今回ご紹介するのは、ゲームアプリではないのですが・・・
まあ、見方を変えればゲームアプリだし、名作ゲームの復刻ではあるので、ここでご紹介しておこうと思います。
Kindle 書籍版ゲームブック「ドルアーガの塔」三部作。
「悪魔に魅せられし者」「魔宮の勇者たち」「魔界の滅亡」の3冊です。
ゲームブックとは、選択肢のある小説です。
文章が細かく分れていて、それぞれに「パラグラフ」と呼ばれるナンバーが付いており、文章の最後には「右に進むなら3へ、左に行くなら5へ」といった分岐先のナンバーが書かれていて、自分が選択した行動のパラグラフに移動しながら読み進めていくものです。
「ドルアーガ三部作」は 1986 年に初版されたゲームブックの傑作で、日本の作品の中では頂点と言えます。
ゲームブックの歴史が短かったこともあり、代表作と言っても良いでしょう。
ただ、電子書籍としては遊びやすいゲームブックではありません。
今作にはステータスや体力、経験値やレベル、豊富な装備やアイテムがあり、これらをシートにペンで記入して、自分で管理しながら進めなければなりません。
モンスターが現れた時にはサイコロを振って戦闘を行います。
またドルアーガ三部作は「マッピング」がゲームの重要な攻略要素であり、楽しみにもなっているので、ステータス用のシートとは別にマッピング用の紙も欲しいところです。
よってスマホやタブレットだけで手軽に楽しめるものではないです。
机に着き、筆記用具を用意して、しっかり構えてプレイするものですね。
その分、本格的な「ゲーム」ブックと言えます。
価格は1巻(悪魔に魅せられし者)と2巻(魔宮の勇者たち)は 400 円。
3巻(魔界の滅亡)は少しボリュームがあるからか 500 円。
合計すると 1300 円。
改めて言いますが、ゲームアプリではなく Amazon Kindle
の電子書籍です。
よってスマホやタブレット用の Kindle アプリ(iTunes 起動)を通して遊ぶことになります。

言うまでも無く、このゲームブックはビデオゲーム「ドルアーガの塔」をベースにしています。
主人公は黄金の騎士ギルガメスで、恋人のカイと神の秘宝ブルークリスタルロッドを奪還するため、60 階に及ぶ悪魔の塔に挑みます。
このゲーム(ブック)は、本当に 60 階あります。
しかも1ページ1階みたいな簡易的なものではなく、様々な趣向やトラップが施されたフロアが 60 階分もあり、よってかなりの長編。
1つの階は 8x8 のブロックで構成されたマッピング可能な構造になっていて、隅々まで探索していくのが楽しみですが、大部屋や吹き抜けなど、特殊な作りになっているフロアもあります。
1巻 20 階分で、3巻で 60 階。 もちろんステータスは引き継ぎます。
戦闘は前述したようにサイコロを使うのですが、ちょっとルールが複雑。
戦力+武器威力+サイコロ2つの出目を足して攻撃力とし、相手の技量にサイコロ2つの出目を足して防御力を算出、攻撃が防御を上回ると攻撃がヒットして相手の HP が減るというシステム。
その後、相手の攻撃判定を行い、これを繰り返します。
サイコロが2つ必要なので、用意しておかなければなりません。
「ゲームブックを元にしたゲームアプリ」ではなく、単なる電子書籍なので、この辺りの処理を自動で行ってくれることはありません。
よって移動中とかには遊べませんね。
実は原作の本には、ページの左下にサイコロが書いてあって、適当にページをめくり、出てきたサイコロの目を戦闘に利用することができたのですが・・・
残念がらフォーマットが決まっている電子書籍なので、そういうものはないです。
ゲームが進めば様々な呪文や武器、アイテムが登場。
最初はいかにもドルアーガっぽいのですが、オリジナルに忠実な訳ではなく、仲間が登場したり、商店や居住区があったり、選択によっては意外な展開を見せることもあります。
敵を倒すごとに経験値を獲得し、レベルアップすると任意のステータスを増やせるなど、RPG の要素も強いです。

※戦闘はターンごとにサイコロを振り、攻撃がヒットしたかどうかを判定します。
もちろんダメージを受けるごとに、体力の変化を紙に書いておく必要があります。
ルールを熟読してからゲームをスタートしましょう。
右は挿絵のブラックナイト。 挿絵などは変わっていませんね。

