iPhone AC 番外レポート

iPhone や iPad(スマホやタブレット)の、主にゲームアプリのレビューを行っています。

サバイバル

Don't Starve: Shipwrecked - 狂気のサバイバルゲーム、南国編

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狂気に満ちた世界で、何度も死にながら生き残る方法を模索する、ローグライクなサバイバルゲームDon't Starve」、通称ドンスタ。
コアなファンが付いているこのゲームに、南国が舞台の漂流バージョンが登場しました。
Don't Starve: Shipwrecked」です。

新ゲームと言うより拡張パックで、基本部分は前作と変わりませんが、新しい島への航海や南国&海賊風の装飾が加えられており、海をテーマにした世界に変わっています。

相変わらず難易度が高く、何をどうすれば良いのかプレイヤーが手探りで学んでいく必要があり、プレイごとに世界がランダムで生成されるため運も絡む、死にゲーのサバイバルです。
ただ、そのシビアなゲーム性がコアゲーマーに支持されている点でもありますね。

価格は 600 円。 買い切りゲームなので課金・スタミナ・広告等は一切ありません。
メッセージは英語ですが、会話シーンなどはないため、英語ができなくてもそれほど問題はありません。
公開当初はセーブ中にフリーズする問題があり、まともにプレイできなかったのですが、先日のアップデートで解消されています。

前作同様、プレイ日記風のレビューでお届けいたします。

Don't Starve Shipwrecked

Don't Starve Shipwrecked
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SKYHILL

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戦争で化学兵器が使用され、異形の怪物が出没し始めた。
彼はホテルの最上階にあるスイートルームにいたため、その災禍を逃れていたが、すでに食糧は尽きてしまった。
生き延びるためには怪物の巣窟となった、このホテルから脱出しなければならない・・・
そんなホテル脱出サバイバル・ローグライクゲームが公開されています。
SKYHILL」です。

ゾンビものの RPG で、ホテルの部屋・アイテム・敵の配置がプレイごとに変化し、レベルも毎回1からとなるローグライクらしい内容。
一方で食料を確保し、ガラクタで武器を作り、ギリギリで生き残っていくサバイバル感の強いゲームでもあります。

価格は 360 円で、買い切りゲームなので課金・スタミナ・広告などは一切ありません。
ただ、メッセージが日本語化されていますが、その翻訳が微妙で・・・ 逆に意味が解らなくなっているところもチラホラあるのが難点。
公開したのはドイツのパブリッシャーですが、開発はロシアのメーカーです。

SKYHILL

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Mystic Castle

テキストベース(文字のみ)のシンプルな開発シーンと、シビアなルールの RPG 探索シーンが組み合わさった、簡素ながらハマれるコマンド選択型のサバイバルゲームが公開されています。
Mystic Castle」です。

このゲームは、以前ご紹介した ダークドラゴン(A Dark Dragon) の模倣作です。
ダークドラゴンは A Dark Room というテキストゲームのリメイク版でしたから、これらの作品は「Dark Room 系」と言っても良いでしょう。

正直、ゲームシステムがダークドラゴンとほぼ同じなのに、グラフィックが大幅に見劣りするため、ダークドラゴンの経験者だと劣化版の印象を強く感じます。
ただ、ダークドラゴンよりもゲームの進行が早く、探索もラクに展開するため、高難度だった A Dark Room やダークドラゴンよりも手軽に楽しむことができます。
キャラクターの転職などもあり、こちらにはこちらの良さがありますね。

価格は 120 円。 買い切りゲームなのでスタミナや広告はありません。
ただ課金通貨があって、それと引き替えにアイテムや特典、追加ステージなどを買う要素があります。

開発は中国の Locojoy というメーカーですが、名前が「Locojoy-TW」になっているので台湾支社だと思われます。
ちなみに同じコマンド制のサバイバルゲーム「Buried Town」も、Locojoy のアプリです。

Mystic Castle

何もない古城に辿り付いたところからゲームスタート。
最初にできるのは「錬金」のボタンを押すだけ。 押すごとにコインが1枚ずつ増えていきます。

コインを得ると「建設」のボタンで倉庫を作れるようになります。
絵がないので文字で「倉庫」と出るだけですが、これにより「採集」のボタンを使えるようになり、石と木材を集められます。
物資が集まると今度は 住宅、農場、商店 などを建設でき、住宅の建設で城の人口が増加。
農場を建設すれば人々を農民にして、「小麦」を得られるようになります。
住民の生産は自動で、時間の経過により自然と小麦が貯まっていきます。

以後も物資を集めて、施設を建設するのを繰り返していきます。
商店を作れば足りない物資をコインで調達でき、製粉所を作れば住民を「パン職人」にしてパンを生産可能。
馬屋を作ることで「製造」のボタンが追加され、皮と麦で馬を得ることもできます。

この辺の建設の流れは ダークドラゴン と変わりません。
ただ、ダークドラゴンはバッドイベントが発生しやすく(防ぐ方法もあるが気付きにくい)、建設もスローペースでしたが、こちらはどんどん進みます。
見た目はダークドラゴンより簡素ですが、短時間で冒険の開始に必要な「居酒屋」「訓練所」の建設までたどり着けるでしょう。

Mystic Castle
※開発画面はこんな風に文字とボタンだけ。 イベントも文字のみ。
後発なんだからもうちょっと演出があっても・・・ とも思いますが、一応古いテキストゲームの雰囲気を出しているのでしょうか?


