新年の特集記事として「スマホゲームの歴史年表」を公開したいと思います。

元々は年代ごとの人気ゲームをまとめていたのですが、昨今の状況を見るに、スマホゲームがどういう経緯で現在の状況になったのか、ご存じない方が多くなっているのが見受けられます。
2008年に日本に iPhone が上陸して、今年で9年目。 それも無理ない話ですね。

そこでスマホとゲームアプリに関係がある、大小の事件を含めた年表を作ってみました。
過去の出来事を知る参考にして頂ければと思います。

スマホゲームの歴史 前編

出来事のピックアップは私の独断と偏見なのでご了承下さい。
アプリのリンクは当サイト内のレビューページに移動します。
ただし「※」印の付いているアプリは、現在は(2019/1 時点)入手できなくなっています。

今回は前編として、2008 年から 2012 年までの年表を掲載いたします。

【 2008年 スマートフォンの始動 】

2008年7月 日本で iPhone(iPhone 3G)発売開始。スマホ時代の始まり。当時は Softbank 独占だった。
2008年7月 発売当初は本体を傾けてボールを転がす ※Super Monkey Ball や、ビールジョッキを模したネタアプリ iBEER など、ティルト(傾け)機能を使ったものがウケていた。
2008年7月 Enigmo 発売。様々な道具を使って水滴を誘導するピタゴラ系の物理パズル。最初に Apple に表彰された作品。
2008年9月 Solitaire City 発売。ソリティアのアプリは複数あったが、クオリティの高さで世界的定番となる。
2008年9月 Galcon 発売。シンプルな RTS で、後に同タイプのゲームが多く公開された。スマホのオンライン対戦ゲームのパイオニア。
2008年10月 ※麻雀刑事 公開。ゲームボーイアドバンスから移植されたハドソンのゲームで、最初の麻雀アプリ。
2008年10月 Fieldrunners 公開。同年のモバイルゲーム賞を総ナメ。新ジャンル「タワーディフェンス」が知られるようになり、人気になっていく。
2008年11月 ゲームロフトが 3D ガンシューティングの ※BROTHERS IN ARMS など、ヘビー級のゲームを公開し始める。ただ、この頃はまだハードウェアの性能が追い付いていなかった。
2008年12月 スクエニがタワーディフェンス ※クリスタルディフェンダーズ を公開してスマホに参入。しかし当初はガラケーアプリのベタ移植で酷評された。以後、日本のメーカーが次々参入するが、初期はガラケー的なインターフェイスから脱せていないものが多かった。
2008年12月 ※パズルプリズム 発売。日本のスマホゲームメーカーとしてポノスが注目される。
2008年12月 ※Rolando 発売。横視点の転がしゲームで世界的にヒット。後に開発メーカーの ngmoco は DeNA に買収される。

