iPhone AC 番外レポート

iPhone や iPad(スマホやタブレット)の、主にゲームアプリのレビューを行っています。

その他

新年のご挨拶 と iPhone 2010 年ゲーム大賞

新年明けました! おめでとうございます。
昨年はこのブログを見て頂き、本当にありがとうございました。

今年もがんばって更新し、様々な iPhone / iPod touch / iPad アプリをゲーマー視点・ユーザー視点で、公正に(特には批判・毒舌も辞さない勢いで)レビューしていきたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。<(_ _)>

iphoneac-gasyo-

もちろん本家の iPhone AC にも「攻略ページ」や「解説ページ」をどんどん追加していく予定ですので、合わせてよろしくお願い申し上げます。
もっと初心者向けの解説ページも増やしていきたいなぁ、とか思っている今日この頃です。


さて、先日よりゲームキャストさんの主催で、「個人ブロガーが選ぶ iPhone 2010 年ゲーム大賞」という企画が進行しており、当サイト/ブログも協力しています。
企業の運営ではなく、個人のブロガーやサイト運営者が中心となって、「2010 年度のゲーム大賞」を決めようという企画です。

http://gamecast.jp/2010blogger/

企業運営だとどうしても経営やら大人の都合やら、その他モロモロの事情でレビューが偏るため、ユーザーの視点で「アプリ大賞」を決めようというという企画で、一般投票も可能です。
もし投票が始まったら、皆さんも好きなゲームに一票を投じて頂ければと思います。
(候補アプリは協賛ブロガーの方々の推薦になります)

また、この企画は「あまり知られていない個人の iPhone アプリのレビューサイト/ブログをもっと世間に知られるようにしたい」という意図もあるので、参加サイトやブログが広く募集されています。
協賛サイト/ブログへは、リンク集や候補アプリのレビュー紹介などを通じて移動出来るようになり、「ポータルサイト」的な意味合いも持つようになる予定です。

そのため iPhone アプリのブログやサイトをやっている方は、アクセスアップにも繋がると思いますので、ぜひ参加されてみては如何でしょうか。

「これを機にさらに iPhone が盛り上がるようになれば」とのお考えのようなので、協力して頂けると私もありがたく思います。
(まあ大規模になるほど、ゲームキャストのトシさんは凄く大変な事になりそうですが・・・^^;

と言う訳で、私もお気楽にがんばっていく所存です。
今年もよろしくお願いしますね!
 

BOOK☆WALKER

少し前から各方面で話題になっていた、角川書店の電子書籍プラットフォーム(電子書籍販売店)の iPhone / iPad アプリが遂に登場しました。
BOOK☆WALKER」です。

ゲームアプリではありませんが、今後の iPhone / iPad に重要な役割を果たす・・・ かもしれないアプリなので、ここで取り上げようと思います。

基本的には電子書籍を購入して閲覧するためのアプリで、その点で言うと ebook Japan電子文庫パブリ などの電子書籍アプリと変わりません。

BOOK☆WALKER は実際にはまだプレオープンさえしておらず、2011年の4月にプレオープンし、2011年の7月にグランドオープンとなる予定です。
iPhone / iPod touch、及び iPad 用の BOOK☆WALKER アプリはそれに先駆けて公開されたもので、つまり現時点では市場調査や先行テスト的な意味合いが強いと言えます。
いずれにせよ BOOK☆WALKER は iPhone / iPad への積極展開を明言しているため、iPhone ユーザーには嬉しいところですね。

BOOK☆WALKER

アプリの大きな特徴は、メニュー画面や購入画面のインターフェイスがアプリ内に作成されていることでしょう。
他の電子書籍アプリの多くは書籍購入を選ぶとブラウザが起動し、ウェブページが表示され、そちらで購入を行うというものでした。

しかしこのアプリは、アプリ自体で書籍の表示と購入を行えます。
アプリが終了して safari が起動するという事はなく、書籍のリストも非常に見やすくなっています。

購入した書籍の一覧も単に文字でリストが表示されるのではなく、iBooks や i文庫HD のように表紙が並んだ画面から選ぶことが出来ます。

本の中身の表示は T-Time というソフトウェアの iPhone / iPad 用を利用しているようで、ページを画像として表示する PDF ではなく、テキストとして表示する .book 形式のようです。
よって拡大縮小しても文字は綺麗に整形されます。
コミックの場合は画像なので拡大するとややドットが目立ちますが、画質は良いですね。

