2010~2011年に世界的大ヒットとなった、植物とゾンビが戦う一風変わったタワーディフェンス Plants vs. Zombies(プラント vs. ゾンビ)
それがなんと・・・ トレーディングカードゲーム(TCG)になりました。
Plants vs. Zombies™ Heroes」(PvZH)です。

あまりに予想外な展開に「えぇ~!?」と思いましたが、短時間で楽しめる高クオリティーな TCG で、システムも結構本格的、それでいて PvZ らしさも残っています。
最近は ハースストーンシャドウバース がコンピューター TCG の定番ですが、それよりもっと手軽に楽しめる作品として人気になりそうですね。

アプリ本体は無料ですが、カードパックを買う課金はあり。
しかし繰り返し対戦していればゲーム内通貨が貯まっていき、それでパックを買うことも可能です。
広告・スタミナはありません。

Plants vs Zombies Heroes
フィールドは5本の縦のラインで区切られています。
一方はプラント側、もう一方はゾンビ側となり、同種族での戦いにはなりません。
ヒーロー(主人公)はそれぞれの陣営に 10 人ずつ用意されていますが、最初に使えるキャラは限られています。

デッキ(山札)の枚数は 40 枚、その中から4枚を引いて最初の手札とします。
要らない手札は1度だけマリガン(引き直し)可能。
また、ヒーロー固有のカードが1枚手札に追加されます。

カードには コスト・攻撃力・体力 の数値があり、コスト分のポイントを支払って場に出します。
ポイントは最初は1なので、コスト1のカード1枚しか出せません。
ポイントの最大値は毎ターン1ずつ増えていき、ターン毎に最大まで回復します。
また、ターン終了時にデッキから手札を1枚引けます。

カードはユニット(プラントかゾンビ)と、特殊な効果を発揮するトリック(俗に言うスペルカード)の2種類があり、ユニットを出す場合、それをどのラインに置くかを選択します。
このゲームは「プラント vs. ゾンビ」らしく、ユニットは正面しか攻撃できません。
正面に誰もいない場合は相手ヒーローにダメージを与えられますが、敵ユニットがいる場合はそれと打ち合いになり、相手の攻撃力の分だけ互いの体力が減少、体力がなくなったユニットは取り除かれます。

このルールのため、どんなに強力な敵がいても、その前に弱くても良いのでユニットを出しておけば、それが盾になってヒーローは守られます。
ただ、敵を引き付けるユニットや、移動させるトリック(スペル)も存在します。

このゲームはフェイズ制で、以下の流れでゲームが進みます。
ゾンビ側がユニット配置 → プラント側が行動(ユニット配置 と トリック使用)→ ゾンビ側がトリック使用 → 戦闘開始(双方が同時に攻撃)

常にこの流れのため、このゲームには先行・後攻がありません。
よって TCG にありがちな、「ランダムで決まる先攻後攻で有利不利が決まってしまう」という問題はありません。

プラントはゾンビ側の配置を見てユニットを出せますが、ゾンビ側はそれを見てトリックを使える利点があり、どちらが有利かは微妙なところ。
基本的に、プラントはユニットの強さで、ゾンビは特殊効果やトリックで戦うタイプが多いですね。
先にゾンビ側が配置するため、ゾンビには「墓石でユニットの正体を隠す」というユニークなカードもあります。

もう1つ、ヒーローがダメージを受けるとシールドゲージが貯まっていき、最大になると敵の攻撃を1度無効化、さらにヒーロー固有のトリックカードを貰えるというシステムがあります。
このカードはその場で使うとコスト消費なしで使用でき、手札に加えて後で使うことも可能。
これでヒーローの性格付けをしていると同時に、一方的に押されにくくなっています。

Plants vs Zombies Heroes
※プラント側には「団結」の特技を持つカードがあり、これは1つの列に2つのユニットを配置できます。
盾役を置いたり、後衛を強化したりできますが、ゾンビ側は「貫通」の特技があるユニットなら両方にダメージを与えられます。
右画像はゾンビ側でプレイ中に、墓石に隠れるユニットを置いたところ。 相手にとっては対策し辛くて厄介。
右端の水路には水陸両用の「両生」ユニットしか配置できません。