居酒屋で冒険者を雇用し、パンを持たせたら、いよいよ冒険に出発することができます。
冒険シーンではフィールド上をタップで1マスずつ移動していきます。
最初に見える範囲は少なく、どこに何があるかは探索して明らかにしなければなりません。

この冒険シーンの見た目も簡素で、ダークドラゴンと比べるとますます見劣りしますが・・・
そこは慣れるしかないですね。

一方、このゲームは冒険中も町では生産活動が行われていて、そこはダークドラゴンより良い点です。
またオフライン中でも1時間(180回分)は生産を行ってくれます。

ダークドラゴンと同様、フィールドを移動するごとに食料(パン)が減っていきます。
なくなると数マス歩いただけで餓死するので、最初は遠出は厳禁。 慎重に行動しなければなりません。

建物に入るか、移動中に敵に遭遇すると戦闘になります。
戦闘シーンでは「パンチ」などの行動ボタンを押して敵を攻撃しますが、このゲームは「オート」も可能
オートだとゲージが貯まり次第攻撃を繰り返してくれるので、プレイヤーはピンチの時にパンを使って回復するぐらいで OK です。

とは言え、初期の冒険者はヨワヨワ。 油断すればすぐに死んでしまいます・・・
もし死んでしまった時は、どうすれば良いか・・・?
きれいさっぱり忘れましょう。

このゲームの冒険者に経験値やレベルはありません。 よって初期の冒険者に「育成」は必要ありません。
しかも雇用に必要なコインはたった3枚。 その命はわずかタップ3回分。
死んだキャラクターは墓地に送られますが、すぐ埋葬してしまい、新たに雇ってガンガン死地に送り込み、決死の冒険を繰り返して貰いましょう。 

Mystic Castle
※左がフィールドの移動シーン。 見てのようにノッペリと言うか、マークしかありません。 もうちょっと装飾があっても・・・
右は戦闘シーン。 モノトーンの顔のアップで、目だけ光っているのが雰囲気あって良いです。
死んでも序盤は気にしないように。 とある偉い人は言いました。 365日、24時間、 死ぬまで働けと。


冒険により伐採場や採石場、鉄鋼脈を解放できれば、町に施設を建設し、住民を伐採者や鉱夫にして木や石、鉄などを産出できます。
これらが手に入ると鍛冶屋や布屋も建設可能になり、アイテム所持量を増やす袋、パーティーメンバーを増やす馬車などを製造可能に。 これにより冒険やバトルがラクになります。

そしてこのゲームの大きな特徴が、装備の製造によってキャラクターを「クラスチェンジ」できること
最初はみんな「アドベンチャー」ですが、鎧や武器を用意することで HP や攻撃力に勝る「ウォリアー」、攻撃を連打できる「シーフ」、魔法を使う「ウィッチ」などに転職できます。
キャラクターはダークドラゴンの武器に相当しますが、回復魔法を使う「プリースト」なども存在。
上位の装備を作れれば上のクラスに昇格することもできます。

クラスチェンジによる戦力アップは段違いで、強くなったのを実感できます。
フィールドのイベントで得られる特殊キャラもいて、好きな編成で戦えるのがこのゲームの面白さですね。

ただ、上位の職業になると、死んでしまった時に復活させなければなりません。
前述したようにレベルや経験値はありませんが、再びアイテムをそろえて転職させるのは手間だからです。
復活には「福音」と呼ばれる素材が必要で、これを生産しておかなければなりません。

Mystic Castle
※転職がこのゲームのポイント。 武器や鎧は装備ではなく、転職用素材。
アドベンチャーはウォーリアやウィッチなど5つの職業になれますが、ウォーリアやウィッチはさらに2つの職業に枝分かれします。
死んだキャラを復活させる福音は、最初のステージにある女神像を解放すれば町でコインから生産可能です。


冒頭でも述べましたが、ダークドラゴン と同じシステムなのに見た目が劣るため、ダークドラゴン経験者には初見は辛いです。 私も1度は見限りました。
ただ、少し進むと遊びやすさが解り、ダークドラゴン経験者だと「サクサク感」さえ感じることでしょう
A Dark Room / ダークドラゴンには初期のパソコンゲームのような難しさがあり、そこが1つの長所やノスタルジーではありましたが、サクサク進めるのもやっぱり良いですね。

ダークドラゴン未経験者だと見劣り感を受けることはないので、こういうものとして普通に楽しめると思います。
それでも見た目の簡素さは否めませんが、こちらの方が入門向けと言えるので、ここで慣れてダークドラゴンに挑むというのも良いかも。

今後、Dark Room 系が1つのジャンルとして確立していくのでしょうか?
比較的プログラムが難しくなく、応用が利くシステムだと思うので、他にも色々と出て来るかもしれませんね。

Mystic Castle(iPhone 版、iTunes 起動)

※Youtube 公式 PV

ダークドラゴン / A Dark Dragon AD

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ダークドラゴンが落ちたという、暗く荒廃した島に上陸した主人公。
この地で村を築き、自給自足の体制を整え、怪物のうろつく島を探索し、深き森にいるドラゴンを探し出すサバイバルアドベンチャーゲームが公開されています。
ダークドラゴン」(A Dark Dragon)です。

この作品は 2013 年にアメリカの個人開発者が公開した、「A Dark Room」というテキストゲームがベースになっています。
これはパソコンなら、以下のページでウェブブラウザ上でプレイ可能です。
http://adarkroom.doublespeakgames.com/
(右下の language で日本語化することが可能です。iOS アプリ版も公開されていますが、そちらは英語のみ)

テキストゲーム(文字のみのゲーム)ですから内容としてはシンプルで、最初期のパソコンゲームのようなシステム&雰囲気ですが、しかしサバイバルゲームとしてしっかり楽しめる内容で、欧米では結構知られていたようです。

それを 2014 年、韓国のアプリメーカーが最近のゲームらしいグラフィックを追加してリメイク、Android で人気になっていました。
今回公開されたものは、その iOS 移植版です。

割と原作の A Dark Room に忠実なので、システムはやはり古風なのですが、これはこれで楽しめるし、人によっては一周回って新しく感じるかもしれません。

240 円の有料アプリ版「ダークドラゴン」と、広告が表示される無料版「A Dark Dragon AD」があり、どちらも課金はありますが、進行に必須な訳ではありません。
広告付き無料版で広告を解除するには約 360 円分の課金通貨が必要で、有料版より割高になりますのでご注意を。

