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1987 年末にファミコンで発売された、アクションゲームの金字塔の1つ「ロックマン」。
高難度でありながら、様々なロボットが登場し、倒すと彼らの武器を使えるようになるこの作品は、世界中のゲームファンに愛され、数多くの続編と派生作を生み出しました。

そんなロックマンシリーズのファミコン版の6作品が、まとめてスマホで登場しています。
ロックマン モバイル」「ロックマン2 モバイル」「ロックマン3 モバイル」・・・ です。
それぞれ別のアプリで、6作目まで存在します。

さて、このスマホ版がどんな内容なのか・・・
まずは、海外のスマホゲーム情報サイト「TouchArcade」のレビューをご覧頂きたいと思います。
評価は5段階でなんと1、そこでは Mega Man(海外版ロックマン)を愛するユーザーの心の叫びがつづられています。
以下、翻訳文です。(多少?の意訳あり。原文は こちら

「買うな。やるな。マジで笑えねぇ。 誰かが陳腐に作り直したんじゃねぇのか?
動きが違う、
敵の動作も違う、当たり判定がおかしく、ダメージ時の挙動も変わっている。
フレームレートはひどく、初期のスピードは馬鹿げて遅く、高速にすると速すぎる上に不安定。
UI は使いにくく、手前にある物の裏に隠れなくなり、物理コントローラーのサポートもない。
あぁ、あの素晴らしいゲームがこんな最悪な形で帰ってくるなんて。

マジでウンザリだ。 ずっと昔の、俺が高校の時のコンピューターはこのゲームをスムーズにエミュレートしていた。 カプコンは長年に渡りこのゲームを何度も移植してきて、俺たちはもっと美しいバージョンも見てきた。
なのにどうして iOS 版はここまで最悪なんだ。

(海外で出ていた2009年公開の)再現版ロックマン2はこんなにひどくなかった。
これ以上このレビューに書くことはない。 ドット絵はおそらくそのままだ。 音楽は変わっていないが効果音はいくつか消えている。 操作性はそこまで悪くないが、難しいシーンをさらにハードにしている。 色々なオプションがあり、残機を無限に出来るので、ミスっても何度でもやり直せる。 これ以上良い点はあげられない。
あぁ、難易度設定があり、オートセーブもある。

だが、それだけだ。 カプコンはこの作品をこの状態でリリースしたことを恥ずべきだ。
俺の思い出補正が強すぎるのかもしれないが、しかしこれがひどいことは疑いようがない。
これは最悪の事態であり、自分を傷付けたくないなら買わないでくれ」


うーん、ここまで言うとは・・・ こんなにフルボッコだと・・・
むしろやりたくなるじゃないか! どこまでクソゲーなのか見届けるために!

まあ、先に結論から言うと、私的な印象はそこまで最悪ではないです。
ただし、これは「ガラケー版のロックマンをほぼそのまま移植したもの」です。
つまり本当に「陳腐(低スペック用)に作り直したもの」なんですね。

海外にはガラケーなんてありませんでしたから、TouchArcade の中の人が「どうしてこうなった!?」と思ってしまうのも無理はないところ。
しかしだからこそ、スマホなのですから・・・ 上記の嘆きは真実でもあります。

価格は 360 円。 1作目~6作目、すべてこの値段。
買い切りゲームなので課金・スタミナ・広告等は一切ありません。

rockman

rockman
上下に移動するシーンもありますが、基本的にはスーパーマリオのような、横スクロールのジャンプアクションゲームです。
ただ、主人公はショットを撃つことが可能で、敵を倒しながら進んでいきます。

非常に難易度が高いことが特徴の1つで、もはや「死にゲー」「覚えゲー」なシーンも多数あります。
ただ、オリジナルよりも難易度は下げられていて、嫌らしい場所にいる敵が減らされており、回復アイテムも追加されています。
ガラケー版は操作性を考慮して難易度を下げていたようで、それをベースにしていますから、スマホ版でも同様。
スマホでオリジナルと同じように操作するのは辛いので、ここはありがたいですね。

しかしそのため、特に1作目や2作目は難易度の低下が顕著で、(経験者にとっては)ロックマンらしい手強さを感じられないのも本音です。
加えて、難易度の低下に拍車をかけているのが「残機無限」。
何度やられても良いので、多少雑にプレイしてダメージを受けまくっても途中から再開できますし、ボスで苦戦しても直前から好きなだけやり直せます。

ただし、残機が無限なのは難易度がノーマルの場合で、ハードにするとオリジナルと同様に残機は3つ。
また、4作目は結構難しく、後の作品ほどそこまで難易度は落とされていないと思われます。