2008年の他の人気アプリ:LuxTapDefenseつみネコ など


【 2009年 スマホゲーム黎明期 】

2009年2月 ※iShoot がヒットし、短期間で数千万の利益を上げたと話題になる。以後、アプリ開発に乗り出す開発者が増える。
2009年2月 ※iDracula がヒットし「2スティック制シューティング」がスマホで一般化。
2009年2月 ※DanceDanceRevolution S 公開。本格的な「音楽ゲーム」の登場。
2009年3月 Doodle Jump 発売。足場を飛び移りながら延々と昇っていくゲームで、世界的なヒット作となり、当時の最多ダウンロード数を記録する。 以後、同タイプのゲームが多く発売された。
2009年4月 Labyrinth(後期版)公開。 iPhone を傾けてボールを転がすゲームで、当時人気だったこのタイプのアプリの決定版。
2009年4月 ※Flight Control 発売。線を引いて移動予約を行う「ドローゲーム」がしばらくスマホゲームの定番となる。開発元はのちに Real Racing を制作するメーカー。
2009年4月 ※Galaga Remix 発売。ギャラガの移植版で、他にもナムコは多くのアプリを公開していたが、実機でテストしているのか疑問なほど操作性が悪いものが多く、ユーザーから酷評された。
2009年5月 Azkend 発売。後に定番となる「一筆書き系パズル」の登場。
2009年5月 Coin Dozer 発売。コイン落としゲームがしばらくスマホで人気になる。
2009年6月 iPhone 3GS 発売。当時はカメラ3メガピクセル、データ容量最大32GB。
2009年6月 Paper Toss 発売。ゴミを投げ入れるリアル系のカジュアルゲームで、世界的なヒットに。
2009年前期 ※geoDefense、※SentinelThe Creeps!、※Defender Chronicles、※エレメンタルモンスターTDBloons TD など秀作タワーディフェンスが続々と発売される。TD 全盛期。
2009年7月 スペースインベーダー インフィニティジーン 発売。シューティングゲームの相対移動操作の登場。この年、多くのモバイルゲームの表彰を受ける。
2009年7月 CartoonWars(初代)発売。 横スクロール RTS(にゃんこ大戦争のようなタイプ)の登場。 なお、このタイプのゲームには明確な呼称がなく、後にタワーディフェンスと混同されてしまう。
2009年7月 日本初の Android スマートフォン販売開始。ただ、Android は特にゲームアプリにおいて iPhone の後塵を拝し続ける。
2009年8月 テトリス(初期版)発売。世界的なヒットに。
2009年8月 The Deep 発売。ピンボールアプリだが、そのクオリティの高さと値段の安さで驚かれ、大ヒットした。のちに Pinball HD に統合される。
2010年8月 ※ギャングスター:West Coast Hustle 発売。最初の GTA 型 3D クライムゲームだが、PDA 端末用アプリからの移植。
2009年10月 Angry Birds 発売。翌年から大ヒットとなり、後に世界でもっともプレイされたゲームとしてギネスに載る。これ以後「物理ゲーム」が一般化する。一方、アプリの急速な低価格化も進む。
2009年10月 Piyo Blocks 発売。以後、定番パズル「マッチ3ゲーム」が普及し始める。
2009年10月 Canabalt 発売。海外で「ランゲーム」が普及するきっかけとなる。
2009年10月 ガラケーで DeNA が 怪盗ロワイヤル を公開。のちに「ソーシャルゲーム」と呼ばれるジャンルの登場。
2009年11月 ※アスファルト5 発売。 後に定番レースゲームになるアスファルトシリーズの開始。なお、1~4はスマホの前身であるPDA端末やガラケー用のアプリだった。
