NHK Eテレ(教育テレビ)のような絵柄、音楽、物語。
シュールでホノボノしたショートムービーを見るような、簡易アドベンチャーゲームが公開されています。
Burly Men at Sea: 三人の海の男」です。

iTunes のストアでもオススメに選ばれていた、とてもセンスの良い作品で、海外では数々のインディーズゲームの表彰を受けています。
ただ、ゲームと言うより、インタラクティブ絵本といった感じの内容。
途中の行動で展開が変わりますが、10 分ほどで終了になる短いストーリーです。

価格は 600 円。 いきなりこう言うのも何ですが、内容を考えると高く感じるのが本音・・・
こうした芸術的な作品に高い価値を見出せる人向け、といったアプリですね。
開発したのは各国を放浪している2人のご夫婦とのこと。 文章は日本語化されています。

Burly Men at Sea 三人の海の男

Burly Men at Sea 三人の海の男
主人公は「いさまし屋」「せっかち屋」「しっかり屋」と呼ばれる3人のヒゲの男。
人や物をタップして会話や調査を行いながら、先に進む方法を見つけていきます。
と言っても謎解きゲームではないので、悩むような場面は少ないです。

シーンによって、どこをどう操作すれば先に進めるのかは異なります。
普段は男達の周辺がスポットライトのように表示されていて、その端をつかんで横に引っ張ると表示範囲が伸び、伸ばした方向に男達が移動していきます。
しかし場面によっては、単に画面を押しっぱなしにするだけで移動していく場合もあります。

ストーリーは突拍子もなく、教育テレビのシュールな子供向け番組のような脈絡のない展開で、とにかくヘンテコな話。
それがパステルカラーのポップなアート、ボイパなサウンドと合わさって、独特な世界観を醸し出しています。

そしてどういう方法で次のシーンに進んだかで、物語が分岐します。
例えばクジラに飲み込まれた後、潮吹きで脱出したか、船で脱出したかでその後の展開が分岐。
さらに潮吹きで脱出した時は、タルを持っているかいないかで分岐します。

分岐はありますが物語は一方通行で、どういう展開になっても同じラストにたどり着きます。
最後に「謎の海図」に今回の物語で出会ったイベントが表示され、それが1冊の本になるシーンの後、また新しい冒険へと向かうことになります。
分岐点で別の行動をすれば、前回とは違う展開を見ることが出来るでしょう。

Burly Men at Sea 三人の海の男
※島に上陸し、岩山に近付くと、それは巨大な生き物だった。 しかも花を取ってきてくれるという。 しかしそれは枯れ木だった。
こんな予測不能でシュールでホノボノしたストーリーが続いていきます。


Burly Men at Sea 三人の海の男
※なぜか冥界の渡しの守と競争をすることに。
ここでは各キャラは勝手に進み、指で押すと止まります。 誰が勝ったかで話が分岐。


Burly Men at Sea 三人の海の男
※海の果てで図案化されたような竜に出会う。
これはどんな物語でも、必ず行き着くシーン。 このあと最後の場面となり、そして最初のシーンへ戻ります。


雰囲気は異なりますが、ゲームの流れは Blue Moon に似ていますね。
イベントを探しながら道を進んでいき、最後に結果が出て、別の展開を見るためにリトライを繰り返す。
そんなアプリの高クオリティーなバージョンと言えるでしょうか。

何度も訪れているとセリフが変わったり、ショートカット出来たりするシーンもあります。
短時間で手軽に遊べるので、通勤通学時に毎日1回ずつプレイするゲームとして良いかも。
オススメとは言えませんが、評価する人も多そうなアプリです。

Burly Men at Sea: 三人の海の男(iPhone 版、iTunes 起動)

Burly Men at Sea: 三人の海の男(Android 版、Google Play へ移動)
Burly Men at Sea: 三人の海の男(PC 版、Steam へ移動)

※Youtube 公式 PV