iPhone AC 番外レポート

iPhone や iPad(スマホやタブレット)の、主にゲームアプリのレビューを行っています。

格闘ゲーム

Punch Club

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格差社会、アメリカ。 成功者が豊かな生活を謳歌する裏で、荒くれ者が犯罪とストリートファイトに明け暮れる貧富の町。
その片隅で殺された格闘家の息子は、腕一本でのし上がり、事件の解明と犯人への復讐を誓う。
そんなややアウトローな格闘技生活シミュレーションゲームが公開されています。
Punch Club」です。

このゲーム、ストーリーが進行しなくなる致命的なバグがあって、それが修正されるまで紹介は後回しにしていました。
ただアップデートが行われても修正される様子がなく、これが仕様な気もしてきたので、ゲーム自体はとても面白いため、もう取り上げてしまおうと思います。

※ストーリーが進行しなくなるバグはアップデートで修正された模様です。

格闘技がテーマのゲームですが、プレイヤーが自分で操作して戦う訳ではありません。
体を鍛えても少しサボるとすぐに衰え、バイトで食費を稼いでもすぐ底をつくなど、日々の生活に追われる内容で、なかなかシビアに格闘家の下積みが描かれています。
グラフィックやサウンドは 1980~90 年代のスーパーファミコン時代を模していますね。

定価 840 円の買い切りアプリで、課金や広告は一切ありません。
Steam(PC)や Android でも公開されています。

※アップデートで日本語に対応しました。 言語はオプションで選択できます。

Punch Club

Punch Club

主人公はトレーニングを積み、試合経験を重ねながら、一流の格闘家を目指します。
しかし最初はヨワヨワで、開始直後に暴漢に襲われてボコボコにされる始末。
その様子を見ていた男のツテでジムを紹介されますが、なかなか強くはなれません。

トレーニングをしていると ストレングス(力)・アジリティ(素早さ)・スタミナ の3つの能力値が上がっていきます。
しかしすぐに上がる訳ではなく、メーターが徐々に貯まっていき、それが最大になってようやく +1 される形。
このゲームでは能力の「1」の違いがすごく大きいです。

トレーニングと言っても、初期に自宅で行えるのは絨毯の上での腕立て伏せだけ。
これではなかなか強くなれない。
ジムの奥には機器がそろったトレーニング場がありますが、入場するたびに利用料を取られます
トレーニングマシンを買って自宅に置くことも出来ますが、当然高価。

また ヘルス・フード・ムード・エネルギー の4つのステータスがあり、トレーニングによってフードとエネルギーが減少していきます。 ムードが低いとトレーニングの効果も上がりません。
減ったフードは食事をしないと回復しませんが、当然食費がかかります。
おまけにエネルギーを回復するには自宅のベッドで休息しないといけませんが、寝ている時にも腹は減る。

と言う訳で、バイトをして食費を稼ぐ必要がありますが、バイト中にも腹とエネルギーは減り、ムードも下がる。
加えて1日経過するごとに能力値は自然低下していきます。
バイトばっかりやっていて、トレーニングを怠ると、せっかく上げたストレングスやスタミナがみるみる減少。
とは言え食べないと生きていけないし、「どーすりゃいいんだコレ!」となってしまいます。

とにかくこのゲーム、ボタンを押すだけでレベルアップするとか、ザコを倒しまくってどんどんパワーアップするとか、そういうものではないので、色々やり繰りしないといけません。
一点集中で鍛えたり、まずバイトで金を稼ぐなど、方針を考えて進めていくことが大切です。

Punch Club
※ジムの扉の奥にはトレーニング場があります。 しかし入場料 $10。 金欠の序盤はその支払いも辛い。
出来るだけ長時間トレーニングするため、しっかり食べて休息してから入りましょう。


Punch Club
※わずかなファイトマネーでは食べていけないので、バイトをしながら日銭を稼ぐ毎日。
これはピザの宅配バイトですが、他に工事現場でのバイトもあります。
工事現場の方が実入りが良いですが、現場が遠く、周囲の治安が悪いため、給料を狙った強盗に襲われることも。
大金を手にした後はバスで移動した方が無難です。 それでも襲われる時は襲われるけど。


Punch Club
※自宅の様子。 ちょっと解りにくいのですが、冷蔵庫をタップでコンビニで買った食料を食べ、ソファーベッドをタップして休息します。 イスに座ってくつろぐとムード回復。
ちなみにネコや水槽、観葉植物をタップしても反応します。


まずは町のジムが開催している「ルーキーリーグ」に参加し、そこでの上位を目指すことになります。
ただ、移動中に暴漢に襲われたり、コンビニ強盗に遭遇したり、試合以外でも戦いは起こります。

バトルシーンでは、まず習得済みのスキルをスロット(枠)にセットします。
空き枠があってはいけません。
スキルには「パンチ」「キック」などの攻撃技、「ガード」「スウェー」などの防御技の他に、小休止してエネルギーを回復する特殊行動や、攻撃にガード貫通を付加する修正スキルなどがあります。

スキルをセットしてファイトを開始したら、あとは自動。 主人公が戦う様子を眺めます。
戦闘中、技を出すたびにエネルギーが減少していき、尽きると行動不能に。
さらになくなった時に攻撃を食らうとダウンし、大ダメージを受けてしまいます。

タイマーが一周するとインターバルになり、その際にエネルギーが幾分か回復し、そして使うスキルを変更することが出来ます。
エネルギーはスタミナに応じて自然回復しますが、大技ほど消費量は増えるので、エネルギーがないなら大技を外して回復スキルを入れるなど、状況に応じた使い分けも必要ですね。

試合にもよりますが、大抵は勝っても負けてもスキル経験値を獲得
これを使って新たなスキルを習得できます。
能力値を上げるのは大変ですが、スキル経験値は戦えば増えていくので、一応試合を重ねていれば着実に強くなっていくことは出来ます。

スキル習得はいわゆる「ツリー制」で、クロスパンチを覚えるにはアッパーカットが必要など、前提となるスキルから順番に覚えていかなければなりません。
スキルの選択は自由ですが、主にストレングスとパンチメインの「ベアの道」アジリティーとキックメインの「タイガーの道」スタミナと防御メインの「タートルの道」があり、このどれかを進んでいくことになるでしょう。

