西部開拓時代のアメリカを舞台にした、ウェスタンなファミコンウォーズ風戦術シミュレーションゲームが公開されています。
Lost Frontier」です。 

コアな人気を持つ BattleheartBattleheart Legacy を送り出したカリフォルニアのメーカー「Mika Mobile」の新作で、海外ではかなり注目されていたタイトルです。
実際、ゲームは非常に模範的、かつ丁寧な作りで、しっかり楽しめる戦術 SLG ですね。
ただ、あまりにそつなく作られているため、西部劇風であること以外に特徴が乏しい印象もあります。

価格は 360 円。 買い切りゲームであり、広告・スタミナ・ガチャなどは一切ありません。
一応、キャラクターのレベルを上げる課金がありますが、必須ではありません。

Lost Frontier

Lost Frontier

ファミコンウォーズ型のターン制 戦術シミュレーションゲームです。
マップは四角いマスで区切られていて、1ターンに味方ユニットを全て移動させることが可能です。

オーソドックスと言うか、ファミコンウォーズをベースにした日本的 SLG のルールで、移動後の攻撃は可能ですが、攻撃後に移動はできません。
また、遠距離攻撃ユニットは移動後の攻撃はできず、反撃を受けません。
将軍の栄光 などは移動と攻撃を別々に行え、移動後の遠距離攻撃も可能でしたが、そういったルールではなく、昔ながらの大戦略 / ファミコンウォーズに忠実ですね。

ただ、燃料がない、弾薬もない、輸送もない、索敵もない、ZOC(敵に触れると移動不可)もないという簡略化されたルールで、これらがあった Warbits よりシステムは初心者向けです。

ただし難易度が低い訳ではなく、生産が限られているステージが多いため、初期戦力をうまく活用して切り抜けていくことが必要で、無駄にやられるとたちまち苦しくなります。
ゲームの展開としては、生産メインのファミコンウォーズより、初期戦力のやり繰りが中心になるネクタリスに近いと言えるでしょうか。

西部開拓時代がテーマなので、ユニットはガンマンで、生産施設は「酒場」です。
HP を大きく回復させるドクター、ターン開始時に周囲をまとめて回復する幌馬車などもあり、回復ユニットが重要になっているのも特徴でしょう。
敵にトドメを刺すとお金が増える「賞金稼ぎ」のユニットもいます。

ただ、ゲームが進むと大砲や蒸気戦車、プロペラで空を飛ぶジャイロコプターなどの機械兵器も登場。
よって純粋な西部開拓時代ではなく、西部劇+スチームパンクといった世界観ですね。

Lost Frontier
※夜になると凶暴化し、敵味方関係なく人を襲う狼男も出現。
他にも墓場から出て来るゾンビなど、ファンタジー系のキャラも一部登場します。


Lost Frontier
※蒸気戦車に蒸気コプター。 中盤からはスチームパンクに移行。
他にも地形をダイナマイトで破壊するメカニックなどが出てきます。


ストーリーモードでは、最初に3人の中から主人公を選びます。
主人公は初期ユニットとして参戦し、戦果によってレベルアップ、ユニットの HP や攻撃力を上げるスキルを習得できます。
ただ、ステージの内容は3人とも一緒で、それぞれ別の戦いや物語が用意されている訳ではありません。
ステージは 24 あり、相応のボリュームです。

加えて「チャレンジマップ」も用意されており、ここではストーリーの途中で出会ったライバルを主人公にすることも可能です。
先ほど「初期戦力のやり繰りが中心になるネクタリスのような展開」と言いましたが、このチャレンジマップは初期戦力が主人公のみで、建物を占領し、収入を増やし、ユニットを生産して攻めていく、ファミコンウォーズ的な展開になります。
チャレンジモードも 20 ステージ用意されていて、こちらもなかなかのボリューム。

加えて対戦用の「カスタムマップ」も用意されており、3人以上のマップならチーム戦も可能。
じっくり戦術シミュレーションゲームを楽しめるソフトになっています。

インターフェイスに優れ、移動範囲や攻撃範囲の確認、未行動ユニットの選択ボタンなどもあり、表示が見やすく、ウェスタンなサウンドも良いです。
メッセージが英語のためストーリーは解りにくいのですが、ゲーム自体は英語が読めなくても問題ありません。

Lost Frontier
※クリア評価は3段階。 ただ評価が低くても、たくさんの敵を倒していれば経験値は多くなります。
評価を得るための条件は、「以下」ではなく「未満」なので注意して下さい。
例えば「Less Than 7 Rounds」の場合、7ターン以下ではなく、7ターン未満、つまり6ターン以下になります。


Lost Frontier
※カスタムマップのステージ選択画面。 対戦用なので互角の戦いが出来る構成になっています。
ストーリーで育てたキャラを使用できますが、設定で強化をオフにすることも可能。


冒頭でも述べましたが、非常に丁寧で模範的、完成度の高い戦術 SLG です。
気になった点や、難点と言える部分はありません。

ただ、見た目やシステムに派手な部分や尖った部分がないゲームで、Battleheart シリーズ のようなカスタマイズ性の高い育成要素もなく、Mika Mobile の作品としてはインパクトは低いかも?
間違いなく良作なんですが、もうちょっと何か欲しかった気がするのも本音でしょうか。

ただ、あまりゴテゴテしたゲームは作りたくなかったのかもしれません。
綺麗にまとめられた作品で、その意味ではセンスの良さも感じられますね。

内容を考えると安価ですし、大戦略やファミコンウォーズのような戦略 / 戦術 SLG が好きな人、そして Mika Mobile のファンの人は、押えておきたい作品でしょう。

Lost Frontier(iTunes が起動します)


※Youtube 公式 PV