iPhone AC 番外レポート

iPhone や iPad(スマホやタブレット)の、主にゲームアプリのレビューを行っています。

TCG

遊戯王 デュエルリンクス - 世界的に人気のオンライン対戦 TCG

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漫画から発祥したトレーディングカードゲーム(TCG)、遊戯王。
アニメの人気もあって日本だけでなく世界的なヒットとなり、今では世界でもっとも販売枚数の多い TCG と言われているこの作品の、オンライン対戦に対応したスマホ用オフィシャルアプリが公開されました。
遊戯王 デュエルリンクス」です。

このゲーム、10 月末に公開されていたのですが、その時点では取り上げませんでした。
なぜなら・・・

「俺のターン! 攻撃表示でモンスターを召喚!」
「いくぜ! ブラックマジック!」
「ぐああああ! 俺はカードで死ねるなら本望だ!」
「お前の想い、伝わったぜ!」

みたいな会話を、モンスターではなくプレイヤーが気合いの入った声で喋っているのを聞いていると、もう中二病全開すぎて恥ずかしくなって来たのです・・・
私は最初、これに耐えられなくて一度リタイアしました・・・

漫画やアニメが原作のゲームなので、こうした演出は当然ではありますが、この辺はちょっと「耐性」のない人には辛いですね。
(設定でアニメ演出を OFF にすることもできます)

しかし、これに慣れてしまうと・・・ TCG として十分に楽しめます。
スマホ / タブレットにはすでに ハースストーンシャドウバース という人気 TCG があり、それらは MTG(マジック・ザ・ギャザリング)系と言えますが、このゲームはそれとはかなり違うルール。
そのため最初は戸惑い、勝ち筋も解らなくて苦戦したのですが、解ってしまうと既存のルールと違うことが、むしろ新鮮です。

なるほど、これだと MTG と共存して発展していったのも頷けますね。
しかしそのため、既存の TCG プレイヤーほど、面白さを理解できる前にやめてしまうかも・・・

アプリ本体は無料。 TCG なのでカードパックを引く課金はあります。
スタミナはなく、オンライン対戦に制限はなし。 コンピューター戦を楽しむこともできます。

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Hearthstone: ハースストーン - 大定番の TCG

コンピューター TCG(トレーディングカードゲーム)の大定番。
現在、世界で最もプレイヤー人口の多いオンライン対戦カードゲーム。
それが「Hearthstone: ハースストーン」です。

日本では シャドウバース が猛追していますが、世界的に見ればこちらの方が中心で、そもそもシャドウバースはハースストーンがベースと言えます。
当初は英語のみで敷居が高かったのですが、今は日本語化され、セリフも日本の声優さんがバリバリ喋ります。

TCG のパイオニアであるマジック・ザ・ギャザリング(MtG)を元に、コンピューターでも遊びやすい形にアレンジし、手軽に本格的なオンライン対戦を行えるゲームとして爆発的にヒットしました。
演出やサウンドも優れ、アップデートも頻繁に行われています。

アプリ本体は無料。 課金はありますが、カードは無課金でも少しずつ集めていくことができます。
ただ、シングルプレイモードと専用カードが含まれた「アドベンチャー」と呼ばれる拡張セットがあり、これが結構高額。 無課金でもアンロックは可能ですが、かなり大変です。
まあ、当面は買わなくても問題ありません。

Hearthstone ハースストーン

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Plants vs. Zombies Heroes

2010~2011年に世界的大ヒットとなった、植物とゾンビが戦う一風変わったタワーディフェンス Plants vs. Zombies(プラント vs. ゾンビ)
それがなんと・・・ トレーディングカードゲーム(TCG)になりました。
Plants vs. Zombies™ Heroes」(PvZH)です。

あまりに予想外な展開に「えぇ~!?」と思いましたが、短時間で楽しめる高クオリティーな TCG で、システムも結構本格的、それでいて PvZ らしさも残っています。
最近は ハースストーンシャドウバース がコンピューター TCG の定番ですが、それよりもっと手軽に楽しめる作品として人気になりそうですね。

アプリ本体は無料ですが、カードパックを買う課金はあり。
しかし繰り返し対戦していればゲーム内通貨が貯まっていき、それでパックを買うことも可能です。
広告・スタミナはありません。

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シャドウバース (Shadowverse)

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サイゲームスのハースストーン。色々な意味で有名になったソーシャルゲームメーカー Cygames が、本格 TCG(トレーディングカードゲーム)を公開しました。
シャドウバース (Shadowverse)」です。

サイゲームスは昨年秋、世界的定番の TCG「マジック・ザ・ギャザリング(MTG)」のプロプレイヤー3名とスポンサー契約を締結、TCG プロチーム「Team Cygames」を設立していました。
よって近々、自前の TCG アプリを公開するのだろうと、その頃から言われていたのですが・・・
それがようやくお目見えした、といったところですね。

出て来たものは意外にも MTG ライクではなく、Hearthstone(ハースストーン)のクローン。
MTG は実物のカードゲームであり、コンピューターゲームのオンライン対戦には向かないので、オンラインゲーム用に開発されたハースストーンの方をベースにしたようです。
無論、そのままパクっている訳ではなく、ゲーム中にカードを「進化」させられるなど、独自のシステムが盛り込まれています。

アプリ本体は無料ですが、課金やガチャ(カードパックの購入)はあります。
ただ、スタミナはなく、いくらでも対戦でき、広告などもありません。

シャドウバース Shadowverse

シャドウバース Shadowverse

2人で対戦するカードゲームです。 デッキ(山札)の枚数は 40 枚。
最初の手札は3枚ですが、一度だけ不必要なカードを交換できます。

自分のターンになったプレイヤーはデッキからカードを1枚引いた後、手札を場に出していきます。
ただしカードには「コスト」があり、その分だけ「PP」というポイントを消費します。

この PP は最初は1なので、コスト1のカードを1枚しか出せません。
2ターン目になると PP の最大値が2になるので、コスト2のカード1枚か、コスト1のカード2枚を出すことが出来ます。
PP の最大値は自然に増加し、MTG のようにカードを使って増やす必要はありません。

このゲームのカードは3つの種類に分かれます。
1つはユニット(兵士、クリーチャー)のカードで、このゲームでは「フォロワー」と呼ばれます。
場に配置して、次のターンから敵を攻撃可能。
敵フォロワーを攻撃すると互いの HP が相手の攻撃力の分だけ減少し、0 になった方は破壊されます

