日本時間9月8日の午前2時、毎年恒例の Apple スペシャルイベントが実施され、新型 iPhone が公開されました。

iPhone 7 は事前の噂で「色が追加される」「Felica(日本対応の電子決済)が搭載される」「防水仕様になる」「容量が256GBになる」「Plus はデュアルレンズになる」「イヤホンジャックが廃止される」という話がありましたが、これらは全部本当でした。

予約開始は 9/9 からで、販売開始は 9/16 からとなります。
また、新型 Apple Watch(シリーズ2)、ワイヤレスイヤホン AirPods も発表されています。
iPhone にスーパーマリオ、Apple Watch にポケモン GO のアプリが登場することも、ゲーマー的には注目でしたね。

ここでは速報として、発表会の模様をお伝えいたします。

news iPhone 7

イベントでは「Apple の取り組み → Apple Watch Series 2 → iPhone 7」の順に紹介されましたが、ここでは iPhone 7 の詳細からお伝えしたいと思います。

【 iPhone 7 / iPhone 7 Plus 】

事前の噂が二転三転していましたが、結局名前は「iPhone 7」という当たり前なものになりました。
iPhone 7 の特徴を「10大機能」として紹介していて、ここでもそれに沿って解説いたします。

news iPhone 7 black

1・デザイン

まずはデザインの変化が映像と共に紹介されていました。
今回から加わるツヤツヤで真っ黒な新色「ジェットブラック」がピックアップされていましたが、従来通りのシルバー、ゴールド、ローズゴールド、ブラック(ノーマル)もあり、これらの背面は若干のツヤ消し加工が施されています。

日本の Apple 公式サイトによると、サイズは iPhone 6s と全然変わっておらず、「イヤホンジャック廃止はさらに薄くするためだ!」みたいな意見もありましたが、厚さも前と同じです。
ただ、重量は 143g → 138g と若干軽くなっています。

news iPhone 7 black 2

news iPhone 7 rose

注意として、容量は 32GB、128GB、256GB の3種類がありますが、ジェットブラックは 128GB と 256GB のみです。
表面は高精度ガラス仕上げになっており、さらに耐久性がかなり重視されているようで、流されていたムービーもデザインと共に耐衝撃性・キズ耐性などをアピールしたものになっていました。

新型 iPhone が出る度に折れるとか曲がるとか言われているので、その点に気を使っているのが伺えます。
まあ実際の強度は、定番の破壊調査の報告を待ちたいところです。

※破壊調査については こちら でお伝えしています。 iPhone 6s よりかなり強度が増しているようです。

2・ホームボタン

ホームボタンの形が変わっています。
圧力センサーによる新しいボタン」になったとのことで、物理ボタンではなくなったようですが・・・
しかし「クリック感を得られる」作りになっていると述べられていて、ただのセンサーボタンではない模様。
「高速に、新しい触覚的な反応を正確に返す」とアピールされています。

news iPhone 7 home button

このホームボタンの制御のために「Taptic Engine」と呼ばれる IC チップが導入されていて、ボタンの反応をカスタマイズ可能、さらにサードパーティー用の API(外部のアプリがこれを活用できるシステム)も提供されるとのこと。

使用感は使ってみないと解りませんが、ホームボタンが原因の故障は確実に減りそうですね。
内部映像を見た感じでは、イヤホンジャックがなくなって空いた部分に、この Taptic Engine が付けられているようです。

news iPhone 7 taptic engine

当然 Touch ID にも対応、指紋認証も行われます。
iOS10 のロック解除は画面スライドではなく、ホームボタンを押す形になっています。
その時に指紋も読み取られ、認証に成功したらパスコード不要でロックが解除されます。
これは非常に便利で、この新ボタンにもマッチしてそうですね。

3・防水、防塵

今回の iPhone の大きな特徴。 「かなり頑張ったよ! 大変だったよ!」とアピールされていました。
防塵・防水の基準「IP67」を満たすとのことで、これは防塵 Lv6、防水 Lv7 と言えます。

news iPhone 7 IP67

防塵の6等級は最上位で、「粉じんが侵入しない」という完全な耐防塵仕様。
防水の7等級は上から2番目で、各等級を簡単に述べると以下のようになります。

1・水滴が落ちてもダイジョーブ
2・かなり水滴が落ちてもダイジョーブ
3・霧状の水にさらされてもダイジョーブ
4・水が飛び散ってもダイジョーブ
5・水が噴射してきてもダイジョーブ
6・波がバシャーンとかかってもダイジョーブ
7・低水圧なら短時間水の中に落としてもダイジョーブ
8・しばらく水中に置いといてもダイジョーブ(完全防水)

