台湾の音楽ゲームと言えば Rayark の DeemoVOEZ が知られていますが、それに勝るとも劣らない高クオリティな台湾製音楽ゲームが登場しています。
Lanota」です。

絵本風の物語に沿って各ステージをクリアしていくストーリー仕立ての音ゲーで、温かみのあるイラストがとても良い雰囲気を出しています。
曲の良いものが多く、日本語ボーカルの曲も含まれています。
一方、タップする場所が大きく動くため、これが演出とゲーム性になっていると同時に難しさにもなっていて、この点は iTunes レビューでも賛否が分かれています。

価格は 240 円。 追加ステージを購入する課金はありますが、スタミナや広告はありません。
音楽ゲームですからプレイ時にはイヤホン推奨ですね。

Lanota

Lanota
画面の中に大きな円盤が現れ、その中心から曲に合わせてマーカーが飛んで来ます。
このマーカーが円盤の外周に触れた瞬間にタップしていけば良いのですが、音楽ゲームですから目押しするのではなく、曲を良く聴いてリズムに合わせて押していくことが大切です。

基本的には他の音楽ゲームと同じシステムですが、違うのはタップ箇所が円盤の外周であるため、直線ではなく曲線になっていること。
そしてこの円盤が曲に合わせて動き、回転し、大きさも変わること。

よってタップする場所も円盤の左側面になったり、上側に移ったり、各所に動きます。
円盤の動きは結構ダイナミックで、押しっぱなしにしたまま円の外周に沿って指をグルグル回すようなシーンもあります。

ただ、このせいで指の運びが難しく、プレイし辛くなる場面もあります。
例えば、押しっぱなしにするマーカーが左側に現れ、それを左手で押し、それが右側まで動いていった場合、右側に移動してもまだ左手で押している状態になります。
ここで左側に別のマーカーが飛んで来ると、手をクロスさせてそれを右手で押さなければならなくなります。 こういうシーンが割と多い。

このような場合、左側から右側に動くところで指を左手から右手にチェンジするのが正解なのですが、押しっぱなしのマーカーの指を途中で入れ替えないといけない音楽ゲームなんて普通ない。
円盤が大きく動くのは演出としては面白いのですが、ちょっと譜面の作りに問題も感じますね。

また、画面のあちこちを押さないといけないため、画面の大きな iPad でプレイするとかなりやり辛くなります。 床に置いてやらないと辛い。
このゲームは iPhone か iPod touch でプレイするのを推奨します。

音楽ゲームのタイプとしては、プレイヤーの操作が演奏に影響しない手拍子型。
タップ時にタンバリンのような効果音が出ますが、タイミングがズレても曲は変わりません。
最初はタップ音が大き過ぎるのが気になりましたが、これはゲームオプションで調整可能です。

Lanota
※円盤が縮小して右上に動いているところ。 これによりタップ位置も変わっていきます。
青いマーカーが連続していますが、これは押しっぱなしでも OK のマーカー。
タイミングを計る必要が無いので対応がラクです。


Lanota
※これは上側にタップ位置が動いているところ。 指が邪魔になりやすいのが難点・・・
ただ、こういう場面では青マーカーが多くなり、それで難易度が調整されている印象です。


各ステージを順番にクリアしていく形式で、ステージごとに曲が異なります。
楽曲はバラエティーに富んでいて、最初はファンタジーらしいゆったりした曲が多いのですが、後半はハードでハイテンポな曲も出て来ますね。

難易度は3段階から選べ、マーカーの速度も変更可能。
さらにゲームオーバーのない「TUNE」と、ミスが重なるとゲームオーバーになる「PURIFY」の2つのモードを選べ、TUNE ならどんなにボロボロのプレイでも最後までプレイ可能。
ただし一部のステージは PURIFY でクリアしないと先に進めません。

各ステージをクリアすると Notalium(ノタリウム)と呼ばれる水晶を手に入れることができます。
各難易度で初クリアした時に1つ得られるのに加え、3つの一次チャレンジと、さらに3つの二次チャレンジが用意されており、1つのステージで最大9つのノタリウムを入手可能。
ある程度ゲームが進むと、このノタリウムを一定数集めていないと先に進めなくなります。

ただ、必要数はそんなに厳しくなく、高難度(Ultra)でのクリアが必須になるほどではないので、どちらかと言うとやり込み要素と言えるでしょうか。

現時点(7/21)では、メインストーリーは0章(プロローグ)と1章までで、合計 11 ステージ。
つまり追加課金なしだと曲は 11 曲。
サイドストーリーを 480 円で購入でき、こちらには5曲が含まれています。

Lanota
※ステージ情報画面。 左右のクリスタルアイコンをタップするとノタリウムの入手条件を確認できますが、最初は表示されていません。
1度クリアすると左側の一次チャレンジが、一次チャレンジをクリアすると右側の二次チャレンジが表示されます。
ただ、二次チャレンジはオープンされていなくても達成できます。


Lanota
※ステージマップ。 Chapter 1 の4ステージ目でノタリウムが 20 個必要になります。
主人公の2人は「音と色」を失った各地のノタリウムを「調律」して復活させ、世界を取り戻していきます。


音楽ゲームとしての難易度はやや高めですが、低い難易度なら誰でも遊べるレベルで、タイミングの判定もあまり厳しくありません。
なにより演出・雰囲気・イラストなどが良く、全体の完成度が高いです。

Rayark の VOEZ が無料アプリになり、その反動で数千円の課金をするか、日時を気にしないと本格的に楽しめないシステムになったので、私としてはこちらの方が好みですね。
やり辛い部分もありますが、意外と無難な作りだった VOEZ よりインパクトもあります。

まあ音ゲーファンなら、両方押えておくべきでしょうか。
音楽ゲームの新しい定番の1つになり得るアプリでしょう。

Lanota(iPhone 版、iTunes 起動)


※Youtube 公式 PV