iPhone AC 番外レポート

iPhone や iPad(スマホやタブレット)の、主にゲームアプリのレビューを行っています。

アドベンチャー

Agent A: 偽装のパズル

ムービーと 3D グラフィックで構成された、高クオリティなビジュアルを持つ、スパイものの「脱出ゲーム」が公開されています。
Agent A: 偽装のパズル」です。

作りの良い脱出ゲームはやっていて楽しいものですが、日本の脱出ゲームの多くは広告だらけの簡易的な無料アプリばかり。
しかしこれは良質の脱出ゲームにセンスの良いビジュアルと演出が加わっていて、ハイセンスな内容になっています。

価格は 360 円、買い切りゲームなので広告や課金は一切なし。
※定価は 480 円、さらに 600 円と、アップデートに伴い少しずつ値上がりしています。

オーストラリアで制作されたインディーズゲームで、開発したのは2人だけの小メーカーのようです。

Agent A 偽装のパズル

Agent A 偽装のパズル

ゲーム自体は「普通の脱出ゲーム」です。
画面をタップして家具などを調べ、アイテムを回収し、それを適切な場所で使って謎を解きながら、屋敷に潜む敵のスパイを探します。

海外のゲームですがメッセージは全て日本語化されており、翻訳におかしいところはありません。
タップのみで移動も調査も行える手軽なインターフェイスで、アイテムは使いたい場所にドラッグします。

屋敷が全て 3D グラフィックで表現されているのが特徴で、移動時や何かのアクションが起こる時には、ちゃんと滑らかに動きます。
絵画の裏から隠し装置が出て来る時も、パッと出るのではなく、ちゃんと絵画がスライドし、その裏からパーツがニョキッと出て来て装置に変わったりします。

水槽の魚はちゃんと泳いでいるし、洗面所にはちゃんと水が貯まっていくし、1つ1つの演出がしっかり作られているのがこのゲームの良いところですね。

脱出ゲームとしての難易度は高くありません
謎のヒントは必ずどこかにあるし、大抵の謎は適当にタップしていれば解決できます。

一部に解り辛いものもありますが、個人作成や日本の小メーカーの脱出ゲームにありがちな、やたら難解で理解困難な暗号などは、このゲームには出て来ません。
ただヒント機能のないゲームなので、行き詰まった時の救済はありませんが。

Agent A 偽装のパズル
※ターゲットのスパイの屋敷の外観。 ここに潜入するはずが、逆に脱出するハメに・・・
なお、この画面の右下付近に、タップで反応する場所があります。 これだけは解り辛いので注意。


Agent A 偽装のパズル
※パズルを解くミニゲームなシーンも。 ただ、このゲームのパズルはそんなに難しくありません。

ボリュームはそれほど多くなく、割と短時間でクリア出来ます。
またこれを言ったらネタバレになりますが、今作だけではストーリーは完結しません。
360 円という値段を考えると、クオリティ的にはその価値はあるけど、ボリューム的には厳しく感じる人もいそうですね。

ただ、ヘンに難しくして長続きさせようとするよりは、このぐらいサクサク進んで謎解きとストーリーを楽しませてくれる内容の方が、私は良いと思います

あまりレビューする部分はありませんが、iTunes でオススメに選ばれているぐらいの、簡易的ではない、しっかり作られた脱出ゲームです。
この手のゲームが好きな人にはオススメですね。

Agent A: 偽装のパズル(iTunes が起動します)

Brothers: A Tale of Two Sons

病に倒れた父の薬を求めて、長老から授かった地図を片手に、兄弟は村を出た。
それは美しくも奇想天外な旅の始まりだった・・・

SASUKE を楽勝で完全制覇できそうな驚異的身体能力を持つ兄弟が、自然美あふれる風景をバックに道なき道を進んでゆく、童話物語のような 3D アクションアドベンチャーゲームが公開されています。
Brothers: A Tale of Two Sons」です。

元は XBOX Live で 2013 年に公開されていたゲームで、パソコンや PS3/4 版も発売されていました。
Unreal Engine をフル活用した牧歌的で目を見張るほど美しいグラフィックと、2人の兄弟を左右別々のスティックで同時にコントロールする操作が特徴のアドベンチャーゲームです。

価格は 600 円ですが、XBOX や PS 版は 1500 円だったので、むしろお得。
買い切りゲームなので広告や課金は一切ありません。
開発したのはスウェーデンの Starbreeze Studios というメーカーです。