Punch Club
※戦闘前のスキルセット画面。 左下のスキル一覧の部分を左右にスライドすると、スキルの種類を切り替えられます。
ステータス表示の目のマークは命中率補正で、アジリティーとストレングス・スタミナの比率によって決まります。
稲妻マークはエネルギー回復量、壁マークはガードの効果で、どちらもスタミナに依存。
命中補正が比率というのがポイント。 どんなにアジリティーが高くても、それ以上にストレングスやスタミナが高いと補正は低めになります。
無論、ストレングスがないと威力補正は低くなりますが。


Punch Club
※地下闘技場の様子。 ジムの試合より報酬は多いですが、負けるとヘルスのダメージが大きく、骨折などの身体被害を被る場合もあります。
そうなるとしばらく試合は控えるしかありません・・・


Punch Club
※スキルツリー画面。 どれを取るかは自由ですが、序盤に必須となるのは画像の右側にある3つのスキル。
「Do not fall down」はアジリティーが4以下に、「Meat runner」はスタミナが4以下に、「Muscle memory」はストレングスが4以下にならなくなります。
これさえ取ってしまえば、序盤に能力自然低下に悩まされることが少なくなります。


ストーリーも重視されていて、ゲームの進行に応じて様々なことが起こります。
親友の登場、地下闘技場への参戦、恋人の出現、ギャングとの接触・・・
基本的にはルーキーリーグと地下闘技場でのランクを上げていけば良いのですが、最終的にはアウトロールートかプロ格闘家ルートに至ることになる・・・ かもしれません。

「かも」と言うのは、冒頭で述べた「ストーリーが進行しなくなる致命的な問題」があるから。
ネタバレになってしまいますが重要なことなので言っておくと、ジムのリーグでトップになると1度だけプレイオフ・トーナメントが開催されます。
これに勝ち抜くとプロライセンスのカードを貰えるのですが、1度しか開催されないので負けたら終わり

※現在は負けても、ミックと話すことで再度挑戦できるようになっているとの情報を頂きました。

ただその時でも、ギャングや地下闘技場のストーリーを進めていれば、町の有力者から中華街での秘密の仕事を依頼され、そちらのルートに至ることが出来ます。
しかし途中で何度か選択肢が出て来て、そこで「悪いことは出来ねーよ!」とか言ってしまうと終了

そしてどちらも終了するとどうなるか? ハマります。 どうやっても話が進みませんでした
しかもこのゲームはオートセーブなので、間違うと取り返しが付きません。
何か方法があるのかもしれませんが、少なくとも私は見つけられず、最初からやり直しています。

で、始めはこれがバグかと思っていたのですが、格闘技のシビアな世界を扱ったゲームなので、もしかすると夢破れて這い上がれなかった者の末路を表現している、厳しい「仕様」なのかもしれません・・・

※前述したように、現在はアップデートでハマりは解消されていると思われます。

まあ、それはそれでも良いのですが(いや、良くはないけど)、日本人にとって大きな問題なのは会話が全て英文で、選択肢も英語なこと
間違うと取り返しが付かない選択が長い英文だったりすると、そうとは知らずに選んでしまいかねない。

ストーリーも '80~'90 年代の映画のようで面白いのですが、細かい部分はやはり解り辛いです。
まあ、海外のゲームだから仕方ないのですが・・・

※現在はアップデートで日本語に対応しています。
Options の Language(言語)で Japanese を選択して下さい。


Punch Club
※オープニングのワンシーン、凶弾に倒れる父親。 たまにこういうストーリーシーンが挿入されます。

Punch Club
※こちらはプロデビューした後の様子。 アクションムービーの撮影で、エイリアン役のエキストラの皆さんと戦いますw
プロになったらなったで、ショービジネスのお仕事が待っています。


ゲームが進まなくなる問題の他にも、急に操作を受け付けなくなるバグなど、まだ未完成感があります。
(このバグはアプリをタスクから消して再起動すれば治ります。 3/14 に修正済み?
ただ、私的には世界観といい、内容といい、シビアなゲームバランスも含めてどストライクなゲームで、色々と難点を感じながらもハマり続けてしまいました。

何というか、アウトローで高難度なカイロゲームという感じでしょうか?
ストーリーも意外な展開を見せるので、思わず引き込まれてしまいます。
「友情・努力・勝利」の王道展開でもありますが。

万人向けではないだろうけど、個人的にはかなりオススメのゲームです。

Punch Club(iPhone 版、iTunes 起動)

Punch Club(Android 版、Google Play へ移動)
Punch Club(PC 版、Steam へ移動)

※Youtube 公式 PV



【 ちょこっと攻略・・・ というか、ハマらないために 】

本文でも述べたように、旧バージョンの Punch Club は選択や進行をミスるとハマっていました。
その点について注意を記載しておきます。

※アップデートで解消されていると思いますが、念のため表記は残しておきます。


まず、前述したようにジムのリーグで1位になると、1度限りのトーナメントが開催されます。
負けると終わりなので、十分に鍛えてから参戦すべき。
1位になりそうになったら一旦止めて、地下闘技場の方を進めた方が良いでしょう。

※現在は負けていてもミックと話せば再挑戦できるようです。

Punch Club
※プレイオフトーナメントの決勝戦の相手。 何人か候補がいますが、このぐらいの敵が出て来ます。

またストリートファイトのストーリーを進め、バットを持った大男を倒し、ヒーリングエイドを届けてやると、以下の選択肢が出て来ます。

Punch Club

上は「犯罪に手を染めたくない」と言いますが、こちらを選ぶとアウト
トーナメントで負けた時の保険としてギャングのストーリーを残しておくなら、下を選んで下さい。

また、地下闘技場とギャングの双方からの紹介を得られると、カフェストリートの有力者から中華街での仕事を請けられますが、その後に雨の中で呼び止められるシーンになります。
ここで上の選択を選ぶと進まなくなってアウト
(画像を残していなかったので詳しく解らないのですが「もうギャングとは付き合わない」といった選択)

ギャングルートに入るなら下の選択(俺はもうメダリオンとか関係ねぇ、金と名声が欲しいんだ、みたいな返答)にしないと進行しません。
とにかく、両方ダメになるとハマるというのを覚えておきましょう。 

※現在はハマりが修正されているので、上記の選択にしても違う展開になるかもしれません。

トビーの冒険(TOBY's ADVENTURE)