相手のリーダー(ヒーロー)を攻撃し、HP を 0 にすれば勝利ですが、ガードの能力を持つフォロワーが場にいる場合、それを倒さないとリーダーへの攻撃は出来ません。

他に、使い捨ての「スペル」カードと、場に配置されて継続的に効果を発揮する「アミュレット」のカードがあり、敵に直接ダメージを与えたり、味方を強化するなど、様々な効果のものがあります。

基本的には ハースストーン を踏襲しているので、そちらの経験があれば悩まずに遊ぶことが出来るでしょう。
ユニットが出す端から破壊されていき、1プレイが短時間で決着する、スピーディーな展開もハースストーンと同様です。
画面の構成も似ていますね。

ただ、ハースストーンにあったヒーロー自身の特技「ヒーローパワー」はありません。
代わりに今作にある独自のルールが「進化」。

5ターン経過後、先攻は2回、後攻は3回まで、場のカードを強化することが出来ます。
しかも進化させたカードは、場に出したばかりのターンでも敵フォロワーへの攻撃が可能なため、ピンチになってもこれで切り抜けられることが多いです。
もちろんこれで勝負を決めに行くことも出来ます。

進化によって特技を発生させるカードもあり、いつ使うかが重要なポイントであると同時に、試合の高速化にも繋がっていますね。
リーダーの HP も最大 20 と、ハースストーンより少なめなので、勝負は一気に決まる場合が多いです。

シャドウバース Shadowverse
※画面の演出はとにかく派手! ハースストーンも派手でしたが、その数倍は派手。
閃光が走り、剣撃や魔法弾が飛び交い、召還時には雷鳴が轟きます。
ボイスも豊富で、かなり気合いの入ったクオリティ。
ハースストーンのように、タップすると反応する装飾もあります。


シャドウバース Shadowverse
※カード進化のシーン。 こちらもやっぱり派手。 リーダーの絵も手などが動きます。
「進化」は出した直後のカードでも攻撃可能になりますが、召喚酔いがなくなる訳ではなく、リーダーへの攻撃はできません。
ただし、すでに配置して1ターン経過しているカード、つまり召喚酔いがないユニットは、進化させてもリーダーへの攻撃が可能です。
リーダーを倒せるかどうかの計算は進化の分も忘れずに。


現時点(2016/6)で登場するリーダー(ヒーロー)は7人。
それぞれが固有のカードを持ち、全く異なる戦法で戦う必要があります。
TCG 初心者向けに、性格付けをかなりハッキリさせている印象がありますね。

私見ですが、各リーダーの特徴は以下の通りです。

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アリサ:手札わらわらデッキ。かわいい。手札を増やし、まとめて出すことで強化されるカードが多く、カードの管理が重要になる。やや火力不足だが、手札の多さを攻撃力に直結できるカードがそろえば補える。あまり初心者向けとは言い難いテクニカルキャラだが、戦法は構築しやすい。

エリカ:わらわら速攻デッキ。メイド。場に出ているカードを増やすものが多く、増えた兵士を強化するカードもあり、数の優位で戦うスタイル。1体1体は弱いが、追い込み型デッキに速攻が決まれば一方的に勝てる。増やして殴れば良いので初心者でも戦いやすい。

イザベル:スペル系デッキ。おっぱい。スペルを使うことで強化されるカードがあり、スペルで防戦しながら強カードを準備できる。また素材カードを消費してガードユニットを召喚できる。強化するヒマがない展開になると脆いが、スペルを多用できるので汎用性が高く、ハマればめっぽう強い。

ローウェン:典型的な後半追い込み型。貴重な男性キャラ。PP(最大コスト)が7になると強化されるカードが多く、序盤は耐え、PP が増えてから高コストユニットで圧倒しに行くスタイル。強いカードが多いが、引きが悪いと速攻にはあっさり負ける。中盤でどう巻き返すかが重要。

ルナ:アンデッド系デッキ。ロリキャラ。墓場(捨てカード)の枚数を消費して特殊効果を発揮するカードがある。相手を即死させる「必殺」や、死んでも復活する特技など、使い勝手の良いカードが多い。バランス型で多様な戦法を取れるが、中途半端だと弱いので、作戦に合わせたデッキ構築が必要。

ユリアス:HP が半減すると強くなる特殊型。スマートおやじ。双方のリーダーにダメージを与えるカードを使いつつ、攻撃時に回復するドレイン能力で自身の HP を維持するのが基本。リーダーの HP が半減しないと効果を発揮しないカードが多く、HP 増減の管理が必要。速攻型と言うか、殺られる前に殺るタイプ。

イリス:召喚デッキのお姉さん。このゲーム特有の性質を持つ。数ターン後に強力な効果やユニットを発生させるカードが多く、時間はかかるが低コストで強いユニットを呼び出せる。回復カードも多めで、敵を消滅させる強力なスペルも多い。ガードユニットが多く、守りながら戦う防戦型。

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どのリーダーも固有の戦法を取るためのカードがデフォルトデッキに含まれているので、使い方を誤らなければ、初期状態でも相応に戦えます。

また、このゲームにはソロプレイ用のストーリーモードがあり、ここがチュートリアルを兼ねていて、プレイ方法に加え、戦法も丁寧に教えてくれます。
シナリオモードではそれぞれのキャラクターの物語も展開され、しかもセリフはフルボイス
このソロの部分をしっかり作ってくれているのは、日本製らしくて良いですね。

ただ、現時点では各リーダーともシナリオは6戦目までしかなく、それ以後はバトル(オンライン対戦)に挑んでいくことになります。

シャドウバース Shadowverse
※7人のリーダーはそれぞれ性質がまるで違います。
このエリカというキャラは数で勝負する「わかわらデッキ」ですが、手札は最大8枚、場のカードは最大5枚なので、適度に減らしながらプレイすることも必要です。


シャドウバース Shadowverse
※ストーリーシーン。 静止画では解りませんが、オーラの表現が綺麗です。
オンライン対戦前に、コンピューター相手にしっかり練習できるのは良いですね。
海外のオンライン対戦ゲームはその辺を重視しませんが、今作はそういうことはありません。


