iPhone AC 番外レポート

iPhone や iPad(スマホやタブレット)の、主にゲームアプリのレビューを行っています。

ソーシャルゲーム

ドラゴンプロジェクト

白猫プロジェクト」に続く、コロプラが送るハイクオリティーなアクション RPG
MMORPG とソーシャルゲームを融合させた、今期注目のタイトルがいよいよ始動しました。
ドラゴンプロジェクト」です。

公開前は「コロプラのモンハン」と言われることが多く、それは間違ってはいないのですが、どちらかと言うと MMORPG(大規模多人数オンラインゲーム)の印象の方が強く、「白猫+モンハン+ログレス」といった感じのゲームですね。

他のプレイヤーとモンスターの取り合いをしながらフィールドで狩りをし、大型モンスターが襲来して来た時には共闘して戦う、ソロプレイでありながら他のプレイヤーと密接に関わる作りのゲームです。
グラフィックや演出、アクションなどもさすがコロプラと言うほかありません。

ソーシャルゲームですからアプリ本体は無料ですが、ガチャや課金はあります。
ただ、スタミナはないので、延々と遊び続けることが出来ます。

ドラゴンプロジェクト

画面をタッチすると表示される「ぷにコン」をグリグリ動かし、移動や攻撃を行います。
連打で連続攻撃、フリックで回避、押しっぱなしでタメ攻撃やガードを行う、白猫プロジェクト と同様の操作。
ぷにコンも登場して約2年・・・ その操作性の良さはもう言うまでもないでしょう。

ただ白猫と違うのは、グラフィックデザインが「モンハンライク」なところ。
3頭身のデフォルメされたキャラクターだった白猫とは違い、こちらは7~8頭身。
モンハン と同じリアル調のキャラデザインで、装備の多くもゴテゴテ・ゴツゴツした、モンハン的な見た目。
フィールドも真上から見下ろした形ではなく、後方からの視点です。

ゲームは基本的に、町でクエストを請け負い、対象となるフィールドに行って、モンスターを狩って依頼アイテムを集めるという形。
フィールドは訪れたことがある場所なら、すぐに移動できます。

フィールドには他のプレイヤーも大勢います。
「多くのプレイヤーがいるフィールドに自分も参加する形」であり、その光景はまさに MMORPG。
実際には町やフィールドにいる人数は8人ぐらいが上限で、MMO(大規模マルチプレイオンライン)と言うよりは MO(マルチプレイオンライン)程度の人数なのですが、それでも他のソロプレイのゲームとは全然違う印象を受けるでしょう。

モンスターを倒すと経験値を得られ、依頼品や素材の入った宝箱も落としますが、経験値はトドメを刺さなくても、そのモンスターに1撃与えていれば得られます。
よって他のプレイヤーの横取りを気にする必要はありません。
また、宝箱は各プレイヤーのものが個別に出て来るため、見えている宝箱は「自分専用のもの」であり、他の人に取られる心配はありません。

とは言え、モンスターが「早い者勝ち」であるのは確かで、わざわざ他の人のために一撃だけ与えて待ってくれる人なんか、普通いません。
さっさと倒して次を湧かせた方が早いというのもあります。

そのため狙っているモンスターを他のプレイヤーが先に倒してしまい、全然倒せない、依頼品を集められないというケースはやはりあります。
特に依頼品が「レア」「激レア」である場合、運が悪いと全く出て来ないので、それでモンスター自体もなかなか倒せない状況だとイライラすることもありますね。

ただ、MMORPG と言うのはそう言うもので・・・
そこは UO も RO も FFXI もそうだったし、そうした他の人との相互作用があるからこそオンラインゲームらしい訳で、このぐらいはあってしかるべきかな、とも思います。
既存の MMO と比べたら、はるかにマシな程度ですし。
「ソシャゲでまでモンスターの取り合いしたくない!」という人も、少なからずいるだろうけど。

ドラゴンプロジェクト
※まずは依頼を確認、その場所に向かって対象のモンスターを狩りまくります。
一撃与えればそのモンスターの経験値とアイテムを得る権利を得られるので、弓を装備して周辺のモンスターを1発ずつ撃っておく手もありますが・・・ まあ普通に倒した方が早いですね。
左の画像は採掘中。 各エリアに採集場所があり、マギ(魔法)の強化素材を得られます。 マギ自体が手に入ることも。


ドラゴンプロジェクト
※会話シーンはこんな感じ。 セリフがチャットのように下に流れていく形ですが、LINE ぽくはありません。
右はワールドマップ。 行ったことのある場所には瞬時に移動できます。


ドラゴンプロジェクト
※オプションで横画面戦闘を ON にして横向きにすると、こんな風に横持ちで戦えますが・・・
メニューや会話、町のシーンなどは横にならないので、その都度持ち替える必要があって不便。
基本的には縦持ちのゲームですね。


そしてフィールドでしばらく戦っていると・・・
いきなり警報が鳴り「大型モンスター襲来」の表示と共に、ボスモンスターが現れます!
ここからは言わば「モンハンモード」になります。

大型モンスターは居合わせた他の3人のプレイヤーと共に、4人パーティーで共闘します。
ゴリラやドラゴン、巨人など、大型モンスターもタイプは様々。
相手の動きやパターンを読んで回避することも必要で、正面から突っ込むだけでは簡単にやられてしまいます。

ただ、やられても他のプレイヤーが近くでしばらく待機していれば、復活することが出来ます。
このシステムのおかげで助け合っている感じがして良いですね。
スタンプのチャットも可能で、仲間を呼んだり、お礼を言いたい時に活用できます。

モンハンと同じくボスモンスターには部位破壊があり、弱点も設定されていて、そこを叩くとダウンゲージが上昇。
ダウンさせればしばらく攻撃し放題になります。
弓矢でなければ狙いにくい上部の弱点や、双剣でなければ有効でない特殊なターゲットなど、特定の武器が必要になる弱点も存在します。

大型モンスターを倒したり、依頼を達成すれば、魔石や素材をゲット。
魔石は課金通貨ですが、ゲームの進行でも結構手に入ります。
素材は武器や防具の作成、強化などに使用します。

武器は 片手剣+盾、大剣、槍、双剣、弓矢 の5種類。
それぞれの使い勝手はモンハンとほぼ同じで、3つまで装備可能なので戦闘中に持ち替えることも可能。
また「マギ」と呼ばれる宝石をセットすることで、回復魔法や必殺技を出せるようになります。
もちろん防具もあって、こちらは 兜、鎧、小手、具足 の4種類。

課金ガチャはちょっと変わっていて、「石版を持つモンスターと戦う権利」を得られます。
レアなモンスターほど上位装備を作れる石版を(確定で)得られるのですが、勝たないといけないため、弱いとガチャにやられるということも・・・

ただ、他プレイヤーの助っ人を募集できるため、強い人が加わってくれれば何とかなるはず。
助っ人は石版は得られませんが、レア素材を得られるチャンスなので、レア度の高いモンスターなら大抵すぐメンバーが集まります。 集まらなくても NPC を助っ人にして出撃可能。
また、ガチャのモンスターは負けても何度でも挑めます。

ドラゴンプロジェクト
※大型モンスター出現! たまに「レア大型モンスター」が出て来ることも。
素材のドロップは運ですが、一部の素材は部位破壊により確定で入手できます。
右はチャットのスタンプ。 メッセージ覧をタップすれば文字入力も可能ですが、戦ってる時にそんなことしてるヒマはないですね・・・


ドラゴンプロジェクト
※装備画面。 上位装備はガチャやイベントで得られる石版が必要な模様。
武器は3つ持てるので、ザコ用、ボス用、弓矢を持っておくのが良さそう。
各武器の個人的な感想は以下の通り。
片手剣
:ガードが出来るのでボス戦で立ち回りやすい。バランスが良く使いやすい。
大剣
:破壊力抜群だが移動も振りも遅いのでザコ狩りでは不利。完全なボス用。
:リーチがあって振りも速く戦いやすい。突進がありザコ狩りもしやすい。一番使いやすい印象。
双剣
:攻撃が2回1セットなのでとっさの回避が出来ないことが間々ある。連打できるがリーチ短め
弓矢
:タメて撃たないと威力が全然ない。ピンチ時に一旦離れて回復魔法が使えるのを待つ時に。