2009年12月 欧陸戦争 発売。初代はまだボードゲームに近かったが、後に戦略 SLG シリーズとして続いていく。

2009年の他の人気アプリ:I Dig ItORBITALLock 'n' RollMinigoreSlay大富豪しよっ! など


【 2010年 スマホゲーム発展期 】

2010年2月 Final Fantasy 1Final Fantasy 2 のスマホ版発売。スマホへの大型タイトル移植の最初の例。
2010年2月 Plants vs. Zombies 発売。 直進型タワーディフェンスの登場。 世界的なヒットとなり、この年の代表的なゲームになる。
2010年3月 ストリートファイターIV(初代)発売。スマホでスト4というのは大きな話題となった。
2010年4月 ※Chaos Rings 発売。1500 円という高めの価格だったが大ヒット、低価格化が進むアプリ市場で「高くても良いものは売れる」という一例となる。
2010年4月 ※エスプガルーダ II 発売。 ケイブのスマホ参入。8月には ※怒首領蜂 大復活 も発売され、突出したクオリティでユーザーを驚かせた。
2010年4月 Solomon's Keep 発売。 2スティック制のシューティングで、破格のコストパフォーマンスでロングヒット。
2010年4月 Fruit Ninja 発売。タッチパネルを活かした内容で世界的ヒットとなり、しばらくスマホの代表格のゲームとなる。後に同タイプのゲームが多く登場する。
2010年5月 初代 iPad 発売開始。タブレットの登場。
2010年6月 Carcassonne 発売。以後、ドイツゲーム(ボードゲーム)系のアプリが増え始める。
2010年6月 iPhone 4 発売。 高精細な Retina ディスプレイの登場。
2010年7月 ゲーム発展国++ 発売。 カイロソフトのスマホ参入。 ただ当時はスマホに最適化されているとは言い難かった。
2010年7月 Flick Kick Football 発売。 カジュアルなサッカーゲームで世界的なヒットとなる。
2010年9月 iOS に GameCenter が搭載される。
2010年9月 ※ギャングスター : Miami Vindication 発売。スマホの本格的なオープンワールド / クライムゲームの登場。
2010年9月 ガラケーでコナミが ドラゴンコレクション を公開。 携帯アプリに課金ガチャが登場。
2010年10月 モダンコンバット2 発売。 スマホでの本格 FPS のスタート。 ゲームロフトの全盛時代が始まる。
2010年11月 ※DungeonRaid 発売。この作品の「カジュアルパズル+RPG」のシステムは、後にパズドラなど多くのスマホゲームの元となった。
2010年11月 麻雀 雷神 公開。 スマホでのオンライン対戦麻雀の普及。
2010年11月 Smurfs' Village が公開され、海外で農園ゲームが大ヒット。 しかし子供の高額課金が続発し、後に訴訟問題に発展する。
2010年12月 ※Infinity Blade 発売。 その美しいグラフィックで話題に。以後しばらく iPhone の看板タイトルとなる。
2010年12月 ※Real Racing 2 発売。 高クオリティのレースゲームで、リアル系レースの定番となる。
2010年12月 ※ゆけ!勇者 公開。 「放置系ゲーム」の登場。
2010年12月 ゆけむり温泉郷 発売。 カイロソフトのスマホゲーム展開が本格化。
2010年12月 新聞各紙が、ガラケーで展開されているグリーやモバゲーが「出会い系」の温床になっていると報道。
2010年12月 消費者支援機構、グリーが課金型ゲームをテレビ CM で「無料です」と紹介していたことに停止申し入れ。