Brothers: A Tale of Two Sons

Brothers: A Tale of Two Sons

2スティック制のゲームで、左スティックで兄を、右スティックで弟を操作します
2人のキャラクターを切り替えながら進むのではなく、同時に動かすのが特徴ですが、謎解きメインのアドベンチャーゲームなので、この操作スタイルでも難しいという事はありません。
一部にアクションが必要な場面もありますが、謎解きを含め、全体の難易度は低めです。

スティックを長押しすると、近くのものに対して何らかの行動を行います。
ロープやレバーならつかみ、物があるなら持ち上げ、人なら話しかけます。
それらは先に進むために必要ですが、物語に直接関係ないものでも色々な反応を見せてくれます。

例えば、ボールを投げたり、楽器を弾いたり、井戸をのぞき込んだり・・・
兄弟で反応が違い、特に弟はイタズラ好きなので、寄り道して色々いじってみるのも楽しいですね。
もちろん謎解きでも、背の高い兄と小柄な弟の身体的特徴をうまく活用する必要があります。

なお、つかんだものを離すときは、画面を二本指タップして下さい。
この操作だけは説明がなく、少し解り辛いので注意。

海外のゲームですが、文字は一切出て来ません。 声も架空の言語になっています。
よって英語が分からなくても問題なく遊べ、物語は映像の演出のみで理解できるようになっています。

Brothers: A Tale of Two Sons
※小川の側の小屋でハープを弾く弟と、それを聞いて喜ぶ老人。
静止画では解りませんが、川の流れも非常に美しいです。
ちなみに兄が弾くと雑音になって老人が悶えますw


Brothers: A Tale of Two Sons
※巨人と遭遇し、おもわず弟をかばう兄。 ファンタジーな世界になっていて、人間でない存在も出て来ます。
ちなみにこの巨人はすごくいい人。


アンリアルエンジンのパワー全開で描かれた風景の書き込みは非常に細かく、何度も足を止めて景色を眺めたくなることでしょう。
のどかな村を抜け、険しい山を越え、機械仕掛けの遺跡を抜け、夜の森に入り、その後も驚くような情景が続きます。

効果音も凝っていて、プレイ前にはヘッドホンの使用を勧められます。
自然の中を散策するゲームとも言えますが、中盤からはアクションシーンも増え、物語に引き込まれていくことでしょう。

クリアまでは3時間ほどで、悩んだり寄り道しまくったりしても4~5時間ほどです。
ただ、スマホ / タブレットのこの手の「ビジュアル重視の散策ゲーム」は映像を作り込んでいる分、ゲーム的にショボいか世界が狭いかのどちらかの場合が多いですが、これは元が家庭用ゲーム機のソフトですし、場面が豊富でゲーム性も十分。
妥協のないクオリティのビジュアルが最後まで続くので、むしろボリュームを感じる内容ですね。

Brothers: A Tale of Two Sons
※巨大な機械仕掛けの水車やクレーンがある謎の古代遺跡。
他にも予想外な光景が次々出て来るので、プレイヤーを飽きさせません。


Brothers: A Tale of Two Sons
※絶壁でクリフハンガーする兄と、その兄にロープでぶら下がっている弟。 握力とスタミナは超人級。

Brothers: A Tale of Two Sons
※そんな超人兄弟なのに、弟は母が水死したトラウマで泳げません。
泳いで進む場面は兄につかまっていないと溺れるので注意。
それにしても、ゆらめく水底の表現が美しいです。

一本道のストーリーのアドベンチャーゲームなので、何度も繰り返し遊べるようなものではありませんが、それでも1つの物語として満足できる内容だと思います。

とにかく自然美あふれるグラフィックだけでも一見の価値があります。
難易度やクリアまでの時間も、景色を楽しみながらストレスなく進んでいけて、最後に「とても良かった」と実感して終われるので、このぐらいでちょうど良い気がしますね。

ゲームという形式を取った1つの映像作品」といった感じの、万人にオススメしたいアプリです。

Brothers: A Tale of Two Sons (iTunes が起動します)

月見花(Lunar Flowers)

ゲームと言うより、オリエンタルな雰囲気を楽しむ絵本を見るような、インタラクティブアートのアドベンチャーゲームが公開されています。
月見花」(Lunar Flowers)です。 

いわゆる「雰囲気ゲー」ですが、その雰囲気が非常に良く、サウンドも優れています。
ゲームのタイプとしては「Tengami」によく似ていて、そちらが好きだった方は、こちらも楽しむことが出来るでしょう。

ボリュームはそんなにありませんが、なんと無料。広告もなし。
商売は考えていないアプリのようですね。

ただ、このゲームは中国製なので・・・ XcodeGhost の問題 が気になります・・・
それが問題になった後で公開されたアプリですし、XcodeGhost 感染アプリは Apple Store から削除されているようなので、大丈夫だとは思いますが・・・
一応、この点はお伝えをしておきます。