私的には、やや停滞気味だったソーシャルゲームを新しいステップに進めたアプリという印象です。
白猫ともモンハンとも違う、もう1つ先のゲームで、MMORPG、すなわち本当のオンラインゲームとソーシャルにぐっと近付いたソシャゲだと思います。
「だったら MMORPG やれ」という人もいるかもしれませんが、MMORPG は良くも悪くもヘビー。
これはソシャゲの軽さと、MMO の「世界に参加する」という雰囲気がうまく融合しています。

オンラインゲームとして見た場合、ギルドがなく、フレンドと冒険できる機能もないのが気になります。
ただ、ソロメインの人にとっては、しがらみなしで MMO や共闘を楽しめるゲームとして、かなり遊びやすいのではないかと思います。
ここは知人がいないと進められなかった白猫とは正反対な印象ですね。

スタミナがなく、遊びやすいアクション RPG なので、ちょっと遊ぶことも、没頭してプレイすることも可能。
私もソシャゲでは久々に時間を忘れてプレイしました。
ちゃんとストーリーもあるし、ストーリーを無視して素材集めをしていても楽しめます。

ほぼ間違いなく、今後のメジャーなソーシャルゲームの一角に入ってくるアプリでしょう。

ドラゴンプロジェクト(iPhone 版、iTunes 起動)

ドラゴンプロジェクト(Android 版、Google Play へ移動)

※Youtube 公式 PV

あおぞら飛行隊

今年に入って、ほぼ隔週ペースで iOS アプリを出しているカイロソフト。
今月も新たなアプリを公開しています。
様々な航空機で飛行隊を編成し、未開地の探険や討伐任務を行う戦闘機 RPG
あおぞら飛行隊」です。

ガラケー版は 2014 年、Android 版は 2015 年に公開された、割と最近の作品です。
そして今作は他のカイロソフトのゲームとは違い、開発シーンがありません。
戦闘も自動進行ではなく、カードを使ったバトルになっています。

カイロソフトらしい味付けのある内容ですが、スマホゲームによくあるシステムと、ガチャ・スタミナ・課金通貨のある「ソーシャルゲーム」になっていて、良くも悪くも「今風」ですね。
よってアプリ本体は無料ですが、当然課金があります。

先に全体の感想を言うと、今作はコアなカイロファン向けではなく、ソシャゲ世代のプレイヤーに向けたカイロゲームという感じです。

あおぞら飛行隊

主人公と弟子、傭兵の3人で「飛行隊」を組み、探険やミッションを行います。
飛行隊ですから、それぞれが搭乗する飛行機も必要。
戦闘力はパイロットの能力と、飛行機の能力、さらに武装や装備の能力によって決まり、言わば「戦闘機版メタルマックス」といった感じですね。

最初は飛行機乗りやスタッフの集まる海辺のバーで、ミッションを受けたり、アイテムの購入などを行います。
ここは「紅の豚」のジーナの店を模しているようです。

前述したようにこのゲームに開発シーンは存在せず、バーのシーンは単なるメニュー画面。
探険やミッションに出発すると、スゴロクのようなマスが描かれたクエストマップに移行します。

探検中には5枚のカードが引かれ、これで移動や戦闘を行います。
カードには数字が書かれていて、3のカードを出せば3マス移動できます。
ミサイルやハート、ドクロなどのマークも書かれていますが、これらは移動時には関係しません。
カードは使ってもすぐに補充されます。

最初は多くのマスが雲で隠されており、その場所に行かないと何があるのか確認できません。
マスにはトラブルが発生するもの、宝箱があるもの、補給を行えるものなどがあり、実際に何が起こるのか、宝箱の鍵を開けられるかはサイコロを振って決めます。

移動中、敵に遭遇すると戦闘シーンに移行。
戦闘はコマンド入力型で、味方の順番が回ってきたらカードを出して攻撃。
ミサイルのカードなら通常攻撃、光のカードならスキルの使用を行え、カードの数字は命中率に影響します。
飛行機には機銃やミサイル、ロケット砲など複数の武器を搭載でき、攻撃時に選択可能。
ハートのカードを出せば回復を行えます。

戦闘機は空に、攻撃機は地上に強いと言った相性があり、さらに全体攻撃武器や状態異常を与えるスキル、武器の属性や弾数なども存在しますが、全体としてはカードで攻撃するコマンドバトルなので、割と一般的な RPG の戦闘ですね。

勝利すると経験値を得られ、移動シーンに戻ります。 ボスを倒せばクエストクリア。
移動は一方通行ではなく、行ったり来たり出来るので、宝箱が開くまで何度も同じマスに止まることも出来るのですが、飛行機の燃料が尽きると機動力が減少、制限ターンをオーバーすると強制帰還となります。

あおぞら飛行隊
※出撃メンバーは主人公・弟子・傭兵の3人が普通ですが、最初は弟子は雇えないので傭兵2人になります。
また、弟子は2人以上作っても1人しか連れて行けません。
雲を全部消してからクリアするとボーナスを貰えるので、出来るだけ探索してからクリアしたいところですが、早めにクリアするとゴールド報酬が多くなります。


あおぞら飛行隊
※左はカメラ撮影のシーン。 写真を撮っておくとその敵の命中率とアイテムドロップ率がアップするので、余裕が出来たらカメラをいっぱい買って持っていきましょう。
戦闘中、同じマークのカードを連続で出すとオーラが増え、同じ数字のカードを連続で出すと効果がアップします。
もし墜落すると機体の最大耐久力が減るので注意。


クエストをクリアすればお金とアイテム、さらに「マイルストーン」を得られます。
パイロットはお金を使って「訓練」するとステータスを上げられ、マイルストーンを使った「スキル習得」で職業に応じた様々な特技を覚えられます。
他に「合成」によって、機体や装備のレベルも上げられます。

ただ、このゲームはカイロソフトのゲームには珍しく「開発シーン」や「仕事シーン」がないので、実行するとすぐ結果が表示され、そして実行していない時には何も変化がありません。

カイロソフトのゲームはちびキャラがちょこまかと活動し、それを眺めるのも楽しみですが、そうしたものはこのゲームにはありません。
よって施設の配置はもちろん、活動によって徐々にお金やポイントが貯まっていくとか、そういったものもなし。
本当に「普通のゲーム」ですね。

一応「レンタル基地」というものがあり、ここに格納庫や倉庫、工房などを建設できるのですが、開発と言うよりも部屋を増やすだけと言った感じ。
また、完成には「実時間の経過」が必要です。

戦闘機や武装もパーツを付属してカスタマイズ出来ますが、やはり待ち時間が必要。
キャラが働いて完成度を上げていくと言ったものではない、単なる待ち時間で、課金通貨を使えば短縮できるのですが・・・
海外の悪しき伝統「パワーアップ待ち時間」をカイロが導入するのか・・・ とも思ってしまいます。

課金通貨は他に、スタミナの回復や課金ガチャに使用します。
レアな戦闘機や武器、パーツなどは、やはり課金ガチャでないと入手困難
ゲームの進行で「設計図」を得られ、課金ガチャをしなくても新機体や装備は得られるので、課金必須という訳ではないのですが、まあ「ソーシャルゲーム相応」の課金要素がありますね。

あおぞら飛行隊
※主人公や弟子は訓練やスキル習得が可能。 傭兵はダメ。 弟子は他プレイヤーへの助っ人キャラにもなります。
職業はレベルが 10 や 30 になった際に転職可能。 転職することで新しいスキルを習得できます。
基本的にアタッカー(パイロット系)、サポーター(レンジャーなど)、回復役(メカニックなど)の3タイプに分れるので、どういうチーム編成にするか考えて転職しましょう。
スキルの習得率はレベルアップで上がっていきます。