※オリジナルの本に付いてるサイコロ。 さすがにここまでは再現されていない。
アドベンチャーシート(ステータスなどを書き込むシート)などもないので、自前で何とかしましょう。
サイコロさえ何とか出来れば、iPhone のメモアプリで対応できないこともない・・・? マッピングがダメだけど。
電子書籍版のドルアーガの塔の特徴ですが、まずパラグラフ移動の表記がリンクになっています。
例えば「五四へ」と書かれたリンクをタップすると、五四のパラグラフに瞬時に移動します。
ページをパラパラめくってパラグラフを探す必要はなく、「電子書籍だとパラグラフを探すのが面倒なのでは・・・」と思った方もいると思いますが、その心配はありません。
また、ページの右下には「>」と書かれたボタンがあります。
これは「戻る」ボタンで、他のパラグラフに移動しても、瞬時に前のページに戻れます。
前のページに指を挟んでおき、移動先の結果がヤバかったら元のページに戻る・・・ という魔法の指(インチキ)を手軽に使用できますw
もちろん電子書籍なので、文字の大きさや書体、紙の色や明るさ、行間なども設定できます。
Kindle は日本の電子書籍アプリとしては、日本語への対応や機能で他よりも劣りますが、ちゃんと挿絵もあるし、ゲームブックを遊ぶのには不足はないでしょう。
まあ、今となっては正直言うと・・・ 面倒なのはあります。
今時、ゲームはボタンを押すだけで進む時代ですし、あれこれ小道具を用意して使う時代ではない・・・
ましてや紙に HP やステータスの変化を記入し、手に入れたアイテムをつらつらと書き入れ、方眼紙にマッピングをする時代でもない。
でも、このアナログ感がゲームブックなんだろうなと思います。
(と言うか、ルール的にはソロプレイのテーブルトーク RPG に近いです)
それにドルアーガ三部作を普通にゲームアプリにアレンジしようと思ったら、マッピング機能なんかもカバーしないといけないでしょうから、もう大型のゲームアプリを作るぐらい大変なことになる。
単なる書籍でないと再現し辛い作品なのも否めませんね。

※右下の隅にあるのが「戻る」ボタン。 ゲームブック必須の指はさみ機能完備?
右は Kindle の機能の1つ、Wikipedia による単語検索。
Kindle はフォントが少なく、ピンチ操作によるズームに非対応、字間などの設定も少ないのですが、検索機能だけは充実しています。