さらわれた彼女を救うため、犬のトビーがパンチやキックで擬人化された動物たちを撃退しながら突き進む、遊びやすい横スクロール格闘アクションゲームが公開されています。
トビーの冒険」(TOBY's ADVENTURE)です。

横スクロールの格闘アクション(ベルトスクロールアクション)と言えば「ファイナルファイト」が有名ですが、このゲームには奥行きがないため、それとはちょっと異なります。
「スパルタンX」や「ビジランテ」ようなスタイル、と言えば解る人には解るでしょうか・・・ さすがに例えが古いかな・・・

開発は韓国の小メーカーのようで、確かにこのスタイルのゲームは「メイプルストーリー」など、韓国にはよくありますね。
メッセージは日本語化されていて、翻訳におかしいところはありません。
価格は 240 円で、スタミナや広告はなく、課金はありますが必須ではありません。

トビーの冒険 TOBY's ADVENTURE

トビーの冒険 TOBY's ADVENTURE

移動ボタンで左右に動き、攻撃ボタン連打で敵に1セットの攻撃を叩き込みます。
ジャンプはなく、代わりに一時的に無敵になる回避ボタンがあり、物が飛んできた時はこれでかわします。
また近接攻撃を回避すると自動的にカウンターが発生します。

通常の攻撃とは別にスキル攻撃のボタンもあり、最初は昇龍拳・・・ みたいなアッパーカットと、竜巻旋風脚・・・ みたいなトルネードキックを使えます。

スキル攻撃は連続では使えませんが、アッパーカットは当てた敵が大きく浮き上がるため、落ちてくるところを攻撃することで空中でコンボを入れる事が出来ます。
トルネードキックも連続ヒットするうえに敵が吹っ飛ぶため、うまく狙えば続けて攻撃を加えられます。
このコンボ攻撃をガンガン入れられるのもゲームの面白さですね。
なお、アッパーカットは昇龍拳だからか出始めが無敵で、回避に使うことも可能です。

ステージクリア制のゲームで、普通のステージは敵を全滅させれば勝利。
横スクロールのゲームですが、ゴールするだけではクリアになりません。
5ステージごとにボスが登場し、その後のステージではボスのザコバージョンが登場するようになります。

トビーの冒険 TOBY's ADVENTURE
※昇龍拳なアッパーで敵を浮かせてコンボを叩き込むのが序盤の基本。
ただ昇龍拳は敵1体にしかヒットしないので、複数の敵がいる時は危険です。
竜巻旋風脚は複数の敵をまとめて攻撃できますが、無敵時間がないので飛び道具が来ると潰されます。


トビーの冒険 TOBY's ADVENTURE
※レベルが上がると習得できる、ピョンと飛び込む突撃技で敵を吹っ飛ばし中。
この技は一気に間合いを詰められるので、正面から殴りに行くと危険な敵に有効。
敵に合わせてスキルを使い分けましょう。


序盤のうちは特殊な攻撃を行う敵がいないため、正面からガンガン殴っていけば OK です。
そのため簡単すぎて物足りなさを感じるかもしれません。

しかし2つ目のエリアから物を投げてくる敵が登場、急に難易度が上がります。
ジャンプがないため、物を投げる敵と接近してくる敵が混じって出て来ると対処が難しく、しかも受けるダメージが大きくて数発食らうとすぐピンチになるため、楽勝ムードはなくなります。
でもここからゲームとしての面白味が出て来ますね。

またレベルアップと装備によってパワーアップできるため、苦戦してもキャラを鍛えればいずれ突破することが出来るでしょう。
経験値は敵を倒せば増えていき、途中でやられても失うことはありません。
ステージをクリアすると「ホネ」を得られ、これを使ってスキルレベルもアップさせられます。

ただ、キャラのレベルがアップしてもステータスは増えません。
では何が上がるのかというと、入手する「装備のレベル」が上がります。

装備は「ガチャ」で手に入れますが、このゲームはレベルが5の時にガチャをすると得られる装備のレベルも5になり、レベルが8なら装備のレベルも8になります。
そしてレベル5のレアより、レベル8のコモンの装備の方が強かったりします。

ガチャをするには「コイン」が必要ですが、これはホネでも購入できるので課金しなくてもガチャは可能。
レア確定の「金のコイン」を得るには課金通貨のダイヤが必要になりますが・・・ 前述したようなシステムのため、激レアの装備を得たとしても、それで一生強くなれる訳ではありません。
よって課金は必須ではありませんね。 代わりにレベルを上げれば良いのです。
そしてスタミナは無いので、経験値は延々と稼げます。

ただ、そのためか 120 円の課金で、課金通貨のダイヤを 99 個も貰えます。
これはなんと課金ガチャ約 40 回分。 多すぎて前代未聞。
ゲームがラクになるし、価格も安いので、苦戦するなら買ってみても良いかもしれませんね。

レア装備をゲットしまくったからと言って、いきなりゲームバランスが崩れてしまうことはありません。
ちゃんとテクニックの方が重要です。

トビーの冒険 TOBY's ADVENTURE
※装備画面。 ユニーク装備をゲットしても、キャラレベルが上がると弱くなってしまうのがこのゲームの特徴。
このシステムは面白いと思います。 非ソシャゲなゲームだからこそのシステムですね。


トビーの冒険 TOBY's ADVENTURE
※ホネはスロットマシンでも増やせます。 もちろん運が悪いと減りますが・・・
スロットに効果音が一切無いのがタマにキズ。


ただ、格闘アクションとして気になるのは「制限時間」。
どのステージも 2分30秒 以内にクリアしなければならず、これはボスステージだと結構厳しい。
まったくミスのないノーダメージなプレイをしても、制限時間が切れてゲームオーバーになってしまうのは、格闘ゲームとして納得いかない気分になるのが本音です。

エリア1はまだ時間に余裕があるのですが、敵が強くなるエリア2から深刻に。
テクニックである程度はカバーできますが、先のステージに進むほど厳しくなっていくので、いずれはどこかで行き詰まります。
レベルを上げてパワーアップすればラクになりますが、そのうちまた厳しくなるので、結果として常に時間ギリギリで戦うことを余儀なくされてしまいます・・・

