スマホのポケモン公式ゲーム第二段。
ポケモンフィギュアを使う対戦ボードゲームのアプリが、ポケモンを公式に扱う「株式会社ポケモン」より公開されました。 
ポケモンコマスター」です。 

これが昨年秋にコメントされた、任天堂が 2017 年3月までに公開するという「5タイトルほどのゲーム」に含まれるのかどうかは解りませんが、ポケとる に続くポケモン公式のスマホゲームであり、さっそくアプリ市場にばつぐんのこうかを与えています。

ボード上のコマを動かす簡易将棋のようなゲームで、ゲーム名は「コマ」と「ポケモンマスター」をかけているようですね。
しかしコマの勝敗がルーレットで決まる運の要素が強いルールで、ゲーム自体の評価は割れています。
グラフィックや演出、サウンドのクオリティは高く、ポケモンらしいストーリーもあるのですが、課金が高めで、肝心のポケモンを集め辛いのも賛否あるところ。

ソーシャルゲームなので本体は無料ですが、スタミナも課金ガチャもあります
4/20 時点の iTunes の評価は ★5 が約 40 %、★1 も約 40 %と、見事な割れっぷりです。
※発売から 20 日経った 5/10 時点の評価は、★5 は 20 %以下、★1 は約 60 %です。

ポケモンコマスター

ボードの上にポケモンのコマ(フィギュア)を置き、相手の「ゴール」を目指して移動させる、ボードゲーム風のバトルです。
交互にコマを動かすターン制で、1ターンに動かせるコマは1つのみ。

最初はボード上にコマはなく、ボードの隅の出撃ポイントから出していきます。
以後、コマの移動力(MP)の分だけマスを移動させ、相手のコマに接すると攻撃をしかけられます。

戦闘はルーレットによって決まります。
各ポケモンには「強さ 20 の攻撃が 50 %、40 の攻撃が 30 %、ミスが 20 %」というようにルーレットの出目が設定されていて、その確率に応じて実行される行動が決まります。
そして互いのルーレットの出目を比べて、攻撃値が高い方が勝利

HP はなく、負けたコマはボードから取り除かれ、勝った方はそのまま残ります。
取り除かれたコマは「ポケモンセンター」と呼ばれる捨て駒枠に移され、新たに2体のコマがここに送られてこないと控えに戻ってきません。

バトルがルーレットで決まると言うと、「それって運次第じゃん」と思う方もいるでしょう。
実際、このゲームはルーレット運に支配されます。

どんなに有利な、相手より上位の、明らかに勝率の高いユニットで迎撃しても、相手のルーレットが良く、こちらのルーレットが悪かったら負けます。
ユニットの強さは「有利」ではなく「確率が高い」に過ぎません。

そして勝った側はノーダメージなので、例えば敵がまっすぐ進行してきて、その前に立ち塞がったキャラが運悪く負け、さらに迎撃に出たコマも運悪く負けたら、そのままゴールされて終了・・・
そんなことが普通に起こるゲームです。
無論、運が良ければこちらが同様の状態であっさり勝つこともあります。

ただ、ポケモンの中には「かわす」や「まもる」といった防御行動、さらに「ねむり」や「どく」などの特殊技能を持っている者もいます。
数値に関わらず「攻撃<特技<防御」で優先されるため、防御や特技を持つポケモンがいれば、より高い勝率で相手を阻むことが出来ます。

それでもあくまで確率次第であり、強力な特技を持つポケモンほど「ミス」の発生率も高いので、やはりルーレットの出目が悪いとダメですが。

ポケモンコマスター
※勝つか負けるかはルーレット次第。 どんなに勝率が高くても負ける時は負けます・・・
ただ、青特技のあるキャラは高めの確率で引き分けになり、紫特技のあるキャラも攻撃を受け辛いです。
ただし青や紫の特技のほとんどは敵を直接倒せません。


ポケモンコマスター
※左のポケモン「ゴローニャ」は UC の割に強力ですが、移動力(MP)は1。
強いポケモンほど移動力はありません。 これはレアリティが高くても同様。
右はちょっと珍しい「ウェイト勝ち」のシーン。 相手の出撃場所を塞ぎ、残っている敵を全滅させるなどして、相手を行動不可能に追い込むと発生します。


最初はポケモンの所持数も少ないので、限られたユニットでルーレットの回し合いをすることしか出来ません。
よって驚くほどの「運ゲー」です。

しかしポケモンがそろってくると選択肢が増えてきます。
相手を飛び越す「とぶ」や、位置を入れ替える「ねこだまし」といった移動特技もあり、これらを利用して相手ユニットを無視し、一気にゴールを狙うことも可能です。

これらもその行動がルーレットで出てくれないとダメなのですが、ポケモンの他に「プレート」と呼ばれるカードがあり、「ルーレットを1度回し直せる」「一定以下の攻撃ではダウンしない」といった効果を発動可能、勝率を高めることが出来ます。