メニューは画面を上か下にスライドすると表示される形式で、ヘルプを読んでいない人だとちょっと解りにくいかもしれません。
この操作は同じ T-Time を使っている 電子文庫パブリ のアプリと同じですが、パブリのものは PDF だと操作方法が変わっていたのに対し、BOOK☆WALKER はどの本でも同じ操作が可能です。

BOOK☆WALKER

現時点での難点は、「立ち読み」「チラ読み」が出来ないこと
ebook japan電子貸本Renta! などの先行している電子書籍店は、無料で中身を数ページ見ることの出来る「立ち読み」に対応しています。
これを見て実際に買うかどうかを判断出来るのですが、BOOK☆WALKER はまだそうしたものに対応していません。
本屋で本を買う時だって、少し中身を見てから判断すると思いますが、そういう買い方が出来ないのでどうしても購入し辛いです。

また、ジャンル別のトップメニューにオススメ書籍が並んでいますが、それをタップすると直接購入になってしまう。
書籍の解説を見たい時はわざわざ五十音順のリストからチェックしなければならないというのが、ちょっと手間ですね。

そしてなんと言っても、まだ書籍が少ない
話題作・有名作が集まっているので書籍が少なくても見たくなる本が多く、この点は「流石だ」と思うのですが、総数はまだまだ少なく、これからと言ったところです。

とは言え、前述したように BOOK☆WALKER はまだ正式にはスタートしておらず、iPhone / iPad のものは先行テストに近い状態。
今後プレオープンやグランドオープンに向けてアップデートと書籍の追加が続いていくでしょうから、これからに期待したいところです。
それに今の時点で「ハルヒ」や「エヴァンゲリオン」、「ダ・ヴィンチ・コード」や「池上彰」などを並べ来たのは、さすが角川だなぁと思えますね

購入は iTunes のアプリ内課金のシステムを使って行われます。
よって、一度購入した書籍のデータはアカウントごとに記録されており、もう一度購入しようとすると無料でダウンロードが行われます。
iPhone で購入した書籍を iPad 側に自動で反映させる、ということは現時点では出来ませんが、iPhone で購入済みなら iPad 側では(同一アカウントなら)無料でダウンロードが行えます

書籍の価格はオリジナルの 7~8 割ほどで、電子書籍としては高く思えるかもしれません。
実際、iTunes でも「高い」という意見があります。
ただ、他の電子書籍店などを見ても解るのですが、どうも電子書籍の値段は各社で談合や提携のようなものがあるのか(それとも暗黙の了解なのか)、「原本価格の 7~8 割」という相場が決まっている様です。
よって安くはないけど、他社と比較して特別高いという訳でもないですね。

それに iTunes のアプリ内課金というのは Apple が 30% の手数料を取っていくので、そのシステムを使っていると言う事は、これでもかなりギリギリのような気がします。
ユーザーにとっては便利なシステムではありますけどね。


iPhone AC の「電子書籍案内」のページを作る際に、私も電子書籍の現状について色々と調べました。
その時に解ったのは、電子書籍への協力体制は出版社ごとに違っていて、かつ「派閥」のようなものがあると言う事。
そして角川書店はその中でも特に電子書籍に協力的で、様々な電子書籍プラットフォームに本の提供を行っていたことです。

だから、角川書店が自社で電子書籍プラットフォームを立ち上げるというのを聞いた時は、意外に思いました。
だってすでに多くの電子書籍プラットフォームに、書籍を提供していたのですから。

ただ、日本の電子書籍の現状を調べるほど、それが全然うまくいっていないことも解ります
紀伊國屋書店や大日本印刷などの計画は遅れたまま音沙汰なしだし、凸版印刷は進んでるのか進んでないのかよく解らないし、Amazon は和書への対応が進んでいるように見えないし・・・

おそらく角川書店は、そんな現状についに嫌気と危機感を感じて、「もう俺がやらないとダメだぁ!!」みたいな感じになったのではないでしょうか?