月見花 Lunar Flowers

月見花 Lunar Flowers

ゲーム中に文字は一切出て来ません
月に帰ろうとしている少女が、その方法を探して幻想的な世界を旅します。

少女が進んでいくと、道が途切れて、上空に花が現われます。
この花を一筆書きの要領で、特定の順番でなぞると道が現われます。

ただし、どういう順番でなぞれば良いのか、それはプレイヤーが探さなければなりません。
大抵は画面のどこかにヒントがあるのですが、ちょっとひねっている場合もあります。
また、スピードが必要なケースもあり、遅れるとミスになります。

しかしなぞり方が悪くてもすぐリトライできるし、ミスになっても少し戻されるだけで、正解するまで何度でもやり直せます。

iTunes のレビューには「謎が難しい」という意見が目立ちますが、私的にはそんなに難しいとは思いません。
やることが「花をなぞる」と決まっていて、後はその順番を見つければ良いだけなので、巷の脱出ゲームとかより簡単だし、Tengami の方が難しいですね。
ただ、迷った時のフォローがないので、行き詰まってしまうと辛いかもしれませんが。
iPhone だとヒントとなる部分が見辛いこともあるので、出来れば iPad の方がお勧めです。

月見花 Lunar Flowers
※一部、花をなぞるのではない、特殊なしかけがあるシーンもあります。
このシーンは光のヒントを元に、4つのダイヤルをそろえます。
必ず何かがヒントになっているので、よく観察してみましょう。


月見花 Lunar Flowers
※ここのシーンだけは解り辛かったので、ちょっと補足を・・・
見辛いのですが、矢印のところにも1本の線があります。


システムがシンプルで、主人公の少女も自動で進んでいきます。
ゲームと言うより、ムービーの中にミニゲームが差し込まれている感じでしょうか。

ただ、アジアらしい雰囲気が非常に良く、西洋人がアジアっぽさを演出しているのとは違う、アジア人がアジアを演出している感じが伝わってきます。
中国のゲームですが、中国を強く感じることはない、オリエント(東洋)といった雰囲気ですね。

悩みながら進んでも1時間ほどで終わる短いゲームですが、雰囲気を楽しむアプリはダラダラ続くのもどうかと思うので、このぐらいで良いと思います。
これで有料ゲームだったら「この程度のボリュームで○○円では・・・」とか言いたくなりますが、なにせタダ、広告もなしですから、文句を言うのはお門違いでしょう。

静かな夜に、雰囲気に浸りながら楽しんで欲しいアプリです。
 
月見花(Lunar Flowers)(iTunes が起動します)

バートラム・フィドルの冒険 EP1

アメリカのアニメのような展開、奇妙で独特な絵柄、ユニークだけどブラックなストーリーの、とにかくシュールなアドベンチャーゲームが登場しています。
バートラム・フィドルの冒険 EP1」です。

「英国流ダークユーモア」にあふれた作品で、制作したのはイギリスの CG アニメーションスタジオ。
内容はほんと、欧米のアニメの第一話を見ているような感じですね。
題名に「冒険」と付いていますが、見知らぬ土地を探検したりする訳ではなく、18 世紀のロンドンの町を「殺人鬼ジェフ」を追いながらうろつきます

シャーロック・ホームズが登場するなど、ちょっと推理ミステリーっぽい雰囲気もありますが、事件の犯人を降霊術で捜そうとしたりする、ヘンテコな物語です。
絵柄がユーモラスなのでグロいという訳ではありませんが、不気味なシーンも多いので、子供がやるようなゲームではありません。 その点はご注意を。

定価は 240 円ですが、9月30日まで 120 円で販売されている模様。
これで 120 円は安いですね。

・バートラム・フィドルの冒険 EP1(iTunes が起動します)

・バートラム・フィドルの冒険 EP1(iTunes が起動します)

真横視点のゲームで、タップで移動と調査を行います。
画面を押しっぱなしにすると調べられる場所に丸印が付くので、反応する場所を探すために画面をタップしまくる必要はありません。

主人公はニート冒険者の「バートラム・フィドル卿」で、従者と一緒に行動するスタイルは英国紳士のお約束。
セリフ回しが独特で、そのユーモアのある喋りが海外で人気だったようです。

日本語の字幕を表示することが可能で、セリフ回しが重要なゲームであるためか、翻訳にはかなり気を使っている様子。
ちゃんと日本語でもシャレの効いたセリフを見せてくれます。
初期状態では字幕が OFF なので、ゲームを起動したらすぐ「設定」を選び、字幕を ON にしておきましょう。

・バートラム・フィドルの冒険 EP1(iTunes が起動します)
※シャーロックホームズ&ワトソン君と対面するバートラムご一行。
ホームズはちょっと抜けた感じ。 ワトソン君は事件の調査について霊媒師を紹介しますが、いや、あなた医者でしたよね?