Plants vs Zombies Heroes
※デッキ構築画面。 言うまでもなくデッキの組み方がゲームの鍵。
同じカードは4枚まで加えられます。 というか、4枚以上所持できません。
カードは全て特定の「グループ」に含まれていて、各ヒーローは2つのグループのカードを使えます。
使えないグループのカードは同じ陣営のカードでも含められません。
いらないカードはリサイクルしてポイントに変換可能、そのポイントで任意のカードを生成できます。


オンライン対戦がメインですが、ちゃんとプラント側とゾンビ側、それぞれに1人用のシナリオモードも用意されています。
ステージマップがあり、各ステージのテーマに沿ったヒーローと戦うようになっていて、ソロでも楽しめるのは良いですね。

各ユニットもかなり良く動き、様々なアクションを見せてくれます。
全体的にアメコミ調で、日本人から見ると独特な演出とサウンドなのですが、これはこれでアメリカンな良さはあります。

勝負に勝つとコインを得られ、それでカードパックを購入可能。
課金通貨のダイヤがあり、やはりそちらでないとレアカードは得られないのですが、ダイヤも様々な条件の「クエスト」を達成すれば無課金でも得られるようにはなっています。

オンライン対戦には「カジュアル」と「ランクマッチ」があり、ランクマッチで勝利すればランクや「リーグ」が上がっていきます。
昇格時にはダイヤを得られますが、もちろん相手は強くなるでしょう。
現在はかなりプレイヤーが多いようで、マッチングは短時間で行われ、対戦中のレスポンスも快適です。

Plants vs Zombies Heroes
※メニュー画面とソロモードのステージマップ。
ソロで十分遊んで、練習を重ねてからオンライン対戦に挑めるので、初心者でもいきなり対戦するしかないゲームより敷居は低いです。


Plants vs Zombies Heroes
※ヒーローは4つの専用スペルを持っています。 その使い方も重要。
ヒーローの入手方法は課金カードパックと特定のクエストの達成の2種類があり、クエストで入手する場合は2人のヒーローが提示され、そのどちらかを選べます。
同時に、そのヒーローで使う基本カードを一式貰えます。


手軽に本格 TCG を楽しめるため、他の TCG が重いという人にも勧められます。
もちろんヘビーな TCG プレイヤーにとっても十分に遊べる内容です。
ハースストーンシャドウバース とは違ったタイプで、こちらの方が好きという方も少なくないのではないでしょうか。

ベースがプラント vs. ゾンビなので、ユニットが花とか豆とかで、原作を知らない人だとユニットの特徴がピンと来ないかもしれませんが、攻撃力や体力は数値で書いているし、タップすれば詳細も表示されます。
メッセージも全て日本語化されていて、翻訳がおかしな点も見られません。

なお、原作のプラント vs. ゾンビですが・・・ EA が公開していた日本語版は現在ストアから削除されています。
そのため「アプリが消えた」と思っている方も多いようですが、開発元の PopCap が公開しているオリジナル版「Plants vs. Zombies」は英語ですが現在もダウンロード可能です。
価格も 120 円と安くなりました。
また、広告が入りますが FREE 版も公開されています。

手前味噌ですが、こちらの攻略ページ があれば英語でも問題ないと思うのでプレイされる方はご利用下さい。
課金型ですが Plants vs. Zombies 2 も公開されていて、今でもアップデートは続いています。
原作と合わせてやれば、より楽しめることでしょう。

Plants vs. Zombies Heroes(iPhone 版、iTunes 起動)

プラントvs. ゾンビ ヒーローズ(Android 版、Google Play へ移動)

Plants vs. Zombies(原作、iPhone 有料版)
Plants vs. Zombies HD(原作、iPad 有料版)
Plants vs. Zombies FREE(原作、広告付き無料版。広告解除は割高)