防水7は、風呂やプールにポチャンとやってもすぐ取り上げれば大丈夫なレベルになります。

news iPhone 7 水にダイブ

ヘタに「防水」とか言うと、調子に乗った人がジャブジャブ水洗いするなどのムチャをやって、「防水なのに壊れた!金返せ!」とか言い出すので、耐水性を高めても大きくアピールしないだろうと思われていたのですが、会場ではかなりジャブジャブやっているアピール映像を流していました。
相当の自信が伺えますね。
この辺も実際のところは発売後、世界各地の破壊神様が実験報告してくれるものと思われます。

※耐水実験の結果は こちら でお伝えしています。 他のスマホの IP68(完全防水)以上の耐水性能を持つようです。

4・カメラ

かなり長くアピールされていた部分。 ここだけで iPhone 7 の紹介の半分ぐらいあったと思います。
ざっと言うと、1200万画素、f/1.8 のレンズ、3倍の露出、従来の 50% の明るさ、6層構造、以前より 60% 高速で 30% 効率化されたセンサー、LED が4つになって 50% 明るくなったフラッシュ、光の色を調整するフリッカーセンサーなどが強化されています。

そして以前は Plus にしか付いていなかった、カメラが物理的に動いて手ぶれを防止する機能が Plus でない iPhone にも搭載されます。

news iPhone 7 camera

また、iPhone 7 Plus は 1200 万画素のレンズが2つある「デュアルレンズ」になり、一方は広角レンズ、もう一方は望遠レンズになるようです。

これによりズーム機能が強化され、5倍・10倍のズームが可能、ズーム時の画質も4倍綺麗になるとのこと。
手前の人物をクッキリ、背景をぼかす手法の写真も簡単に撮れるとアピールされていました。

news iPhone 7 camera 2

news iPhone 7 boke shot

5・Retina HD ディスプレイ

より美しいディスプレイに進化したとのこと。 ただ、一部で噂になっていた有機 EL ディスプレイではないようです。
従来より 25% 明るくなり、より高色域を表現できる画面になっています。
もちろん感圧機能 3D Touch も搭載。

news iPhone 7 Retina HD

6・スピーカー

スピーカーが上部と下部に2つ付いています。
これにより、横持ちにした時にサウンドがステレオになります。

音量2倍の表記もありましたが、つまりスピーカーが2個だから音量も2倍出せるのだと思われます。
防水仕様になったため、耐水性も重視されているようです。

news iPhone 7 stereo speakers

※ただし最大音量が増えたおかげで、カメラのシャッター音も大きくなるという弊害があります。
対策については こちら を。


7・イヤホン

賛否両論・・・ と言うか、ほぼ批判が大半の中、とうとうイヤホンジャックが廃止されました。
噂通り、イヤホンは Lightning コネクタに接続することになります。
そして付属されるイヤホン「EarPods」も、Lightning の形式になっています。
ただ、従来のイヤホンも使えるよう、変換アダプタが付属されています。

news iPhone 7 lightning earpods

news iPhone 7 イヤホンジャック変換アダプタ

イヤホンジャック廃止の理由は、「我々には前に進むための勇気と信念があーる!」だそうです。

8・ワイヤレス

そしてワイヤレスな新しいイヤホン「AirPods」が発表されました。
しかしこれは別売りなので、この項目は実際には iPhone の新機能という訳ではありません。

「W1」と呼ばれる専用チップを内蔵する高性能ハイテクイヤホンで、赤外線センサーで耳に装着されているか検知、マイクも内蔵していて音声検出センサーで話し声をピックアップして集音します。
1度の充電で5時間連続でリスニング可能、専用のケースがあり、そのケースのふたを近くで開くだけで iPhone がイヤホンに反応します。

news iPhone 7 AirPods

news iPhone 7 AirPods のケース

2つセットですが、1本でも使え、iCloud で設定情報を共有することもでき、もちろんオーディオ性能は素晴らしいとのこと。

でも、お高いんでしょう? えぇ、$159 でございます。 Apple ストアで 16800 円
他にヘッドホン型、耳かけ型、スポーツ型などの「Beats x」と呼ばれる製品も発売されます。