ロックマンと言えば多彩なボスと、ボスを倒すと得られる様々な武器。
各ステージにボスがいると言うより、ボスに合わせてステージが作られている感じで、誰に挑戦するか自由に選べるのも特徴です。
ボスにはそれぞれ弱点となる武器があるので、誰から倒すか、どの武器からゲットしていくかが重要。
すべてのボスを倒すとゲームクリア・・・ ではなく、集めた武器を駆使して戦う、最終エリアに挑むことになります。

rockman
※ブロックが出たり消えたりするシーン。 このブロックを下からすり抜けられるようになっています。
オリジナルはブロックが出る前にジャンプしないと頭をぶつけていたのですが、すり抜け可能になったので、出たのを確認してからジャンプしてもその上に飛び移れます。
これにより、一部のエリアの難易度が大幅に下がっていて、こういった難易度の調整が各所に入っています。
まあ即死ビーム地帯とか、死にゲーなシーンはやっぱりあるのですが。


rockman
※ロックマン2のステージ選択シーン。 順番が攻略のカギ。
例えば2だと、メタルマンの武器は早く入手したいですが、メタルマンはクイックマンの武器に弱い。
クイックマンはフラッシュマンの武器に弱いですが、フラッシュマンはメタルマンの武器に弱い。
じゃあどこから行くか? みたいな感じです。
エアーマンはウッドマンの武器に弱く、ウッドマンはヒートマンの武器に弱いですが、ヒートマンステージはエアーマン攻略後に手に入る足場アイテムがないとちょっと辛い。
バブルマンはメタルマンの武器に、クラッシュマンはエアーマンの武器に弱め。


rockman
※エアーマンとの戦い。 残機が無限で何度でも戦えるので、エアーマンが倒せない、ということにはならないはず。
3つのボタンのうち、一番上にあるのは武器チェンジボタン。
ただ、武器が増えたら右上のメニューボタンを押して、そこから選んだ方が良いですね。


難点は、とにかくフレームレートが低いこと。
オリジナルの滑らかさはどこにもなく、常に全体の動きがカクカク気味。
目測ですが 15〜20 fps ぐらいだと思います。
そのためゲームを始めた瞬間からチープさを感じます。

操作性はそんなに悪いとは思いませんが、ナナメ入力が困難。
スティックがガラケーの十字キーですので。
普段はナナメに入力できなくても困ることはないのですが、一部のナナメにも撃てる武器が使い辛くなっています。

キャラの動きや判定については、特におかしいとは思いませんでした。
オリジナルとは違うんだろうとは思いますが、シロウトが見ても気にならない程度です。
ただ、演出が簡素になっている部分(雲の裏に隠れない、一部のキャラのコマが少ないなど)は確かに散見されますね。

動作スピードは、初期設定ではやや遅め(ノーマル)になっています。
これはプレイしやすさを重視しているためだと思われ、設定で高速(ハイ)に変更することも可能です。
ただ、極端に違う訳ではありませんが、ノーマルは若干遅め、ハイは明らかに速い印象です。

rockman
※ロックマン2のワンシーン。 おなじみのバンザイジャンプ。
初期の作品だと、背景なども簡素なのですが・・・


rockman
※こちらはロックマン4のワンシーン。 こんな風に作品が進むと、同じファミコンのゲームでも見た目が変わっていきます。
画像はスライディング中。 ロックマン3で追加されたアクションで、4ではさらにタメ撃ちが加わっています。
タメはボタンを押さなくても自動で行われます。


とにかくフレームレートが低くてカクカクしているのが如何ともしがたいです。
当時のガラケーのスペックでは 30 fps とかムリだったのは解る。
解るけど、30 年前のハードであるファミコンよりも見劣りするグラフィックで、今のスマホでプレイするってどうよという話。
最低でも同じにしとかないと、そりゃ冒頭のような批判は受けるだろう、と思います。

ただ、フレームレートさえ目をつぶれば、普通に遊べる気もしますね。
最初から「ガラケースペックのゲームなんだ」と思ってプレイするのであれば、ちゃんとロックマンだし、買い切りだし、BGM などは当時のままだし、難易度も調整されていて、むしろ遊びやすくなっています。
また、1作目はさすがに古いですが、4ぐらいになると画面は相応に賑やかになり、動作も少し改善されています。

欲しい方は「スマホで出来るガラケーアプリ」だと思って購入し、心のハードルを下げてプレイしましょう。
・・・うん、我ながらフォローになっていない。

・ロックマン モバイル:(iPhone 版、iTunes 起動)

・ロックマン モバイル:(Android 版、Google Play へ移動)

※Youtube 公式 PV