オンライン対戦は、現在はユーザーが多いため、マッチングに時間はかかりません。
対戦レスポンスも良く、何度か落ちたことはありますが、快適と言って良いですね。
マッチングも同じレベルの人が選ばれるようで、不当に高い相手とマッチングされたことはまだありません。

「特定のキャラで勝利せよ」「対戦で4回勝利せよ」などのミッションが1日3つまで与えられ、これを達成することでカードパックを引くためのチケットやゴールドを貰えます。
最初のうちはストーリーモードを進めていくことでも得られます。

カードパックには8枚のカードが入っていて、ハースストーンより多め。
やはり「レアリティ」があり、高レアカードはなかなか入手できませんが、バランスはしっかり取られているようで、「それがあったら無敵」みたいなカードは今のところ見られません。
この辺は MTG のプロチームを抱えている訳ですから、その監修の元、入念な調整を行っているものと思われます。

また、いらないカードは「エーテル」と呼ばれるものに分解でき、これを貯めて欲しいカードを直接生成することも可能です。

ただ、やってて気になるのは・・・ 女性キャラの割合が非常に多いこと。
人間型カードの8割は女の子で、もうここまで来ると「ギャルゲー」。
リーダーからして女性5人、男性2人。

女の子は可愛らしく描かれていて、それはもちろんブサイクやアメコミ的女性より良いのですが、ここまで美少女ばかりだと、普段ギャルゲーをやらない身としては非常に違和感があります・・・

さらにカードごとに様々なボイスが付いていて、もちろん豪華で良いのですが、デッキによっては女の子カードばかりの女の子ボイス連発のゲームになる訳で・・・
これがどの層に向けたゲームなのか解りませんが、一般向けのゲームとして考えると、ちょっと敬遠してしまう人も少なくないんじゃないかなと思います。
まあ、ギャルゲー好きは喜ぶでしょうし、悪いという訳ではありませんが・・・

シャドウバース Shadowverse
※何の説明もなくて非常に解りにくいのですが、オンライン対戦時にセリフを喋るのは、リーダーを長押しして行います。
周囲に表情のアイコンが現れるので、そこに指をスライドして離しましょう。
セリフはボイスで発声され、キャラごとに異なります。


シャドウバース Shadowverse
※カード一覧の一部。 見てのように女の子成分過剰。
ここまで来るとねぇ・・・ ギャルゲーだよねぇ・・・ もちろんリアルに描かれたモンスターなどもたくさんいるのですが・・・


ハースストーン をベースに、MTG を参考にしたカードと、オリジナルのルールを加えた感じでしょうか。
「進化」のシステムはソシャゲ会社っぽいですが、ちゃんとゲームの重要な攻略要素になっています。

また、このゲームは完全な新作であるため、対戦しやすさもあります。
ハースストーン は iOS で公開された時、すでにパソコンで1年近く、世界規模で運営されていました。
ですから iOS のユーザーが入ろうとした時、周囲にいたのはもはや「世界中の玄人」であって、ゲーム自体は初心者でも遊びやすい内容でしたが、「途中参加の辛さ」みたいなものがあったのは否めません。

しかし今作はまだそういうものがないため、参加しやすい印象がありますね。
この辺は時間が経つと変わって来るかもしれませんが、サイゲームスはライトユーザーも多いソシャゲメーカーですから、それが良い方向に、玄人向けになり過ぎない方向で影響してくれればと思います。

サイゲームスと言えば、ソシャゲで様々な問題を引き起こしている事でも知られていますが、今作の課金圧力は低く、カードパックはむしろ他の TCG より安めで、カードごとの排出確率なども明記されています。
過去のことを考えると、不安もあるのが本音ですが・・・
運営さえ良ければ、日本 / アジアのコンピューター TCG の定番になっていくのではないでしょうか。

シャドウバース (Shadowverse)(iPhone 版、iTunes 起動)

シャドウバース (Shadowverse)(Android 版、Google Play へ移動)

こちらの記事 の最後にも、各キャラの有用なカードの紹介を掲載しています。

※Youtube 公式 PV

DeckDeDungeon2 - Deck building RPG

デッキ構築型カードゲームと RPG を融合させた、非常に戦略性の高いゲーム「DeckDeDungeon」(DDD)シリーズ。
個人作成でありながら、そこいらの中小メーカーでは足元にも及ばない程の優れたゲーム性を持つシリーズですが、その最新作が iOS にも登場しました。
DeckDeDungeon2 - Deck building RPG」です。

カードバトルの RPG ですが、敵を倒すごとに新しいカードが手に入り、それによってデッキ(山札)の枚数がどんどん増えていくのが特徴です。
ドミニオン(Dominion)をやったことがある方なら解ると思いますが、こうしたデッキ構築型のゲームは枚数が増えるほど各カードの回転率が悪化していくため、カードの取り方が悪いと墓穴を掘ります。
どのカードを集め、どういう方法で敵を倒し、どうやって厄介な特殊攻撃に対応していくか、それらを考えながら進めていく思考性の高いゲームですね。

名前は「DeckDeDungeon2」ですが、シリーズの3作目にあたります。
見た目は1作目の DeckDeDungeon より、2作目の DeckDeFantasy の方に近いですね。
しかし内容は1とも2とも異なっており、「デッキ構築型カードゲーム+RPG」というスタイルは同じですが、新しいルールのゲームになっています。

アプリ本体は無料ですが、下部にバナー広告があり、ガチャやスタミナもあります。
ただ1プレイが 20 分ほどかかるゲームなので、スタミナは全く気になりません。もう存在が疑問な程に。
ガチャに必要な課金通貨もゲームの進行やクエストの達成で相応に手に入ります。
バナー広告は課金すれば消え、強制の全画面広告などはありません。

deckdedungeon2

DeckDeDungeon(1)は攻撃カードの効果をスキルカードで強化するシステムで、この2つをセットで使っていました。
DeckDeFantasy は6人のメンバーでパーティーを組み、そのメンバーがスキルを持っていて、それとカードの組み合わせが重要になっていました。

そして今作は・・・ パーティー制ではなくなり、初代のスタイルに近くなっています。
レベルアップや装備はなく、ガチャや冒険で得たカードで 10 枚の初期デッキを組んでスタート。
5枚の手札を1枚ずつ出して敵にダメージを与えていきます。