あおぞら飛行隊
※機体は設計図で増やせますが、ゲームが進むと登場するチンパン博士にテクノロジー研究を依頼することでも増えていきます。 ただしバナナが必要。
また、研究や建設、機体のカスタマイズには実時間の経過が必要で、例によって待ち時間はどんどん伸びていきます・・・
属性は一見わかりにくいですが、火 → 風 → 土 → 雷 → 水 → 火 という関係になっています。
武器に属性を付加するのは工房の「パーツ改良」で行います。 例えば機銃に「火の石」を使えば火属性の機銃になります。


全体として「ソーシャルゲームっぽいカイロゲーム」ではなく、「カイロっぽいソーシャルゲーム」という印象です。
動き回るキャラや自動進行というカイロらしい部分はなく、合成で強化してカードで移動とバトルを行う、オーソドックスなスマホゲームですね。

もちろんカイロらしいドットキャラ、ほのぼのした雰囲気、豊富なカスタマイズ性などにはカイロらしさがあり、ソシャゲ型になったおかげで長期的な育成を楽しめる内容にもなっています。
これなら開発ゲームや、他のカイロゲームが好きじゃなかった方でも楽しめるかもしれません。
これはこれで、レパートリーを広げるという意味ではアリだろうと思います。

ただ、開発ゲームとしてのカイロアプリが好きな私としては・・・ ちょっと違うというのも本音。
ぶっちゃけ、こういうゲームはスマホにはゴマンとあるので、別にカイロでやらなくても・・・ とも思ってしまいますね。

ともあれ本体は無料で、課金圧力はそんなに高くないので、試してみて損はないでしょう。
本当に良くも悪くも、他とは違うカイロアプリです。

あおぞら飛行隊(iPhone 版、iTunes 起動)

あおぞら飛行隊(Android 版、Google Play へ移動)

ポケモンコマスター

スマホのポケモン公式ゲーム第二段。
ポケモンフィギュアを使う対戦ボードゲームのアプリが、ポケモンを公式に扱う「株式会社ポケモン」より公開されました。 
ポケモンコマスター」です。 

これが昨年秋にコメントされた、任天堂が 2017 年3月までに公開するという「5タイトルほどのゲーム」に含まれるのかどうかは解りませんが、ポケとる に続くポケモン公式のスマホゲームであり、さっそくアプリ市場にばつぐんのこうかを与えています。

ボード上のコマを動かす簡易将棋のようなゲームで、ゲーム名は「コマ」と「ポケモンマスター」をかけているようですね。
しかしコマの勝敗がルーレットで決まる運の要素が強いルールで、ゲーム自体の評価は割れています。
グラフィックや演出、サウンドのクオリティは高く、ポケモンらしいストーリーもあるのですが、課金が高めで、肝心のポケモンを集め辛いのも賛否あるところ。

ソーシャルゲームなので本体は無料ですが、スタミナも課金ガチャもあります
4/20 時点の iTunes の評価は ★5 が約 40 %、★1 も約 40 %と、見事な割れっぷりです。
※発売から 20 日経った 5/10 時点の評価は、★5 は 20 %以下、★1 は約 60 %です。

ポケモンコマスター

ボードの上にポケモンのコマ(フィギュア)を置き、相手の「ゴール」を目指して移動させる、ボードゲーム風のバトルです。
交互にコマを動かすターン制で、1ターンに動かせるコマは1つのみ。

最初はボード上にコマはなく、ボードの隅の出撃ポイントから出していきます。
以後、コマの移動力(MP)の分だけマスを移動させ、相手のコマに接すると攻撃をしかけられます。

戦闘はルーレットによって決まります。
各ポケモンには「強さ 20 の攻撃が 50 %、40 の攻撃が 30 %、ミスが 20 %」というようにルーレットの出目が設定されていて、その確率に応じて実行される行動が決まります。
そして互いのルーレットの出目を比べて、攻撃値が高い方が勝利

HP はなく、負けたコマはボードから取り除かれ、勝った方はそのまま残ります。
取り除かれたコマは「ポケモンセンター」と呼ばれる捨て駒枠に移され、新たに2体のコマがここに送られてこないと控えに戻ってきません。

バトルがルーレットで決まると言うと、「それって運次第じゃん」と思う方もいるでしょう。
実際、このゲームはルーレット運に支配されます。

どんなに有利な、相手より上位の、明らかに勝率の高いユニットで迎撃しても、相手のルーレットが良く、こちらのルーレットが悪かったら負けます。
ユニットの強さは「有利」ではなく「確率が高い」に過ぎません。

そして勝った側はノーダメージなので、例えば敵がまっすぐ進行してきて、その前に立ち塞がったキャラが運悪く負け、さらに迎撃に出たコマも運悪く負けたら、そのままゴールされて終了・・・
そんなことが普通に起こるゲームです。
無論、運が良ければこちらが同様の状態であっさり勝つこともあります。

ただ、ポケモンの中には「かわす」や「まもる」といった防御行動、さらに「ねむり」や「どく」などの特殊技能を持っている者もいます。
数値に関わらず「攻撃<特技<防御」で優先されるため、防御や特技を持つポケモンがいれば、より高い勝率で相手を阻むことが出来ます。

それでもあくまで確率次第であり、強力な特技を持つポケモンほど「ミス」の発生率も高いので、やはりルーレットの出目が悪いとダメですが。

ポケモンコマスター
※勝つか負けるかはルーレット次第。 どんなに勝率が高くても負ける時は負けます・・・
ただ、青特技のあるキャラは高めの確率で引き分けになり、紫特技のあるキャラも攻撃を受け辛いです。
ただし青や紫の特技のほとんどは敵を直接倒せません。


ポケモンコマスター
※左のポケモン「ゴローニャ」は UC の割に強力ですが、移動力(MP)は1。
強いポケモンほど移動力はありません。 これはレアリティが高くても同様。
右はちょっと珍しい「ウェイト勝ち」のシーン。 相手の出撃場所を塞ぎ、残っている敵を全滅させるなどして、相手を行動不可能に追い込むと発生します。


最初はポケモンの所持数も少ないので、限られたユニットでルーレットの回し合いをすることしか出来ません。
よって驚くほどの「運ゲー」です。

しかしポケモンがそろってくると選択肢が増えてきます。
相手を飛び越す「とぶ」や、位置を入れ替える「ねこだまし」といった移動特技もあり、これらを利用して相手ユニットを無視し、一気にゴールを狙うことも可能です。

これらもその行動がルーレットで出てくれないとダメなのですが、ポケモンの他に「プレート」と呼ばれるカードがあり、「ルーレットを1度回し直せる」「一定以下の攻撃ではダウンしない」といった効果を発動可能、勝率を高めることが出来ます。

ただ、問題はこれが課金ガチャのソーシャルゲームであること。
それらの行動を行えるポケモンがガチャで手に入らないと、やれることは増えません。

一部のポケモンはゲームの進行でも得られ、運が良ければステージクリア時にも得られますが、UC 以上はほとんどガチャのみが入手手段。
ガチャにはチケットか課金通貨が必要ですが、ゲームの進行で得られる量は少なめ。
プレート(カード)は欲しいものを直接買うことも出来ますが、こちらも課金通貨が必要です。
よって課金しないと厳しい。

しかしその課金額はガチャ1回分が 480 円と安くはない。
プレートをガチャで手に入れるには「2連続ガチャ」をやる必要があり、約 1000 円が必要
プレートの直接購入も R 以上だと 480 円分の課金通貨では足りません。

結果、無課金や微課金ではガチャ運がかなり良くない限り、当面は運ゲーの状態から抜け出せません。
それでもルーレット運次第では格上に勝てますが、それはそれでどうよという・・・

ポケモンコマスター
※特技の「とぶ」は相手のコマを飛び越してしまうもので、慣れてないうちはこれであっさりゴールを決められがち。
ただ「とぶ」では敵を倒せないので、ゴールの上にコマを置いておけば、そのまま負けるのは防げます。
また敵を挟むと無条件で勝てるルールがあるので、右のように飛び込まれてもすぐ挟めるようにしておけば相手は手を出せません。
とは言えルーレットで「ミス」が出て、相手が飛ばずに攻撃したら普通に負けますが。


