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「虫姫さまの新作がスマホで公開される」
そんな情報がシューターの間に駆け巡ったのが今年の10月。
以後、多くのケイブファンとシューティングファンがその登場を待ち望んでいたのですが・・・
あぁ、現実は非情なり。

そんなソーシャルゲームの縦スクロールシューティングが公開されました。
虫姫さま GOLD LABEL」です。

このゲームは韓国の Mobirix というメーカーが公開したものですが、当初から嫌な予感はしていました。
韓国はシューティングゲームのレベルが低く、2014 年に公開された韓国製の「虫姫さま 究極バトル」はオリジナルを激しく劣化させていて、日本ではわずか3ヶ月で運営終了が発表されました。
にも関わらず、また「韓国+虫姫さま」という組合わせ・・・ 歴史は繰り返すのか?

ただ、今年9月に公開された ガンバード2 は Mobirix のゲームながら悪くないデキで、ケイブ自身も 2015 年から ゴ魔乙(ゴシックは魔法乙女)というケイブらしさのあるソシャゲシューティングを運営していますから、もしかしたら今回は良作になるかも、という期待感もありました。

・・・えぇ、完膚なきまでに叩き潰されましたが。

虫姫さま GOLD LABEL
縦スクロールのシューティングゲームで、ベースになっているのは「虫姫さまふたり ブラックレーベル」です。
余談ですが、「BL」の続編だから「GL」なんだと思います。 意味が解らない? あっ、そう。

操作はいわゆる相対移動で、指の位置に関係なく、指の動きに自機が追従します。
画面下には指置き場となるスペースがあるため、指で画面が隠れることもなく、操作性自体は悪くありません。
妙に敵弾に当たりやすい気もしますが。

ソーシャルゲームなので、自機は8種類、キャラクターは 10 種類と多めに用意されていますが、ガチャで手に入れなければ使えません。
ショットタイプは自機(甲獣)で決まり、それに乗るキャラクターは HP やボムの強さに関わります。
ゲームの進行では課金通貨はほとんど貰えないので、増やすには課金はほぼ必須。
他にオプションとなる小型の甲獣がいて、これはゲームプレイで手に入ります。

ゲームは「虫姫さまふたり ブラックレーベル」そのままで、基本的には毎回ステージ1からプレイします。
ショットは自動、ボタンでボムを使用でき、ショットとレーザーを切り替えるボタンもあります。
敵を倒すと大量の得点アイテム(琥珀)が降ってきて、ショットなら空中の、レーザーなら地上の琥珀を吸い込みます。
ボスを倒せばステージクリアとなる、いわゆる弾幕シューティングですね。

ゲーム後に稼いだゴールドでキャラクターや甲獣の強化を行え、シールドやオートボム、ステージ3からスタートといった消費アイテムも購入できます。

虫姫さま GOLD LABEL
※オリジナルの虫姫さまは残機制でしたが、こちらは HP 制になっています。
妙に被弾しやすいので、敵弾が多い時は自機周辺をよく見ましょう。
右は自機の選択画面。 強化してないうちはショットがショボいです・・・


しかしこのゲームの残念な点は、オリジナルと比べて「全面的に」クオリティが低いこと。
もうホント、完全なる劣化版。

動作のフレームレートが低くてカク付き感があるのに加え、敵のアニメーションパターンが少なくて動きがコマ送り。
ボスの動きにも全然躍動感がなく、とにかく見劣りが酷いです。
アイテム吸収範囲や攻撃力などがキャラ特性や強化要素になっているから、当面はアイテムを全然吸い込めないし、攻撃力もかなり低い。
よって虫姫さまのウリの爽快感も乏しい。

あのガッカリゲー「虫姫さま 究極バトル」もあまりに劣化感が酷かったのですが、それと同じクオリティ。
まるで成長していない・・・
しかも劣化版がソシャゲになっているという・・・
iTunes ストアにオリジナルの 虫ふたBL があるのに、どうしてこれでイケると思えるのか。

昔はアーケードゲームをクオリティを落として家庭用ゲーム機に無理やり移植していましたが、そんな印象を受けるアプリです。
同じスマホでそれをやっているのが前代未聞ですが。

虫姫さま GOLD LABEL
※静止画で見ると綺麗で派手に見えますが、動いているところを見るとかなり残念です。
このボスも顔がまったく動かず、手足だけ前後する感じで、虫姫らしい生命感ゼロ。
右はガチャ画面。 究極バトルのスクラッチ型ではなく、普通のガチャになってます。
また、究極バトルにあったオンライン同時プレイもなくなっています。
実は究極バトルと比べても劣化してるんだよね・・・


とまあ、ボロクソに言いましたが、このゲームには1つだけ大きな利点があります。
それは Android でプレイできること。

Android には「虫姫さま」はこれしかありません。
ですから Android ユーザーにとっては、これが唯一の「虫姫さまふたり」なのです。
たとえ劣化版でも。

Android の低性能機も対象にしていると考えると、この低いフレームレートや、動きの少ない敵なども納得ができます。
できるだけ多くの機種で動かせるようにしているのでしょう。
そもそも韓国の開発ですから、Galaxy などの Android スマホがシェアの大半を占める韓国では、そちらをメインにするのは当然です。
おそらく「究極バトル」も韓国では成功していて、だから「これの BL 版を作ろう」ということになったのでしょうね。
iOS 用アプリは「ついで」に近いと思います。

このゲームは世界 100 ヶ国以上で配信するとのこと・・・
ならば高クオリティよりもトラブルの少ない軽負荷な作りで、海賊版が横行する買い切りよりも課金制。
アプリのグローバルビジネスの一端を示しているのかもしれません。

オリジナルを知らないのであれば、これでも普通に遊べると思います。
少なくとも一昔前の LINE のシューティングとかよりは、まだマシなゲームです。
しかし iPhone / iPad ユーザーは、これをやるぐらいなら「虫姫さまふたり ブラックレーベル」をプレイすることを強くオススメします。

虫姫さま GOLD LABEL(iPhone 版、iTunes 起動)

虫姫さま GOLD LABEL(Android 版、Google Play へ移動)