ダークドラゴン

このゲームはいくつかのパートに分かれていますが、まずは島に上陸し、火を付けて部屋を暖めなければなりません。
オールを漕ぐボタンや薪を燃やすボタンを何度か押していると、一人の女がやって来ます。
彼女は暖まると「自分は建築家であり、物が作れる」と言います。
ゲームは実質、ここからスタートします。

まずは「木を集める」のボタンで木材を増やさなければなりません。
コマンドは実行後、しばらく待たないと再実行できません。 木材収集の待機時間は 15 秒。
よってクリッカー系のように連打する訳ではありませんが、序盤の展開はややクリッカーに似ていますね。

木材が集まったら「」や「小屋」の作成を行えます。
罠を作れば「罠の確認をする」のコマンドを実行できるようになり、毛皮や肉を入手可能に。
小屋を作れば住民が増えるようになります。

この島は無人島ではなく、たくさんの人々がいます。
しかし大破壊でもあったのか、多くの人が家を無くし、流浪しています。
小屋があればそうした人々が住み着き、村が形成されます。
村人は「労働者」となり、木を自動で集めてくれ、狩猟小屋を作れば狩りも行ってくれるようになります。

ただ、このゲームは完全な放置型ゲームではないので、自動収集はアプリを起動している時しか行われません。
自分でコマンドを実行しないと集められない素材もあります。

ダークドラゴン
※小屋を作ると、荒れ果てた大地をさまよう人々が集まってきます。
施設が整えば猟師や職人にすることが出来るので、各物資の入手量のバランスが取れるように労働者を配分しましょう。
でもまずはどんどん小屋を作り、人口を増やすのを優先したいところ。


小屋を増やし、村を拡張して生産力を拡大、交易所を建設すると、商人から「コンパス」を買えます。
ここから島の探索を行えるようになります。

探索は RPG のスタイルになっていて、フィールドマップ上を移動して行います。
しかし未探索地域は真っ暗で、視界も狭く、まずはどこに何があるのか調べて回らなければなりません。

しかも1マス歩くごとに水、2マス歩くごとに燻製肉を消費します。
燻製肉は村に燻製場を作れば用意できますが、持てる重量に限りがあり、あまり多くは持ち出せません。
そして尽きると1歩目で飢え、2歩目でダウン。 スペランカー並みにアッサリ倒れます。

探索中には当然、敵も出て来ます。 武器がないうちは攻撃は「拳」。
戦闘はリアルタイム制で、ゲージが貯まったらボタンを押して攻撃する方式です。 ターン制ではないのでボーッとしていたら殴られ放題になるのでご注意を。
受けたダメージは肉をかじれば回復しますが、燻製肉が減ると移動できる距離は縮まってしまいます。
まあ、HP が 0 になったらどのみち倒れますが。

マップ上には「前線基地」があり、そこで水と燻製肉を補充できますが、最初はその場所も解りません。
ちょっと無理をして遠出して、基地が見つからなかったらもうピンチ。
とにかく厳しいです。 序盤は特に。

村を拡張し、作業場を作れば「制作」のコマンドを実行できます。
これで「水袋」「袋」「骨の槍」などを作れば、ようやくそこそこ探索できるようになって来ます。
本格的な探索パートは、そこからですね。

ダークドラゴン
※探索中は常に水と燻製肉の残り数に注意。 帰る分も必要なので遠出のしすぎは厳禁。 もし倒れてしまうと所持品を全て失ってしまいます。
ただ、貴重品を持っていないのなら倒れてもあまりデメリットはありません。
燻製肉だけを持てるだけ持って、帰還するつもりのない強行偵察を行ってみるのも戦法の1つ。


探索で生還しても、途中で倒れても、「疲労」と「汚染」が蓄積されていきます。
これらは木材や肉などの物資で回復させなければなりません。
村に一通りの施設を作った後は、物資は主にこれらの治療に使うことになります。
疲労は貯まるほど回復に必要な物資が多くなるので、こまめに治しておきましょう。

探索を進めると、いずれボスがいる場所が見つかります。
このゲームの探索はステージクリア制になっていて、ボスを撃破すれば次のマップに進めます。
この辺りは原作とは違う部分ですね。

先に進むほど敵は手強くなりますが、強力な装備をドロップするようになり、新しい素材を落とすことも。
村に持ち帰ればその素材を使った新たな生産を行えるようになり、交易所の品ぞろえも増えていきます。

ドラゴンを見つけ出せれば、また新たな展開がスタートします。
このゲームは各パートごとに、まったく違うシステムになるのがユニークです。

やや難点だと思ったのは、村作りのシーンで出て来る突発イベント。
大抵は罠が壊されるとか、火事になって小屋がなくなるとかのバッドイベントで、たまに起こるのなら良いのですが、同じものがやたら頻発する場合があります。
罠を作っても作っても、その端から壊されるとイヤになってきます・・・

もうちょっと、一度起きたバッドイベントは起こり辛くなるとかの調整は欲しかったところですね。
探索時の操作性も、ボタンの位置がやたら変わるなど、やや使い辛さがあります。

※バッドイベントの多くは、火の灯る部屋にいれば発生しないようです。
出来るだけ部屋で過ごすようにすれば、火災や襲撃などの被害は受け辛くなります。

ダークドラゴン
※左は探索準備画面。 強力な武器は重いため、所持重量が減ってしまうデメリットがあるので注意。
防具には重量はなく、所持品にも含まれず、常に身に付けていることになります。
特技はイベントで覚えるものもありますが、多くは自然に身に付きます。 例えば、素手攻撃を繰り返しているとボクサーや武道家の特技を覚えるなど。
右は全体マップ。 ステージ数は結構多いです。


ダークドラゴン
※左は突発イベントの火災。 バッドイベントは殺伐とした雰囲気を出すのに一役買ってますが、連発されまくるとちょっと・・・
右は探索中の戦利品画面。 「肉を食べる」「立ち去る」などのボタンがアイテム取得ボタンの後にあるので、出て来たアイテムの数によって位置が動いてしまう。
肉を食べるつもりないのに食べてしまって、後で餓死するとか普通にあり得るので、ボタン選択は慎重に。