ポケモンコマスター
※左は「フシギダネ」の特技「ねむりこな」で敵を連続で眠らせたシーン。
眠った敵は素通りできるようになるので、このままゴールして勝ち。 運が良ければこういうことも。
右は位置を入れ替えるニャースの「ねこだまし」を、ゴールを守る敵に使って勝ったところ。
ただねこだましの発生率は 1/3 ほどなので、やはり成功するかどうかは運。
「ルーレット回し直し」のカードで成功率を高めることも出来ますが・・・


このゲームは「AI 機能」もウリになっています。
各ターンの行動を AI に任せることができ、その AI の開発は対戦将棋アプリ「将棋ウォーズ」の開発者さんや、電王戦にも参加した AI 将棋「Apery」の開発者さんが担当。
プレイヤーがゲームに慣れていなくても、最善手を導き出してくれます。

が、その AI の手も、やはりルーレット運次第の印象で、出目が悪くて潰されることもザラ。
確率の高い手を打ってくれるようですが、あくまで確率だし、プレート(カード)の使用を考慮してくれないので、言うほどではない感じですね。
ただ面倒な時に AI まかせでゲームを進めて、ここぞという時だけプレイヤーが手を出すといったプレイ方法も可能です。

オンライン対戦も大きなウリの1つですが、ここもまだ未完成感があります。
サーバーや通信の問題なのか、それとも相手が切ってしまうのか、マッチングされてもゲームが始まらない場合があり、それでも対戦に必要な「ラウンジチケット」は消費されます。
しかもこの状況になると切断されたと判定されるまで、かなり待たされます。

ゲームが始まると快適にプレイできますが、もし不利になった相手が切断して逃げた場合も、長い待ち時間の後、対戦は中断されてしまいます。
そして逃げた相手にペナルティはないようで、逃げられた側は勝ち試合を放棄させられた挙げ句、ラウンジチケットも取られたまま。 最悪です。

まあ、この辺はアップデートで早めに改善されていくと思いますし、ちゃんと対戦できた時は楽しめますね。
ただ、勝ってもランクポイント(対戦スコア)が上がるだけで、何も実利がないのは悲しいですが・・・

ポケモンコマスター
※コマスターの大会がリゾート島で開催されているという設定。 島にあるホテルを攻略していきます。
右はストーリーシーン。 キャラデザインがいかにもそれっぽいですね。


このゲームは以下のように考えると解りやすいでしょう。
戦力3と戦力2のユニットが戦った時、戦力3のユニットが残り HP1 で勝つのではなく、サイコロを振って、それぞれ 3/5 と 2/5 で勝つゲーム」。
そんなゲームが楽しそうだと思える人には向いています。
そんなゲームは楽しそうだと思えない人には向いていません。

プレイヤーは戦略によって「期待値」を高めることが出来ますが、あくまで期待値なので、それをどんなに高めても出目が悪かったら負ける。
もちろんほとんどのゲームで運は絡む訳ですが、このゲームには戦略では越えられない運がありますね。

それを「運ゲー」と捉えるか、初心者でも上級者に勝てる、展開が一様ではない「確率ゲー」と好意的に捉えるかで評価は変わってきそうです。
ただ私は運ゲーは嫌いなので、これも好きではありません。

しかしアプリ自体のクオリティーは高く、ポケモンらしさも十分。
その辺はバッチリ「ポケモンカンパニーのゲーム」なので、いわゆるポケモン世代の人なら、色々なものをポケモン補正で補って楽しめると思います。
良くも悪くも、公式ポケモンの確率ソーシャルゲームですね。

ポケモンコマスター(iPhone 版、iTunes 起動)

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おそ松さんのへそくりウォーズ ~ニートの攻防~

昨年10月から始まり、破天荒すぎる内容で大きな話題となっているアニメ「おそ松さん」。
あまりの人気っぷりに様々なイベントが行われ、グッズも数多く登場していますが、それにあやかろうとしたゲームアプリが先日公開されました。
おそ松さんのへそくりウォーズ ~ニートの攻防~」です。

内容はズバリ、「にゃんこ大戦争」のパクリ。クローン。
キャラがおそ松さんの登場人物になっている一本道型の RTS ですね。

正直、たくさんある一本道 RTS の中では、クオリティは高い方ではありません。
しかし思ったほど低い訳でもなく、「急造のアニメ便乗アプリ」としては意外としっかり作られています。
現時点(2016/3)の iTunes や Google Play には「落ちる ★1」というレビューが多くありますが、それ以外は及第点の評価が多いですね。

販売はエイベックスの映像コンテンツ部門であるエイベックス・ピクチャーズ、開発は「ちゅらっぷす」という沖縄のメーカー。
アプリ本体は無料ですが、課金やガチャ、スタミナはあります。

おそ松さんのへそくりウォーズ ニートの攻防

おそ松さんのへそくりウォーズ ニートの攻防

ルールは にゃんこ大戦争 とまったく変わりません。
時間と共に貯まっていく AP というポイントを消費して、味方のユニットを出撃させます。

出撃したユニットはまっすぐ敵基地に向かって進んでいき、敵に遭遇すると自動で戦闘を行います。
出撃後のユニットに指示は出せないため、プレイヤーがやることは出撃するユニットの選択のみ。
AP を消費し、AP 増加量と最大値をアップさせることも出来ます。

ユニットは「おそ松さん」のキャラになっていて、最初に使えるのはコスト(AP消費)が低くて量産できる「おそ松」、耐久力が高い盾役の「カラ松」、コストは高めですが素早さと攻撃力も高めの「チョロ松」の3人。

移動力がある突進型の「十四松」と、遠距離攻撃+範囲攻撃の「一松」「トド松」はガチャで当てなければ使えません。
また、この3人は高コストキャラで、強いですが出し辛いです。

同じキャラを何人も出撃させることが可能で、敵を退けて敵基地を破壊すれば勝利。
逆に敵に押し込まれてこちらの基地(松野家)が破壊されると敗北。
ただ松野家に敵が接近しても、一定時間ごとに「メガニート波」なる虹色光線を発射して撃退することが可能です。  要するに「にゃんこ砲」ですね。

基本戦略はまず AP の増加量を高め、敵が接近してきたら盾役(カラ松)や軽歩兵(おそ松)で足止めしつつ、メガニート波で一掃。
それから一気にユニットを出して反撃するのが定石でしょう。
この辺は一本道 RTS に共通した攻略です。

おそ松さんのへそくりウォーズ ニートの攻防
※メガニート波を出す際にはこんなカットインが。
射程を何度か強化しておかないと範囲が狭すぎて攻略には活用し辛いです。
また、序盤は見た目ほど強くないので、コインを使って強化しておきましょう。


おそ松さんのへそくりウォーズ ニートの攻防
※メガニート波で迎撃中。 事前に資金を貯めておき、一気にユニットを出して反撃に転じましょう。
ユニットは集中させるのが基本で、戦力逐次投入は RTS では厳禁。
盾役(カラ松)さえ絶やさないようにしておけば、それ以外のどのキャラを主力にしても進めると思いますが、相手にダヨーンがいる時は注意。
範囲攻撃して来るので低コストキャラ(おそ松)の量産は通用しません。


ステージは東京・大阪・北海道などのエリアに分かれていて、1エリアあたり 10 のステージがあります。
エリアが変われば敵キャラの衣装も変化。
ステージをクリアするとコインを得られ、それでユニットや基地耐久力、AP 増加速度やメガニート波などを強化できます。

コインや課金通貨で「ガチャ」も行え、ユニットはこれで増やします。
同じ「おそ松」でもレアのおそ松とノーマルのおそ松、特殊バージョンのおそ松がいて、レアリティが高いほど強くなります。

ただ、レアリティが高くなっても、キャラクターの特性は変わりません。
盾役のカラ松は、レアでも激レアでもやっぱり盾役です。
また、レアキャラは出撃コストが高くなり、同キャラをスロットに複数含めておいた方が良いこともあるので、下位のキャラが役に立たなくなる訳ではありません。

やや難点なのは、この「ガチャでキャラを得る」というところですね。
遠距離攻撃や範囲攻撃は、ガチャでそれが出来るキャラを当てないと使えない。
しかしこれらが使えないと一本道 RTS としての攻略ができない。
にゃんこ大戦争のようにステージクリアで使えるキャラが増えていくタイプではないので、序盤の展開はどうしてもガチャ運に左右されます。