基本的には、各所を探索しながらアイテムを集め、それを適切な場所で使って先に進む方法を見つけます。
アイテムは使う場所にドラッグしても良いし、タップでも OK。
また従者のギャビン君は力持ちで、彼をタップして他の場所を選択することで、重い物を動かすことが出来ます。

アイテム同士を組み合わせることも出来ますが、そんなに難しい謎はありません。
内容が内容なので、奇想天外なアイテムの使い方をする場合もあるのですが、調べられる場所や入手アイテムは多くなく、総当たりで何とかなります。

いかにも CG アニメスタジオらしい演出が展開される作品で、謎解きではなく、欧米アニメらしい独特な雰囲気を楽しむ、インタラクティブアプリに近いものと言えます。

・バートラム・フィドルの冒険 EP1(iTunes が起動します)
※アイテムウィンドウを開いたところ。 先に進めなくなった時は、アイテムを片っ端から使ってみましょう。
意外な展開が起こるかもしれません。


・バートラム・フィドルの冒険 EP1(iTunes が起動します)
※上下にフリックして、町の人を避けながら疾走するシーン。
数は少ないですが、こんなちょっとしたアクションシーンが入る場合もあります。

今作は物語のエピソード1。 ややネタバレになりますが、話はまだ続きます。
エンディングまでの時間はそう長くなく、悩んでいる時間を含めても2~3時間ほどでクリア出来ます
でも続き物ですし、このぐらいの方が手軽に遊べて良いかもしれません。

これで価格が高かったら「ボリュームがないから・・・」となりますが、この値段ならオススメできます。
最初は独特な雰囲気に慣れない部分もありましたが、終わってみると早く続きがやりたくなる、そんなアプリですね。

バートラム・フィドルの冒険 EP1(iTunes が起動します)

Spider: Rite of the Shrouded Moon

1匹の蜘蛛になり、廃屋となった屋敷を彷徨いながら様々な虫を補食していく、シックな雰囲気と軽快な動きが特徴の iPhone 初期の名作「Spider: The Secret of Bryce Manor」。
数々の表彰を受けたこの作品に、6年の時を経て続編が登場しました。
Spider: Rite of the Shrouded Moon」です。

この作品、評価は賛否両論です。
前作は背景で屋敷の主人の生涯がそれとなく語られており、それが深みのある雰囲気を作り出していたのですが、ゲーム自体は他の虫を捕らえてスコアを稼ぎ、ステージをクリアしていくシンプルなものでした。
しかし今作は「謎解き」の方がメインになっている、アドベンチャーゲームのようなシステムになっています。

当面はゲームの進行に謎解きは必須ではなく、従来通りスコアを稼いでステージをクリアしていけば良いのですが、いかにも謎に満ちている雰囲気と演出が、プレイヤーを「シンプルに楽しむ」気にさせてくれません。

やや人を選ぶ作品になってしまった印象がありますね・・・
しかし哀愁の漂う独特な雰囲気、操作しているだけでも楽しい蜘蛛の俊敏な動きなどは、今回も健在です。
価格は 600 円。 買い切りゲームなので課金や広告はありません。

Spider 2 Rite of the Shrouded Moon

Spider 2 Rite of the Shrouded Moon

画面の左右を押しっぱなしにすると、地形に沿って移動します。
主人公は蜘蛛なので、壁も天井も張り付いて移動することが出来ます。

画面をフリックすると、その方向にシュバッとジャンプします。
その動きは非常に機敏で、連続でフリックすることで所狭しと飛び回ることが可能です。
この素早い動きがゲームの面白さの大きなポイントですね。

そして蜘蛛自身をタップすると、少し屈んで糸を出す体制を取り、その状態でジャンプすると着地地点まで糸が引かれます。
この糸で空間を囲うと、そこに「蜘蛛の巣」が張られます。
蜘蛛自身をタップという操作があるため、画面の大きな iPad より、iPhone の方が操作しやすいです。

ステージ内には蚊やハエ、蛾や蝶など、様々な虫がいます。
これらが蜘蛛の巣に引っかかると、そこで動けなくなります。
蜘蛛は巣の上を自由に移動でき、引っかかった虫を補食できます。
これによりスコアがアップし、糸の残り数も増加します。