今までと大きく違うのは「1枚ずつ」という点。
従来は複数のカードをセットで出して、その合計分のダメージを与えていましたが、今回は攻撃カードを1枚出すごとに攻撃を行います。

そして多くのカードにしばらく継続する「状態変化」が付いていて、それを利用して攻撃を強くしていきます。
例えば、攻撃に毒を追加する効果を獲得してから連続攻撃のカードを出すとか、回復した分だけ敵にダメージを与えられるカードを使ってから回復カードを出しまくる、といった感じですね。

状態変化の数に制限はなく、10 以上の変化が同時にかかった状態になるのも茶飯事です。
複数の状態変化を貯めに貯めてから攻撃を行えば、超強力な攻撃を叩き込むことが可能です。
もちろんそのためには、準備に必要なカードをデッキに集めておく必要がありますが。

もう1つ今作で変わったのは、1ターンに何度でもカードを出せること。
カードには「コスト」があり、出すごとにその分だけ「PP」と呼ばれるポイントが減っていきますが、PP が尽きるまでは何度でもカードを出せます。
PP を貯めたい時は出さずにパスすることも可能で、うまくいけば PP を回復するカードと手札を補充するカードを併用し、「ずっと俺のターン!」をすることもできます。
もちろん、永久に「ずっと」はムリですが。

ターンを終了させると手札が補充され、敵に付いているカウンターが減り、0 になると攻撃を行ってきます。
今作のプレイヤーの最大 HP は 20 で、これは大きく増減しません。
よってそんなにインフレしたダメージを受けることは、当面はありません。
ただ最大 HP が低い分、ダメージはこまめに回復しないと危険ですし、マイナスの状態変化は早く対処しないと致命的になります。

敵を倒すと5枚のカードが提示され、その中から1枚をデッキに加えることになります。
「カードを取らない」という選択は出来ず
、どれを選ぶかが重要。
出て来るカードはランダムなので運も絡みますが、ローグ的なシステムと言えるでしょう。

山札がなくなると捨て札がシャッフルされて、新たな山札になります。
同じデッキが繰り返し使用され、山札が尽きてゲームが終わるということはありません。

DeckDeDungeon2
※左はデッキ構築画面。 デッキは多数登録できて、名前も付けられます。 
この画像はガードで攻撃もできる「盾撃」スキルで戦う攻防一体デッキにしています。
ただしガードは先制攻撃に弱いので、それを防ぐ警戒のカードが欲しいところ。 また、どんなにガードを固めても食らう時は食らうので回復カードも必要。
右は連続攻撃の「カマイタチ」で毒やら何やら入れているところ。
カマイタチはコスト1、レアリティ1、攻撃1の最弱カードですが、低コストで3回攻撃できるため使い方次第ではすごく強いです。


今作は 20 階、つまり 20 体の敵を倒せばクリアになります。
よって今までより早くケリが付きます。
しかし簡単という訳ではなく、むしろ難易度は高め。
最初のうちは 10 階あたりでダウンすることになるでしょう。

ボスの打倒に成功するか、途中で倒れると、成果に応じたコインや名声、カードなどの報酬を貰えます。
コインや名声は初期デッキ用のカードの購入に使え、名声は上位難易度のアンロックにも使用します。
カードの最大の入手方法はガチャですが、課金通貨のダイヤはクエストの達成(および任意動画広告の閲覧)でも獲得できます。

初期デッキは前述したように 10 枚で構成します。
そんなに多くなく、ゲーム中に得られるカードも 20 階で終わりと言うことは、19 枚しか入手機会がないことになります。
その分、初期デッキに入れるカードが重要。

明確な戦略を持ってカードを構成しないと、後のステージや上位の難易度では太刀打ちできません。
もちろん強いカードがないとなかなか強いデッキは組めませんが、強カードはコストも高いので扱い辛くなります。
今回は「単に弱いカード」というのはなく、どれも使い道があるので、プレイヤーの経験と、そこから導き出すデッキのコンセプトがもっとも重要になりますね。

DeckDeDungeon2
※ダンジョンは最初はチュートリアルを含めて2つしかありませんが、ゲームの進行によって増えていきます。
難易度は名声でアンロックするので無駄遣いはしないように。
イベントダンジョンやランキング専用ダンジョンも用意されていますが、ランキングダンジョンには使用禁止カードがあるので注意。


キャラクターの育成要素はなくなりましたが、カードが貯まっていくことで確実にデッキ構成の幅が広がっていくので、その点での「RPG 感」はあります。
ゲームも解りやすくなり、1プレイの長さも短縮され、遊びやすくなりました。
また攻撃時に様々な状態異常やダメージがバシバシと連続で入るので、「作戦が決まった感」も強くなっています。

もうゲームシステム的には、ドミニオン から大きく離れた印象です。
初代の DeckDeDungeon は「ドミニオンを RPG にしたもの」という感じでしたが、その頃の面影はありません。
シリーズ作を3つ作って、それぞれルールが異なり、各ゲームに固有に面白さがあるのは凄いと思います。

前作の DeckDeFantasy は当初、アプリの完成度が低く、落ちまくる・巻き戻りまくる問題がありましたが、今回はそれも改善されています。
まあ、今でもプレイ中に引っかかることは間々あり、内容の割にはバッテリーの消耗も大きいのですが、前のように落ちまくることはないし、少なくとも iPhone 6 Plus では快適に遊べています。

私は前作もかなりハマっていたのですが、今作もすでにハマっています。
ホントにこのシリーズはハズレがないですね。
延々と遊べる、オススメのアプリです。

DeckDeDungeon2 - Deck building RPG(iTunes が起動します)

World of Tanks Generals

各国の戦車が入り乱れて戦う、世界的に大ヒットしているオンライン対戦のリアル戦車戦ゲーム「World of Tanks」。
その WoT の・・・ 「カードゲーム版」の正式公開が始まりました。
World of Tanks Generals」です。

ただし、現時点では iPad 専用なのでご注意下さい。

先日の Dominion(ドミニオン)に続き、iPad 専用カードゲームの紹介で申し訳ないのですが、このゲームはあの WoT を運営する Wargaming.net の公式な派生作であり、優れたオンライン対戦のゲームで知られる同社が TCG(トレーディングカードゲーム)にも参戦したとあって、注目されていた作品です。
今年の春から β テストが行われていたのですが、入念な調整を経て、ようやく先日 iPad と PC で正式スタートに入りました。