現在の BOOK☆WALKER には2冊だけ、ちら読みできる書籍が付いています。
1冊はハルヒですが、もう1冊は角川グループの会長さんが電子書籍と日本のポップカルチャーの今後の展望について述べたものになっています。
その内容は 100 %納得出来るものではないのですが、これが BOOK☆WALKER の最初にあることに、この電子書籍プラットフォームの立ち上げに対する角川書店の考えが垣間見えます。


と言う訳で BOOK☆WALKER、そして今後の日本の電子書籍がどうなっていくのかは解りませんが・・・
とりあえず、予定通りに始まってくれた事は iPhone や iPad にとっても嬉しい事と言えますね。
アプリ自体は無料なので、とりあえず入れておいて損はないはずです。

ちなみに現在のラインナップで個人的にオススメなのは、「涼宮ハルヒの憂鬱」と「ダ・ヴィンチ・コード」でしょうか。
私はどちらも紙の本の方を持っているので、このアプリでは買っていませんが・・・

BOOK☆WALKER(解説ページへ)

String Trio - 弦楽3重奏

iPhone / iPod touch の傾きセンサーを使って擬似的にバイオリンを演奏するミュージックアプリ。
それが「String Trio - 弦楽3重奏」です。

このアプリはゲームではなく、演奏を楽しむ「ミュージックアプリ」です。
よって基本的にゲームを取り上げるこのブログの趣旨には合っていないのですが・・・
しかし、あえて言いたいと思います。 このアプリは「音ゲー(音楽ゲーム)」です。
しかも「音ゲーの理想」に非常に近いアプリと言えます!

登場したのは去年(2009年)の年末のようなので、かなり前からあるアプリなのですが、最近曲が追加されて価格も下がったためか iTunes のランキングで急に上位になっています。

StringTrio

iPhone を左右交互に振ったり傾けたりすることで、バイオリンの疑似演奏が可能です。
傾きの大きさで音の強弱を付けることでき、本体を少し傾ければ小さめの音が、大きく傾ければ大きな音が出ます。

プレイ前に右上にある「LOAD」のボタンを押すことで曲を選択でき、再生を開始すると画面左にバーが現れ、上から下へと流れていきます。
(演奏中に画面右のスライドバーを下まで下げると曲中断、Rewind は曲の最初に戻り、Play は演奏再開です)
上から流れてくるバーが画面下のラインに重なった時に iPhone を横に振るか左右に傾けると、曲に合わせた音階の音が鳴ります。

ここまで言うとビートマニアのような「音ゲー(音楽ゲーム)」に似た印象を持つと思いますが、このアプリが違う点は「プレイヤーのタイミングに合わせて、プレイヤーのテンポで、プレイヤーの好みの強弱で、曲を奏でることが出来る」ということ。

音ゲーのようにタイミングが合っていなくてもミスになることなく、音を鳴らさなくても再生は待機状態になります。
そして音が出されると同時に再生が再開され、演奏のタイミングが全体的に早かったり遅かったりした時は、それに合わせたテンポに速度が調整されます。
傾きセンサーの強弱で音の大きさを調整できるため、例えば少し傾けてから徐々に傾きを大きくしていくと、最初は小さい音で徐々に大きくなる音を鳴らす、なんて演奏を行う事も可能です。

つまりこのアプリは「自分でアレンジして演奏を楽しむ事が出来る」訳です。

以下は Youtube で公開されている公式トレーラーです。



上記の動画では実際のバイオリンを弾くように iPhone を左右に振っていますが、これだと音の強弱が付け辛くアレンジがし辛いので、私は「傾き」をメインにしてプレイしています。
ただ、慣れないうちは左右に振る操作の方が演奏はしやすいと思います。

ただしこのアプリは「自分で好みのアレンジ演奏を行う事が出来る」のが楽しいものなので、曲をアレンジして演奏するという事に楽しさを見いだせない方や、そもそも自分のスタイルで演奏するという考えがない人だと、まったく楽しめないと思います。
よって人を選ぶアプリであり、万人が楽しめるというものではありませんので、その点はご了承下さい。

StringTrio2

私は昔、少し「キーボード」をやっていた事があります。
昔のキーボードはオルガンのように音の強弱を付けることが出来なかったのですが、最近はタッチセンサーという機能が付いていて、ピアノのように強く叩くと大きな音が、弱く叩くと小さな音が出るものが(安いものでなければ)一般的になっています。

音の強弱が付けられないと自分のスタイルの演奏が出来ないため、アレンジ演奏が全く出来ないコナミのビーマニシリーズを始めとする「音ゲー」は個人的にその点で不満でした。
ゲームである以上「スコア」を付けなければならないので、プレイヤーのアレンジをゲームに反映させ辛いというのは確かにあるのですが、しかし音の強弱ぐらいは付けさせてくれてもいいだろうと言うのは昔から思っていたのです。(技術的に十分可能だったはずなので)

