日本時間 2018年3月28日 の午前0時、Apple は教育者向けの発表会を行い、その席上で新しい iPad を公開しました。

ipad2018

iPad には一般モデルの「iPad」と、上位モデルの「iPad Pro」がありますが、今回発表されたのは一般モデルの iPad の新型です。

名称の変更などは特にありません。
ここでは便宜上、昨年のモデルを iPad(2017)、新しいモデルを iPad(2018)と表記します。
サイズは従来と同じ 9.7 インチです。
新しい iPad(2018)が進化した点は2つ。
1つは CPU が「A10」になったこと。
もう1つは Apple Pencil に対応したこと。

A10 は iPad Pro や iPhone 7 にも搭載されている CPU で、つまり処理能力で iPad Pro に追い付いたことになります。
ただし iPhone X や iPhone 8 には「A11」が搭載されているため、それよりは下になります。

また、iPad Pro(2017)に搭載されているのはグラフィック性能を強化した「A10X」です。
iPad は画面が大きいため、描画の負荷が iPhone より高く、それに対応できるよう Pro にはグラフィック強化版の CPU が使われているのですが、今回の新 iPad(2018)には「X」の表記がないため、iPhone 7 と同じ CPU のようです。
よって高負荷なグラフィックの描画性能は 7 以降の iPhone や iPad Pro には劣ると思われます。

それでも A9 から A10 になったことで、処理速度は大きく向上していることでしょう。

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ただ会場では、もう1つの特徴である Apple Pencil への対応の方がピックアップされていました。
教育者向けの発表会ですから、子供達がペンシルで iPad にノートを取ったり、ラクガキしたりする様子が何度も紹介されています。

Apple Pencil に対応するには、ペンシルが1秒間に 240 回出すというシグナルを画面でキャッチする必要があり、A10 の処理能力はそのためにも必要であったと思われます。

他のハードウェア性能は、iPad(2017)とまったく変わりません。
念のため Apple のページで公開されている iPad(2017)の仕様書を保存し、iPad(2018)と比べてみたのですが、CPU と Apple Pencil の対応以外に変わった部分はありません。
バッテリー、カメラ、解像度、重さやサイズ、通信性能など、すべてそのままです。

価格も(日本だと)そのままで、32GB は 37800 円、128GB は 48800 円。
すでに注文は受け付けられています。
セルラーモデルだと Apple 公式サイトでは +15000 円 ですが、実売価格は携帯電話会社の設定によります。

ちなみに Apple Pencil は(日本だと)10800 円。
また Apple 製ではありませんが、Logitech が $49 の「クレヨン」を発売するとのこと。
名前からして子供のお絵かき用だと思いますが…

ペンシルのことを考えなかった場合、単にノーマル iPad の CPU が A9 から A10 になったのみ。
それ以外は値段も含めてそのままですね。
しかし iPad を欲しいと思っている人にとっては、CPU のパワーアップは魅力的です。

なお、iPhone SE の後継機が出るという噂(というか願望)もあったようですが、そうした発表はありませんでした。
発表会自体も Apple のライブ配信が行われていないなど、小規模なものとなっています。
製品発表会ではありませんでしたからね。