地面に着地せず、連続で補食していくことでスコア倍率がアップ。
スコアが一定値を超えるとマップ内のどこかに「ポータル」が現れ、そこに入るとステージクリアとなります。
得点効率が悪い場合、すべての虫を補食してもポータルが現れない事もあります。 この時はやり直すしかありませんね。

糸はライフも兼ねていて、糸がなくなった状態で一定時間が経つと死んでしまいます。
また、赤くて凶暴なアリやハチに触れてしまうとダメージを受け、この時も糸が減ってしまいます。

これらの敵は相手の攻撃を回避した後、隙を見せている時に飛びかかることで倒すことが出来ます。
他にも飛びかかってひるませないと巣にかからない虫や、大きな巣を作らないと倒せない虫もいます。

Spider 2 Rite of the Shrouded Moon
※こんな風に巣と巣を繋げることも出来る。 床や壁に触れずに補食していけば得点倍率が上がるので、出来るだけ巣を作って、たくさんの虫を引っかけ、それからまとめて捕獲していきましょう。
得点の高い虫は後で取った方が良いです。


Spider 2 Rite of the Shrouded Moon
※今回はこんな風に真上から見下ろしたステージもあります。
巣は張れませんが、このシーンに出て来るアリは触れるだけで捕まえられます。


そして今作の大きな特徴は、前述したように「謎解き」があること
例えば順番にスイッチを押して、扉を開くといったしかけが隠されています。

今回の屋敷はいかにも怪しい雰囲気に満ちていて、様々なシンボルや何かのメモ、意味ありげな絵などがあちこちで見られます。
それらを発見してステージをクリアすると、「ミステリー」や「クルー(手がかり)」としてアルバムに記録されていきます。
これらが蓄積されていくため、プレイヤーは嫌が応にも「謎を解かなければ」という気にさせられます。

この謎を解いていくには、各ステージを行ったり来たりしなければなりません。
そのため今作は、ステージクリアすると次のステージがアンロックされますが、すぐに移動するのではなく、一旦マップ画面に戻ります。

手がかりを一覧でチェックできるため、それを見れば謎の解き方はだいたい見当が付きますが・・・
隠し部屋を見つけないと手に入らない手がかりや、解りにくい謎もあります。
まずは各ステージを一通り見て回るのが先決ですね。

また、今作には GPS 機能と連動し、プレイヤーのいる場所の時間と天候をゲームに反映させるシステムがあります。 そしてこれは謎解きにも関わっています。
時間と天気を変えて遊ぶことも出来るので、「夜になるまでゲームが進まない」みたいなことはありませんが、時間と天候を変えるマシンは一度使うとしばらく再使用できません。

Spider 2 Rite of the Shrouded Moon
※これがマップ画面。 行ける場所はゲームの進行に応じて増えていきます。
最初はあまり謎解きを考えず、どんどんクリアしていくのを優先した方が良いでしょう。


Spider 2 Rite of the Shrouded Moon
※ミステリーと Clues(手がかり)の画面。 それがどのステージにあるのかも確認できます。
まずは手がかりを集めないと謎も解けませんね。
器や戸棚の中、ボトルシップの中など、怪しそうな場所は一通りチェックしましょう。


Spider 2 Rite of the Shrouded Moon
※最初の謎、オルガンの中のスイッチ。 これは難しくはないですが、若干の音楽知識が必要なので、解らない人はいきなり詰まるかも・・・ 学校の授業で習う程度の知識ですが。
音階の「ドレミファソラシド」は、アルファベットでは「CDEFGABC」です。


Spider 2 Rite of the Shrouded Moon
※この文字盤の謎はステージを往復しないと解けない。 針の位置は実際の時間と連動していますが、位置はどこにあっても OK で、必要なのはその時に何を指しているかです。
ガーゴイルの像があるステージには記号の書かれたスイッチボックスがあり、ガーゴイルの上部にはレバーもあります。
ガーゴイルが作動したら、この文字盤に戻ってきましょう。


前作はゲーム自体はシンプルで、屋敷の主人の生涯は、あくまで背景で語られるだけのものでした。
でも、それが良かったというのもあります。
謎がここまで前面に出て来てしまうと「めんどくさい」と思ってしまう人も多いのではないでしょうか。
海外でも「パズル(アドベンチャーゲーム)になり過ぎてて楽しめない」という意見が多いですね。

システムも複雑化しているため、謎解きはゲームがある程度進んでからでも良かったように思います。

ただ、謎をいくつか解き明かすと、謎解きも面白くなってきますし、あちこちにちりばめられた手がかりを見て回るのも楽しくなってきます。
ゲームのタイプとしては「アクション脱出ゲーム」と言えるかもしれません。
普通にアクションゲームとしても楽しめるのですが、そう思ってプレイし始めた方が、違和感はないかもしれませんね。