※自宅にあるオリジナルの書籍。 20 年以上経ってますが、まだ大切に保管しています。
それだけ思い出のあるゲームブックです。
え? 大切って言う割には汚れてる? いや、まあ子供だったし・・・w
iOS の(日本の)ゲームブックは、2012 年に「グレイルクエスト」や「展覧会の絵」が公開されて人気になり、一躍注目されました。
しかしメーカー主導の運営になって逆に質が劣化、版権を巡るトラブルも起こったようでグレイルクエストは公開終了となり、そこに iOS アップデートに伴う不具合も直撃。
現在、ほぼ全滅しています。(前述の2つも非公開)
ただ、最近になって Lifeline... が人気になるなど、またテキストアドベンチャーが注目されつつあります。
それと電子書籍化された「そのまんま」のゲームブックでは遊びやすさが違いますが、どういう形でもゲームブックが復刻してくれるのは、元々スマホ&タブレットとの相性は良いはずですし、ファンとしては嬉しいですね。
・悪魔に魅せられし者(Amazon Kindle 書籍、第一巻)
・魔宮の勇者たち(Amazon Kindle 書籍、第二巻)
・魔界の滅亡(Amazon Kindle 書籍、第三巻)
・Kindle(iPhone 版、iTunes 起動)
・Kindle(Android 版、Google Play へ移動)
・幻想迷宮書店の書籍紹介ページ(ゲームに使うアドベンチャーシートが PDF で公開されています)
・iPhone / iPad 電子書籍案内(iPhone AC、電子書籍解説ページ)
まあ、見方を変えればゲームアプリだし、名作ゲームの復刻ではあるので、ここでご紹介しておこうと思います。
Kindle 書籍版ゲームブック「ドルアーガの塔」三部作。
「悪魔に魅せられし者」「魔宮の勇者たち」「魔界の滅亡」の3冊です。
ゲームブックとは、選択肢のある小説です。
文章が細かく分れていて、それぞれに「パラグラフ」と呼ばれるナンバーが付いており、文章の最後には「右に進むなら3へ、左に行くなら5へ」といった分岐先のナンバーが書かれていて、自分が選択した行動のパラグラフに移動しながら読み進めていくものです。
「ドルアーガ三部作」は 1986 年に初版されたゲームブックの傑作で、日本の作品の中では頂点と言えます。
ゲームブックの歴史が短かったこともあり、代表作と言っても良いでしょう。
ただ、電子書籍としては遊びやすいゲームブックではありません。
今作にはステータスや体力、経験値やレベル、豊富な装備やアイテムがあり、これらをシートにペンで記入して、自分で管理しながら進めなければなりません。
モンスターが現れた時にはサイコロを振って戦闘を行います。
またドルアーガ三部作は「マッピング」がゲームの重要な攻略要素であり、楽しみにもなっているので、ステータス用のシートとは別にマッピング用の紙も欲しいところです。
よってスマホやタブレットだけで手軽に楽しめるものではないです。
机に着き、筆記用具を用意して、しっかり構えてプレイするものですね。
その分、本格的な「ゲーム」ブックと言えます。
価格は1巻(悪魔に魅せられし者)と2巻(魔宮の勇者たち)は 400 円。
3巻(魔界の滅亡)は少しボリュームがあるからか 500 円。
合計すると 1300 円。
改めて言いますが、ゲームアプリではなく Amazon Kindle
よってスマホやタブレット用の Kindle アプリ(iTunes 起動)を通して遊ぶことになります。

言うまでも無く、このゲームブックはビデオゲーム「ドルアーガの塔」をベースにしています。
主人公は黄金の騎士ギルガメスで、恋人のカイと神の秘宝ブルークリスタルロッドを奪還するため、60 階に及ぶ悪魔の塔に挑みます。
このゲーム(ブック)は、本当に 60 階あります。
しかも1ページ1階みたいな簡易的なものではなく、様々な趣向やトラップが施されたフロアが 60 階分もあり、よってかなりの長編。
1つの階は 8x8 のブロックで構成されたマッピング可能な構造になっていて、隅々まで探索していくのが楽しみですが、大部屋や吹き抜けなど、特殊な作りになっているフロアもあります。
1巻 20 階分で、3巻で 60 階。 もちろんステータスは引き継ぎます。
戦闘は前述したようにサイコロを使うのですが、ちょっとルールが複雑。
戦力+武器威力+サイコロ2つの出目を足して攻撃力とし、相手の技量にサイコロ2つの出目を足して防御力を算出、攻撃が防御を上回ると攻撃がヒットして相手の HP が減るというシステム。
その後、相手の攻撃判定を行い、これを繰り返します。
サイコロが2つ必要なので、用意しておかなければなりません。
「ゲームブックを元にしたゲームアプリ」ではなく、単なる電子書籍なので、この辺りの処理を自動で行ってくれることはありません。
よって移動中とかには遊べませんね。
実は原作の本には、ページの左下にサイコロが書いてあって、適当にページをめくり、出てきたサイコロの目を戦闘に利用することができたのですが・・・
残念がらフォーマットが決まっている電子書籍なので、そういうものはないです。
ゲームが進めば様々な呪文や武器、アイテムが登場。
最初はいかにもドルアーガっぽいのですが、オリジナルに忠実な訳ではなく、仲間が登場したり、商店や居住区があったり、選択によっては意外な展開を見せることもあります。
敵を倒すごとに経験値を獲得し、レベルアップすると任意のステータスを増やせるなど、RPG の要素も強いです。

※戦闘はターンごとにサイコロを振り、攻撃がヒットしたかどうかを判定します。
もちろんダメージを受けるごとに、体力の変化を紙に書いておく必要があります。
ルールを熟読してからゲームをスタートしましょう。
右は挿絵のブラックナイト。 挿絵などは変わっていませんね。

