NHK Eテレ(教育テレビ)のミニアニメーションのような、細密に描かれた不思議な世界を旅するアドベンチャーゲームが公開されています。
Samorost 3(サモロスト3)」です。

The RoomAgent A のような脱出ゲーム / ポイントクリック型アドベンチャーではなく、Lumino CityLove You To BitsTengami のような、主人公を移動させてアイテムやしかけなどを調査し、先に進む方法を探していくタイプのゲームです。

宇宙を漂う自然豊かな小惑星を訪問していく内容ですが、登場するキャラクターはヘンテコなものばかり、ストーリーもあって無きが如くのシュールで不思議な展開。
それでいてグラフィックは超緻密という、独特な世界観が特徴ですね。

価格は 600 円。 買い切りゲームなので課金、スタミナ、広告などは一切なし。
開発したのはチェコのメーカーで、文字はほとんど表示されないため、言語は気にする必要ありません。

ちなみに Samorost 1Samorost 2 はパソコンの Flash ゲームですが、公開されたのは 10 年以上前。
また、どちらもポイントクリック型のアドベンチャーで、今作とはプレイ感が異なります。
前作・前々作を知らなくてもゲーム的には全く問題ありません。

Samorost 3 サモロスト3

Samorost 3 サモロスト3
望遠鏡で宇宙を眺めつつ、星々を旅することを夢見る白タイツのノームが、突然降ってきた謎のフルートを片手に小惑星を巡っていきます。
ただ、前述したように世界観が奇妙すぎてまともなストーリーなんてありません。
ヘンなキャラがヘンな世界をヘンな風に旅するヘンな話ですね。

そのため謎解きも理論的に解明できないことが多く、各所にヒントはありますが、基本的には総当たりで色々試してみるしかありません。
文字が出て来ないので英語が読めなくても遊べるのは良いのですが、出て来る絵などが独特なので、それが何を表わしているのか、少しひねって考える必要があります。

しかし主人公は本を持っており、ここに全てのシーンのヒント・・・ と言うか、「図解による答え」が書かれています。
よって行き詰まっても本を読めば良く、この辺は解答の書かれた本を最初から持っている The Lost City のような作りですね。

ただ、前述したように「絵が独特」というのがポイント。
本の「図解による答え」も詳細に書かれている反面、ちょっと解りにくい部分があって、その辺は「答えの解読」をしなければなりません。

また、ヒントの本を開くにはダイヤルの鍵を解除しなければなりません。
ダイヤルに付いているマークを並べるだけの簡単なお仕事ですが、本を見るたびにこの作業を2回ずつ行う必要があるため、正直言ってめんどくさい。
まあ、スクリーンショットを撮ってしまえば問題ないのですが・・・

Samorost 3 サモロスト3
※文字のないゲームなのでフキダシもアニメーションになっています。
こういう作りだとローカライズの必要がなく、国を問わず楽しめるので良いですね。
それにしても、どのシーンも背景がすごい。


Samorost 3 サモロスト3
※右上の★マークのボタンを押すとメニュー画面が開きます。
ヒントの本を見るにはダイヤルを回して、赤いランプを一列に並べる必要があります。
一度開いたページは作業なしで読ませてくれれば・・・


Samorost 3 サモロスト3
※本のヒントもこんな感じでイラストになっています。
ただ、実際に画面上でどう操作するのか解釈しなければならない時も。
どうしてもよく解らない時は、アイテムが足りないかもしれないので他のシーンに移動してみましょう。


このゲームの大きな魅力は、そのグラフィックデザインでしょう。
小惑星と言っても、見た目は巨大な古木や生き物。
その不思議な風景が、東欧特有のやたら細かく描き込まれたグラフィックで表現されています。
岩肌のコケや生き物の産毛など、まるで写真のように見えるところも多いです。

羽音や触角で音を奏でる虫、妙な機械で風呂に入ってるサル、霊体のようなものを出すキノコなど、不思議というかEテレというか、そんなユニークなキャラが数多く登場しますが、それら非現実的なキャラが妙にリアルに描かれているギャップが良いですね。

難点は・・・ まず難易度。
解答が書かれた本を持っていますが、その解答を見ないとやってられない。
本を見ずに進めるのは相当困難で、最近は遊びやすいアドベンチャーが増えていますが、これは本気で悩ませようとしているような仕掛けが多め。
解答本があることを前提にしたような作りの印象です。
そして前述したように、本を見ても解りにくかったりする。

ストーリーも単なる放浪記に近いので、謎が解明されていくとか、せつない物語があるとか、そういうのはないです。

あと、面倒なシーンが多い気もしますね。
結構行ったり来たりしなければならない場面が多く、パズルを解かないと進めないシーンを、繰り返し往復することもあります。
普通こういうシーンは一度解くとショートカットできたりしますが、このゲームにそういうのはない。

各惑星はそんなに大きい訳ではないのですが、悩んでいる時はあちこち歩き回ることになるし、その割に移動が面倒なところがチラホラあります。

Samorost 3 サモロスト3
※曲がりくねった枝が生い茂る奇妙な星。 まるで有機物のようなデザイン。
草に覆われた地表の表現は写真に見えるほど異様に細かい。


Samorost 3 サモロスト3
※山肌から出て来る不思議なモヤモヤ。 実体化してキノコになり、キノコ狩りがやってきます。
出て来るもの、それによって生じる展開、どれもシュールで奇想天外。


Samorost 3 サモロスト3
※カードを使ったミニゲーム。 隣り合わせたカードの組合わせにより、カードの中の絵がアニメーションして、それが正解ならカードに変化が生じます。 かなりユニークなシーン。

雰囲気と映像の魅力にあふれた作品ですが、一気に進もうとすると面倒になる印象も。
少しずつ進めていくのが良いゲームだと思いますね。
ボリュームは十分にあり、この手のアドベンチャーとしてはかなり長く楽しめる方です。

Apple がオススメしているのも納得できるビジュアルの作品。
この雰囲気が好みな人、アドベンチャーが好きな人には、良いアプリだと思います。

Samorost 3(サモロスト3)(iTunes が起動します)

Samorost 3(サモロスト3)(PC 版、Steam へ移動)

※Youtube 公式 PV