また、一松とトド松がどちらも「遠距離攻撃+範囲攻撃」というのも気になります。
一松は遠距離重視、トド松は範囲攻撃重視ですが、似たような使い方で特性がかぶってる。
しかも「遠距離+範囲」だからどんな状況にもほぼ対応できる訳で、カラ松で守って一松かトド松のどちらかで攻撃していけばだいたい OK という・・・

ステージによっては、いきなり敵が来るので低コストキャラを量産しないといけないとか、敵基地がやたら遠くて移動力のあるキャラでないと増援にならないといった場面もありますが、敵の種類も少ないし、同タイプの他のゲームと比較して戦略性が低いのは否めませんね。
まあ、ライトユーザーがメインターゲットのゲームでしょうから、あえて難しくしていないのかもしれませんが・・・

もう1つ気になったのは、キャラクターの「コマ」が少ないことでしょうか。
ノーマルおそ松はアッパーカットで攻撃しますが、振りかぶる絵と、手を伸ばした絵の2コマしかない。
大抵のキャラは移動2コマ、攻撃準備1コマ、攻撃1コマ、やられシーン1コマの5コマのみ。

後ろに吹っ飛んでいくといった動きはありますが、今時のゲームとしてはコマ不足は否めず、ややチープな印象を受けてしまいます。
まあ、それぞれのキャラの絵を描き下ろして貰っているようなので、動きが少ないのは仕方ないかもしれませんが・・・

スタミナがすぐ尽きてしまうのも、やや気になるところ。
しかもスタミナの回復に必要な課金通貨が 360 円分と、ソシャゲの中でも高めです。

おそ松さんのへそくりウォーズ ニートの攻防
※マップ画面。 これは大阪のシーン。 よく見ると色々凝ってます。
この枠線のないデザイン化された背景は原作アニメと同様ですね。


おそ松さんのへそくりウォーズ ニートの攻防
※同じキャラは基本的に、ノーマルでもレアでも特性は変わりません。
しかし例外的に射程などが変わるキャラもいて、このアイドル追っかけチョロ松はサイリウムからレーザーが出るので射程が伸びます。 攻撃が早くコストが中程度で射程のあるキャラは結構強い。


全体としては、そのまんま「おそ松さんのガチャ付き にゃんこ大戦争」ですね。
こう言っちゃ何ですが、ヘンにオリジナルな仕様を盛り込まず、ほぼにゃんこ大戦争のままにしているおかげで、同様の面白さがあります
「劣化にゃんこ大戦争」と言ってしまえばそれまでですが、キャラクターはアニメそのままなので、おそ松さんのファンなら十分に楽しめるアプリではないでしょうか。

それにきっとおそ松なら、「今がチャンス! パクリアプリで一儲けしようぜ!」とか言うと思いますw

問題になっているアプリが落ちる件ですが、iPhone 6 Plus でプレイしたところ、開始時に落ちてゲームが出来ないという事はありませんでしたが、ステージクリア時に落ちる症状が頻発しました。
落ちても再開すればクリア直前の状態に戻れるため、プレイしたのがムダになる訳ではありませんが、一度発生し始めると繰り返し起こるので面倒ですね。

この症状は(少なくとも当方の環境なら)本体を再起動すれば改善されます
しばらくプレイしているとまた発生するのですが、再び再起動すれば当面は解消されます。(よっておそらくメモリ関連の問題)
落ちた時にそのまま続けていると症状はどんどん悪化するので、まず慌てず騒がず本体を再起動しましょう。

今は落ちる問題のせいで評価が割れていますが、ファンアプリとしては十分な内容だと思います。

おそ松さんのへそくりウォーズ ~ニートの攻防~(iPhone 版、iTunes 起動)

おそ松さんのへそくりウォーズ ~ニートの攻防~(Android 版、Google Play へ移動)

誰ガ為のアルケミスト

タクティクスオウガや ファイナルファンタジータクティクス のソーシャルゲーム版。
ストーリーもゲームシステムもしっかりヘビーな、ターン制シミュレーション RPG のソーシャルゲームが公開されています。
誰ガ為のアルケミスト」です。 通称「タガタメ」、もしくはタガメ

このゲームは「ファントム・オブ・キル」を開発した Fuji&gumi Games(FgG)のクリエイターが担当しているとアピールされていたため、私は逆に期待していませんでした。
ファンキルは割としっかりファイアーエムブレムしているゲームシステムでしたが、戦闘シーンのグラフィックが今のスマホゲームとしてはショボく、私的にはアニメコラボと声優でファンを獲得している擬人化ギャルゲーという印象が強かったからです。
グラフィックに関しては Android の廉価機種での動作を考慮していたのかもしれませんが・・・

そしてこのゲームも、声優やオープニングアニメに力を入れていると発表されていたため、「あぁ、ファンキルの手法でタクティクス○○を作ろうとしているんだな」と思っていました。
しかし、やってみると・・・ 結構違ってました。

フィールドのグラフィックはちゃんと見栄えがするし、ギャルゲーという訳ではなくシブい男性キャラも多く出てきます
ゲームシステムもかなり本格的で、難易度もそこいらのソーシャルゲームより明らかに高い。
ストーリーも重く、ソシャゲだからといった簡易的な作りにはなっていません

ただ、作り込まれた育成システムにソシャゲシステムが深く入り込んでいるため、キャラクターの育成は「やり込み」を通り越し、もはや育てる前から心が折れそうになる領域
システム・難易度・ストーリーに加えて、ソシャゲ的にもヘビーです。

ともあれ、渾身のタイトルであることはやっていて感じるので、今回ご紹介しておきたいと思います。
ソシャゲなのでアプリ本体は無料ですが、課金もガチャもスタミナもあります。

誰ガ為のアルケミスト タガタメ

誰ガ為のアルケミスト タガタメ

主人公は2人の新米騎士。 男性です、念のため。
禁断の秘術である「錬金術」を使って大戦を引き起こし、連合国軍に滅ぼされた王国の残党が不穏な動きを見せる中、調査に向かった彼らが前大戦の真実を知っていくというストーリー。
タクティクスオウガ や マーセナリーズサーガ ほど重い訳ではありませんが、なかなか先の気になる物語が展開されます

ゲームもこれら「タクティクス系」のシステムを踏襲しています。
フィールドは高低差のある立体マップになっていて、高所からの攻撃の方が有利になります。
キャラクターの向きもあり、背後からの攻撃なら効果が高くなります。

ターン制の戦術シミュレーションゲームですが、敵と味方が交互に動く訳ではなく、キャラクターの素早さと行動に応じて順番が回ってきます。
ターンが回ってきたキャラは移動と行動を1回ずつ行えますが、移動や行動をしなかった場合、次の行動までの待機時間が短くなります。

魔法や一部の攻撃にも待機時間があり、使ってすぐに発動する訳ではありません
魔法の多くは範囲攻撃になっていて、ユニットに使うかパネルに使うかを選択可能。
パネルに使った場合、魔法は必ずその場所に発動しますが、発動前に敵が移動してしまうと空振りに終わってしまいます。

ユニットに使った場合、使用後に対象が動いても必ずその相手に発動しますが、もしその相手が味方のとなりに移動した場合、味方も巻き込まれてしまいます。
魔法は威力が高いため、ヘタに巻き込まれたら即死の危険もあります。

全体的にダメージが高いため、突出して集中攻撃されようものならすぐにやられてしまいます
味方メンバーは主人公1人、先発メンバー3人、補欠メンバー2人、助っ人1人。
主人公以外はやられても、すぐに補欠メンバーが出撃しますが、主人公は倒れた時点でゲームオーバー。

オウガ や FFT のように「倒れて回復させられなかったら本当に死亡」ではありませんが、慎重に戦わなければ簡単に負けてしまう難易度で、そこいらのポチポチソシャゲと一緒に考えていると痛い目に遭いますね。
ただ、敵の人数は5人前後、多くても 10 人はおらず、ダメージが大きいのは敵も同様なので、1回の戦闘にかかる時間は短めです