9・Apple Pay

この項目は完全に日本向けでした。
日本の電子決済システム「Felica」が使用可能になります。
利用できる決済にはクレジットカードはもちろん、Suica やホットペッパーなども含まれており、日本人にはかなりインパクトが大きいですね。

news iPhone 7 felica

開始は10月末頃になるとのこと。
また、Apple マップが日本の乗換案内に対応することも合わせて発表されていました。

10・パフォーマンス(基本性能)

当然ながら基本性能もアップしています。
CPU が「A10」になり、なんと4コア CPU とのこと。
ただ、メインコア2つとサブのコア2つの構成のようで、アプリの実行などの負荷の高い処理はメインで、メール確認などの軽い処理は電力効率の良いサブの方で行うようです。

確かにスマホだとバックで色々やることが多いので、この構成の方が電力消費を抑えつつ速度向上・負荷軽減を図れそうですね。

news iPhone 7 A10

メインコアの処理速度は A9(iPhone 6s)より 40 %速く、A8(iPhone 6)の2倍。
「初代 iPhone と比べたら 120 倍速くなったよ!」とのこと。
サブのコアはメインの 1/5 のパワーだそうですが・・・ この「パワー」が電力なのか速度なのかよく解りません。両方?
グラフで見る限り、サブのコアでも iPhone 5 ぐらいの性能があります。 しかもそれが2個。

グラフィックの処理速度は A9(iPhone 6s)より 50 %アップ、A8(iPhone 6)と比べると3倍。
一方で消費電力は A9 の 2/3、A8 の半分になっているそうです。

news iPhone 7 A10性能

news iPhone 7 A10 GPU性能

※実際の性能調査(ベンチマーク)報告は こちら をご覧下さい。

会場ではこのパワーを存分に発揮できるゲームとして「F1 2016」というレースゲームと、Oz:Broken Kingdom というゲームが紹介されていました。

Oz の方はグラフィックは凄いですが、ゲームはターン制のカードバトル RPG のようでした。
下の動画は Youtube の公式トレーラーです。



バッテリーも少し伸びるようで、iPhone 6 より2時間長く、6s より1時間長いとのこと。
Apple 公式サイトによると、連続通話時間は変わりませんが、3G のインターネット利用は iPhone 6s が最大で 10 時間に対し、iPhone 7 は最大 12 時間になっています。
iPhone 7 Plus はもう少し長めで、最大 13 時間です。

メモリについての言及は、例によって無し。
噂では iPhone 7 は iPhone 6s と同じ 2GB で、iPhone 7 Plus は 2GB 説と 3GB 説があります。
この辺は分解調査待ちですね。

※メモリは iPhone 7 は 2GB、iPhone 7 Plus は 3GB なのが確認されました。

そして価格。
iPhone 7 が $649、iPhone 7 Plus が $769 ですが・・・ iPhone 6s とは容量が違うので比較しにくい。

日本の Apple 公式サイトの表記は以下のようになっています。
iPhone 7:32GB 72800円、128GB 83800円、256GB 94800円
iPhone 7 Plus:32GB 85800円、128GB 96800円、256GB 107800円

iPhone 6s の時は 16GB 86800 円、64GB 98800円、128GB 110800円だったので、値下げされている模様。
ただ、実際には各携帯電話会社で分割払いで買う人が多いでしょうから、価格は電話会社次第です。
なお、iPhone 6s は 7 の発売以降、32GB と 128GB モデルのみとなり、以前より安くなります。(32GB 61800円、128GB 72800円)