やっぱり格闘ゲームはライフの奪い合いをしたいところで、タイムトライアルをしたい訳じゃないよなぁ、とか思ってしまいますね・・・

トビーの冒険 TOBY's ADVENTURE
※これはゲーム後半。 パワーウェーブ・・・ という名前のパワーゲイザーで攻撃中。
これと雷神拳っぽい攻撃はダウンした相手にヒットするので、素早い追い打ちが可能。
後半はタイムが厳しくなるので、空中コンボよりダウンさせての追い打ちをメインにしましょう。


トビーの冒険 TOBY's ADVENTURE
※ストーリーシーンはコミック風になっています。 ポップなキャラクターデザインが良いです。

タイムは厳しいですが、かなり良質な格闘アクションゲームです。
動物を擬人化したキャラクターも可愛らしく、解りやすいルールで、スタミナが無いので没頭して遊び続けられます。

集中してプレイすると数時間で終わってしまいますが、最近はダラダラした延命策を取るゲームが多いので、こうした一気に遊んでスカッと終われるゲームは、むしろ良いと思いますね。
一応、クリア後はどこまで進めるかを競うチャレンジモードをプレイ出来ます。

ライトユーザーにはやや難しいかもしれませんが、割と万人向けの、オススメ出来るアプリです。

トビーの冒険(iTunes が起動します)

Super Boys - The Big Fight

スマブラ(大乱闘スマッシュブラザーズ)のリスペクト
どこかで見たようなキャラクターが多人数でボコボコ乱闘する、良くも悪くも大雑把な格闘アクションが公開されています。
Super Boys - The Big Fight」です。

開発したのは香港の小メーカー Mooff Games で、元は Flash でゲームを作っていたところ。
Toon Shooters でスマホアプリに参入し、その後も良作を公開し続けています。

このメーカーはこれまでも MaximusBlackmoor(リンクは iTunes 起動)などの横スクロール格闘アクションを公開しているのですが、Maximus はゴールデンアックスっぽいベルトスクロールアクション、Blackmoor は PC エンジン版ソンソンや Goblin Sword のようなジャンプアクションで、それぞれゲーム性が異なります。

ここの作品は様々なパロディーが盛り込まれているのが特徴で、キャラも技も見たことあるようなものばかり。
元ネタは多岐に渡っていて、ゲームはもちろん、映画やマンガがネタになっているものもあります。
パクリと言ってしまえばそうなのですが、グラフィックのタッチが独特だし、そのまんまコピーされている訳でもありません。
見てて面白いし、良い意味での「悪ふざけ感」があって良いですね。
まあ、コアなゲーマーでないと解らないようなネタが多いのですが。

アプリ本体は無料ですが、「スタミナ制+ガチャ」があるソシャゲ型の収益スタイル。
ただ、キャラクターは課金しなくてもそろう上に、1プレイの時間が長いのでスタミナもほとんど気にならず、無課金でも問題ありません。
むしろこれで課金する人がいるのか疑問な程です。
※アップデートでスタミナは削除されました。

Super Boys - The Big Fight

Super Boys - The Big Fight

前述したようにゲームのベースは「スマブラ」です。
数名のキャラクターでチームを組み、相手チームをボコボコ殴って全員ダウンさせれば勝利。
ステージによってはチームがなく、最後の1人になるまで全員で殴り合ったり、特殊なボスと戦う場合もありますが、とにかく敵を倒せば勝ちですね。

操作は移動スティックと、攻撃を行うAボタン+ジャンプするBボタン。
AボタンとBボタンの間には「+」のボタンがあり、これを押すとA+Bで出せる特殊技が発動します。
他にAボタン押しっぱなしや、波動拳コマンドで出せる技があり、稲妻のボタンで必殺技も繰り出せます。

ただしA+Bの技と必殺技は、一度使うとしばらく使用できません。
また波動拳コマンドは狙って出そうとしてもなかなか出ない反面、必要ない時に暴発することが多く、操作性は良いとは言えません。
画面が自分のキャラクターではなく、全てのキャラクターの中心に位置しようとするため、自分が端の方にいるとスクロールに押されて思うように移動できない場合も多いです。

ただこのゲーム、多人数でボコボコ殴り合う内容なので、そんなに精密な操作は必要なく、連打で大雑把に戦っていても何とかなります。
慎重に戦おうとしても乱戦に巻き込まれてしまうことが多く、そのため操作の問題はそれほど致命的ではありません。

※アップデートで操作性は当初より改善されています。

チーム戦の場合、自分で操作していないメンバーは自動で戦います。
交代ボタンで任意に操作キャラを変更することもでき、誰かがダウンしても控えメンバーがいるなら追加で参戦します。
ただし制限時間があるので、逃げ回って仲間任せにしていたのでは時間切れになってしまいます。

Super Boys - The Big Fight
※必殺技の百裂ビンタが炸裂中。 このキャラのモデルは「くにおくん」のみすずですね。
他にも豪鬼みたいな奴とか、トランスフォーマーとか、X-メンとか、何でもアリ。
無論、全部「そのまんま」な訳ではないですが。


Super Boys - The Big Fight
※リングの上でのデスマッチ。  全員が敵のステージは安全な場所で漁夫の利を狙うのが基本。
ただしコインが出て来たら無理してでも取りに行きましょう。
このゲームの資金はステージ内でひろうコインで稼ぐのが基本で、クリアボーナスは雀の涙です。


キャラクターは最初は1人ですが、戦利品のコインや課金通貨のジェムを使って、ガチャを行うことで増やせます。
ガチャと言っても、コインは割と貯まりますし、課金通貨もゲームの進行で得られます。
さらにボスを倒すと無償でキャラクターを1人貰えるので、課金しなくても普通にキャラは増えていきます。

各キャラには★1から★4までのレアリティがありますが、これはコストにもなっていて、チームの最大コストが4の場合、★1のキャラなら4人加えられますが、★4のキャラだと1人しか入れられません。

レアリティが高い方が最大レベルは高いのですが、各キャラは固有の技を持っていて、★1でも使いやすいキャラや、★4でも使い辛いキャラが存在します。
また同レベルだと攻撃力なども大差ないので、むしろ★1キャラをたくさん入れた方が強いです。
最大コストが十分に増えるまでは、★4は大器晩成型、及び1人しか参戦できないステージ用だと思った方が良さそうですね。