一見ダークなサバイバルゲームなので、かなり厳しいゲームのように見えますが、村作りパートはそれほど難しい訳ではありません。
主人公が死んだりすることはなく、物資を貯めて作れる物を作っていけば、着実に進行していくはずです。

探索パートのゲームバランスは、古い RPG を模しているためか「かなり厳しい」と思えますが、1歩1歩手探りで進めていくウィザードリィのようなバランスも嫌いでない方には、むしろ楽しめるのではないでしょうか。
最近のゲームしか知らない人だと「すぐ死ぬ、クソゲー」で片付けそうですが・・・

パソコン黎明期のゲームの雰囲気をそのまま残しているアプリです。
これも Lifelineナイト・アンド・ドラゴン のような復刻タイプのゲームと言えるでしょうか?
現代においては尖った内容ですが、気に入った人なら没頭して楽しめるゲームだと思います。

ダークドラゴン(iPhone、有料版、iTunes 起動)
A Dark Dragon AD(iPhone、広告付き無料版、iTunes 起動)

ダークドラゴン(Android、有料版、Google Play へ移動)
ダークドラゴン AD(Android、広告付き無料版、Google Play へ移動)

A Dark Room(原作、ブラウザ版、スマホではプレイ不可)
A Dark Room(iPhone 版、120 円、英語のみ)

Buried Town

ぞんぞんびよりThis War of Mine異世界に生きる」÷4。
ゾンビだらけになった廃墟の町で、どれだけ生き延びられるかを競う、サバイバル簡易シミュレーションゲームが公開されています。
Buried Town」(BuriedTown - World's First Doomsday Survival Themed Game)です。

This War of Mine を簡略化してゾンビものにしたようなゲームで、手軽に遊べる内容でありながら、常に欠乏する物資と充足されないステータス、ギリギリの状況で生き延びていくシビアさが、極限のサバイバルを感じさせてくれます。

このゲームは中国、北京のメーカーで開発されたもので、先月公開されたのですが、ちょうどその頃は中国でウィルス「XcodeGhost」の感染アプリが広まっていたため、当サイトでは扱うのを控えていました。

しかしゲームは十分に面白く、Apple は XcodeGhost 感染アプリはストアから削除したと発表しており、先日アップデートがあってその審査も通過していることから、おそらく大丈夫だと判断、今回ご紹介したいと思います。
ただ、この辺りのことは一応お伝えをしておきます。
(相応に人気のアプリなのに、誰もこの点に触れてないので、その注意喚起も一応兼ねています。もう大丈夫だとは思いますが)

120 円の有料アプリで、必須ではありませんが課金アイテムがあります。 広告はありません。

Buried Town

ゲームが始まると隠れ家の画面になりますが、最初は工具箱と倉庫があるだけです。
まずは外に出て、物資を調達しなければなりません。

最初に行ける場所は近くのガソリンスタンドのみ。
襲いかかってくるゾンビをパンチで撃退し、机をあさると、いくらかの物資と食料を得られます。
家に帰って、得た物資で寝袋を作り、武器となる斧を作成、缶詰を食べて飢えを満たしてからが、本格的なゲームスタート。
以後も各地の廃墟に探索に出かけ、物資を持ち帰り、隠れ家の設備を整え、生き延びる体制を整えていく展開が続きます。

プレイヤーには 外傷・感染・空腹・元気・気分・HP の6つのステータスがあります。
HP が尽きればゲームオーバーで、外傷は最大 HP の低下を、空腹と気分の低下は回復力の減少を、元気の低下は攻撃力の減少を引き起こします。
そして外傷や空腹によって感染が進行し、これが尽きてもゾンビの仲間入りとなってゲームオーバーです。

外傷は包帯、感染は薬で治療できます。
空腹は食料を食べ、元気と HP は睡眠で回復、気分はイスに座ってコーヒーを飲めば取り戻せます。
しかし物資にはそんなに余裕はありません。
全てのステータスが充足されることは滅多になく、限られた物資を節約しながら、少しでも生き延びられるようやり繰りしていく必要があります。

家には調理場や蒸留器、休憩に必要なイス、芋を育てるビニールハウスなどを設置することが出来ます。
しかし作るには木材や金属、パーツなどの材料が必要。
入手量は限られていますから、どれから作るかが生存のカギとなります。

また設備を作っても、調理や蒸留には燃料となる木材が、芋の栽培には芽吹いた芋と水が必要となり、設備だけあればいくらでも生産できる訳ではありません。

Buried Town
※アジトに何から作っていくべきか・・・ 何をどれだけ得られるかによっても変わってきますが、とりあえず優先すべきは銃と柵、そして蒸留器とコンロ。
廃墟のアイテムを一度に持ち帰れない時は、何度も往復する必要があります。


コマンド選択型のゲームですが、時間は常に進んでいます
次に何をするかボーッと考えている間にも、日は暮れ、腹は減ります。
また移動中には距離に応じた時間が一気に経過します。

20:00 を過ぎると日没となり、ゾンビが凶暴化する夜になります。
戦闘でのダメージが増すため、夜になる前に家に帰っておかないと危険。
また深夜には寝ておかないと、元気を十分に回復できません。

0:00 にはゾンビの襲撃があります。
必ず襲撃される訳ではありませんが、襲われて防衛力が十分でない場合、それでなくても足りない物資を奪われてしまいます。
柵を作ると防衛力が増すので、早めに作成したいところ。
襲撃時に寝ていたり、外出していても、家の防御が十分なら進入は防げます。

しばらくすると他の生存者が訪問して来ます
生存者に一度会うと、こちらからも訪問できるようになり、相手が欲しい物資を渡すことで友好度が上昇、物々交換が出来るようになります。

廃墟で得られる物資には限りがあるため、他の生存者との物々交換も活用しないと必要なものが不足します。
うまく取引できれば銃弾や木材などの必需品を多く得られることでしょう。
とは言え、取引するための物資の調達も大変なのですが・・・