全体としては「大人のゲーム」で、完成度や作り込みは流石と言うほかありません。
「虫イヤァァー」な人には勧められませんが、シックな雰囲気のゲームが好きな人には良いアプリです。

Spider: Rite of the Shrouded Moon(iTunes が起動します)



Til Morning's Light(+ Tales From Deep Space)

いじめっ子に無理やり放り込まれた怪屋敷。
そこには謎とモンスター、そして幽霊とおかしな人々が待ち受けていた・・・
ホラーでありながら身の凍るほどの恐怖がある訳ではない、ディズニーっぽい雰囲気のアクションアドベンチャーゲームが Amazon より公開されています。
Til Morning's Light」です。

Amazon が新設したゲームブランド「Amazon Game Studios」の作品で、開発は WayForward というカリフォルニアの会社。
アメリカでは相応に知られているゲームメーカーで、アメリカと日本のアニメの中間のようなキャラデザインをするところです。
このゲームはアメリカの雰囲気が強いのですが、他の洋ゲーよりも親しみやすい印象はありますね。

先に言ってしまうと、Amazon Game Studios が公開している3つのゲーム、Lost WithinTil Morning's LightTales From Deep Space の中で、一番面白いと思った作品です。
今回は Tales From Deep Space についても、文末で少し取り上げています。

価格は Amazon Game Studios のゲームは、全て 840 円(Android の Amazon ストア版は 600 円)となっています。

Til Morning's Light

Til Morning's Light

大きな屋敷の中をさまよい、アイテムを集めて謎を解き明かしていくアドベンチャーゲームです。
画面をスライドして移動し、何かある部分に近づくとそこにターゲットが現れ、タップで調査できます。

全て 3D グラフィックで表現されていて、Forgotten Memories ほどではないですが、グラフィック質はかなり高いです。
光の表現なども良く、Lost Within より綺麗に思えますね。
絵のタッチが全然違うので、直接比較できるものではありませんが。

屋敷の中はいくつかの部屋や通路に分割されていて、ドアを通ることで場面が切り替わる方式。
バイオハザードのスタイルと言えば解るでしょうか。

たまにモンスターがうろついていて、接するとバトルシーンになります。
バトルは曲のない音楽ゲームのようになっていて、マーカーをタイミング良くタップ or フリックして攻撃します。
タイミングがパーフェクトなら大ダメージを与えられ、ミスると反撃を受けます。
難しいアクションが必要なものではなく、難易度は高くありません

移動シーンのまま戦う訳ではありませんが、敵の中には移動中に弾を飛ばしてくる者もいます。

Til Morning's Light
※グラフィックはかなり綺麗。 主人公は懐中電灯を持っていて、暗い場所を照らすことが出来ます。
灯りの場所に応じて影が伸びたりする事はないのですが、雰囲気のある陰影が描かれています。


Til Morning's Light
※バトルはこんな感じ。 収縮していく円がマーカーと重なったらタップする。
ちゃんとマーカーの場所をタップしないとダメなので注意。


特徴的なのは「あまり怖くないホラー」という点でしょう。
コミカルホラーという程ではないのですが、キャラがディズニー風にデフェルメされていることもあって、恐怖感は少なく、モンスターも不気味という感じではありません。
屋敷の中で会う幽霊も、妙にフレンドリーだったり、ナンパ師がいたり、怖がらせるような存在ではありません。

屋敷には人殺しのファミリーがいて、彼らは明確な「敵」なのですが、こちらが一方的に追いかけられる訳ではなく、時にはバトルします。

常に屋敷のマップを携帯していて、現在地を確認することができ、新しい鍵を手に入れると、入れるようになった部屋が光って知らせてくれます。
謎解きに行き詰まっても、屋敷の中で集められる「コイン」でヘルプを購入でき、解答を得られます。

全体的に遊びやすさを重視した作りで、「ゲーム自体はフレンドリー。雰囲気としてのホラー」という感じのゲームですね。

Til Morning's Light
※どっちが身長が高いかという、くだらない理由でケンカしている子供の幽霊。 
幽霊は幽霊と言うより住人で、恐怖感や悲壮感はありません。

Til Morning's Light
※ボス戦のワンシーン。 ボス戦は謎解きになっていて、敵の攻撃をかわしながら、レバーを引いたりブロックを押したりして、しかけを完成させなければなりません。

