し続けるゲームとは違う、新しいスタイルと言えます。

箱庭シティ鉄道
※フロアは2つ並べて作ることで合体し、広いフロアになります。
駅のホームとフロアも、ホームがフロア側にあれば左画像のように合体します。
ただし1階は改札がある影響で、ホームが外側、線路が内側にあるため、ホームやフロア同士を繋げられません。
右の画像は失敗例。 真ん中にフロアを作ったのですが、ホームの客はそこまで足を伸ばしてくれないため、ぜんぜんお客が来ていません。
改札からホームまでの経路の途中にお店があるような配置を考えましょう。


箱庭シティ鉄道
※このゲームに「連絡橋」という設備は存在しません。 橋でホームを繋げたい場合、階段とフロアを使って連絡橋の形になるものを自分で作らなければなりません。
ちゃんとホーム同士が繋がれば、お客さんは外の踏切を通らなくなり、階段とフロアを通って他のホームに移動してくれます。
階段は正直、作り辛いです。 3x2 のスペースが必要なのでそれを考慮しておきましょう。
また、1階と2階が両方ホームの場合、線路の向きが違うと繋げられません。
スムーズに繋げたいなら地下か2階はフロアにするのが無難。


箱庭シティ鉄道
※左は駅の選択画面。 1年経過するごとにこの画面に戻ります。
駅の絵でホームの最大数や階数を確認できるので、どういうフロアとホームの構造にするか、予め決めてからスタートしましょう。
次の駅に引き継げるのは、お金と研究ポイント、アイテム、研究済みの施設、研究済みの列車、お店のレベル。
次が新規スタートの場合、研究済みの施設と列車を1つずつ持った状態でスタートします。
お客さんの種類とレベルは1からで、研究員も未配置になりますが、登場した研究員と研究枠は引き継ぎます。
もちろん前の駅の状態は保存されますが、メダル(Android は課金100円)を使って再開発も可能。
年度後半に入り、別の駅に移る予定なら、それを想定して研究や貯蓄を行いましょう。


どういう形にするべきか、悩みながら作っていたのを感じるゲームですね。
ただ、序盤から高速モードを使える点や、1年ごとに引き継ぎを利用しながら新しい舞台に移れるシステムは、私は好みです。
比較的短時間で区切りが付くので、ダラダラ続けてしまい辛く、その点も昨今のスマホ向きかも。

施設の相性も、対象の施設を研究するだけで図鑑からチェック出来るようになっていて、組合わせを探す必要はありません。
この辺も Wiki ですぐ全部バラされる時代ですから、それに合わせたのでしょうか。

最近出たゲームのうち、大海賊クエスト島創作パティシエ部 は本体無料の課金型、アニメスタジオ物語ゲームセンター倶楽部こだわりラーメン館 は買い切り型。
これらをまとめて出して、どれが儲かるか様子を見ようという方針なのかも?

ともあれ、施設配置型のカイロゲームの基本を踏襲しつつ、昨今のスマホ事情に合わせた内容にもなっている、ちょっと変えてきた印象の作品です。
それでもいつものカイロらしさはそのままなので、カイロソフトのファンはもちろん、経営シミュレーションが好きな方にはお勧め。 加えて鉄道ファンならマストアイテムでしょう。

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