カードゲームと言っても、実際には TCG より、ターン制の戦術シミュレーションゲーム近いです
マスの上に戦車のユニットを配置し、移動させて敵戦車を撃破しながら、敵の司令部へと進軍していきます。
だからボードゲームやドイツゲームの類いと思った方が良いかも知れませんね。
ただ、手札やデッキ構築の要素がありますし、1プレイは 10 分程度でケリが付きます。

World of Tanks Blitz などと同じく、アプリ本体は無料、スタミナもありません。
タダでいくらでも遊べ、広告やガチャもなく、課金要素は経験値と資金の入手量が 1.5 倍になる「プレミアムアカウント」の期間延長などがメインです。

World of Tanks Generals WoTG

World of Tanks Generals WoTG

1対1で戦うゲームで、フィールドは 5x3 の四角いマスで区切られており、その隅に両軍の司令部があります。
各プレイヤーはデッキ(山札)から6枚のカードを引いてスタートします。

プレイヤーは自分のターンが来たら、戦車カードを司令部の周辺のマスに配置できます。
戦車にはコスト・攻撃力・耐久力があり、もちろん強い戦車ほど高コストです。

配置にはコストと同じ分の「リソース」が必要で、燃料マークで示されており、最初の司令部の初期リソースは5なので、コスト5の戦車を配置したらそれでターン終了。
コスト2の戦車なら2つ置けますね。
リソースは毎ターン、最大値まで回復します。

配置した戦車は、すぐに行動が可能です。 このゲームに召喚酔い(配置直後は動けないこと)はありません。
ただ、戦車には 軽戦車・中戦車・重戦車 などの区別があって、軽戦車は配置直後から移動と攻撃が可能ですが、中戦車は攻撃しか出来ません。

攻撃は隣のマスの敵ユニットに可能で、ナナメも OK。 ただし相手の反撃も受けます。
互いの戦車の耐久力が、相手の攻撃力の分だけ減少し、耐久力がなくなった戦車は破壊されて取り除かれます。
ただし反撃できるのは各戦車、1ターンに1回のみ。
よって集中攻撃をすれば、2度目以降の攻撃は反撃を受けません。

なお、重戦車は強いのですが、攻撃すると次の自分のターンまで反撃できない状態になります。
駆逐戦車は常に先制攻撃可能で、反撃は相手が生き残っている場合のみ受けます。

そして司令部も、「砲撃」で敵を攻撃することが可能です。
遠距離攻撃なので画面全体に届き、反撃も受けません。
おまけにいきなり司令部で敵司令部に砲弾を撃ち込むことも可能なので、当初は司令部同士の撃ち合いが続きますね。

リソースの最大値は、戦車を配置することで増えていきます。
「戦車を置くと燃料が増える」ってのもヘンな話ですが、とにかく部隊を増やすことが更なる部隊の拡大に繋がり、そして相手の戦車を撃破することで敵のリソースの削減も狙えます。
ただし増えるリソースの量は戦車によって違い、一気に2つ増える戦車もあれば、リソースが増えない戦車もあります。

World of Tanks Generals WoTG
※こんな風に戦車を移動させて攻撃できるので、本当にプレイ感は大戦略っぽい。
軽戦車は2ターン目以降、横方向なら2マス動くことができ、「1歩移動 → 撃つ → 一歩下がる」といった行動も可能です。
移動力が残っていれば攻撃後でも移動できるのを忘れずに。


World of Tanks Generals WoTG
※直接司令部に砲弾を撃ち込めるので、司令部の HP はどんどん削られていく。
指令部の回復や防御の手段を考慮しておきましょう。
敵戦車を砲撃する場合、その敵戦車の隣に味方のユニットがあって、その敵が索敵(スポット)されている状態でなければ撃ち込めません。
砲撃が可能な自走砲という車輌も存在します。


他の TCG の魔法カードに相当する「指令カード」も存在します。
指定した敵にダメージを与えたり、司令部を回復させたり、手札を引いたりすることが出来ます。

このゲームはリソースさえあれば複数の戦車や指令カードを一気に出せますが、カードは1ターンに1枚ずつしか補充されないので、手札がなくなりがち。
その辺も攻略のポイントと言えるでしょうか。

また、前述したように配置されたばかりの部隊がいきなり攻撃できるので、敵司令部に近付いても、いきなり出てきた戦車に攻撃されまくりボロボロになる場合もあります。
進軍したいけど不用意には近づけない・・・ しかもやられると最大リソースが下がる。
この辺もゲームのポイント。

ただ、各戦車の反撃は1回のみなので、集中攻撃されると危険です。
互いに複数の戦車を出している時は、先にしかけた方が有利で、待っている方が不利。
この辺のバランスは、うまく取られていると思います。

ゲームが進むと、司令部に装備できる「分隊カード」も登場します。
これがあると司令部の砲撃力がアップしたり、ダメージを分隊が肩代わりしてくれたりします。
中盤からは、その使い方も重要になりますね。

World of Tanks Generals WoTG
※ドイツの2号戦車。 コスト1で出せる軽戦車で、このゲームは出してすぐ動ける軽戦車は使いやすい。
カードは出しまくれば良いというものではないので、反撃用のカードも残しておきましょう。
ただ、出来るだけ数の優位は保ちたいところです。


World of Tanks Generals WoTG
※ソ連の砲兵分隊カード。 司令部の砲撃を強化するもので、他の TCG の装備カードに近い。
数度使うとなくなりますが、かなり強力で、砲兵入手のためソ連も育てておきたいところ。


勝っても負けても、資金や経験値を得られます。 もちろん勝った方が多いです。
これらの扱いは World of Tanks や World of Warships とあまり変わりません。
経験値は経験値と言うより研究ポイントで、司令部ごとに蓄積され、これを使って「技術ツリー」にある新しいカードをアンロックできます。
アンロックしたカードは資金で購入してデッキに編入できます。

デッキ(山札)の枚数や初期リソースは司令部ごとに異なり、一様ではありません。
最初は 30 枚でデッキを構成するのですが、1つ上の司令部は 40 枚でデッキを作ります。
多くても少なくてもダメ。
司令部ごとに「敵を倒すと HP 回復」「砲撃力が強いがリソースが少ない」などの特徴も持ちます。