誰ガ為のアルケミスト タガタメ
※出撃メンバー選択画面。 助っ人は弱めのキャラならタダで雇用できるので、とりあえず加えておきましょう。
レベルの高いキャラを助っ人にするには高額な費用が必要なので、助っ人に頼った攻略はし辛いです。
サブメンバーもいますが、ヘタすると「やられる → そこにサブ登場 → サブが動けるようになる前にまたやられる」を繰り返してしまうので、無謀な突出は厳禁。


誰ガ為のアルケミスト タガタメ
※高所から魔術師が弓矢を撃たれているシーン。 敵の弓兵は厄介な場所に配置されていることが多いです。
ジャンプ力と移動力があり、高所の敵を素早く追い詰められるシーフは必須。


誰ガ為のアルケミスト タガタメ
※魔法使用時のユニット発動とパネル発動は、最初は使い分けが難しいかもしれません。
発動前に相手が動くことがなければどちらでも良いのですが、動きそうな近接攻撃ユニットを対象にする時はパネルにした方が無難。


このゲームの良し悪しな部分は育成面の深さ。
味方メンバーは基本、ガチャで入手しますが、主に 戦士・シーフ・弓使い・魔術師・プリースト・吟遊詩人 といった職業(ジョブ)に就いています。

経験値が貯まればレベルが上がって強くなりますが、ステータスが上がるだけでスキルは覚えません。
しかしレベルを上げた後に「戦技」「魔術」などのアビリティレベルをコインを使って上げれば、新しい攻撃技や回復技などを獲得できます。
また6つある「装備候補」を全て集めるとジョブレベルをアップでき、「MOVE +1」「魔法カウンタ-」などのパッシブスキルを習得できます。

そして重要なのは各キャラに転職用のジョブが用意されていることで、聖騎士になれる戦士や、ビショップになれるプリーストがいるのはもちろん、シーフから魔術師に転職したり、弓使いから忍者になったりするキャラもいます。
転職してもアビリティやスキルを引き継ぐことが出来るので、例えばシーフから魔術師になれば、移動力アップやジャンプ力アップを備えた魔術師を作ったりすることが出来ます。

ただ問題は、転職するのに数度の「限界突破」が必要で、これにはそのキャラクターの「欠片」がたくさん必要なこと。
欠片は主にガチャで入手するため、つまりガチャしまくらないと転職できないシステム
これでは「ガチャゲー」と言われても仕方ありませんね。

また、欠片は未入手のキャラクターを手に入れるのにも必要ですが、その数がやってられないぐらい多い
レアリティの低いキャラなら数枚で獲得できますが、レアだと数十枚、最高レアになると 150 枚も必要になります。
ガチャでレア演出が発生し、「激レア!」の表示と共に★5キャラの欠片が出て来ても、それが 150 枚必要な中の1枚に過ぎないものであるのを見せられると、もはや途方に暮れてしまいます。

※ガチャの欠片のシステムは、アップデートで改められました。
現在はガチャで当たったキャラは、そのまま普通に手に入ります。
欠片を集めないと得られないキャラはガチャとは別枠となり、欠片は特定のステージをプレイすることで得られるようになりました。


ガチャからキャラ自体が出て来ることもあるのですが、前述したように欠片がないと転職も出来ないので、レアリティが高いほど強化は困難。
加えて、多くの欠片を集めて限界突破を繰り返し、ようやく転職できるようになっても、今度は転職用の素材が必要になります。 これは曜日クエストを周回して集めなければなりません。
レアリティが低いキャラは、それを高める「進化」が可能ですが、それにも特殊素材が必要。

豊富なカスタマイズが用意されているのは良いのですが、必要な作業がここまでになると「どんだけプレイヤーをいじめれば気が済むねん!」と言いたくなります。
冒頭でも述べたように「やり込み」を通り越していて、もはやソシャゲ的に曲解している印象です。

誰ガ為のアルケミスト タガタメ
※キャラクター詳細画面。 このゲームの装備は与えると取り外しできません。
そして用意された6つの装備を全て与えてジョブレベルを上げると、リストがクリアされ、また別の装備を与えられるという形式。
キャラを獲得したら現在のジョブだけでなく、転職可能なジョブも確認して、将来どんなキャラになれるのかも考慮してスタメンを決めた方が良いでしょう。
まあ、転職はこれでもかと言うぐらい大変なのですが。


誰ガ為のアルケミスト タガタメ
※ユニットの「欠片」の画面。 ユニット獲得には ★3で 50 枚、★4で 80 枚、★5で 150 枚も欠片が必要になります。 マジで途方に暮れます・・・
確かにこのシステムだと、欠片を相応に排出させつつ、実際の入手率は低いという形に調整することが出来るでしょう。
ガチャの排出率について色々言われている現状を考慮したシステムなのかもしれませんが、1/80 とか 1/150 とかを目の前で見せられると超ウンザリするのが本音。


誰ガ為のアルケミスト タガタメ
※ストーリーシーン。 クエストの合間に結構頻繁に出て来ます。
敵にも敵の信念のようなものがあり、「正義の反対は悪ではなく別の正義」みたいな展開になっています。
主人公の2人はゲームの進行に応じて交代します。


欠片や転職のシステムはしんどく思えますが、ゲーム自体は「まさかソシャゲでここまでタクティクスしているとは」と驚いたほどしっかり作られています。
ストーリーにもプレイ意欲を引っ張ってくれる魅力があるし、サウンドや演出も良くてボイスも豊富。
クオリティーは御三家(パズドラ・モンスト・白猫)に匹敵するものがあると思います。

ただ、しっかりゲームとして作られていることが、逆にソシャゲとしては足を引っ張るかもしれません・・・
やはりソシャゲとしては相当ヘビーなので、ライトユーザーは敬遠しそう。
ファンキルのようなギャルゲーファン向けでもないので、コアなユーザーが付く内容でもない。
ゲーマーはガチャゲーは望んでいないので、そうするとプレイヤーは狭い気がします。

ただ私的には、こういうゲームとしてしっかり作られているものは、ソシャゲの中では応援したくなりますね。
じっくり遊ぶタイプのソーシャルゲームやシミュレーション RPG を探している人には、良いゲームだと思います。

誰ガ為のアルケミスト(iPhone 版、iTunes 起動)

誰ガ為のアルケミスト(Android 版、Google Play へ移動)

※Youtube 公式 PV

予言者育成学園 Fortune Tellers Academy

現実の社会でこれから起こる出来事を「予言」し、その結果によってキャラクターが成長していく、ブックメーカー的なソーシャルゲームがスクエニより公開されています。
予言者育成学園 Fortune Tellers Academy」です。

ブックメーカーとは特にイギリスで盛んな、社会の様々な事柄を「賭け」の対象にすることで、スポーツ、芸能、経済など、なんでも扱われています。
それをソシャゲに盛り込み、的中させればゲーム内のコインを獲得、さらにレアキャラゲットのチャンスが到来するという形にしているのがこのゲーム。

さらにソシャゲ型のカードバトルや、ラノベ型のストーリーシーンが加えられていて、開発を「ドラクエX」のディレクターの方が手がけ、主題歌をサラ・オレインが歌っているなど、かなりの意欲作となっています。

・・・が、これらがちゃんとまとまっているかというと、ちょっと疑問。
でも話題性のある作品なことは間違いないですね。
ソシャゲなのでアプリ本体は無料ですが、やはり課金もガチャもスタミナもあります。

予言者育成学園 Fortune Tellers Academy

前述したようにこのゲームは、社会の様々な事柄の「予言テスト」を行うシーンと、ソシャゲ型の「バトルシーン」、ライトノベルを読み進めていく「ストーリーシーン」の3つに分かれています。

それぞれのシーンは正直バラバラな印象で、にも関わらず無理に繋げようとしているため、その繋ぎの部分がむしろ邪魔なのですが・・・
ともあれ、ここではそれぞれを個別に説明いたします。

まずはゲームの中心である「予言テスト」。
毎日数問、これから起こる出来事に関する出題が行われます。
「サッカーのチャンピオンズリーグの勝利チームと得点差は?」「R-1ぐらんぷりの決勝出場者は?」「国勢調査で人口増加率がもっとも多い県は?」など、その内容は多種多様。