各キャラのレベルは戦闘で増えていきますが、レベルアップしても強さはほとんど(まったく?)変わりません。
代わりにステータスの「最大値」が増えていきます。

ステータスは最大値を増やした後に、ステージクリアで得られるアイテムを使ってアップさせます。
ただキャラごとに必要なアイテムが違い、どれが手に入るかはランダムなので、育てたいキャラを育てられるとは限りません。
強くなるほど必要なアイテムも増えていきます。

逆に確実に強化していけるのは「チーム」のパワーアップ。
経験値が貯まることで「チームレベル」が上昇し、その分だけ全員の能力を底上げするドリンクやスナックを購入できます。
例えばチームレベルが6なら、アタックやディフェンスなどのチームステータスを+6まで強化でき、これはコインさえあれば上げることが出来ます。

他にも余ったキャラの合成による強化、装備アイテム、トレーニングによるレベルアップ、必殺技のパワーアップなど、豊富な強化システムがあります
キャラもどんどん増えるので、育てる楽しみがありますね。
ただシステムがやや複雑で、解り辛くなっているのも否めませんが。

Super Boys - The Big Fight
※メイン画面。 このゲームはテレビ番組という設定で、収録スタジオになっています。
チームステータスはレベルが上がった後に、下の POWERS のアイコンでドリンクなどを買って強化します。
コインは主に、そのパワー購入に費やすものだと思いましょう。
また、やや解りにくいのですが、このスタジオ画面を右にスクロールさせると、トレーニング画面やチケットでアイテムを獲得する画面が出て来ます。
※アップデートで、メイン画面をスクロールさせなくてもトレーニングとアイテム獲得のボタンが表示されるようになりました。

Super Boys - The Big Fight
※合成&強化画面。 レベルアップで上がるのはステータスの最大値だけなので注意。
同キャラの合成をするとレベルの最大値がアップします。
ちなみにこのくノ一っぽいキャラは★1ですが、リーチが長く、使いやすいです。


Super Boys - The Big Fight
※トレーニング画面。 ここにキャラをセットしておくと、時間の経過でレベルアップさせることが出来ます。
え? クレーム付きそうなキャラがいるって? 気のせいでしょう。


ボス戦を含めて5ステージあるエリアが合計 20 も用意されていて、全 100 ステージ
それぞれのボスに異なる演出が用意されていて、作り込みも感じます。

最後の1人になるまで戦うデスマッチステージでどうしても苦戦しますが、クリア済みのステージを繰り返してお金や経験値を稼げますし、育成しながら進めていけば行き詰まることはないはず。
なにより多人数でシンプルに殴り合うという内容には、ゲームの根本的な面白さがあります。

オンライン対戦や週間ランキングなどもあって、盛り沢山な内容。
操作性には改善の余地があり、たまに落ちるのも気になりますが、没頭して楽しめるお勧めのアクションゲームです。

Super Boys - The Big Fight (iTunes が起動します)

The Executive

メガネでスーツでネクタイのサラリーマンが、獣人達をパンチとキックで撃退していく、奇妙な世界観の格闘アクションゲームが登場しています。
The Executive」です。

本当は主人公は企業の CEO で、狼男に乗っ取られた会社と町を救うために戦っているらしいのですが、背景も敵もリアルだけど、なんだか意味不明。 もうひたすらにシュールです
常人が作る世界観じゃない。

一方でゲームは格闘モノとしてしっかり作られていて、非常にテンポ良く進み、ステージもバラエティーに富んでいて、パワーアップも豊富
難易度のバランスも良く、楽しめる内容に仕上がっています。
戦闘システムは「リンクの冒険」ぽいのですが・・・ 解らない人が多いだろうな・・・

定価は 600 円ですが、現在(7/5)は公開記念セールで 360 円。
広告や追加課金は一切ありません。

The Executive

The Executive

レバーやボタンはありません。
敵がいる方向の上部をタップすると上段攻撃、下部をタップすると下段攻撃を繰り出します。
また、自分がいる方向の上部を押しっぱなしにすると上段ガード、下部を押しっぱなしで下段ガードになります。

攻撃は連打でバシバシ行えますが、相手がガードしている場所を殴ってもダメージは与えられません。
相手がどこを守っているのかは見れば解るので、上段と下段を打ち分け、ガードのない場所を狙う必要があります。
相手の攻撃も、狙ってくる位置をガードして防ぎます。

攻撃を当てたりガードを成功させると青い SP ゲージが貯まっていき、それを消費して体力回復やシールド、貫通や反射などの特技を使うことが出来ます
ただし、これらはお金を貯めて習得しておかなければ使えません。
SP ゲージを使って放つ必殺技もあります。

ゲームは格闘シーンと移動シーンの繰り返しで進み、移動シーンは自動進行。
移動中に特定のポイントでタイミング良く画面をフリックすることで、壁をぶっ壊し、三角跳びで壁を登り、華麗に障害物をかわす、カッコイイ・・・ 気もするアクションが展開されます。

実際には、いまいち動きに不自然さがあり、おまけに主人公がメガネのサラリーマンなので、むしろシュールさ全開なのですが、それはそれでこのゲームの良さでしょう。
背景も会社や電車、工場などの、相応にリアルな町中なのですが・・・ そこはかとなくおかしい。
敵も戦隊モノの怪人みたいで、形容しがたい雰囲気にあふれています。

The Executive
※邪魔なイスをぶっ壊しながら電車内を疾走するスーパーサラリーマン。
音ゲーのようにタイミング良く画面をフリックして進行していきます。
ミスっても報酬がないだけで、(1週目は)特にペナルティはありません。


The Executive
※怪人カエル男現る。 この敵は上下段に打ち分ける連続攻撃をしてくるので、最初は手強いのですが・・・
上段の後は下段、下段の後は上段なので、パターンさえ解ればラクに対処できます。
画像では上下を無視してガードできるシールドのスキルを使っていますが、ちゃんとガード方向を合わせないとシールドの回数が減るし、SP ゲージも増えません。


ステージをクリアすると報酬を得られ、それでパワーアップを購入できるのですが・・・
会社員だからか、自社の社員や事業も買うことが出来ます

Miner(採掘者)や Chemist(科学者)、Geologist(地質調査員)などがあり、買うごとに資金の自然増加量が増え、さらに Miner ならガード成功時の、Chemist なら移動シーンのアクション成功時の報酬も増加します。
Geologist はクリア評価のボーナスを高めてくれます。
資金の自然増加は、アプリを落としている間も有効です。