ボイスも豊富で、音声は英語ですが、メッセージや字幕は全て日本語化されています
屋敷の様子は変化に富み、イベントも多く、ボリュームも相応にあります。

「怖くないホラー」と言うことで万人にお勧めできますし、かなり秀作のゲームだと思います。

Til Morning's Light(iTunes が起動します)
Til Morning's Light + Lost Within ダブルパック(単体購入と値段が変わらないのでこちらの方がお得)


もう1つ、Amazon Game Studios が公開している作品「Tales From Deep Space」も紹介しておこうと思います。
こちらは多様な異星人が住む宇宙ステーションをさまよう、パズルアドベンチャーです。

Tales From Deep Space

Tales From Deep Space

真横視点のゲームで、主人公とロボットの2体を任意に切り替えられます
主人公は軟体で、パイプの中を通り抜けたり出来ますが、ジャンプ力はありません。
一方、ロボットはジェットを使って高くジャンプでき、ガスなどの影響も受けません。
それぞれの特徴を生かしながら、スイッチやエレベーターを操作して先に進んでいきます。

グラフィックは細部まで書き込まれていて、技術的なクオリティは非常に高いです。
ただ、舞台や物語などに魅力を感じない
たまたま立ち寄った宇宙ステーションが閉鎖され、出発できなくなって、なし崩し的に様々なお使いを頼まれるという展開で、いまいち盛り上がりません。

ゲームシステムは Valiant Hearts によく似ていますが、あっちが第一次世界大戦を舞台としたヘビーな設定と物語を持っていたのに対し、こちらは普通の SF。
この辺の好みは人によって違うので、スターウォーズやディズニーが好きな方だとこちらの方が良いかもしれませんが、私的には長く続ける気にはならなかったですね。

Tales From Deep Space(iTunes が起動します)


Lost Within

凄惨な事件の末に廃墟となった精神病院をさまよう、狂気が恐怖となって忍び寄るホラーアドベンチャーゲームが公開されています。
Lost Within」です。

Amazon のゲームパブリッシュ部門「Amazon Game Studios」から公開されたゲームで、Amazon は近年、アメリカの著名なゲーム開発者を次々と招き入れ、ゲームストリーミングサービスの Twitch 社を買収、ゲームエンジン CryEngine を提供する Crytek 社と大規模な契約を行うなど、豊富な資金力をバックに本気でゲーム事業に乗り出そうとしています。

今作は海外で有名なホラー FPS「Prey」の開発元 Human Head Studios が製作しており、本格的なホラーアドベンチャーゲームになっています。
内容を一言で表現すると「ホラーのメタルギアソリッド」ですね。

Amazon Game Studios は Amazon の端末「Kindle Fire」や「Fire Phone」専用のゲームを開発すると見られていましたが、それにこだわらない方針になったのか、今作は iOS / Android 同時公開となっています。
ただし Android 版は Google Play では公開されておらず、Amazon Android アプリストア のみでの販売となっています。
価格は 840 円(Amazon Android 版は 600 円)です。

Lost Within

Lost Within

廃病院を探索するホラー 3D アドベンチャーという内容は、奇しくも同時期に公開された「Forgotten Memories」と丸かぶりな訳ですが、やってみるとゲームの印象は結構違います。
言うなれば Forgotten Memories はお化け屋敷、Lost Within は廃墟ツアーでしょうか。

操作が独特で、タップでその場所に移動する形式
仮想スティックやボタンは存在しません。

最初はスティック操作でないことの違和感が強かったのですが、慣れてくると指一本で全ての操作ができるので、これはこれでラクですね。
おそらく Kindle Fire、つまりタブレットでの操作をメインに考えているのだと思われます。
オプションでスティック操作にする事も出来るのですが、地形に引っかかる事が多く、こちらの操作性はあまり良いとは言えません。

マップは細切れになっていて、通路と数部屋で構成される狭いマップを抜けると、また次のマップが現れる形。
前のマップに戻ることは出来ない「一方通行型」です。
マップ内の特定の地点や、マップ切り替え場所にはチェックポイントがあり、オートセーブが行われ、もしゲームオーバーになってもそこから再開可能です。

各所に袋や鞄、引き出しなどがあり、調べることでアイテムやファイルが見つかります。
調べられるものは近付くと白く光るので、簡単に判別することが出来ます。

アイテムの中には床に「目印」を付けるものがあり、使用すると出口への順路が表示されます。
迷子になってもこれで向かうべき方向が解るようになっていて、ゲームオーバー後のリトライ時にも足跡で方向が示されます。