回答は8択で、うち1つは「その他」なので、全部ハズレになるケースは(普通)ありません。
投票時には所持ゴールドを賭けることができ、投票数に応じてオッズ(倍率)も付けられています。

正解すれば掛け金とオッズに応じた賞金を受け取れ、さらにレアキャラとのバトルを行えます。
ハズれた場合も敵が現れ、バトルに勝つと掛け金の一部を取り戻せます。
また、プレイヤーのレベルはこの予言テストによって上がっていき、もちろん正解の方が多くの経験値を得られます。

興味のない話題だとどれを選べば良いのかサッパリ解りませんが、「教えてジャン先生」というボタンがあり、その出題に関する詳細な情報を教えてくれます。
出題の概要、関連する情報、ここ数年の結果などを解りやすい文章で教えてくれるので、それを元に予測することが可能ですね。

とは言え、8択なのでそう簡単には当たりません。
未来の出来事なので、その時点では正解もない。
「その他」が答えになっているケースも多く、出題側の予測を超えていたこともチラホラ。

ただ、予測した後は結果が楽しみですし、当たれば嬉しい。
現実の出来事の予測なので、クイズの正解とはまた違った嬉しさがあります。
結果が判明するまで数日かかるため、どうしてもゲームはスローテンポになりますが、このブックメーカー部分に関しては面白いと思います。

なお、1つの問題に複数の回答(予測)を行うことも出来ますが、1つ予測するごとにスタミナを消費します。

予言者育成学園 Fortune Tellers Academy
※予言テストの選択画面。 スポーツ、トレンド、芸能、政治、趣味、グルメまで様々。
さっぱり解らない話題の時は、オッズを見て人気のありそうな投票に賭けるのも手。
右は「ジャン先生」が、琴奨菊関の優勝パレードの観衆の数について説明しているところ。
ファンタジー世界なのに、大マジメに相撲の話をしているところがちょっと笑えます。


続いて「バトルシーン」について。
ここはもう、まさに「ソーシャルゲームのカードバトル」です。
ターン制の半自動バトルで、味方を支援するコマンドを入力できるため、ポチポチゲーという訳ではありませんが、いかにも古いソシャゲのスタイルであることは否めません。

ただ、予言者らしいコマンドが用意されていて、そのターンの敵の行動を知る「絶対予知」と、勝利の確定を判別する「戦勝確率」のボタンがあります。
絶対予知は当面1回しか使えませんが、味方がやられるのを事前に知ることが出来た場合、その味方にガードを使っておくなどの対処が可能です。

戦勝確率はその名の通り、勝てる確率で、これが 100 %になった時にボタンを押すとオートに移行して絶対に勝利できます。 戦力差が大きければ最初から 100 %であることも多いです。

バトルはスタミナを消費して行うことも出来ますが、通常は「予言テスト」の実行後か、答え合わせの後に発生します。
そして難点は、この時の敵の出現演出がうっとうしい。

人にもよると思いますが、例えば私はブックメーカーの部分が楽しみでやっているので、ソシャゲバトルはぶっちゃけどうでもいい。
ところが、予測を行う度に敵の登場シーンが出て来て、いちいち消すのがめんどくさい。

さらに答え合わせの時に予測がハズレだった場合、「とらんす一味」という特殊な敵が出て来るのですが、その出現演出が長い上にカット出来ない。
ハズレてさっさと進めたいにも関わらず毎回同じような演出を見せられて、バトルもしないと掛け金が多く減るという、非常に面倒な状態。

とらんす一味以外の敵は「取り置き」しておいて、後でバトルすることも出来るのですが、だったら最初から全部自動で取り置きされて、予測シーンは予測シーンだけで遊ばせて欲しいのが本音です。

※4月のアップデートで出現演出をカット出来るようになりました。
その他もろもろの増長な演出も短くなり、現在は当初よりテンポ良く遊べるようになっています。


予言者育成学園 Fortune Tellers Academy
※戦闘シーンで戦うのは味方のカードで、それぞれが自動で行動し、プレイヤーはガードや回復などでサポートします。
ただ、この敵や味方が何者なのかは不明なままで、しかも予測シーンやラノベシーンの展開と全然マッチしていないため、取って付けた感は否めません。
敵の行動を知る絶対予知のシステムは良いと思いますが・・・


そしてもう1つは、ライトノベル形式のストーリーシーン
ここはもう「ラノベです」以外に言い様がありません。
普通に小説を読み進めていくもので、背景やキャラクターの表示、効果音などはありますが、まあノベルですね。

特定の条件を満たすとストーリーが1項ずつアンロックされていき、1項あたりの文章量は普通のラノベ1~2ページ分ぐらい。
短めのラノベがさらにぶつ切りになっている感じなので、1項ずつ読んでいたのでは内容を忘れてしまいます。
ある程度貯めてから一気に読んだ方が良いでしょう。

ラノベの内容の良し悪しについては(2月時点で)まだ2章までしか公開されておらず、話がほとんど動いてないので、判断できる段階ではありません。
ミステリーや推理ものっぽい展開ですが、「ファンタジー世界にある魔法学園のミステリークラブに所属する学生達のお話」なので、割と定番設定のラノベです。

気になるのはやはり、ブックメーカーやソーシャルゲームが好きな人が、ラノベも好きとは限らないって事ですね。

予言者育成学園 Fortune Tellers Academy
※ライトノベルはこんな感じ。 左半分にキャラクター、右半分に文章というレイアウトは良いと思います。
ただバトルも予言テストもここのストーリーとは連動しておらず、にも関わらず少しずつしか読めないシステムなので、面倒になって読まなくなる人が多そう。
当初は1章しかなく、公開時のボリュームが不足していたのも否めません。
まあ、ラノベが読みたくてこのゲームをやる人は少ないと思いますが・・・


これは単なる推測ですが、まずブックメーカーのソーシャルゲームを作ろうとして、その賞品とマネタイズのためにソシャゲのカードバトル要素を加え、クエスト形式にならないのでストーリーはライトノベル型にした。
そして各シーンの開発をそれぞれ異なる部署で行って、最後に合わせたら、それぞれ違うものが違うまんまで1つの折り詰めに入った和洋中混合弁当みたいなものが出来た、という感じの気がします。
それが確かかどうかは別として、そういう印象を受けるゲームですね。

で、色々盛り込んでいるゲームは嫌いではないのですが、各シーンに繋がりを持たせようとして面倒なことになっているため、私的には「無理に繋げようとせず別々のままにしといてくれ」と思ってしまいます。
それでも同梱されていれば1つの世界にはなるだろうし。

とは言え、私はこういうブックメーカーのようなゲームは好きだし、そうしたものが出るのを望んでいました。
その部分だけを取ってみた場合、良く出来ていると思うし、世の中の様々な事柄を知る参考にもなると思います。
どちらかと言うとソシャゲより、ニュースアプリに付いてた方がマッチするようなシステムですが。
コンセプトは好きなので、今後に期待したいアプリではありますね。

予言者育成学園 Fortune Tellers Academy(iPhone 版、iTunes 起動)

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※Youtube 公式 PV

Magic: The Gathering - Puzzle Quest

「パズル+RPG」の元祖の1つ「パズルクエスト」と、トレーディングカードゲーム(TCG)の原点である「マジック ザ ギャザリング」。
この2つの大型タイトルが合体した、世界的に注目されていたソーシャルゲームが公開されました。
Magic: The Gathering - Puzzle Quest」です。

パズルクエスト2 は元々、パズルで「マナ」を貯め、それを使ってデッキに入れたスキルを発動させるという、TCG 的なシステムを持っていました。
そのためこの話を聞いた時、「ああ、スキルやキャラクターがマジック ザ ギャザリング(MTG)になってるパズルクエストなんだろうな」と思っていたのですが・・・ だいぶ違いました。

スキルを発動させて攻撃するのではなく、ちゃんと場にクリーチャー(モンスター)のカードを配置して攻撃させるという TCG ライクなシステム
一方で、システムはパズルクエストよりも簡潔になっていて、元のパズルクエストとも MTG とも違う内容になっています。
そしてこれはこれで面白く作られていますね。