2010年の他の人気アプリ:ゴーストトリックSlice It!PopStar!Cut the RopeReckless Racing太鼓の達人Mega Jump など


【 2011年 スマホゲーム転換期。有料ゲームからソーシャルゲームへ 】

2011年前期 グリー、DeNA(モバゲー)、ハンゲームの三社がスマホへの参入を開始。ただ、この時点ではグリーとモバゲーは簡易的な無料アプリとポータルアプリを公開していた程度。ハンゲームは PC からの参入なため、他の二社よりクオリティの高いアプリが多かったが、やはり簡易的な無料ゲームが大半だった。
2011年1月 ※KingdomConquest(初代)公開。本格的なトラビアン系ゲームの登場。
2011年2月 Tiny Wings 発売。地面に起伏のあるランゲームで海外で大ヒットとなる。
2011年2月 桃太郎電鉄JAPAN+ 発売。 携帯アプリ版をスマホ用にリメイクしたもの。 しかしこの後、コナミと桃鉄開発陣の確執があり、桃鉄の展開は止まってしまう。
2011年4月 ハドソンがコナミの完全子会社となる。 しかし高橋名人の退社、ハドソン側の開発チームの解体、コナミ側との確執によるさくまあきら氏の桃鉄封印などが続き、ハドソンはほぼ名前だけとなる。
2011年4月 iPad 2 発売。 なお、当初は3月の予定だったが、東日本大震災で延期となった。
2011年4月 ゲームロフトで開発中の※BackStab が交渉により Android で先行発売。 当時は iOS と Android のシェア争いが激化していた。
2011年4月 Final Fantasy 3 発売。DS 版からの移植で、オリジナルより高画質化していることで話題に。
2011年4月 グリーがスマホゲームの情報サービス OpenFeint を買収。
2011年4月 ガラケーのグリーで ドラゴンリーグ 公開。 ギルドバトル型のソーシャルゲームの登場。
2011年5月 オーダー&カオス オンライン 発売。スマホ用 MMORPG の登場。
2011年6月 Tiny Tower 発売。 カジュアルな開発ゲームとして人気になり、同タイプのゲームが多く登場する。
2011年6月 ※源平大戦絵巻 発売。 直進型 TD で、絵巻物のようなグラフィックが話題になる。 後にこのゲームのシステムはチェインクロニクルに繋がることになる。
2011年6月 LINE 公開。後に日本のスマホ用 SNS(メッセージアプリ)の定番となる。
2011年7月 Apple が iTunes Store の価格レート改定。 1ドルが 115 円から 85 円に。
2011年7月 ストリートファイターIV VOLT 発売。 本格的なオンライン対戦格闘ゲームの登場。
2011年7月 おさわり探偵 なめこ栽培キット(初代)公開。カジュアルな収集ゲームとして大ヒット。のちに「なめこ」は様々なグッズに描かれる一般的なキャラクターとして定着する。
2011年7月 グルーヴコースター(初代)発売。 ハイセンスな音楽ゲームとして大ヒットし、この年に数々のモバイルゲーム賞を受賞。
2011年7月 スマホ版の 探険ドリランド 公開。 グリーがスマホに本格進出を開始し、スマホでのソーシャルゲームの展開が始まる。 爆発的な売上げを見せ、ゲーム業界は一斉にソーシャルゲームに注力するようになる。
2011年8月 ※忍者ロワイヤル 公開。 DeNA / モバゲーがスマホに本格進出を開始。
2011年8月 ※マジモン麻雀 天極牌 公開。 この2作でハンゲームがスマホに本格進出を開始。 ただしハンゲームは後続のゲームがなく、グリーと DeNA に押されてこれ以上の拡大はなかった。
2011年8月 ※レッツ!ゴルフ3 公開。オンラインのゴルフゲームとして大ヒット、一時期ゴルフゲームが流行する。 しかしスタミナ制+課金型になったこと、買い切り型だった前作が削除されたことなどで批判が相次ぐ。
2011年8月 Temple Run 発売。3D のランニングゲームとして世界的ヒット。ほぼ個人作成のゲームとしては異例の成功。
2011年8月 シュタインズゲート 発売。 長編ノベルゲームの登場。
2011年9月 スマホ版の 怪盗ロワイヤル 公開。 ソーシャルゲームが一層注目される。
2011年9月 SHADOWGUN 発売。 高品質な 3D ガンシューティングで、Unity で制作されており、スマホ用ゲームエンジンとして Unity の有用性が知られるようになる。
2011年10月 Apple のスティーブ・ジョブズ会長が死去。
2011年10月 iPhone 4S 発売。 音声認識機能 Siri が登場。 au が iPhone に参入した。
2011年10月 モダンコンバット3 発売。 海外を中心にスマホでも FPS が人気に。
2011年10月 ソーシャルゲームのヒットの裏で、課金ガチャがスマホでも問題視される。
2011年11月 ケリ姫クエスト(初代)発売。 ガンホーのスマホ参入。
2011年11月 ※428 封鎖された渋谷で 発売。 チュンソフトのノベルゲームがスマホに登場。
2011年11月 ソーシャルゲームで好調の DeNA が横浜ベイスターズを買収。
2011年11月 ガラケーで アイドルマスターシンデレラガールズ(モバマス)が公開される。運営はモバゲー、開発はサイゲームス。
2011年11月 グリーが DeNA(モバゲー)を相手に「ソーシャルゲームの提供を妨害した」という理由で訴訟を起こす。
2011年12月 Minecraft PE 発売。 ただしこの時点では β 版以下の内容に過ぎなかった。
2011年12月 グリーと DeNA の全盛期。 セミナーなどで「ゲームは広告費9割、開発費1割」「面白さよりも課金演出が大事」と語っていたことが知られるようになる。 KPI ツール(ユーザー傾向分析ツール)を活用し、より課金に誘うためにガチャの当選確率を内部調整していたことも、経営手法として当時は平然と語られていた。

