ios iphone ipadandroid

パズドラやモンストと並ぶ、コロプラを躍進させたソーシャルアクション RPG「白猫プロジェクト」。
その白猫のキャラクターを使った、対戦型テニスゲームが公開されました。
白猫テニス」です。

正直、この話を聞いた時は「テニスかよ・・・ 確かに今年、コロプラはスポーツゲームに力を入れると言ってたけど・・・ しかも白猫のキャラを流用? 既存ユーザーに注目して貰えるだろうけど、世界観ぶち壊しだろ・・・」とか思っていて、全く期待していませんでした。
しかしやってみると、思っていた以上にデキが良い。

そして何より、スポーツゲームというより「対戦ゲーム」という感が非常に強いです。
つまり、RTS の対戦ゲームである クラッシュ・ロワイヤル、MOBA(LoL系)の対戦ゲームの Vainglory、TCG の対戦ゲームの ハースストーンシャドウバース などと同列にある、スポーツの対戦ゲームという感じですね。
「なるほど、コロプラは日本でも普及しつつある対戦ゲームのジャンルとして、テニスを選んだのか」といった印象です。
そしてやっていて、それが成功しているのを感じます。

しかし今の時点ではバランスに問題があり、さらに勝てない人がガチャゲーであることを批判、加えて「リセマラで最高レアがなかなか出ない★1」みたいな残念なレビューが多いのも相まって、評価は真っ二つになっています。
と言うか、iPhone でも Android でも★1の方が多く、現時点(8/2)で★5が 30 %、★1が 40 %といったところ。
詳しくは後述しますが、確かに批判が出そうな作りである事は否めませんね・・・

白猫テニス
他のプレイヤーとリアルタイムの対戦を行う「テニスの塔」のモードと、各地を巡ってコンピューターキャラと戦っていく「ツアー」モードがあり、つまり対戦メインではありますが、1人用のモードもしっかり用意されています。

操作はコロプラのゲームでおなじみの「ぷにコン」。
画面をスライドして移動、タップでボールを打ち返し、フリックで左右に打ち分けることが出来ます。
操作性はかなり良好で、タッチパネルでも快適にテニスできますね。

このゲームの重要なポイントとなっているのは「スタミナ」。
スタミナと言ってもソシャゲによくあるプレイ制限のことではありません。 キャラクターの体力です。

各キャラは移動やボールを打ち返す時にスタミナを消費します。
キャラのステータスが高く、ボールを打つタイミングがジャストなほど、相手に与えるスタミナダメージが大きくなります。
スタミナがなくなるとだんだん動きが鈍くなり、完全に尽きるとバテてしまって、まともにボールを拾えなくなります。

打ち合いが続いた場合、スタミナが先に尽きた方が大抵負け。
加えてスタミナは次のゲームになっても回復しないので、左右に打ち分けて相手を走らせたり、強いボールを打ち続けて疲弊させる事が勝利に繋がります。

ただ、このゲームは3人のキャラクターでグループを組んでいて、1ゲームごとに使用キャラをチェンジできます。
スタミナが減っても元気なキャラに交代させれば、スタミナ切れを防止できます。
全員バテたらピンチですが。

ゲームが進むと浮かせ玉の「ロブ」や、横に曲がる「スライス」などの技も使用可能に。
キャラのステータスがあるとは言え、勝敗はプレイヤーの腕前次第なので、例えば超激レアの★4キャラを並べたチームが出て来ても、展開次第では★3や★1のチームで十分勝利を狙えます。
あくまでテニスであり、アクションゲームなので、キャラが強くてもミスったら負けます。

iTunes でも Google Play でも「★4が出ない。ゴミ」とか言ってる人が割といますが、そこまで★4にこだわらなければならない印象はありません。
むしろ★2や★3で★4チームを倒す楽しさもありますね。
無論、高レアがあった方が良いのは確かなので、そこはやっぱり「ガチャゲー」ですが。

白猫テニス
※サーブはボールが赤い時に打つと強く打てるのですが、赤くなるのは一瞬なので「それっていつだよ!」と思っている人も多いはず・・・
ボールが左の画像の辺りの時に赤くなります。
右はスタミナがなくなってボールに追い付いていない状態・・・ こうなるとほぼ無理。


白猫テニス
※打ち返してもタイミングや距離が悪すぎると相手のチャンスボールになります。
この時に浮いたボールを打てばスマッシュになりますが、タイミングが難しい。
チャンス表示の真下で撃つ必要はなく、バウンド後のボールでもうまく打てればスマッシュになります。
右画像はゲージが貯まると打てる必殺技「スーパーショット」のシーン。
ショット自体が打ち返し辛いものと、打ち返した相手に状態異常を与えるものがあります。


ゲームに勝利すると、お金や「ルーン」などのアイテムを得られます。
キャラクターは 白猫プロジェクト と同じく、「ソウルボード」と呼ばれるスフィア盤でパワーアップすることが可能。
獲得したルーンを消費して、スピードアップやスタミナアップなどの強化を獲得していけます。

ルーンの入手量は「テニスの塔」で行うオンライン対戦の方が1人用よりはるかに多く、負けてもポイントに応じた分を貰えます。
よってキャラを強化したいなら、ガンガン対戦に挑んだ方が良いですね。

一方、1人用の「ツアー」を進めていくと「ガチャポイント」を早めに貯められます。
これは一定量に達するとガチャチケットを貰えるもので、よってこれを貯めれば無課金でもガチャが可能。
「一定時間ルーン入手量アップ」などの消費アイテムも貰えるので、双方にプレイする利点があります。