もちろん資金は攻撃力や防御力などのパワーアップに使う方がメインなのですが、強化に必要な費用はどんどんインフレしていきます。
そのうちトンでもない金額になるので、事業も獲得していかないと収入が追いつきませんね。

The Executive
※パワーアップ画面。 特技は「Spells」になってますが、魔法なんでしょうか・・・ まあ特命社員パワーでなんでもアリです。
能力強化も必要ですが、早いうちに回復やシールドなどの特技をそろえましょう。
必殺技は普段は使いませんが、敵の中には炎のキックに弱いなど、特定の技を苦手とする者もいます。


The Executive
※オープニングのワンシーン。 仕事のストレスが爆発した中間管理職が自動販売機に八つ当たりを始め、遂に社畜と言う名の人外に変貌してしまう!
・・・ようにしか見えない。

ステージ 30 をクリアすると、一旦エンディング。 そこまでそれほど時間はかかりません。
しかしエンディング後、ランクがインターン(研修生)からマネージャー(管理職)に上がって、2週目(?)が始まります。
2週目と言ってもステージは一新されており、新しい敵も出てきます
パワーアップや事業も1週目では、ほんの少ししか高まりません。
ラストまでのボリュームは結構ありそうですね。

ゲームシステムはシンプルですが、テンポ良くスピーディーに戦えるため、純粋に「やっていて楽しい」ゲームです。
バトルとおバカが高度に融合した、秀作のアクションゲームです。

The Executive(iTunes が起動します)

餓狼伝説SPECIAL

餓狼伝説シリーズの3作目。 KOF 登場前の SNK 最大のヒットタイトルであり、餓狼がスト2と人気を二分していた頃の人気格闘ゲームが、スマホに移植されています。
餓狼伝説SPECIAL」です。

原作が公開されたのは 1993 年の秋。 格闘ゲームブームの初期で、スト2はターボの頃。
鉄拳やバーチャなどの 3D 格闘ゲームが出る前で、初代サムライスピリッツとは同時期になります。

最近の SNK の格闘ゲームはフランスのレトロゲーム専門メーカー DotEmu が開発を行っていましたが、今作は起動時に「DotEmu」のロゴが出て来ません。
今回は開発担当が違うのかもしれません。
ただプレイ感は良くも悪くも、最近の SNK の格ゲー移植と大差ありません。

まだ「餓狼 MARK OF THE WOLVES」が出て1ヶ月半ほどしか経っていないので、かなりハイペースで作品を公開している印象がありますね。
価格は 480 円で、追加課金はありません。

餓狼伝説SPECIAL

餓狼伝説SPECIAL

強・弱のパンチとキックのボタン、必殺技(SP)ボタン、さらにライン移動(LS)ボタンの、6つのボタンで操作します。
スティックの操作性は、ややナナメに入り辛い印象はありますが、及第点といったところでしょうか。
波動拳コマンドの必殺技などは普通に出せます

餓狼伝説シリーズの特徴は、手前と奧の2つの「ライン」があること
最初は手前のラインで戦いますが、ライン移動を行うことでもう一方に移ることができ、これで飛び道具などを回避することも出来ます。
相手が別のラインにいる時に攻撃すると「ライン移動攻撃」を繰り出します。

必殺技ボタンは、ただ押すだけでは「ライン飛ばし攻撃」になるため、必殺技を出したい時はレバーと併用する必要があります
ただ、この反応が今一つで、例えばテリーのバーンナックルは「←+SP」ですが、なぜか飛び退きに化ける症状が多発します。

強弱も付けられないし、技によっては普通にコマンドを入力した方が出しやすいですね。
幸い、ゲームの進行スピードが昨今の格ゲーよりも遅めなので、少し余裕を持ってコマンドは入力できます。

なお、超必殺技は体力が少ない時に体力ゲージタップで出すことが出来ます。
レバー入力が必要なく、体力が点滅してればいくらでも使えるので、必殺技より超必殺技の方が出しやすかったり・・・

餓狼伝説SPECIAL
※互いにライン移動攻撃をしているシーン。 このステージはラインの間にしきりがあって、キャラの攻撃が当たると粉々になります。
なんでも、初代餓狼の開発中にスト2が発売され、内容がかぶっていたため、急遽2ライン制を付け加えることになったとか。


餓狼伝説SPECIAL
※背景に写る「初代」の南大門。 南大門焼失事件の際、「南大門ってなんだっけ?」「あのガロスペの背景のやつだよ」っていう会話がネット上でよく見られましたね。

登場キャラクターは、メインとなるキャラが 10 人。
さらに中ボスクラスの「三闘士」に加え、ギース&クラウザーのボス2人。
そして隠しキャラクターの「龍虎の拳」の主人公リョウ・サカザキを加えた、計 16 人

リョウ・サカザキは最初から使用可能で、ストーリーモードでも使えます。
ストーリーは隠しキャラを除く 15 人全員と対戦することになるので、かなり長丁場ですね。

難易度は BEGINNER・EASY・NORMAL・HARD・EXPERT の5段階と、アーケード版の難易度である MVS がありますが・・・
自分がヘタになったのか、それとも元々ムズいゲームだったのか、NORMAL でも負けまくりました。 こんなに難しかったっけ?

BEGINNER でもテリーとかだと後半ステージで苦戦するので、全キャラのエンディングを見ようとしたら大変そうですね。
まあ、隠しキャラのリョウを使えばハードでも楽勝だったりするのですが・・・
(と言うか、リョウの技に対する CPU の行動がまともにプログラムされていないっぽい)

対戦は Blutooth 対戦のみ可能です。
現時点(2015/4)では、MFi(物理)コントローラーには対応していません。

餓狼伝説SPECIAL
※キャラクター選択画面。 登場するのはこのメンバー。
リョウ・サカザキは本来、全試合を1本も落とさずに勝つと乱入してくるキャラでした。


餓狼伝説SPECIAL
※メニュー画面。 このイラストがいかにも平成初期というか、SNK テイスト。
ボタンの位置や画面サイズはオプションで調整可能です。


全体としては、古い格闘ゲームであるのは否めません。
ドットが粗く、動きのパターンも昨今のゲームと比べると少なく、サウンドも今ほど音色がある訳ではありません。

でも、このちょっと大雑把で濃い見た目とゲーム性こそ、多くの人に愛された「餓狼伝説」だなーという感じがします
まあ、この辺は「思い出補正」もあるとは思いますが。
格ゲーが難しくなり過ぎていない、この頃のゲームシステムの方が、遊びやすかった印象もありますね。