技術ツリーは現時点で ドイツ・アメリカ・ソ連 のものが用意されています。
カードごとに通常効果と、特定の国で使われた時のみ発生する効果があるので、自国のカードがメインになりますが、分隊カードの通信系はドイツやアメリカで得やすく、砲撃系はソ連の方が得やすいといったように国ごとに得手不得手があるため、カードの選択肢を増やしたいなら、各国でゲームを進めることが必要になります。

課金通貨でなければ買えない「プレミアムカード」もあって、強力な効果を持ちますが、「強カードをたくさん持っている=一方的に有利」という訳ではありません。
カードには強さの目安となる「カードパワー」という数値があって、強力なカードばかりで構成されたデッキは、この合計値が高くなります。
そして対戦相手は、カードパワーが同じぐらいの相手しか選ばれません

つまり強カードだらけのデッキだと、強カードだらけの相手と戦うことになります。
「カードパワーが低いのに強い」というカードがあったら、それは本当に強いカードと言うことになりますが、すでに半年以上に渡ってテストされてきたゲームですし、そこまで極端なカードはないようです。
あったとしてもアップデートで調整されるでしょうね。

World of Tanks Generals WoTG
※ドイツの司令部の皆さん。 ドイツは将軍名や地名が司令部の名前になっています。
でもアメリカやソ連は「第2装甲」とか「第21大隊」とかの名前で、史実通りではあるんだろうけど、ちょっと味気ない。
WoT 的に言うと「司令部=戦車」であり、「カード=モジュール」です。


World of Tanks Generals WoTG
※クラウゼヴィッツ閣下の技術ツリー。 通信分隊を簡単に取れるのが嬉しいですが、指令カードが多く戦車は少なめ。
問題はまだ正式スタートしたばかりなので、上位カードを持っている人が少なく、同じぐらいのカードパワーの人としかマッチングされない影響で、上位司令部とか使うとなかなか対戦相手が見つからず経験を稼げないこと。
まあ、この辺は時間の経過で徐々に改善されていくとは思います。


さすが World of Tanks のメーカーだけあって、TCG としては非常にクオリティが高いです
演出やサウンドも良く、対戦中のレスポンスなども快適で、コンピューター TCG としては ハースストーン に並ぶ完成度と言えるでしょう。
長期的な拡張要素もあるので、長く楽しむことが出来ますね。
一方で、既存の TCG とはかなりシステムが異なるので、他と競合するようなゲームではない気がします。

難点は1人で遊ぶモードがないことで、Bot を相手にした練習モードはあるのですが、本当に単なる練習なので、経験値も資金も得られません。
いきなりオンライン対戦に放り込まれるのはやや敷居の高さがありますが、MOBA のようなチーム戦ではなく1対1の対戦なので、弱くても味方に迷惑がかかる訳ではなく、その点では気楽に遊べます。

まだ iPad 版のみですが、World of Tanks Blitz も iPhone 版や Android 版が出ているので、スマホでもいずれ遊べるようになると思います。
もちろん PC(ブラウザ版)で遊んでも良いのですが。

マニアックな題材のゲームですが、WoT のプレイヤーや戦術シミュレーションが好きな方、カードゲームやドイツゲームのファンの方には、かなりオススメのアプリです。

World of Tanks Generals(iTunes 起動、iPad 専用)
PC 版 World of Tanks Generals(公式サイトへ移動)

Dominion(ドミニオン)

※このアプリは「ドミニオン オンライン」の運営会社変更に伴い、公開終了しています。

ゲームを進めながら自分のデッキ(山札)にカードを加えていく、「デッキ構築型ゲーム」というシステムを創始した、世界大会も行われている有名カードゲーム Dominion(ドミニオン)

2009 年には専門家による表彰「ドイツ年間ゲーム大賞」、愛好家による投票「ドイツゲーム賞」、カードゲームの最高表彰「アラカルト・カードゲーム賞」、その他数々の表彰を総ナメにしています。
その公式アプリが、ようやく iOS に登場しました。
Dominion」です。

ただし、現時点(2015/12)では iPad 版のみですので悪しからず・・・

このアプリ、iPhone 史上最大の「出る出る詐欺アプリ」でした。
当初は非公式なドミニオンアプリが公開されていて、完成度も悪くなかったのですが、公式ライセンスを得た会社からのクレームで早々に削除。
その後、そのアプリを取り込む形で iOS 版の開発が行われていたのですが、何度もスクリーンショットや開発状況が発信されるも、発売に至る気配なし。

そして1年ほど経ち、誰もが忘れた頃に「iPhone のドミニオンも公開されたよ!」というアナウンスが出たのですが、それは「PC 版を iPhone や iPad でも遊べるよ」という話で、当然タッチパネルに最適化されていないので操作性もレスポンスも悪い。
フザケンナとクレームが出る中、とうとうアプリ版の話は一切語られなくなってしまいました。

それから数年・・・ 派生作の たんとくおーれ の方が先に発売されてしまい、PC 版も初期バージョンの運営が終わって、このまま消えてしまうのかと思っていたら、その後に公開された PC 版「Dominion Online」の移植となる iPad 版が、先日いきなり公開されました。

※そしてまた消えました・・・

余談が長くなりましたが・・・ ともあれ PC で運営されているものがベースなので、ちゃんと作られているし、数多く登場した拡張セットのカードも網羅されています。

アプリ本体は無料で、課金しなくても基本セットのドミニオンなら十分楽しめます。
ゲーム終了後に全画面広告が出て来ますが、スタミナなどはありません。
ただ、詳細は後述しますが・・・ 拡張セットの値段はビックリするぐらい高いのでご注意を。

Dominion ドミニオン

Dominion ドミニオン

ドミニオンは「コイン」のカードを使って、「アクション」や「勝利点」のカードを集めていくゲームです。

各プレイヤーは自分のデッキから5枚のカードを引いて手札とし、コインのカードを出して、場にあるコイン・アクション・勝利点のカードを購入します。
コスト4、つまり価格が4のカードなら、手札にあるコイン1のカードを4枚出せば買える訳ですね。
コイン2のカードなら2枚出せば購入できます。

