自動進行のハック&スラッシュ。
敵を倒してレベルを上げ、アイテムを集めて強化する、育成メインの RPG をオートバトルにしたゲームが公開されています。
B10 Memories Never Last」です。

B100S」というゲームの後継と言え、様々な特殊効果の付いたアイテムを合成し、自分の望む装備を自由に作り出せるのが大きな特徴。
DeckDeDungeonDeckDeFantasy を開発した方の新作で、個人作成のアプリのため見た目はそれなりですが、手軽に遊べる一方で、しっかりやり込める内容となっています。

今回は B10 に加え、前作の B100S も少し紹介しておきたいと思います。
どちらもアプリは無料、課金もありませんが、広告は存在します。

まずは「B100S」の方から。

B100S

プレイヤーがやることは、アイテムの合成と装備、そしてダンジョンの何階を目指すかの指定のみ。
ダンジョンに出発したら後は自動なので、言わば「放置しない放置系ゲーム」みたいな感じです。
戦闘速度は自由に変えられ、かなり高速で進行させることも可能です。

ダンジョンと言ってもただ敵と戦うだけ
迷宮のような絵が描かれていますが、実際にダンジョンを歩いていくことはなく、背景は単なる壁紙。
敵を倒すごとに1階進んだことになります。

指定の階を突破すると状況に関わらず帰還、アイテムとゴールドを持ち帰れます。
いらないアイテムは分解して「インゴット」に変換可能。
そしてこのゴールドとインゴットを使って、アイテムの合成を行えます。

アイテムには様々な特殊効果が付いています。
例えば「ロングソード」なら ダメージ+10、「ブレストプレート」なら アーマー +10、回避 -10。
そしてこの2つを合成すると・・・ これらの特性が全部合わさります。
つまり ダメージ+10 で アーマー +10 で 回避 -10 のロングソードになります。
ここにさらに HP が回復する薬草を加えたら、その効果も付いてしまいます。

武器だろうが防具だろうが薬だろうがお構いなし。 なんでかんでも合体可能。
追加できる特殊効果の数には上限があり、同じ特殊効果を加えた場合は上昇値が鈍くなったりしますが、自由に望みの効果のアイテムを作り出すことが出来ます。

このゲームはダンジョンから出ると主人公のレベルは1に戻るため、「装備の強さ=キャラの強さ」。
言わば、強さを超自由にカスタマイズできる RPG とも言えますね。

ただこのゲームの厳しい点は、やられるとその場に装備をすべて落としてしまうこと。
ダンジョンの深層で死んだら回収するのは困難。
再び同じクラスの装備を作り上げ、その場まで到達しないといけませんが、途中でまた死ぬと完全に失われてしまいます・・・
合成を繰り返して作った強力な装備が消えたら、やる気も一気に消沈。

まあ、だからこそどこまで進むかを慎重に決める必要があり、そこにチキンレースのような緊張感が生まれているのですが・・・ やられると辛いですね。
なお、クリア後のやり込みをプレイできなくなりますが、装備を失わないイージーモードも一応用意されています。

B100S -Auto Dungeon RPG-(iPhone 版、iTunes 起動)

B100S(Android 版、Google Play へ移動)


そして新作である「B10 Memories Never Last」について。

B10

ゲームの基本の流れは B100S を踏襲しています。
出発時に目指す階層を決め、その後のバトルは自動進行、アイテムは種類を問わず自由に合成でき、それによってプレイヤーの強さや特性が決まります。

戦闘を高速化するクロックアップのボタンもあり、進行スピードも調整可能、サクサク遊べます。
ただ、今作は進行スピードを上げると敵の出現ペースが早まり、急ぎすぎると袋叩きに遭うので、対処可能なスピードで進む必要があります。

今作が B100S と大きく違うのは、死んでも装備を失わないこと。
今回の主人公は不死であり、死ぬとそこで探索は中断しますが、装備やアイテムはすべて持ち帰れます。
上がったレベルもそのままで、よって継続的なプレイで確実に強くなっていきます。

