凍て付いた大地を、死の吹雪が覆おうとしていた。
生き残った者たちは死の運命から逃れるべく、自然の障害を乗り越え、遙かなる新天地を目指した・・・
そんな極寒サバイバルのカードゲームが公開されています。
Frost - Survival card game」です。

シェフィSolitairica のようなソリティア(1人用)のカードゲームで、ドミニオン のようなデッキ構築型のスタイル。
プレイしながらデッキ(山札)のカードを増減させていきます。
運にも左右されますが、どのカードを何枚デッキに含めるかが重要ですね。

価格は 480 円。 買い切りゲームなので、課金・スタミナ・広告などは一切ありません。
制作したのはフランスの開発者の方のようです。

Frost
プレイヤーには5枚の手札が配られ、中央に Region(地域)と Event(イベント)のカードが置かれます。
また、最上部には Idea(アイデア)のカードが並べられます。

地域カードは雪原やクレバスなど、前方に現れる困難を示していて、食糧・木材・人 の3つの絵と数字が書かれています。
手札にも食糧カード・木材カード・生存者カードがあり、例えば地域カードに食糧2・人2が書かれているなら、食糧カードを2枚、生存者カードも2枚出せば、通過できるようになります。
条件を満たした後、「TRAVEL」のボタンを押せば次の土地に進みます。

もしカードが足りない場合は、右下の「END TURN」のボタンを押します。
すると手札が総入れ替えされますが、左上にある「FROST」のダイヤルが1つ減少します。
これは背後から迫ってくる「死の吹雪」との距離を表わしており、0になると逃げ遅れて集団は全滅、ゲームオーバーになります。
ただ、次の土地に進むとダイヤルは1つ回復します。

生存者のカードは「人→?」のボタンを押して、探索に使うことも可能です。
探索すると、食糧・木材・生存者が見つかるか、疲労(Fatigue)カードを引いてしまうか、死亡するかになります。

カードが見つかった場合は、それが手札に加わります。
ドミニオン型(デッキ構築型)のゲームですから、山札がなくなると捨て札がシャッフルされ、それが新たな山札になるので、カードは繰り返し使われ、カードが加わることはデッキの枚数も増えることを意味します。
ただ、探索で生存者が死亡した場合は、それはデッキからも削除されます。

疲労カードは単なるお邪魔カードで、使い道はありません。
これがデッキに含まれてしまうと、ムダな手札を引いてしまう事になります。
左下にある「REST」のボタンを押すと、そのターンは休憩して手札内の疲労カードを全て削除(デッキから追放)出来るのですが、FROST のダイヤルが1つ減り、死の吹雪が近付いて来ます。

画面上部にはアイデアカードという特殊カードが並べられていて、これは木材や食糧などと引き替えに取得することが出来ます。
アイデアカードの多くには通常の使用効果と、素材を使って発動する効果があり、手札にある時に上半分をタップすることで通常使用、下半分をタップすることで特殊使用を行うことが出来ます。

ただ、特殊使用の条件に斜線の付いたカードのマークがある場合、それを発動するとカードはデッキから削除されます。
また、特殊使用の条件が斜線付き食糧マークなら食糧カードを、斜線付き木材なら木材カードを、使用時に削除しなければなりません。
斜線のない木材マークなら、それは普通の捨て札になるため、デッキ内に保持されます。

Frost
※アイデアカードの1つ、樹液の採取。 右上にあるマークは取得に必要な素材で、斜線の木材マークなので、その木材カードはデッキから削除されます。
上半分にあるのが通常使用効果。 このカードだと 50 %で食糧を得られます。 確率半々なので運次第。
下に書かれているのは特殊使用効果。 ここの枠の部分をタップで発動します。
このカードだと木材を使うことで食糧を1枚確実に得られる効果があり、ここには斜線が付いていないので、使った木材カードはデッキ内に残ります。


Frost
※これは焚き火カード。 カードを持っているアイコンは、デッキからカードを1枚引くことを示しています。
木材を併用した場合はカードを3枚引けます。 ドロー系カードはやはり重要ですね。
周囲の説明文は英語で、しかも字が小さいのですが、カードの効果はアイコンですべて解るようになっているので、それを把握してしまえば英文が読めなくても大丈夫です。
目のマークのアイコンは、次のイベントカードか地域カードを知ることができます。


地域カードの上に置かれるイベントカードは、例えば「人 → 木材50%」と書かれているなら、そこに生存者カードを使うことで 50 %の確率で木材カードを入手できます。
「斜線の食糧 → 人」なら、食糧カードを使うと生存者が手に入りますが、斜線は削除を表わすため、使った食糧カードはデッキから消えてしまいます。

そしてイベントの中には狼や強盗などのカードもあり、これを退治しないまま先に進むとダメージを受けます。
ダメージは主人公のライフを1つ減らすか、生存者カードを1枚犠牲にするかを選ぶことになり、もちろんライフが尽きるとゲームオーバー。
退治するには槍や斧などのアイデアカードを使わなければなりません。

1つ土地を進むごとに、左上の「Distance Left」の数値が減っていきます。
これが0になれば凍土からの脱出に成功・・・ ゲームクリアとなります。
ただ、最初はそう簡単にクリアすることはできないでしょう。

Distance の上にあるメーターは温度を表わしているようで、各ターンの手札の枚数に関係し、最初は5。
吹雪が近付くと温度が下がり、それによって手札の枚数が減ってしまいます。

難易度は Easy と Medium が用意されていて、Medium の場合、さらに Objectives と書かれた3つの目標が提示されます。
その1つは Refuge(避難所)を見つけること。
残り2つはランダムで、食糧を 16 費やすと達成になる Farm(農場)や、木材 16 で達成する Shelter(シェルター)などがあります。

これらを達成してもゲームはクリアとなるのですが、その達成は普通に脱出するのと同じぐらい困難。
とりあえずは脱出するのを優先しましょう。

Medium をクリアすると Hard と Endless がアンロックされます。
また、何度もゲームをプレイしたり、特定の目標を達成するとシナリオモードをプレイできるようになります。
シナリオは特殊ルールのあるゲームで、「ライフと引き替えに疲労カードを2枚減らす」といった特技を主人公が持っていたりします。

Frost
※ダメージを受けるとこんな風に、ライフと生存者カードが赤くなります。
どちらかを選んでダメージを受けてからでないとターンを始められません。
ライフに余裕があるうちはライフを減らした方が良いですが、ライフが1で手札に生存者カードが来なかった場合、ゲームオーバーは避けられないので注意。


Frost
※力尽き、凍土に埋もれたシーン・・・ しかし成果に応じて新しいカードが登場します。
何度もプレイしていれば有用なカードが増え、徐々にクリアに近付いていけるでしょう。
逆にクリアすると、厄介なエネミーカードが登場して難易度が上がっていきます。


ソリティアとして楽しめるゲームですが、何より雰囲気が良いですね。
味のある手描きのイラストと、独特な声や効果音が、寂寥とした凍土のイメージを醸し出しています。
生存者が減っていき、食糧や物資が枯渇する、サバイバルな雰囲気も十分です。

メランコリックで、何となくおフランスな、独特な感性のあるカードゲームです。
ドイツゲーム系のファンにはお勧めしたい作品ですね。

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※Youtube 公式 PV