アクションカードには、カードを3枚引ける「鍛冶屋」など様々な効果のものがあります。
アクションカードの使用とカードの購入は1ターンに1回ずつしか行えませんが、そのターンのアクション使用回数を増やす「村」、カード購入数を増やす「木こり」などを使えば、複数の行動を行えます。
もちろんそのためのアクションカードも、事前に購入しておく必要がありますが。

買ったカードは「捨て札」に移されます。
「買ったのに捨てるの?」と思われそうですが、ドミニオンは山札がなくなったら、捨て札をシャッフルして新しい山札にします。
つまり捨て札は「後から手札に戻ってくるカード」という事になります。

自分のターンが終わったら、手札はすべて捨て札にして、山札からまた新たに5枚のカードを引いて手札にします。
このため手札は、そのターンに使えるだけ使って構いません。
このアプリでは、まずアクションカードを使用して、その後にカードの購入を行います。
購入時に「PLAY TREASURES」のボタンを押すと手元のコインカードが全部場に出されるので、普段はこのボタンで一括して出してしまいましょう。

ゲームの目的は緑色の「勝利点カード」を買い、点数を貯めることです。
ただ、勝利点カードは使用することは出来ません。 手札に来たら、単に邪魔なだけ。
よって集めなければならないのに、集めるほどデッキに余計なカードが増えてしまうことになります。

デッキのカードが少ないうちは、それぞれのカードが頻繁に手札に戻ってくる訳ですが、デッキの枚数が増えるほど各カードの回転率は下がっていきます。
これを考慮し、必要なカードを必要なだけデッキに加え、要らないカードを取り過ぎないようにして、勝利点カードは準備が整ってから獲得していくのが、ドミニオンの基本的な戦略になります。

アクションカードの中には、コインカードの価値を上げる「鉱山」、カードを完全に破棄する「礼拝堂」といったものもあります。
これらを使ってコイン1のカードを減らし、2や3のコインカードに変えて、デッキを圧縮するのも戦法の1つですね。

ゲームは「勝利点6」のカードが全部なくなるか、それ以外の3種類のカードがなくなる(売り切れる)と終了で、その時にもっとも勝利点が高い人が勝者です。

Dominion ドミニオン
※鉱山カードを使うと手札が燃える。 こういう演出は良いですね。
ちなみに燃えているのは、そのカードを破棄することを表わしています。


Dominion ドミニオン
※1人用モードのエリアマップ。 こういうモードがあると長く楽しめて良いですが・・・
ただ、後半ステージに行くにはカードのセットの購入が必要。


アプリのクオリティは相応に高く、手札は扇状に広げられていて、カードの移動も解りやすいです。
手札はドラッグでもタップでも出すことができ、操作性も問題ないですね。
効果音は少なく、BGM も2曲が交互に流れるのみですが、カードの絵は細かく描かれています。

ゲームはオンライン対戦と1人用のキャンペーンモードに別れていて、キャンペーンがあるのは嬉しいところ。
チュートリアルをクリア後、20 ステージで構成されているエリアをクリアしていきます。
無料版では3つのエリア、計 60 ステージをプレイ可能です。

オンライン対戦は PC 版のプレイヤーとも対戦できるようで、人が多くマッチングも早いです。
対戦中のレスポンスも快適で、この辺はさすが PC のオンライン版の移植と言ったところ。

しかしこのアプリ、ゲーム以外の部分に難点が多いです・・・
まず、ネットに接続されていないと1人用モードさえプレイできません。

1人用の時でも頻繁にサーバーとの通信を行っているようで、短時間でも接続が切れるとすぐに再接続のメッセージが表示されます。
そしてこの頻繁な通信の影響か、バッテリーの減りもすごく早い。
そんなに高度なグラフィックが使われている訳でもないのに、気が付くとなくなっています。

そして課金。 基本セットで遊んでいるうちは無料でも問題ないのですが、キャンペーンで拡張セットが必要なステージに進むには、150 ゴールドでカードセットを買わないといけません。
「150 円なら安いんじゃない?」と思うなかれ・・・ 160 ゴールド分の課金で、お値段 1900 円。

拡張セットは合計8種類あり、一括購入も用意されているのですが、1115 ゴールド必要。
そして 1200 ゴールド分の課金額は、なんと 10,800 円!
いやー、タダより高いものは無いですね。

まだ iPad 版しか無いこと、メッセージが英語なことも難点と言えるでしょうか。
ただ、基本のカードセットのみで遊ぶ場合は、カードの種類はそんなに多くないので、英語でもあまり問題はありません。

Dominion ドミニオン
※通常ゲームの設定画面。 ここで人のマークを選んで SEEK のボタンを押すと、マッチングが行われてオンライン対戦に入ります。 右の空白はチャット欄。
使用するカードセットの選択もありますが、拡張カードセットを買っていない場合は常に基本セットでの対戦になるようです。
脳みそマークを選んだ場合は AI と対戦できますが、それでもネット接続は必要。
「CHALLENGE OTHER PLAYERS」は任意のプレイヤーと、任意のカード設定で対戦できます。


Dominion ドミニオン
※豊富な拡張カードセットが一通りそろっているのはファンには嬉しい点ですが、値段が・・・
もちろん実物のカードを買うよりは安いんだけど・・・


やや作りが甘い点もありますが、しっかりドミニオンを楽しめるアプリであり、全画面広告は出ますが動画広告はまだなく、基本セットで遊ぶ範囲なら無課金でも問題ありません。
オンライン対戦をするにはアカウント登録が必要ですが、ユーザー名とパスワードだけで OK です。(メールアドレスの登録は任意)

近代のカードゲームを語るには外せない作品です。
iPad が必要ですが、ドミニオンの経験者はもちろん、ドイツゲームやカードゲームが好きな人は、一度試しておきたいアプリでしょう。

なお、PC 版の移植なので、パソコンでも同様のものがプレイ可能です。
iPad がない人はそちらでやってみる手も・・・?