中はほぼエミュレーターでしょうから、ゲーム自体は当時のまま
また「餓狼をやってみたい」と思っている人には良いアプリだと思います。

餓狼伝説SPECIAL(iTunes が起動します)


以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。

餓狼 MARK OF THE WOLVES

フランスのレトロゲーム移植専門メーカー「DotEmu」が、餓狼伝説シリーズ最後の作品を iOS で公開しています。
餓狼 MARK OF THE WOLVES」です。

1999 年にアーケード(ゲームセンター)に登場した SNK の 2D 対戦格闘ゲームで、それ以前の餓狼シリーズの 10 年後ということになっています。
主人公は前作のボス「ギース」の息子で、前作の主人公「テリー」に育てられた「ロック」という名の青年。
他にもキムの息子やアンディー&舞の弟子(?)など、新世代のキャラクターが登場しています。

ただ、この作品が iOS に移植されたのは、私的にはすごく意外です。
なぜならこの「餓狼 MOW」、人気が今一つだったからで、設定的にも微妙な立ち位置にあるからです。

当時は KOF が大人気だった頃で、「餓狼伝説」や「龍虎の拳」は、すでに古いゲームという印象がありました。
おまけにキャラクターがテリー以外一新されたため、馴染みがなく使い方も解らず、従来のキャラを踏襲していて華やかで遊びやすい KOF と比べると、最初からマイナー感がありました。
アニメっぽさが強すぎるキャラクターにも反感があったようです。

おまけに KOF には餓狼伝説のキャラが従来のままの姿で登場していたため、「餓狼の 10 年後」という設定のこのゲームとは、相違が生じてしまいます。
1999 年は格闘ゲームブーム自体が下火になり始めた頃で、SNK も 2001 年に倒産し続編が作られなかったため、非常に微妙な状態で消えていった印象があります。

それを今になって DotEmu が移植の対象にしたのは・・・
何か思い入れでもあったんですかね?

餓狼 MARK OF THE WOLVES

餓狼 MARK OF THE WOLVES

DotEmu は KOF '97 と KOF '98真サムスピ も移植しているので、これで SNK の格闘ゲームは4作目という事になります。

KOF-iKOF-i 2012 は DotEmu の担当ではなかったようで、画面のレイアウトや操作感は KOF-i より劣ります。
DotEmu 独特の、いかにもエミュレーターっぽい操作感とグラフィックは今作でも感じますね。
ただプレイし辛いという程ではなく、波動拳や昇竜拳コマンドで必殺技も出せます。

ボタンは弱と強のパンチ・キックの4つ。
さらにスマホの格ゲーではおなじみの、必殺技が簡単に出せる「SPボタン」があり、「超必殺技ボタン」も存在します。
また一部の技は A+B や A+C などの同時押しが必要なため、それらのためのボタンも出すことが出来ます。

ただ、このゲームの必殺技ボタンは変わっていて、ボタンと言うよりスティックになっています
このボタンを前にスライドすると飛び道具、下にスライドすると対空技が出るといった感じで、押すだけでは反応しません。
このためレバー操作と併用する必要がない反面、スライド後に指を離してから技が出るので、従来の SP ボタンよりもワンテンポ遅れます
それでも普通にレバーでコマンドを入力して出すよりはラクですが。

餓狼伝説と言えば「2ライン制」やストーリーシーンがあるのが特徴ですが、2ライン制は廃止されました
ストーリー重視なのは変わっておらず、途中でボスのカットや会話が表示されたりします。
開始前にもキャラ固有の登場シーンや演出が出て来ます。

他に、食らうギリギリでブロックすると発動する「ジャストディフェンス」、残りの体力が特定の範囲になるとパワーアップする「T.O.P.」といったシステムが加えられています。
ただ全体としては「普通の格闘ゲーム」に近く、際立った特徴はない印象ですね。

オリジナルの難易度は高めでしたが、スマホ版は初期の COM の LEVEL が 1 になっています。
1 はかなり簡単で、条件を満たさないとラスボスが登場しないのですが(ノーコンティニューで平均クリアランク AAA 以上)、割とラクにボスも出すことが出来るでしょう。(勝てるかどうかは別)

餓狼 MARK OF THE WOLVES
※ステージ開始前の演出シーン。 ちょっとしたデモが表示されます。
登場キャラクターは12人+ボス2人。 ただ7人+1を倒せばエンディングになります。


餓狼MOW
※メニュー画面にはこんな風に高精細な絵が出てきます。 ボタンの数と配置はカスタマイズ可能。
物理コントローラーにも対応していて、専用の設定画面があります。
オンライン対戦は Game Center を通したマッチングなので、対戦相手が見つかるまでボーッと待たなければなりません。
基本的にはフレンドと対戦するためのものでしょう。


価格は 400 円KOF '97 や KOF '98 と同じです。
KOF 97 & 98 の時は、すでに KOF-i 2012 があったため古さが否めなかったのですが、今回はオリジナルを知らない方が多いでしょうし、真サムスピ ほど古臭さも感じません。
レトロゲームであるのは確かですが、SNK のゲームの中では最後期ですしね。

これから新しい餓狼シリーズを展開していこうとして、そのプロローグとして作られた作品が、そのまま打ち切りになったパターンです。
時代もバーチャファイターと鉄拳の流行で 3D に傾き始めており、KOF 98 でピークになった SNK もこの辺りから斜陽へ。
色々と恵まれていなかったゲームです。

そんな作品が時代を超えてスマホで登場するというのも・・・ 乙なものかもしれません。

餓狼 MARK OF THE WOLVES(iTunes が起動します)


以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。

THE KING OF FIGHTERS '97 / '98

チーム戦という形式と、魅力的なキャラクターで大人気となった 2D 対戦格闘ゲーム「THE KING OF FIGHTERS」シリーズ、通称 KOF
15 年以上に渡って制作され、本編だけで 13 作、リメイクや派生作なども含めると 20 を越える作品が登場している同シリーズの4作目と5作目が、スマホに移植されています。
THE KING OF FIGHTERS '97」「THE KING OF FIGHTERS '98」です。