全体的にホラーでありながら親切設計で、この辺も不自由さを恐怖に繋げていた Forgotten Memories とは正反対ですね。

Lost Within
※開けられるバッグはある程度近付くと白くなるので、見てすぐ解ります。
鍵や紙のように直接置かれているものは、その周囲に波紋のようなものが出ていて、遠目からでも所在を確認できます。
アイテムを探すために画面中をタップしまくる必要はありません。


Lost Within
※マーカーを使うと出口への矢印が。
それでなくてもマップが一方通行だし、多少広くてもこのマーカーで方向が解るので、迷子になることはありません。


ゲームが進むと院内を徘徊する敵が現れますが、こちらは基本的に攻撃手段を持ちません
ただ、敵はそれぞれ視界や聴覚を持っていて、視界に入らないようにそっと進めば、見つからずに背後を通過することも可能です。
また各所にロッカーがあり、見つかって追われてもこの中に入って扉を閉めれば、やり過ごすことが出来ます。

冒頭で述べたようにメタルギアソリッドっぽい展開で、ロッカーや机の下に隠れながら、相手の巡回ルートを確認し、こっそり抜けて行く形ですね。
ラジオを鳴らし、そこに敵をおびき寄せてから奧の部屋に入るといった、いかにもスニーキング(潜入)ミッションなシーンもあります。
ある程度進むとスタンガンなども手に入りますが、敵を痺れさせられる時間は短く、あくまで一時凌ぎに過ぎません。

アイテムの他に、各所でバックストーリーが書かれているファイルも見つかります。
文章は全て日本語化されていて、翻訳におかしい点はありません。

たまに過去の光景がフラッシュバックすることもあり、かつて病院で行われた凄惨な実験の模様が描かれます。
ボイスにも日本語の字幕が付いていて、物語を楽しむことが出来ますね。

Lost Within
※ロッカーに隠れていれば敵には見つからない。 目の前で隠れても、なぜかロッカーに入ると敵は追撃をあきらめます。
机の下に入ることも出来ますが、見つかっている状態の時は机から無理やり引っ張り出されるので注意。


Lost Within
※たまに脳裏によぎる廃墟になる前の院内の光景。 物語を重視したホラーです。

サウンドが効果的に使われていて、急に聞こえる叫び声など、恐怖感を煽る演出も各所で発生します。
ただ、探索しているのが昼間で、電灯も点いているため「暗闇の恐怖」のようなものはありません。
豊富なストーリーシーンと絡めて怖がらせる感じです。

グラフィックはスマホ / タブレットのゲームとしては、かなり高クオリティー。
ただ Forgotten Memories のような突き抜けたレベルの美しさではありません。

作り方も Forgotten Memories のような「最新技術とグラフィック効果をバリバリ駆使している」といった感じではなく、少ないポリゴン(3D モデル)でもテクスチャ(表面の絵)を巧く使って、綺麗に見せているといった感じ。

Kindle Fire は iPad と比べるとそんなにグラフィック性能が高い訳ではないので、その Kindle でも綺麗に見せるために色々と工夫しているのをやっていて感じます。
おかげで動作は軽く、バッテリーの消耗はこの見た目の 3D グラフィックのゲームとしては驚くほど少なめで、本体も熱くなりません。

ボリュームは十分にあり、この点は Forgotten Memories に勝ります。
序章+全3幕の物語で、序章は早く終わりますが、第1幕以降はしっかりした長さがあります。

Lost Within
※アイテム画面。 アイテムの多くはパーツで見つかり、それを組み合わせて道具にします。
時計のアイテムは投げた先でジリジリと鳴り、そこに敵をおびき寄せます。 いかにもメタルギア。


Lost Within
※「探知」のアイテムを使うと、壁の向こうの敵の姿を確認できます。
どちらを向いているかも解るので頼りになるアイテムですが、数秒しか持ちません。
ただアイテムは結構見つかり、持てなくなることも多いので、必要だと思ったらケチらずに使った方が良いでしょう。

Forgotten Memories のホラーとしての完成度が飛び抜けているため、どうしても見劣りするのは否めないのですが、十分に高クオリティーなゲームです。
ほぼ同時に公開されたのは不運としか言いようがないですが、ソックリって感じではないし、こちらの方が遊びやすさはありますね
ホラーが好きな方には、こちらもオススメ出来ます。

Amazon Game Studios はアメリカの会社で、協業企業の多くもアメリカのメーカーなので、FPS 系に偏りすぎている印象があります。
しかしソーシャルゲーム偏重ではない、本格派のタイトルが多く、日本語化してくれるメーカーでもあるようなので、今後注目と言えそうです。

Lost Within(iTunes が起動します)
Til Morning's Light + Lost Within ダブルパック(単体購入と値段が変わらないのでこちらの方がお得)

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