2011年の他の人気アプリ:ネコアップBattleheartArmy of Darkness DefenseDanmaku UnlimitedPuzzle Quest 2空気読み。スワンピーのお風呂パニック など


【 2012年 初期ソーシャルゲーム時代。グリーと DeNA の隆盛と衰退 】

2012年前期 中小メーカーから汎用のポチポチ型ソーシャルゲームが続々と公開される。 主要メーカーもソーシャルゲーム開発に切り替えたため、買い切りゲームは急速にその数を減らしていく。
2012年2月
 釣りゲー訴訟。 グリーが釣りゲームをパクられたとして DeNA を訴えていた裁判で、地方裁で DeNA が敗訴、上告。
2012年2月 グリーの課金ガチャにまつわる不正行為の暴露記事などが日経新聞などに掲載される。
2012年2月 消費者庁や警視庁が、射幸心を煽る手法や子供を対象にした高額課金を問題視し、ソシャゲメーカーの調査を本格化する。 一方で、経産省はソーシャルゲームを発展産業と位置付け、業界の自主規制を促していたと言われる。
2012年2月 パズル&ドラゴンズ 公開。 ポチポチ型ソーシャルゲームが全盛だった時代に、高クオリティーでゲーム性のあるソーシャルゲームとして登場、爆発的にヒットする。 ガンホーの躍進。
2012年2月 ダライアスバーストSP 発売。 しかしソーシャルゲーム時代に入ってタイトーは苦戦、ゲームの発売本数を減らしていく。
2012年3月 iPad 3 発売。 Retina ディスプレイが採用され、iPad も高精細画面に。
2012年3月 「ソーシャルゲーム6社連絡協議会」が設置される。グリー、DeNA、サイバーエージェント、NHN Japan(後の LINE)、Mixi、ドワンゴ の6社による、ソーシャルゲームの健全な発展を目的とした団体。 実際は行政介入対策だったことが明らかになっている。
2012年3月 ハドソンがコナミに完全吸収され解散、ブランド名もこの年の終わりに消滅する。
2012年4月 ※拡散性ミリオンアーサー 公開。 ポチポチ型ではあるが、過去のソーシャルゲームにはない高品位なグラフィックとインターフェイスで、たちまち人気となる。
2012年5月 パズドラとミリアサにより、スマホでのソーシャルゲームの主流を奪われたグリーと DeNA は、それに対抗できる「リッチなソーシャルゲーム」を開発できず苦戦し始める。
2012年5月 消費者庁が「コンプリートガチャは景品表示法違反」と断定、ゲーム会社への注意喚起を行う。 このコンプガチャ問題によってグリーの株価が大暴落、他のモバイルゲーム関連の株も一斉に下落する「コンプガチャショック」が起こる。
2012年5月 ※iグレイルクエスト 発売。 ゲームブックをスマホで再現したもので、以後ゲームブックの新展開が始まったが、後に企業主導となり、品質が悪化して先細りとなる。
2012年5月 Plague Inc. 発売。 疫病を広めていく背徳的な内容で世界的ヒットとなり、後に Temple Run と共に、ほぼ個人作成のアプリで億万長者になれた一例として知られる。
2012年6月 ヘイ・デイ 公開。 高クオリティーな農園ゲームとして世界的にヒット。 以後、農園ゲームのシステムはこの作品がベースとなる。
2012年7月 ※虫姫さまふたり ブラックレーベル 発売。 しかしこの頃からケイブはソーシャルゲーム中心に舵を切る。 後にシューティングとの決別を宣言し、開発者の流出や取締役の不正などを経て衰退していく。
2012年7月 DEAD TRIGGER 公開。 Unity による高品質カジュアル FPS で、この頃にはスマホゲームの開発は Unity が中心となっていた。 ただ、買い切りで発売されたこのゲームは海外(特に中国・南米・ロシア)で不正コピーされまくり、のちに無料化。 この不正コピー問題により、買い切りゲームの減少はさらに加速していく。
2012年7月 LINE がプラットフォーム化。 LINE ゲームがスタートする。 ライトユーザー向けの簡易的なゲームが多かったが、LINE 利用者の増加に合わせてプレイヤーは拡大。 中小メーカーにとっては技術力不足でもゲームをヒットさせられる市場として重宝された。
2012年8月 釣りゲー訴訟、DeNA に著作権侵害はないとの逆転判決、グリーは不服として上告。
2012年8月 クラッシュ・オブ・クラン 公開。 村開発ゲームと RTS を組み合わせた課金型ゲームで世界的大ヒット。後に Angry Birds を超え、世界でもっともプレイされているゲームとなる。 ただし日本で流行るのはもう少し先。 これとヘイデイのヒットにより、開発メーカーのスーパーセルが注目される。
2012年9月 レイトンブラザーズ・ミステリールーム が発売され、レベルファイブがスマホゲームに参入。
2012年9月 iPhone 5 発売。 画面が少し縦長になり、Lightning コネクタを採用。
2012年10月 iPad(第4世代)と、小型モデルの iPad mini 発売。
2012年10月 ガールフレンド(仮 公開。 萌え CM で話題に。 サイバーエージェントがアプリメーカーとして表舞台に。
2012年10月 ※ドラゴンリーグX 公開。 当時はパズドラのようなスマホ世代の高品質ソーシャルゲームが流行する一方で、ドラリーや単車の虎、ガルフレやモバマスのようなガラケー型の旧世代ソーシャルゲームも人気を保っており、ユーザーが二分化されていた。
2012年11月 キャンディークラッシュ 公開。 誰でも手軽に遊べるゲームとして世界的ヒット。 後に Angry Birds が持っていた、世界でもっともダウンロードされたアプリの記録を更新。
2012年11月 にゃんこ大戦争 公開。横スクロール RTS の人気作となり、ポノスが再び注目される。 以後、同タイプのゲームが数多く登場する。
2012年11月 ソーシャルゲーム6社連絡協議会をベースにして「JASGA」(ソーシャルゲーム協会)発足。
2012年12月 モダンコンバット4 発売、世界的ヒットとなる。モダコン5 など、多くの FPS が後に課金仕様に移行したため、長くスマホ用 FPS の主流となり続けた。
2012年12月 グリーの面接官が「任天堂の倒し方、知らないでしょ? オレらはもう知ってますよ」と語っていたとネット上で話題になる。以後、このセリフは当時のグリーの状況を示す言葉としてよく使われるようになる。

2012年の他の人気アプリ:すばらしきこのせかいCytusGreat Big War Gameレイマン ジャングルランFieldrunners 2Bloons TD 5ワイルドブラッドKOF-i 2012いただきストリート、※ミクフリック逆転裁判123HD、※ダンガンロンパ など

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前編はここまで。
2013年から2016年の年表は、後編 に掲載いたします。