Dominion (公開終了)
Dominion Online(PC 版ページ、運営会社移行後)


【 ドミニオン : 基本カードセットの初心者向け解説 】

順番はチュートリアルで出て来るものを優先し、それ以外はコスト順にしています。
コインと勝利点以外のカード(王国カード)は、ゲームに出て来るのは 10 枚です。
どれが選ばれるかは解りません。

・コインのカード
右上に並んでいる、カードを買うためのコイン。1・2・3がある。
それぞれに Copper(銅貨)、Silver(銀貨)、Gold(金貨)という呼び名があり、カードの説明文で使われている。
これらのカードは Treasure(財宝)カードとも呼ばれ、黄色になっている。

・勝利点カード
左上に並んでいる、勝利点を獲得するためのカード。1・3・6がある。
それぞれに Estate(屋敷)、Duchy(公領)、Province(属領)という呼び名があり、カードの説明文で使われている。
これらのカードは Victory(勝利点)カードとも呼ばれ、緑色になっている。

・Smithy(鍛冶屋):コスト4
山札からカードを3枚引く。

・Village(村):コスト3
そのターンのアクションカードの使用可能数が2増える。
(このカードの使用で1枚分使うので、実質 +1)
さらに山札からカードを1枚引く。

・Woodcutter(木こり):コスト3
そのターンのカード購入可能数が1増える。
さらにそのターンのコインが2増える。

・Witch(魔女):コスト5
他のプレイヤー全員に「呪い」カードを1枚ずつ与える攻撃カード。
さらに山札からカードを2枚引く。

・Curse(呪い)
魔女カードによって無理やり取らされるカード。 勝利点 -1。
これがデッキに入ることでカードの回転率も悪化する。

・Moat(堀):コスト2
攻撃カードを使われた時、手札にこのカードがあれば無効化できる。
無効化してもこのカードは手札に残る。
自分のターンに使うと山札からカードを2枚引ける。

・Mine(鉱山):コスト5
手札のコインのカードを1枚破棄して、それが1なら2のコインに、2なら3のコインにすることが出来る。(3は破棄しても意味がない)
カードの枚数を増やさずにコインを強化できる。

・Gardens(庭園):コスト4
勝利点カードの一種で、ゲーム終了時に持っているカードの合計数 10 枚あたり、1点の勝利点を得られる。 端数切り捨て。

・Chapel(礼拝堂):コスト2
手札から最大4枚までのカードを「破棄」できる。
破棄は捨てるのではなく、ゲームから消滅させるので、もう手札には戻ってこない。

・Throne Room(玉座の間):コスト4
指定したアクションカードを2回連続で使用できる。

・Adventurer(冒険者):コスト6
山札からコインカードを2枚得る。
正確には、2枚のコインカードが出るまで山札が引かれ、そのコインが手札に加わり、コイン以外の引かれたカードは捨て札になる。

・Cellar(地下貯蔵庫):コスト2
手札の中の好きなカードを捨てて、その分だけカードを引き直せる。
このカードは使用してもアクションカードの使用可能数が減らない。
(アクション+1 なので、使用時に -1 されて、差し引き 0)

・Workshop(工房):コスト3
コスト4までの好きなカードを1枚購入できる。

・Chancellor(宰相):コスト3
そのターンのコインが2枚増える。 さらに、自分の山札のカードを全部捨て札にすることが出来る。
つまり、デッキをすぐシャッフルできる。
シャッフルしない選択も可能で、その時は単にそのターンのコインが増えるだけ。

・Remodel(改築):コスト4
手札のカードを1枚「破棄」して、そのカードのコスト +2 までの好きなカードを1枚貰える。
破棄なので捨てたカードはデッキから消える。

・Moneylender(金貸し):コスト4
手札にあるコイン1のカードを1枚破棄し、そのターンのコインを3増やす。
コイン3のカードを貰える訳ではないので注意。

・Feast(祝宴):コスト4
コスト5以下の好きなカードを1枚貰えるが、使用後にこのカードは「破棄」する。
コイン1枚分お得。

・Thief(泥棒):コスト4
攻撃カード。 他のプレイヤーは山札からカードを2枚引き、その中にコインのカードがあった場合、泥棒使用者がそのうちの1枚を破棄させることが出来る。
さらに、破棄されたコインカードを好きなだけ泥棒使用者は貰うことができる。
なお、破棄されなかったカードは捨て札になる。

・Spy(密偵):コスト4
攻撃カード。 まず、山札からカードを1枚引ける。
その後、使用者は山札からもう1枚カードを引き、それを捨てる(DISCARD)か山札に戻す(PUT BACK)かを選べる。
さらに他のプレイヤー全員も山札からカードを1枚引き、それを捨てるか山札に戻すかを密偵使用者が選ぶことができる。
このカードは使用してもアクションカードの使用可能数が減らない。
(アクション+1 なので使用時に -1 されて、差し引き 0)

・Militia(民兵):コスト4
攻撃カード。 まず、そのターンのコインが2増える。
さらに、他のプレイヤーは手札が3枚になるまで、手札を捨てなければならない。

・Bureaucrat(役人):コスト4
攻撃カード。 まず、コイン2のカードを1枚貰える。(捨て札に移す)
その後、他のプレイヤーは手札にある勝利点カードを1枚、自分の山札の上に置く。
つまり、次のターンもその勝利点カードを引いてしまうことになる。
勝利点カードが手札になかった人は、手札が公開されるだけで何も起きない。

・Market(市場):コスト5
そのターンのコインが1枚増え、山札からカードを1枚引き、カードの購入可能数も1増える。
このカードは使用してもアクションカードの使用可能数が減らない。
(アクション+1 なので使用時に -1 されて、差し引き 0)

・Council Room(議事堂):コスト5
山札からカードを4枚引く。 さらにそのターンのカード購入可能数が1増える。
ただし、他のプレイヤーも全員山札からカードを1枚引ける。

・Laboratory(研究所):コスト5
山札からカードを2枚引く。
このカードは使用してもアクションカードの使用可能数が減らない。
(アクション+1 なので使用時に -1 されて、差し引き 0)

・Festival(祝祭):コスト5
そのターンのコインが2増え、カード購入可能数も1増える。
このカードは使用してもアクションカードの使用可能数が減らない。
(アクション+1 なので使用時に -1 されて、差し引き 0)

・Library(書庫):コスト5
手札が7枚になるまで山札からカードを引く。
この時、アクションカードが出た場合は、それを手札に入れるか(PUT IN HAND)、スルーするか(SET ASIDE)を選べる。

※拡張カードセットのものを含む、ドミニオンのカード一覧は以下のページで公開されています。
http://suka.s5.xrea.com/dom/list.cgi

 iPhone AC

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