Buried Town
※武器はちゃんと装備するのを忘れずに。 ずっと使っていると壊れるので注意。
銃が手に入れば一方的に攻撃できますが、弾がなくなると撃てません。 銃弾は生命線になります。
右は襲撃を受けたシーン。 こんなことになってると生き残れないので、柵は必ず作ること。


Buried Town
※他の生存者と遭遇。 向こうが援助を求めてきた時に助けておくと、後で支援を持って来てくれます。
誰が何を扱っているのか、何を欲しがっているのかを把握しておくことも重要。
右はゲームオーバー画面。 無課金だとこの辺りで苦しくなって来ますが・・・


かなり難易度の高いゲームで、最初は数日しか生き残れないと思います。
廃墟から得られる物資はゲームごとに変化するので、運にも左右されます。
しかし高い難易度だからこそ、チャレンジする意欲も湧きますね。
慣れてくれば無課金でも数十日生き残ることが可能でしょう。

課金は大型リュックや番犬用の犬小屋の設計図を購入したり、主人公のタイプをアンロックするのに必要になります。
ただ、設計図を入手しても無条件で使える訳ではなく、ちゃんと物資を集めてゲーム中に組み立てる必要があります。
数日で死んでしまうようだと作る前に終わるので、ある程度慣れてないと意味がありません。

主人公のタイプには銃の命中率が上がる「スナイパー」や、HP が増える「マッチョ」などがあるのですが、課金しないと利用できない物ばかりで、無課金で得られるタイプがないのは残念ですね。
他にゲーム中に物資を購入する要素もあります。

実は先日まで(アップデートがあった 10/9 から 10/13 まで)課金が不通になっていて、購入済みのアイテムが使用不可能になっていたのですが、10/14 に復旧しています。
またこういうことが無いとは言えませんが、iTunes レビューの「買ったアイテムがなくなった! ★1」という問題は現在は解消されていますのでご安心を。

バランスがしっかりしていて、思わずハマれるゲームですね。
とてもスマホにマッチした作りのゲームと言えるのではないでしょうか。

Buried Town(iTunes が起動します)

Don't Starve: Pocket Edition

狂気に満ちた世界で何日生きられるか試される、パソコンから移植された「サバイバルゲーム+ローグ系+鬱ゲー」が iOS で公開されています。
Don't Starve: Pocket Edition」です。

オリジナルは 2013 年に公開されており、Pocket Edition と言っても現時点では iPad 版のみ。
PS4 や PS Vita で公開されているものは Console Edition、拡張パック付きの Wii U 版は Giant Edition という名前ですが、iPad 版には Giant Edition で登場する敵やオブジェが盛り込まれているので、拡張パック込みだと思われます。

※ 2015年9月のアップデートで iPhone にも対応しました。
※ また12月のアップデートで日本語化もされています。


まともな説明なしで異様な無人島にいきなり放り出される内容で、どうすれば良いのかはプレイヤーが自分で調べていかなくてはなりません
「サバイバル+ローグ系」という触れ込みですが、ゲーム序盤は「手探りゲー」と言った方が相応しいですね。
加えて狂気と鬱が支配する独特な世界観とビジュアルですから、激しく人を選びます。
ただ、出来ることは多く、2D のサンドボックス系のゲームとしては、かなりクオリティの高い作品です。

定価は 600 円。 買い切りゲームで課金や広告はなし。
今回はプレイ記録風のレビューでお届けしたいと思います。






【 Don't Starve:Loop 1 】

ゲームは唐突に始まった。
いきなり見知らぬ土地に放り込まれ、初老の紳士に何かを言われる。
しかし英語なのでなんと言っているのか、さっぱり解らない。

だが英語が読めないことは、このゲームではあまり問題にならない

誰かと会話することなんて、その後はないからだ。
しかし風景は奇妙、かつ不気味であり、不安しか感じない・・・

※現在はアップデートで日本語化されています。



説明されるのは簡単な操作だけ。 タップで移動し、草むらなどをタップすれば伐採する。
採取したものは画面下のアイテムスロットに自動的に納められる。
ピンチ操作でズームイン / ズームアウト。 二本指で画面を回すと視点回転。
操作感は良好で、インターフェイスは良く出来ている

主人公には空腹度、体力、そして正気度、いわゆる「SAN 値」があり、どれかがなくなったらゲームオーバー。
画面左には作成アイコンがあり、必要な材料はアイテムをタップすれば調べられる。



この手のゲームはまず道具を作るのが定石だが、斧を作るにもツルハシを作るにも Flint(小石)がいる。
しかしそんなもの全然見つからない。
食べ物が必要なのでウサギや鳥を捕まえようとするが、すぐ逃げられて捕まえられない。
たまに木の実がなっている草むらが見つかるが、食べてもほとんど空腹度は回復しない。
うーん、どうすれば良いんだ。 草と枝しか集まらないぞ・・・?

そうこうしていると夕方になり、辺りが暗くなってきた。
視界が利かなくなってきたので、草と枝で Torch(松明)を作成する。
って言うか、これぐらいしか作れるものがない。



そして日が落ち、完全に深夜となった。 松明があってもほとんど何も見えない。
どうしよう、と思っていると、フッと松明が消えてしまう。
む、耐久力があったのか。 すぐに新しい松明を作らなければ・・・

ドシュッ!!