移植を担当したのはフランスのレトロゲーム専門メーカー「DotEmu」。
DotEmu の移植は肝心な部分が欠けていたり、操作性に問題があることが多く、毎回ユーザーを心配させるのですが、今回は移植度だけで見れば十分な内容と言えます。
キャラの動きも滑らかですね。

ただ、スマホではすでに「THE KING OF FIGHTER-i 2012」が発売されています。
これと見比べると・・・ さすがに古い

KOF 97 / 98 は対戦格闘ブームの最中に発売されたもので、非常に人気があったため、この2作が移植対象になったのは確かに頷けるのですが、KOF-i 2012 があるのに今さらこっちが出てもなぁ、というのも本音です。

という訳で、いきなり本末転倒な書き出しですが、とりあえずレビューを進めたいと思います。

THE KING OF FIGHTERS

30 人以上に及ぶキャラクターの中から3人を選んでチームを組み、格闘バトルを行います。
1人目がやられると2人目が登場するという形式で、体力は引き継ぎ。
先に相手の3人目を倒した方が勝利です。

1チーム3人ですから、3つのキャラを使いこなす必要がありますが、様々なキャラが次々と登場するため、多彩なバトルが繰り広げられるのが良い点ですね。
「餓狼伝説チーム」「龍虎の拳チーム」など、基本となるチーム分けがありますが、どういうメンバーにするかはプレイヤーの自由です。

KOF '97」は 95~97 まで続いていた「オロチ編 三部作」と呼ばれるストーリーの完結編。
KOF '96 で飛び道具がほとんど削除されたため、打撃中心の内容です。
ただ隠しキャラとして飛び道具を持つ「'94 京」を選択可能で、他にも暴走庵など一通りの隠しキャラを最初から使えます。

KOF '98」は '97 でストーリーに区切りが付いたため、設定や物語を無視して 94~97 までの集大成として作られています。
登場キャラは最多クラスで、一部のキャラは '95 以前の飛び道具がある裏バージョンを選択可能です。
各キャラの強さのバランスが良く、対戦がかなり盛り上がった作品ですね。

どちらの作品もゲーム開始時に「ADVANCED」と「EXTRA」のプレイスタイルを選びます。

ADVANCED モードは攻撃したりダメージを受けると「ゲージ」が貯まっていき、最大になると「ストック」が1つ増え、これを消費して攻撃力を一定時間強化したり(パワーMAX)、超必殺技を発動させられます。
パワーMAX 時に超必殺技を使うと MAX 超必殺技になります。

EXTRA モードは '96 以前のモードで、ゲージの「タメ」を行うことができ、最大になれば超必殺技を放てます。
また体力が減ってピンチになると超必殺技を撃ち放題になり、ゲージ最大でピンチの時に超必殺技を放つと MAX 超必殺技になります。

スマホ版の場合、パワー MAX の発動やゲージのタメは画面上部の「顔」をタップ or 押しっぱなしで実行でき、超必殺技は体力ゲージをタップすれば手軽に発動させられます

KOF 97
※ KOF '97 のキャラクター選択画面。 画面下部にボスや隠しキャラ、チームに属さない単独キャラがいます。
京を選択するとすき間に「KYO '94」が現れ、これを選ぶと「くらえー」の京になります。
普通の京は「ボディがお留守」な京です。


KOF 98
※ KOF '98 のキャラクター選択画面。 裏キャラと追加キャラを含めると総勢なんと 50 名。
京や餓狼組、龍虎組、オロチ組を選ぶと「EX」のボタンが現れ、これをタップして OFF にしてから選択することで裏キャラになります。


ただこのアプリ、色々と気になる部分も目に付きます。
まずは操作性。 このゲームには ストIV VoltKOF-i 2012 のように必殺技を手軽に出せる SP ボタンが付いているのですが、その挙動がおかしい

SP ボタンだけを押すと飛び道具が出て、→+SP ボタンで対空攻撃が出るという場合に、レバーにまったく触れてなくても対空攻撃が出たりします。
急にランダムで別の技が暴発するような感じで、当然これではやられてしまいます。
アップデートで「SP ボタンの調整」が行われたはずなのですが、まだ治っていません。

レバーの挙動も、反応自体は悪くはないのですが、たまにナナメがスムーズに入力出来なくなる時があります。(画面から指を離して押し直すと治る)

また、これは解像度の違いのため仕方ないのですが、やはりドットの粗さが目立ちますね
画面サイズを「ウィンドウモード」にすると粗さの目立たない表示になりますが、ゲーム画面は小さくなります。
逆に iPhone 5 / 5s で画面サイズを一杯まで広げると(16:9)、外枠はなくなりますが、一昔前のワイドテレビみたいに横長になってしまいます。

対人戦も Bluetooth 接続のみで、オンライン対戦はなし。 おまけモードのようなものもありません。
KOF '97 にはトレーニングモードもありません。(98 にはある)
やはり KOF-i 2012 と比べると簡易的な印象を受けますね。
まあ新作の 2012 と違い、レトロゲームの移植なので、こんなもんだとも思いますが。

THE KING OF FIGHTERS
※ウィンドウモードだとこんな感じ。 粗さが目立たなくなり、指も邪魔にならなくなりますが・・・ さすがに小さい。
でも解像度の違いは仕方ないかな。


THE KING OF FIGHTERS
※物理コントローラー使用時のキー設定。 LR ボタンに必殺技・超必殺技を設定可能。
このゲームはコントローラーがあって初めて本領発揮ですね。


価格は '97 と '98、どちらも 400 円
KOF-i 2012 は 800 円なので、さすがに安くはなっています。
(が、実は今 2012 もセールで 400 円なので、価格面でもアドバンテージはなかったりする)

このアプリ、iPhone 用のコントローラーでも試してみたのですが、物理コントローラーでやるとだいぶ印象が変わります
私が試したのは Logicool G550 なので、方向キーに難がありプレイしやすいという訳ではなかったのですが、仮想ボタンが非表示になって見やすくなり、物理ボタンで攻撃できるのでダイレクト感が増し、なにより「いかにも格ゲーをやっている」という感じを受けます。

ホント、この手のゲームはコントローラーの有無で様変わりしますね。
SP ボタンの暴発も起こらなくなり、挙動がおかしいのも改善されます。

KOF シリーズのファンで、コントローラーでのプレイを考えている方なら、悪くはないかな、という感じでしょうか。

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