スマホの縦スクロールシューティングの名作「Phoenix」。
もう6年近く前のゲームですが、今でも「一番好きなスマホのシューティングは?」と聞くと、この名をあげる人は多いでしょう。
その Phoenix に、待望の続編が登場しています。
Phoenix II」です。

テンポ良く進むゲーム性は相変わらずで、グラフィックやサウンドも強化されました。
特に光の演出が美しいゲームですね。

ただ、今回は思っていたのとは違う方向に変化した印象・・・
前作はランダム性の強いゲームで、プレイする度に異なる展開を楽しめたのですが、今回は他のプレイヤーとスコアを競うソーシャル要素が重視されており、同じ構成のステージを全員で繰り返しプレイします。
ステージは毎日ランダムで生成されますが、1日経たないと変わりません。
機体の入手と強化の要素もありますが、必要な「クレジット」は日々のプレイで少しずつ貯めていく形式。

こんな感じになったため、今回は本体無料のアプリになっています。
ただ課金は必須ではなく、広告やスタミナはありません。
メッセージは全て日本語化されています。

Phoenix II
指をスライドして自機を動かし、ショットは自動で連射されます。
ボタンはなく、操作性自体は良好です。
問題は「指置き場」がないことですが・・・ これについては後述します。

敵を倒すと青い破片のようなものがばらまかれ、これを吸い込むとエネルギーがチャージされます。
エネルギーが増えると、その量に応じて自機の周囲に結界のようなものが展開されます。

今作には豊富な機体があり、どれを使っているかで結界の効果は変わるのですが、「弾薬EMP」なら結界内の敵弾を消去、「スタンEMP」なら結界内の敵の攻撃を妨害、「バリア」なら結界の外周に敵弾を防ぐバリアが張られます。
結界の効果は画面を二本指タップすると発動し、ほとんどの効果は使うと結界が消滅します。

今作が前作と大きく違うのは、耐久力がなくなったこと。
1発被弾したら即死、残機もないので即ゲームオーバー。
にも関わらず敵の攻撃は激しいので、前述の結界の効果を使い、敵の攻撃を防がなければなりません。
幸い、結界は一度消滅しても破片を回収すれば復活し、繰り返し使うことができます。

敵を全滅させると「ウェーブ」が1つ進み、どこまで進んだかに応じてゲームオーバー時に「クレジット」を得られ、これで自機の購入や強化を行えます。
また、自機は一定時間ごとに使える「ワープゲート」を使用しても得られます。

自機は現時点で、なんと 40 種類!
それぞれショットや結界効果、さらにタメ技の効果が違うため、様々な機体で戦う面白さがありますね。
ただ、ゲーム中のパワーアップアイテムがなくなったため、自機が強くなっていく楽しみは薄れています。

Phoenix II 5
※ショットは機体ごとに違います。 左はうねうねした動きで敵に当たる「フラックスシーカー」こと、うにょりレーザー。
右は「バリア」を使ったところ。 でも見てのように内部の弾は消せないので、あまりアテにならない・・・


今作は日々更新されるスコアランキングで上位を目指すのが大きな目標となっています。
ステージは「デイリーミッション」になっていて、その内容は毎日変わり、ミッション終了時の順位に応じてパイロット経験値が上昇、さらに勲章となる「バッジ」とクレジットが与えられます。

ただ、難点は・・・ 更新されるまでずっと同じステージ内容と言うこと。
どのミッションも 20 ウェーブで構成されていますが、一撃死になったこともあり難易度が高騰していて、10 ウェーブを超えたぐらいから非常に難しくなります。
多くの人は 12~14 ウェーブ辺りで行き詰まるのではないでしょうか。

しかしクレジットは「最高到達ウェーブ数」を更新した分しか与えられず、例えば初回プレイで 10 ウェーブに到達した時は 10 ウェーブ分のクレジットを貰えますが、次のプレイで 12 ウェーブに到達しても差し引き2ウェーブ分のクレジットしか貰えません。
もし前回の記録に満たなかった場合、プレイ報酬はありません。

前作だと出て来る敵がプレイごとにランダムだったので、「特定のポイントから前に進めない」ということはなかったのですが、今回は「ステージの内容が同じ」「クレジットは記録更新しないと貰えない」という2点のおかげで、行き詰まると先に進めなくなり、強化でどうにかすることもできません。
ステージが更新される翌日まで待たなければなりません。

さらにもう1つの難点は、操作の問題。
動き自体は滑らかなのですが、敵の弾幕が激しいので画面下に追い詰められることが多く、しかも敵がかなり下部まで迫ってきます。
おかげで最下部まで移動しようとして指が邪魔になったり、画面からはみ出そうになると言った弊害が多発、プレイし辛さを感じます。

前作は自機の当たり判定が先端にあったので、最下部まで移動してもその周囲が見やすく、操作もしやすかったのですが、今作にはそんな配慮はなし。
画面上部に指を置いたり、本体を逆さに持ってプレイした方がやりやすく、つまり「そういう事をしないと辛いゲーム」になっています。

Phoenix II
※左はメニュー画面。 用語が解りにくいのですが、「ワープゲート」というのは定期的に引ける機体ガチャ。
「デイリーミッション」はメインゲームです。
右はレーザーをかわしているシーン。 前兆は長めに表示されますが、まとめて撃たれると辛い。
画像ではテレポートの特技で左上にワープして避けてます。


Phoenix II
※左は機体一覧画面。 ガチャの他にクレジットで購入することも可能で、1~3のレアリティがあります。
右はランキング。 1位はチートなので実質2位。 クリアした人はスコアが同じになるので、その時はクリアタイムで順位が決まります。
なお、初期機体ではかなり辛かったので、600 円課金してレア3の機体で挑戦しました。
上位機体がないと厳しいというのも、ちょっとアレな点でしょうか・・・


今作は基本的に、日々少しずつプレイするゲームになっています。
長く楽しむことは出来ますが、良く悪くもスマホゲームらしい作りになりましたね。

また、簡単にクリアされてしまうとランキングがカンスト(上限値)で埋まってしまうため、それを加味した難易度になっているようですが、おかげで超高難度の弾幕シューティングになっています。
完全にコアシューター向けのゲームになった印象。

ステージ構成がランダムのままだとハイスコアは運次第になってしまいますし、前作は慣れるとプレイ時間がかなり長くなったので、1プレイを短くして手軽に遊べるようにしたのかもしれませんが・・・
前作のような誰でも楽しめるシューティングでは無くなりましたね。

しかし全体のクオリティは高いので、毎日数プレイずつ、日々のランキングを楽しみながら細々とプレイするシューティングとして、悪くないと思います。
がっつり遊びたい人は・・・ 初代 Phoenix をプレイしましょう。
そう言う意味では、続編というより、ランキングチャレンジ用の派生作みたいな感じもしますね。

Phoenix II(iPhone 版、iTunes 起動)