なんだ!? いきなり攻撃を受けたぞ! しかし真っ暗で相手が見えない!
すぐにその場から離れるが、その後も連続でダメージを受けてしまう!
マズい、暗いまま不用意にうろついたのが悪かったのか? この手のゲームの夜がヤバいのは解っていたのだが・・・

ドシュッ!! チーン


【 Don't Starve:Loop 2 】

サバイバル系の初日はアッサリ死ぬものだが、ここまでアッサリなのも珍しい・・・
初日というか、このゲームは死んだらリトライなので、また新しい世界で1から再スタートである。

ほとんど何も解っていないが、運が良かったのか、それとも二度目だからか、今回は開始地点の近くに Flint(小石)が落ちていた。
さっそくこれと小枝を組み合わせ、斧を作成する。

斧を持った状態で木をタップするとコンコンと伐り始め、そのうち Birchnut という木の実と丸太が手に入った。
この手のゲームで丸太は必須。 さっそく森林伐採に勤しむことにする。



そうこうしていると夕方になってきた。
夜にうろつくのは危険なのが解ったので、海岸沿いまで移動し、周囲に敵がいないことを確認して、そこでじっとしていることにする。
辺りが真っ暗になっても、ヘタに動かなければ大丈夫だろう・・・

ドシュッ!!

なにぃ!? また攻撃を受けている!
相手は誰だ? どこから来たッ!?

バシュッ!!

いや、これは闇の中で襲われていると言うより・・・ 闇自体に襲われているッ!



これはなんなんだッ! そういうスタンドなのかッ!
ムリだッ! これは逃げられ・・・  チーン


【 Don't Starve:Loop 3 】

2度死んで解った。 暗くなったら死ぬ。 理屈とか関係なく、そういうルールらしい。
夜になる前に灯りを確保し、そして夜明けまで絶やさないようにする。 出来なければ死ぬ。 そういうことだ。

とりあえず周囲を探して枝、草を集める。 小石もすぐに見つかったので斧を作って丸太を集める。
丸太があればキャンプファイアーを作成できる。
キャンプの火は徐々に消えていくが、近づいて丸太を Add Fuel すれば薪を補充できる。



さらに近くでアイテムをタップすれば、Cook(調理)も出来ることが分かった。
拾った木の実やニンジンは焼いた方が空腹度の上がりが良いらしい。
食べられなかった Birchnut の木の実も、焼けば食せるようになる。

キャンプの火は明るいし長持ちするので、これなら夜も越せそうだ。
薪を足しながら不安な気持ちで深夜を過ごし、そして・・・ 朝になった。

ふう、ようやく2日目に突入できた・・・

2日目も草・枝・丸太を集めながら、夜を越す準備をする。
しかし早くも空腹度が3分の1まで減っている。

ニンジンや木の実は野菜だからか、食べても空腹度は大して上がらない。
鳥やウサギを食べれば満腹になるのかもしれないが、全然捕まえられない。

そこでトラップを作成することにした。 材料は草と枝なのですぐに作れる。
これをウサギがいる周辺に複数しかけ、しばらくかかるのを待つが・・・



全然かかる気配なし。
ウサギをなんとかトラップの方に誘導しようとしても、なかなか思うようにいかない。

どうするんだコレ? エサが必要なのか?
試しに木の実をトラップにドラッグしてみると・・・ Bait(エサを付ける)という表示が。
ああ、これで誘き寄せられるのか・・・

しばらく後、ようやくウサギがかかり、1匹ゲット。
もう夜が近いので急いでキャンプファイアを炊き、ウサギをさばいて調理してみる。
うん、空腹度が回復した。 ・・・ほんの少し。
全然足りねぇ!

ウサギを捕るのに色々やってた時間を考えるとむしろ割に合わない。
やばい、他の食料もないし、どうするんだ。 だが夜の間は動けないぞ。
朝になったら急いで食料を探しに行くしかない!

・・・翌日、ロクに食料が見つからず、餓死したのは言うまでもない。


【 Don't Starve:Loop 4 】

だんだんこのゲームが解ってきた。 死にゲーだコレ。 死んで学ぶサバイバルゲームだ。
確かに「サバイバル+ローグ系」ではある。 全然進展している気になれないけど。

とりあえず先に進むのに必要なものをチェックする。
まず欲しいのは Science Machine(サイエンスマシーン)
これがあると新しい道具を作れるようだ。 マイクラ系で言う「作業台」か。

だが必要な材料は木、石、そして金。 金なんてどこにあるんだ。



当面必要なものをものを集めながら、ひたすら周囲を探索し続ける。
すると大岩がたくさん転がっている岩場に辿り着いた。

さっそくツルハシを作り、採掘を開始
周辺の岩を破壊しまくっていると、大量の石と、そして Gold Nugget(金塊)を発見!

これでマシーンを作れる。
さっそく組み立てを行うと、なにやら「かかし」のようなものが・・・
作業台にはほど遠いが、これで物が作れるのか?



近づいてみると、急に作成アイコンが増えた。
これでサバイバルに必要な物を整えられそうだ。

まずは食料を調達するものを作ることにしよう。
鳥の罠は・・・ 蜘蛛の巣が必要か。
虫取り網は・・・ 蜘蛛の巣が必要か。
釣り竿は・・・ 蜘蛛の巣が必要か。

ねぇよ。

どこで手に入れるんだ蜘蛛の巣って。
さらに畑を作ろうと思って材料を調べたら、今度はフンがいる。
フンなんてどこにあるんだ。

どうやらまだ探索が足りないらしい。
このゲーム、まずは周囲を見て回り、どこに何があるのか確認するのが先決なようだ・・・



翌日もひたすら探索を続けた。
すると、なにやら奇妙な装置と箱を発見した。

この世界には奇妙なオブジェがたくさんあるのだが、機械的な物は珍しい。
1つは温度計に見える。 箱は保管箱になるようだ。
もう1つの機械の箱は、どうやら冷蔵庫らしい。

箱の中には毛糸のフードが入っていた。
これはありがたいとさっそく装備してみるが、まるでそれがトリガーになっていたかのように雪が舞い降り始めた・・・



温度計のメーターがぐんぐん下がり、画面にも霜が付く。
そして予想通り・・・ 寒さによるダメージが!