※オリジナルの本に付いてるサイコロ。 さすがにここまでは再現されていない。
アドベンチャーシート(ステータスなどを書き込むシート)などもないので、自前で何とかしましょう。
サイコロさえ何とか出来れば、iPhone のメモアプリで対応できないこともない・・・? マッピングがダメだけど。
電子書籍版のドルアーガの塔の特徴ですが、まずパラグラフ移動の表記がリンクになっています。
例えば「五四へ」と書かれたリンクをタップすると、五四のパラグラフに瞬時に移動します。
ページをパラパラめくってパラグラフを探す必要はなく、「電子書籍だとパラグラフを探すのが面倒なのでは・・・」と思った方もいると思いますが、その心配はありません。
また、ページの右下には「>」と書かれたボタンがあります。
これは「戻る」ボタンで、他のパラグラフに移動しても、瞬時に前のページに戻れます。
前のページに指を挟んでおき、移動先の結果がヤバかったら元のページに戻る・・・ という魔法の指(インチキ)を手軽に使用できますw
もちろん電子書籍なので、文字の大きさや書体、紙の色や明るさ、行間なども設定できます。
Kindle は日本の電子書籍アプリとしては、日本語への対応や機能で他よりも劣りますが、ちゃんと挿絵もあるし、ゲームブックを遊ぶのには不足はないでしょう。
まあ、今となっては正直言うと・・・ 面倒なのはあります。
今時、ゲームはボタンを押すだけで進む時代ですし、あれこれ小道具を用意して使う時代ではない・・・
ましてや紙に HP やステータスの変化を記入し、手に入れたアイテムをつらつらと書き入れ、方眼紙にマッピングをする時代でもない。
でも、このアナログ感がゲームブックなんだろうなと思います。
(と言うか、ルール的にはソロプレイのテーブルトーク RPG に近いです)
それにドルアーガ三部作を普通にゲームアプリにアレンジしようと思ったら、マッピング機能なんかもカバーしないといけないでしょうから、もう大型のゲームアプリを作るぐらい大変なことになる。
単なる書籍でないと再現し辛い作品なのも否めませんね。

※右下の隅にあるのが「戻る」ボタン。 ゲームブック必須の指はさみ機能完備?
右は Kindle の機能の1つ、Wikipedia による単語検索。
Kindle はフォントが少なく、ピンチ操作によるズームに非対応、字間などの設定も少ないのですが、検索機能だけは充実しています。

※自宅にあるオリジナルの書籍。 20 年以上経ってますが、まだ大切に保管しています。
それだけ思い出のあるゲームブックです。
え? 大切って言う割には汚れてる? いや、まあ子供だったし・・・w
iOS の(日本の)ゲームブックは、2012 年に「グレイルクエスト」や「展覧会の絵」が公開されて人気になり、一躍注目されました。
しかしメーカー主導の運営になって逆に質が劣化、版権を巡るトラブルも起こったようでグレイルクエストは公開終了となり、そこに iOS アップデートに伴う不具合も直撃。
現在、ほぼ全滅しています。(前述の2つも非公開)
ただ、最近になって Lifeline... が人気になるなど、またテキストアドベンチャーが注目されつつあります。
それと電子書籍化された「そのまんま」のゲームブックでは遊びやすさが違いますが、どういう形でもゲームブックが復刻してくれるのは、元々スマホ&タブレットとの相性は良いはずですし、ファンとしては嬉しいですね。
なお、ドルアーガ三部作を電子出版した「幻想迷宮書店」は、iOS 版が消えてしまった「展覧会の絵
」や、ゲームノベルの傑作である「隣り合わせの灰と青春
」など、いかにもツボを押さえた書籍も電子化しています。
今後も注目していきたい出版社です。
・悪魔に魅せられし者(Amazon Kindle 書籍、第一巻)
・魔宮の勇者たち(Amazon Kindle 書籍、第二巻)
・魔界の滅亡(Amazon Kindle 書籍、第三巻)
・Kindle(iPhone 版、iTunes 起動)
・Kindle(Android 版、Google Play へ移動)
・幻想迷宮書店の書籍紹介ページ(ゲームに使うアドベンチャーシートが PDF で公開されています)
・iPhone / iPad 電子書籍案内(iPhone AC、電子書籍解説ページ)