改めてになりますが、予約開始は 9/9 から、販売開始は 9/16 からです。

news iPhone 7 以降のラインナップ


【 Apple の取り組み 】

今回のイベントは、最近 Apple が取り組んでいる事柄の話からスタートしました。

まずはミュージックについて。
「カラオケを作っている」とアピールされていて、要するに iOS10 のミュージックアプリの歌詞機能のようです。

ただ、iOS10 の歌詞機能は・・・ 日本では使えるかどうか不明です。
ヘタすると現在表示できる、音楽ファイルに登録した歌詞さえも表示できなくなる可能性があります。
実際にどうなるのかは iOS10 が公開されるのを待つしかありません。

そしてアプリについて。 スーパーマリオが公開されます!
なんと舞台には任天堂の宮本さんが登場、自ら新アプリをアピールされていました。
さすがに会場でも驚きの声が上がってましたね。

news スーパーマリオラン

ゲーム名は「スーパーマリオラン」。 文字通り、スーパーマリオがランゲームになったもの。
マリオは自動で走りだし、タップでジャンプ出来るようで、これだけ聞くと凡百なランゲームのようですが、そこは任天堂ですから既存のものとは違う何かがあると思いたいです。
リリースは年末を予定している模様。



他に、教育用のプログラムや、作業用アプリ「iWork」の取り組みなどが紹介されていました。
iOS10 の話もあったのですが、そこで取り上げられていた「Siri が配車アプリや飲食店予約アプリと連携」「家電をコントロールするホームキット」などの機能は日本では利用不可、メッセージアプリの改良も LINE を使っている人には無用なので、日本人的には注目度は今ひとつです。
この辺は 以前の発表会のレポート をご覧下さい。


【 Apple Watch Series 2 】

イベントで2番目に紹介されたのは Apple Watch。
新バージョンが公開されると噂されていたのですが、その通りになりました。

news Apple Watch Series 2

まず、watch OS が 3 になり、深呼吸によるリラックス機能、緊急時の通報機能、手書き入力などが紹介されていました。
そしてその後に登場したのは、ポケモン GO。
プレイをサポートする Watch 用アプリが公開されるようです。
ちなみにポケモン GO は全世界で5億ダウンロードを突破し、ユーザーの徒歩の総移動距離は 40 億キロ以上になるそうです。

このアプリでは近くのポケモンが表示され、ポケストップでのアイテム回収も可能、タマゴの孵化もチェックでき、Watch のヘルス機能と連動して移動距離と消費カロリーが表示されるようです。
公開は「年末までには」とのこと。

news Apple Watch Series 2 ポケモンGO

そして Apple Watch シリーズ2 はスイミングに対応した防水仕様になったようで、50m 浸水しても大丈夫だそうです。
水没してもスピーカーが無事なように、内部に改良を施し、振動で水を弾く作りになっているとのこと。
1000 万回以上の耐水実験を繰り返しているとアピールされていました。
これに合わせ、水泳による消費カロリーの計算にも対応。

また CPU はデュアルコアとなり、速度は 50 %向上。グラフィックの速度も2倍に。
ディスプレイは第二世代となり輝度が2倍、GPS 機能も改良されたようです。
セラミック本体の白カラーが追加され、ナイキ仕様のウォッチや、エルメスのバンドなども紹介されました。

news Apple Watch Series 2 cpu

価格はデザインによって様々ですが、27800円 から
前世代(SERIES 1)も今後発売されるものは CPU がデュアルコアになるそうです。

予約は 9/9 から、発売は 9/13 からとなります。 ナイキモデルは9月末からです。

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今回のイベントの詳細は以上です。

iPhone SE の時 はいかにも中国がターゲットの発表会になっていましたが、今回は割と日本にフォーカスが当てられていて、カラオケとかマリオとかポケモンとか日本的なコンテンツが目立ちました。
iPhone の大きな弱点だった Felica 非対応がついに解消され、防水性能も備わり、利便性の向上によって人気が出そうな予感がしますね。

今後気になるのは、各携帯電話会社の料金発表でしょうか。
総務省が「実質0円」や「2年縛り」をヤメロと声高に言っていましたが、その影響はあるのか?
以前は「先走りの au」「後出しジャンケンの docomo」みたいな駆け引きがありましたが、今年はどうなのか?
そして実際に料金は安くなるのか?

ベンチマークや分解報告もこれから出ると思われますし、今回はないと思いますが、内部パーツのアタリハズレ も気になるところ。
発売まで話題は尽きなさそうですね。