やばい、暖を取らないと死ぬ。 天候ダメージもアリなのか。
どうしよう、こうなるとあまり遠出できないぞ。
しかし食料を調達しに行かないと、このゲームすぐに餓死するし・・・

子細は省略するが、餓死したのはこの2日後である。


【 Don't Starve:Loop 5 】

はや5回目。 出来るだけ早く周辺を確認し、必要な物をどこで調達できるか調べるのが重要なのが解ってきた。
そこで今回は物資集めより、探索を重視する。

すると海岸になにやら白い塊を発見。
近づいてみると・・・ 大量の蜘蛛に襲われた!
バシバシ攻撃を食らってさっそくピンチだが、これで蜘蛛の巣を調達できる!



だがその前に、蜘蛛に対抗できる手段を整えなければならない。

一番簡単に作れる武器は Spear(槍)だが、それを作るにはサイエンスマシーンがいる。
探索を続行し、岩場で金塊を発見、マシーンを設置し、石のキャンプファイアーも作成。
板を作って保管箱も組み立て、簡易的ながら拠点を制作した。

槍は小石と枝、そしてロープで作れる。
ロープはマシーンがあれば草から制作できるので、材料には困らない。

作成後、さっそく蜘蛛退治を開始。
巣に近づいたら一旦逃げて、追ってくる蜘蛛をターゲット。
1撃与えたらまたすぐ逃げるヒット&アウェイ戦法で1匹ずつ倒していく。

蜘蛛を倒すと Silk(糸)とモンスターミートが手に入る。
一応食用なのかコレ・・・

シルクをいくつか集めた後、意気揚々と引き返していると、なにやら大きな生物が。
バッファロー?
そしてその下には待望のアレが! フンが!



やった、フンだ! フンー! ウ○チがこんなに嬉しいゲームはそうそうない。
これがあれば畑が作れて、野菜の栽培が出来るはずだ。
バッファローは殴りかからない限り大人しいようなので、その周囲で嬉々としてウン○を集める。

日が暮れてきたのでキャンプに帰還。
まずはフンで畑を作ってみる。 キャンプの近くに設置し、種を植えると・・・
まあ、すぐには育たない

これで安定して食料を得られるようにするには、もっと数が必要だろう。
とりあえず栽培のやり方は解った。

作成できるアイテムを確認していてもう1つ気になったのは、Strow Roll(わらの布団)
これがあれば寝れるらしい?
この手のゲームは「ベッド」を作るのが最初の定石にして目標。
これは作っておかなければ。

さっそく材料のロープを用意してマシーンで編み、キャンプの近くで使用してみる。
すると主人公はその場に布団を敷き、そのまま寝転がった。
良かった、これでようやく夜を寝て過ごせるようになった・・・



そして主人公は・・・ 永遠の眠りについた。
正確には、寝起きと同時に餓死した。 ナンダコレ。

どうやら寝ると一気に時間が進むため、腹も一気に減り、空腹度が減ったまま寝ると餓死してしまうらしい。
どんなトラップだよそれ。
しかもわらの布団は使い捨てだった。

順調に進んだと思ったら、睡眠死という前代未聞の最期。
安定して生活できる日は来るのだろうか・・・

----------

と言う訳で、まだ全然序盤ですが、「手探りゲー」「死にゲー」っぷりは伝わったと思います。

作成物はかなり豊富に用意されていて、ゲームが進めば壁や床も作ることができ、拠点らしい拠点を構築することも可能なようです。
キャラクターやオブジェクトの数もかなり豊富で、特殊ステージも用意されています。
やり込めば相当長く遊べるようですね。

ただ、この常に憂鬱な世界は、ちょっと気が滅入ります。
最初は何をすれば良いかさっぱり解らないので、すぐ投げ出してしまう人も少なくないでしょう。
ビジュアル自体は非常に良く出来ていて、全体のクオリティは高いのですが、好みは分かれるかな・・・

しかし海外でヒットしているだけある、しっかり作られたゲームです。
良くも悪くも「洋ゲーらしい洋ゲー」ですね。

Don't Starve: Pocket Edition(iTunes が起動します)


This War of Mine

ポツポツという音が聞こえる。 雨だろうか? いや、銃声だ。
この国に銃弾の雨が降り注いで、もう3年になる。
数年前は誰しもが、戦争とはテレビの向こうか、紙面の中のものだと思っていた。
今、それは自らの現実、「This War of Mine」である。

5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字。
ユーゴスラビアという国が内戦に陥ったのは必然であったのだろう。
その経緯は第二次大戦まで遡ると言うが、そんな歴史は目の前の現実に比べれば、どうでも良いことだ。
今問題なのは、食べ物、水、薬、そして希望、何もかもが足りないことだ。

通りで戦っている兵士達は、死と隣り合わせの充足を得ている。
彼らは命のやり取りをする代わりに、軍から衣食住を保証されている。
我々は矢面に立たなくて良いが、日々の糧は保証されない。
今は札束を積んでも、水の一滴も手に入らない。

さっさと逃げ出せば良かったのだ。 だが、こんな戦いはすぐに終わるという望みが、その足に絡みついた。
仲間と語った励ましも、月日と共に消え失せた。 もう誰も希望は騙れない。
ノイズの向こうでささやくラジオの音声が、悲惨な現実と、非現実的な楽観論を伝え続ける。
その声が終戦の歓喜に変わる時、この薄暗い廃墟の中で生きている者はいるのだろうか?