そして今作のポイントは、武器に「実行できる行動」が付いていること。
物理攻撃、魔法攻撃、召喚、ヒール といった行動が付加されていて、これは合成では変わりません。
そして物理攻撃の武器を持っていれば通常攻撃で、魔法攻撃の杖を持っていれば魔法攻撃で戦います。
武器の中には複数の行動を行えるものや、左手用の武器も存在し、これらを使えば多重攻撃も可能です。

もちろん前作同様、装備には合成で多くの特殊効果を付加できます。
ただ今作には装備ごとの「固有効果」もあり、これは通常、合成で移すことは出来ません。
実行できる行動と固有効果により、ベースにする装備をどれにするか、プレイスタイルに合わせて選択する必要がありますね。

合成に必要な宝石はアイテムの売却により得られ、ゴールドは廃止されました。
他に、ゲームの進行に合わせて勇者自身がスキルを習得できる要素や、ちょっとしたストーリーも加えられています。

B10
※装備箇所は 右手、左手、鎧、補助1、補助2 の5つ。
武器には両手持ち(TWO HAND)のものがあり、これを使うと左手には何も装備できません。
一方、武器でも DEF HAND の特性があると左手に装備可能。
合成はアイテムをダブルタップして行います。


B10
※合成は例によって、武器+鎧とか、杖+靴とか、どんな組合わせでも OK。
ただしオレンジ色で書かれた「固有効果」は、合成では移植できません。
同じ効果を合成した場合、効果によって数値が増える場合と、変わらない場合があります。
ダメージやアーマーなどは大抵増えますが、連撃率や状態異常の付与率などは増えません。
結果画面をよく見て、ちゃんと合成の効果が出ているかどうか確認しましょう。


一方、今作の難点は・・・ 非常に解りにくくなっていること。
ここまでに述べた様々なシステムは、ゲーム内ではほとんど説明されません。
前作をやっていることが前提のような作りで、そのため今作から始めた人だと合成周りのシステムはサッパリ解らないでしょう。

町に行くと「鍛冶屋」と「酒場」がありますが、鍛冶屋で行えるのは宝石の両替だけ。
酒場では特性の抽出や削除を行えますが、普通の人は鍛冶屋で武器の売買や鍛錬を行えると思うでしょうし、酒場も特性の抽出を見たら、これを利用して合成や強化を行うんだと思うでしょう。 どちらも違います。

まあ解りにくいってのは、解ってしまえば問題なくなるので、この記事を読んだ人ならあまり気にせずプレイできると思いますが、B100S を経験していて大まかな流れを知っていた私でも、最初はぜんぜん勝手が解りませんでした。
インターフェイスは正直、お世辞にも良いとは言えません。

B10
※鍛冶屋や酒場はホントにまぎらわしい。 鍛冶屋は単なる両替所。
酒場は普段は利用する必要ありませんが、「アイテムから1つの効果を抽出」は移植したい効果と邪魔な効果がある場合に、移植したい効果だけを取り出すのに使えます。
ただしどの効果が取り出されるかはランダム。


B10
※スキルの習得は「スフィア盤」のような方式で、必要な「メモリー」はダンジョンの階層を突破することで貰えます。
今作はちゃんと主人公自身も強くなっていきます。


アイテムに付加できる効果は、固有効果1つ+追加効果8つ。
攻撃も防御も回避も上げられるスーパーアーマーとか、回復と経験アップとドロップ率アップとクリティカルアップを全部行える究極のシールドとかを自由に作れるゲームです。

RPG プレイヤーの夢のシステムと言え、ある意味インディーズゲームならではと言えますね。
それでいてしっかりバランスが取られていて、そう簡単な訳ではありません。
「ハクスラ」をより楽しめるシステムと言えるでしょうか。

見た目はやや簡素ですが、手軽に遊べて長く楽しめる、オススメしたいアプリです。

B10 Memories Never Last(iPhone 版、iTunes 起動)

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