アプリ本体は無料ですが、ソシャゲ型なので課金ガチャもスタミナもあり。
ただ、当面は課金は必要なく、スタミナもやり方によってはあまり気にせずに進めていくことが出来ます。

Magic The Gathering Puzzle Quest

バトルが始まると中央に「マッチ3ゲーム」、つまり キャンディークラッシュズーキーパー のようなパズルのボードが表示されます。
そして各プレイヤーは自分のデッキからカードを2枚引き、手札とします。

自分のターンになったプレイヤーは手札が1枚補充され、そして中央のパズルのボードのコマを1つ動かすことが出来ます。
コマの移動ルールは一般的なマッチ3ゲームと同じです。
コマの1つを縦か横に1マスだけ動かし、同じ色のコマを縦か横に3つ以上並べると消せますが、消せない場所には動かせません。

そしてコマを消すとプレイヤーの「マナ」が貯まります。
オリジナルのパズルクエストや MTG とは異なり、このゲームにマナの色はありません。
消したコマが赤だろうと青だろうと共通のマナを得られます。

ただ、ヒーロー(MTG では「プレインズウォーカー」と呼びますが、長いし解りにくいのでここではヒーローと呼びます)によって色ごとの得手不得手があり、例えば「緑+2、青-1」のヒーローだと、赤のコマを消した時はマナ +3 ですが、緑だと +5 に増加、しかし青だと +2 に減ります。

マナは手札の「一番上のカード」から順に貯まっていきます。
カードごとにプレイ(実行)に必要なマナがあり、最大まで貯まったカードは場に出されます。
手札の順番は任意に変えられるので、早く使いたいカードを上に置くことになりますね。

カードには クリーチャー(モンスター)、サポート、呪文 の3種類があり、クリーチャーなら場に配置され、次のターンから敵を自動で攻撃します。

クリーチャーには アタッカー、バーサーカー、ディフェンダー の3種類があり、アタッカーは敵ヒーローに、バーサーカーは敵クリーチャーに攻撃を行います。
ただし相手にディフェンダーがいる場合、必ずそれを対象とします。
クリーチャー同士の戦闘では反撃を受け、双方の HP が相手の攻撃力の分だけ減少し、0 になったものは破壊されます。
この辺はまさに TCG のルール。

呪文カードは味方のクリーチャーを強化したり、相手に直接ダメージを与えるなどの効果が、その場で発揮されるもの。
すでに場に出ているクリーチャーと同じクリーチャーを出した時も、2体配置されるのではなく、両者が合体して強化されます。

ユニークなのはサポートカードで、味方を有利にする効果を毎ターン得られるのですが、ボード上にサポートコマが配置されます。
サポートコマには耐久力があり、そのコマをそろえられると耐久力減少、0 になると破壊されて効果を失います。
相手のサポートコマは、出来ればパズルで壊してしまいたいところです。

コマを4つそろえると直線上のコマをすべて破壊でき、サポートコマにもダメージを与えられます。
一度に5つ以上消した場合は、もう一度動かすことが出来ます。
ただ、パズル自体はシンプルなマッチ3ゲームなので、難しいものではありません。
落ちてきたコマで連鎖が発生する場合もあり、たまに大連鎖したりもするので、その辺の運も勝敗には絡みますね。

Magic The Gathering Puzzle Quest
※まずはコマを消してマナを貯める。 光の演出が綺麗です。
クリーチャーは3体までしか出せませんが、配置しきれない時は誰かがやられるまで待機させることが出来ます。
右は呪文カードの1つ。 呪文カードも発動タイミングを任意に選べ、必要な時までマナを貯めたまま待機状態にすることが可能です。


ゲームのメインモードは「ストーリー」です。
ストーリーと言っても物語が語られる訳ではなく、単なるステージクリアモードですが、使用カードが異なる様々なライバルが登場します。

勝利すると経験値となるストーンを得られ、条件を満たしていれば若干の課金通貨もゲット出来ます。
ただし、戦闘で減ったヒーローの HP はそのままで、時間が経たないと回復しません。
ここが「スタミナ制」になっている訳ですが、ダメージが少ないならそのまま連戦することも可能。
また HP はレベルアップすると全快するので、序盤のうちは「減ってきたらストーンを使ってレベルを1つ上げる」を繰り返すことで、ほぼスタミナを気にせずプレイし続けることが出来ます。

ヒーローのレベルが上がると HP の最大値やマナの入手量が増加、さらにヒーローの特殊能力も習得 / 強化されていきます。
特殊能力は紋章のコマを消すと得られるパワーを消費して使い、クリーチャーを強化したり、カードを引いたり、敵を弱体化させるなど、ヒーローごとに異なるものが用意されています。

デッキは 10 枚で編成しますが、山札と言うより、それに含まれているカードのどれかをランダムで引きます。
よって同じカードを何度も引く場合もあります。
カードはやはり課金ガチャ(ブースターパックの購入)で増やさなければなりませんが、ストーンでも(レアは出にくいですが)購入可能で、またゲームの進行で課金通貨も少しずつ貯まっていきます。
よって無課金でもそれなりに得ることは出来ますね。

追加ヒーローも課金通貨で買うのですが、最初に用意されている4人のヒーローはすごく安いです。
ちょこっとゲームを進めれば買える程度。
それぞれのヒーローをローテーションで使っても良いし、レベルを上げながら1人を集中して鍛えても良いし、この辺はプレイヤーの自由です。

難点は、メニュー画面のインターフェイスがやや解りにくいこと。
複雑な訳ではないのですが、日本のソシャゲのような使いやすさはなく、レスポンスも若干鈍い。
MTG らしい用語の解り辛さもあります。
ただ、メッセージや解説文はすべて日本語化されているので、多種多様なカードの効果は日本語で把握できます。

たまに落ちるのも難点で、落ちた際に負け扱いになって、ライフがごっそり減っていることも・・・
再プレイ時にはタスクから立ち上げるのではなく、タスクから消してアプリを起動し直した方が良いと思います。

私的に「アレ?」と思ったのは、対戦の「クイックマッチ」。
一応 MTG の名を冠しているので、オンライン対戦になっているのかと思ったのですが、他のプレイヤーのデッキと戦うだけでした。 実際に操作するのはコンピューター。

まあ、課金ガチャのあるゲームなので、対戦があっても「金をかけたもの勝ち」になりそうだし、オンライン対戦だと待ち時間も必要なので、これが無難なところでしょうか・・・
でも「それらしくない」という感はありますね。 この方が敷居は低いですが。

Magic The Gathering Puzzle Quest
※やや解りにくいのですが、追加ヒーローはメニューの「宝物庫」を選び、上部にある「プレインズウォーカー」のタブをタップすれば購入できます。
ヒーローのレベルは結構強さに影響します。 最初は1人か2人に絞って育てた方が良さそう。
各ヒーローが得意・不得意とする色は必ずチェックしておきましょう。


Magic The Gathering Puzzle Quest
※ストーリーモードのステージ選択画面と、デッキ編成画面。
目標達成で課金通貨ゲットなので、開始前に必ずチェックを。 達成できるかどうかは展開次第ですが。
デッキは合計 10 枚ですが、サポートは2枚、呪文は3枚までといった制限があります。
この制限はレベルアップにより解除されていきます。


パズルクエスト をそのまま流用しているのではなく、ちゃんと MTG らしさのあるものにアレンジされています。
パズル TCG」と言えるでしょうか。
一方で、コンピューターゲームとしては欠点である MTG 特有の「重さ」はなく、サクサクと遊べます。
ゲーム中の演出なども綺麗です。

単にバトルを繰り返すだけという印象もあるので、もうちょっとストーリー性のようなものが欲しかった気もしますが、でもゲームは十分に楽しめる出来だと思います。
課金が 600 円からと高めなのは難点ですが、課金しなくても普通に遊べますね。

いかにも大風呂敷を広げた、コケる気まんまんなタイトルでしたが、コケていません。
マッチ3ゲームではありますが、新スタイルのソーシャルゲームではないかと思います。

Magic: The Gathering - Puzzle Quest(iPhone 版、iTunes 起動)

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