This War of Mine

This War of Mine

あれは何時だったか。 昔、知人のパソコンで「シムズ」というゲームをプレイした。
キャラクターに食事と睡眠、会話を行わせ、文化的な生活を送らせるという内容だった。
プレイヤーが指示を出さなければ、彼らはまともに生活できない。
放っておくと衰弱し、餓死することさえあるその姿は滑稽だった。

今の我々は、それに輪をかけて滑稽だ。
水と食料は常に欠乏し、誰もがふさぎ込んでいる。
衰弱した者は悲嘆に暮れ、放っておけば生きてはいけない。
動ける者は、動けない者の運命も背負わなければならない。

幸い動ける者は1人ではない。 伏せっている者も起き上がれば、死に抗おうとするだろう。
この戦時下において、生きるために必要なことは多い。
水の濾過、食料の調達、そして武装。 言うまでもないが、水道の蛇口は空虚なパイプでしかない。
平時には陳腐に思えた信頼と協力は、今は生命線であり拠り所だ。

This War of Mine
※温かいスープは生きる望みをわずかに繋いでくれる。
必要なものはまずコンロ、そして肉、水、燃料。 それぞれの入手手段が必要だ。
缶詰ならそのまま食べられるが、もはやそれは贅沢品だ。


明るいうちは迂闊に出歩けない。 昼は銃弾が往来する。
不用意に出歩いて狙撃されては命乞いの暇もない。 どのみち民族浄化を叫ぶ連中に話は通じない。

夜は銃眼からの見通しも悪くなる。 物を探しに行くならこの時間だ。
それでも出歩くのは危険だが、座して死を待つのでなければ、足りないものは調達しに行くしかない。

調達? 都合良く必要なものが、この戦時下に落ちているはずはない。
それでも当初は瓦礫の中から、使えそうなものを持ち帰れた。
しかしここでは誰もが生き残るのに必死だ。
数日のうちに必需品は町から消え去り、必要なものは皆、誰かが所有権を主張している。

それは生存競争という名の、もう一つの戦争だ。
この隠れ家もそれに巻き込まれた事は、一度や二度ではない。

しかし我々は野獣ではない。 盗みをすれば罪の意識に苛まれる。 人を傷つければ尚更だ。
だが、飢えた仲間が待つ中で、銃口を向けてくる相手に理性を保っていられるだろうか?
いや、これは言い訳だ。 しかし我々も野垂れ死にする理由はない。

人から助けを求められることもある。 こんな状況下では、助けても見返りは期待できない。
だが、助けたというその事実が、すさんだ心を幾分か癒やしてくれる。

This War of Mine
※廃屋の物色中、脱走兵に見つかり追われてしまった。
物陰に隠れ、武器を装備し、通りかかったところを急襲すれば致命傷を与えられる。
そして手元に残ったのは、自動小銃と、防弾ベストと、殺人者という拭えぬ枷。
仲間は慰めてくれたが、全員の心に罪の重しがのしかかる。


This War of Mine
※幼い子供が2人、母親のための薬をねだりに来た。 戦時下において薬は貴重品だ。
それでも差し出すのは誰のためでもない。 自分がまだ人間である事の証明だ。
粗暴な行いは人の心をなくしていく。 我々は戦士ではないのだ。


ネズミの肉を雨水で煮るサバイバル映画のような生活も、二週間も経てばそれなりに安定した。
瓦礫で作った作業台で簡素なベッドやイスを組み立て、疲れ切った体を休められるようになった。

我々にとって幸運だったのは、密造酒の製法を知る者がいたことだ。
こんな状況でも、人々は嗜好品を求める。
元々紙幣が役に立たなかったこの国では、物々交換が定着していた。
結果、酒や煙草、コーヒーなどが通貨としての価値を持つ。
広場の闇市に赴けば、酒と引き替えに野菜や缶詰が手に入ることもあった。

だが、町を支配する不幸の魔女は我々に更なる試練を与えた。
一つは戦闘の激化、もう一つは冬将軍だ。

町を包囲する政府軍が総攻撃を開始し、夜でも通りを歩けなくなった。
闇市から人が消え、広場にも向かえなくなり、それは我々にとって死活問題となった。

そして冬。 皮膚を突き刺す冷たい死神の鎌が、残り少ない気力と体力を削り取ってゆく。
寒さの到来は予測できていたが、この状況で今後のために、薪を残しておくという余裕はなかった。

風邪など引けば致命的だが、手持ちの木材は全て燃やしてしまった。
戦争を一時忘れさせてくれた本も、今は火にくべてしまった。
それでも雪は降り止まない。
燃やせるものがないのは我々だけではない。 町全体の物資が欠乏し、冷え込んだ心と体は各所で略奪を頻発させた。

This War of Mine
※広間で開かれる物々交換市場。 5000億ディナール札でさえ、もはや紙くずだ。
酒や煙草は交換に良いが、煙草好きの仲間が吸いたがる。
彼の気分を紛らわせるには、ある程度は仕方がない。


This War of Mine
※ラジオは唯一の情報源だ。 クラシックチャンネルから流れるしらべも、心に一時の平穏をもたらしてくれる。
本や音楽、こんな時でも心の拠り所は必要だ。


This War of Mine
※恐れていた冬。 寒さは町に死を振りまき、往来の足を止める。
暖かい暖炉と豊富な燃料、柔らかいベッドと日々の食事。 その夢に近づけない者は、容赦なく刈り取られる。


今朝、仲間の一人を埋葬した。
数日前に病に倒れた彼は、飢餓と寒さで瞬く間に悪くなっていった。
棚に保管してあった薬は、すでに薪と交換した後だった。

彼はこの境遇を呪い、足手まといになっている事をしきりに悔いていた。
仲間は何度も励ましたが、心の病はより深刻だった。
酔いの中に溺れさせれば良かったのかもしれないが、酒造りに少ない薪を使う訳にもいかない。
朝、彼は自らにナイフを突き立て、血の中で溺れていた。

彼にとっては口減らしのつもりだったのかもしれない。
だが、目の前に広がる仲間の死は圧倒的であり、心の壁を圧壊させるに十分だった。
それは気丈の裏に、終わらない不安を隠して生きている者には過酷すぎた。

今日はもう、誰も口を聞かない。 絶望は伝染する。
衰弱し、物資も尽きた我々にとって、この現実は厳しすぎる。
いつもは見張りを立てていたが、もう誰も相談しようとしない。
このまま襲われれば一溜まりもないだろう。

ああ、深い闇が迫ってきた。 宵闇の彼方にある眠りの時だけが、唯一の安らぎだ。
このまま目覚めなければ、この地獄は終わってくれるのだろうか?
薄れゆく意識の中で、かすかに聞こえるノイズ混じりのラジオの声だけが聞こえていた・・・

「ユーゴスラビア連邦政府からの発表です。 本日・・・」

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