ただ、問題はこれが課金ガチャのソーシャルゲームであること。
それらの行動を行えるポケモンがガチャで手に入らないと、やれることは増えません。

一部のポケモンはゲームの進行でも得られ、運が良ければステージクリア時にも得られますが、UC 以上はほとんどガチャのみが入手手段。
ガチャにはチケットか課金通貨が必要ですが、ゲームの進行で得られる量は少なめ。
プレート(カード)は欲しいものを直接買うことも出来ますが、こちらも課金通貨が必要です。
よって課金しないと厳しい。

しかしその課金額はガチャ1回分が 480 円と安くはない。
プレートをガチャで手に入れるには「2連続ガチャ」をやる必要があり、約 1000 円が必要
プレートの直接購入も R 以上だと 480 円分の課金通貨では足りません。

結果、無課金や微課金ではガチャ運がかなり良くない限り、当面は運ゲーの状態から抜け出せません。
それでもルーレット運次第では格上に勝てますが、それはそれでどうよという・・・

ポケモンコマスター
※特技の「とぶ」は相手のコマを飛び越してしまうもので、慣れてないうちはこれであっさりゴールを決められがち。
ただ「とぶ」では敵を倒せないので、ゴールの上にコマを置いておけば、そのまま負けるのは防げます。
また敵を挟むと無条件で勝てるルールがあるので、右のように飛び込まれてもすぐ挟めるようにしておけば相手は手を出せません。
とは言えルーレットで「ミス」が出て、相手が飛ばずに攻撃したら普通に負けますが。


ポケモンコマスター
※左は「フシギダネ」の特技「ねむりこな」で敵を連続で眠らせたシーン。
眠った敵は素通りできるようになるので、このままゴールして勝ち。 運が良ければこういうことも。
右は位置を入れ替えるニャースの「ねこだまし」を、ゴールを守る敵に使って勝ったところ。
ただねこだましの発生率は 1/3 ほどなので、やはり成功するかどうかは運。
「ルーレット回し直し」のカードで成功率を高めることも出来ますが・・・


このゲームは「AI 機能」もウリになっています。
各ターンの行動を AI に任せることができ、その AI の開発は対戦将棋アプリ「将棋ウォーズ」の開発者さんや、電王戦にも参加した AI 将棋「Apery」の開発者さんが担当。
プレイヤーがゲームに慣れていなくても、最善手を導き出してくれます。

が、その AI の手も、やはりルーレット運次第の印象で、出目が悪くて潰されることもザラ。
確率の高い手を打ってくれるようですが、あくまで確率だし、プレート(カード)の使用を考慮してくれないので、言うほどではない感じですね。
ただ面倒な時に AI まかせでゲームを進めて、ここぞという時だけプレイヤーが手を出すといったプレイ方法も可能です。

オンライン対戦も大きなウリの1つですが、ここもまだ未完成感があります。
サーバーや通信の問題なのか、それとも相手が切ってしまうのか、マッチングされてもゲームが始まらない場合があり、それでも対戦に必要な「ラウンジチケット」は消費されます。
しかもこの状況になると切断されたと判定されるまで、かなり待たされます。

ゲームが始まると快適にプレイできますが、もし不利になった相手が切断して逃げた場合も、長い待ち時間の後、対戦は中断されてしまいます。
そして逃げた相手にペナルティはないようで、逃げられた側は勝ち試合を放棄させられた挙げ句、ラウンジチケットも取られたまま。 最悪です。

まあ、この辺はアップデートで早めに改善されていくと思いますし、ちゃんと対戦できた時は楽しめますね。
ただ、勝ってもランクポイント(対戦スコア)が上がるだけで、何も実利がないのは悲しいですが・・・

ポケモンコマスター
※コマスターの大会がリゾート島で開催されているという設定。 島にあるホテルを攻略していきます。
右はストーリーシーン。 キャラデザインがいかにもそれっぽいですね。


このゲームは以下のように考えると解りやすいでしょう。
戦力3と戦力2のユニットが戦った時、戦力3のユニットが残り HP1 で勝つのではなく、サイコロを振って、それぞれ 3/5 と 2/5 で勝つゲーム」。
そんなゲームが楽しそうだと思える人には向いています。
そんなゲームは楽しそうだと思えない人には向いていません。

プレイヤーは戦略によって「期待値」を高めることが出来ますが、あくまで期待値なので、それをどんなに高めても出目が悪かったら負ける。
もちろんほとんどのゲームで運は絡む訳ですが、このゲームには戦略では越えられない運がありますね。

それを「運ゲー」と捉えるか、初心者でも上級者に勝てる、展開が一様ではない「確率ゲー」と好意的に捉えるかで評価は変わってきそうです。
ただ私は運ゲーは嫌いなので、これも好きではありません。

しかしアプリ自体のクオリティーは高く、ポケモンらしさも十分。
その辺はバッチリ「ポケモンカンパニーのゲーム」なので、いわゆるポケモン世代の人なら、色々なものをポケモン補正で補って楽しめると思います。
良くも悪くも、公式ポケモンの確率ソーシャルゲームですね。

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