ガチャはキャラガチャと、ギアと呼ばれる装備ガチャの2種類。
ガチャは1回 600 円と、(今の)白猫と同じではありますが、かなり高額です。
昨今のソーシャルゲームの中では最高値クラス。
タダでガチャチケットを得られる頻度は多めなのですが・・・

白猫にあったタウン(町作り)は、このゲームでは「チームタウン」になっています。
テニスの塔で一定の成果を上げ、チーム(ギルド、クラン)に所属する事で、チームタウンを利用できるようになり、発展すればキャラクターに若干のステータス補正が与えられます。
デメリットはないので、加入できるようになったらどこかに入っておいた方が良いですね。
チームメンバーと「ダブルス」の試合も出来るようになります。

白猫テニス
※グループは3人1組。 キャラとコートに「属性」があって、合っていないキャラは能力がダウンするので、最終的には各属性ごとのグループを作ることになりそうです。
右は1人用モードのステージ選択画面。 こんな風にソロモードもちゃんと作られているのが良いですね。


白猫テニス
※左はキャラを強化するソウルボード。 白猫や FF でおなじみのツリー形式。
右は装備画面。 ラケットやシューズの強化はキャラ画面の「ギアショップ」のボタンから行えます。
キャラ強化には「ソウル」、ギア強化には「コイン」が消費され、使う通貨が異なります。


完成度は非常に高いと思うのですが、冒頭で述べたように評価は真っ二つ。
批判されやすいゲームであるのは否めません。

まずは、アクション重視の対戦ゲームなのにキャラも装備も「課金ガチャ」であること。
前述したようにテクニックでカバーできるゲームではありますが、やはりキャラの性能差で如何ともしがたい場合もあります。
互角の展開になるとキャラが弱い方が先にスタミナが尽きるし、そういった状況でレアリティの差を見せつけられると、ガチャゲー感を急に感じて興醒めする事も少なくありません。

そしてもっと気になるのは、スタミナドリンクの存在。
試合中、取るとスタミナを回復できるドリンクが投げ込まれるのですが、これが偏る場合があります。

相手のコートにばかり連続で投げ込まれる事もあり、前述したようにこのゲームはスタミナが超重要、それを回復させるドリンクが一方にばかり出て来るとそれで決まってしまいます。
どちらに投げ込まれるかは完全にランダムのようで、こちらがスタミナ0、相手に余裕がある時に、相手側に連続で投げ込まれるといったフザケたケースも普通にあります。

また、高レアキャラを1人だけ鍛えまくって、ドリンクで回復しながらそのキャラだけ使い続けることもドリンク運が良ければ可能で、ドリンクがスタミナやキャラ変更システムも殺しています。
ドリンクについては巷でも批判が多く、近いうちに修正が入ると思いますが、今の時点ではゲームを壊しているだけの気がしますね。

もう1つ、ラグ(通信不良に伴う動作遅延)も気になります。
リアルタイムの対戦ゲームなので通信不良が起こるのは仕方ありませんが、このゲームは調整というか「ごまかし」がヘタな印象。
相手がサーブを空ぶったのに急にボールが飛んでくる、打ち返すタイミングでいきなりガクガクのコマ送りになるなど、発生頻度は高くありませんが、「なんだよアレ!」というケースがたまに起こります。

オンラインゲームでは通信の同期がうまく取れていなくても、パッと見は気にならないように動かしたりするものですが、このゲームはラグったら画面もそのまま止まる感じで、アクションなのでそれが致命的になるケースもあります。

白猫テニス
※左は試合開始前の相手メンバーの登場シーン。 これ自体は良いのですが、相手のレアリティが表示されているため「お前の今回の相手は激レアだぜ」と見せつけられる。
そのうえでフルボッコにされたりすると「なんだよこの課金ゲー!」と思ってしまうのは否めない。 低レアで勝てれば優越感があるけど。
右は課金画面。 ガチャに必要なジュエルは 25 個、つまり1回 600 円。
白猫は当初 500 円でしたが Apple のレート改定で値段が引き上げられ、そのまま修正されていません。 その値段にこちらも合わせられています。
まあ、ガチャチケットを多めに配布して間口を広げ、一方で課金額を高くして重課金者からは搾り取るってのも、マネジメントの方法なのかな・・・


私的には、予想以上に面白い対戦ゲームだと感じていて、「スポーツゲームのスマホ対戦もアリだな」と思うようになりました。
しかしこれがメジャーになるかどうかは今後の運営次第で、ヘタすると盛大にコケる可能性もあります。

オンライン対戦がメインですから、楽しみ方がややマニア向け。
テニス+白猫という、幅広いユーザーにウケそうな題材にしていますが、難しく感じて離脱する人も少なくないはず。

そしてガチャ。 現時点のテニスの塔 10 階以上(オンライン対戦 10 勝以上)になると、ほとんどのユーザーが★4キャラを主力にしています。
コロプラはガチャの当選確率を開示していませんが、★4の出現率はかなり低いはず。
にも関わらず8割の対戦相手が★4なので、つまりガチャで超激レアが偶然当選したか、血の滲むようなリセマラを繰り返したか、かなりの重課金をした人しか残っていない。
これでは大半の人は早期離脱することが考えられます。

そもそも他のオンライン対戦ゲームは高レアだけでは戦えないか、課金ガチャがないゲーム。
しかしこれは高レアが低レアのほぼ上位互換で、ゲーム的にそれを是正するのも難しい・・・

ただ、1人用のツアーモードでも楽しめるし、そのボリュームもあります。
テニスゲームとしてのクオリティは本当に高く
、コロプラの開発力の高さを改めて感じますね。
この作りで今後どうなっていくのか・・・ 興味深いところです。

白猫テニス(iPhone 版、iTunes 起動)

白猫テニス(Android 版、Google Play へ移動)

※Youtube 公式 PV (テレビCM)