そのため String Trio の「音の強弱もテンポも自在にコントロールできるシステム」は、私的には画期的でした。
これが最初に「音ゲーの理想」と表現した理由です。
音楽をやっている人でなくても、簡単に「自分のスタイルの演奏」というものを体験できるのが、このアプリの良い点ですね。

ゲームではないのでスコアもステージクリアの要素もこのアプリにはありませんが、自分で思う通りの演奏が出来たかどうかは自分でしか判断出来ないので、それはそれで良いのかな、と思います。
ただ、思い通りに演奏できたデータをリプレイしたり、記録したりする機能は欲しかったかなぁ・・・ というのも本音です。

誰にでもオススメできるアプリではないのですが、疑似演奏を体験してみたい、アレンジ演奏をしてみたい、と思っている方にはオススメのアプリです。
楽器をやったことがない人でも、楽器をやることの楽しさを味わうことが出来るのではないでしょうか。
価格は 85 円と安いので、気楽に試せると思います。

String Trio - 弦楽3重奏(iTunes が起動します)
String Trio Lite(無料体験版、2曲のみです)

String Trio Season(クリスマス曲バージョン

Headspin: Storybook

このアプリはオススメはしません
しかし、是非ともご紹介しておきたい・・・ そんな気になるアプリです。
「カラクリ付きの立体絵本」で間違い探しをするという、雰囲気抜群のミニゲームアプリ。
それが「Headspin: Storybook」です。

何というか、雰囲気「だけ」で勝負しているアプリなのですが・・・
でも、その雰囲気は確かに良いですね。

開発したのはイギリスのメーカーですが、イギリスって「デザインのみ」とか「雰囲気のみ」とかのアプリが多いような気が・・・ 偏見?

headspin

本が開かれるとページの左右に、左右対称(鏡像)の絵が表示されます。
しかし向きが正しくない絵が含まれているので、右ページの逆になっている絵をタップして、正常な向きに戻していきます。
すべての絵が左右対称になればステージクリアです。

ゲーム内容は非常にシンプルで、難易度もかなり低いです
1ステージが数秒で終わるほどで、そもそも制限時間が1面でも 20 秒しかありません。
最後になると1ステージの制限時間が 10 秒。 つまり、それだけの時間でステージが終わるゲームと言う事ですね。

そして、ゲームは 20 ステージで終了となります。
普通にやると 10 分経たずに終わります。 まさにあっという間。
クリア後はフリープレイが出来ますが、フリープレイにスコアのようなものはなく、単に1ステージごとのクリアを楽しむだけです。

あまりにもボリュームが少なく、しかしこれで 115 円の有料アプリ。
どう考えても無料アプリぐらいのボリュームでしかありません・・・

と言う訳で、ゲームとして見ると大して遊べないのですが、秀逸なのはその雰囲気ですね。
やや掠れた感じの古い本が開かれると光に包まれて色あせた絵が飛び出し、カラクリのような演出で雲や星が現れ、古風なサウンドが雰囲気を醸し出してくれます。
その動きやグラフィックのレベルはかなり高く、技術的には高いアプリだと言えます。

これだけの演出を作れるのであれば、もっと「ゲームとしての完成度」も高められるはずだと思います。
つまりこのアプリは、それを「あえてしていない」、雰囲気を最重要視したアプリだと言えますね。
きっとゲームではなく、「絵本として」楽しむ事を想定しているのだと思います。
良い意味でも悪い意味でも「芸術的作品」と言えるでしょう。
ステージ(ページ)ごとにストーリーも表示されます。 英文なので日本人には理解し辛いですが。

iPhone / iPad 両対応のユニバーサルアプリなので、お子さんがいる方で、iPad で子供と一緒にやるのには良い気がしますね。
一応スコアもあって、20 ステージ終了後の合計スコアを集計したオンラインランキングも存在します。
でもこのアプリは、スコアを競うより雰囲気を楽しむのがメインでしょう。

まあ私はそこまで高尚な人間ではないので、このアプリをやっても「やっぱりもっとゲームとして楽しめるものにして欲しかった」と残念に思ってしまうのですが・・・
価格は安いので、ゲームではなく「環境ソフト」として試してみるのには良いかもしれませんね。

Headspin: Storybook(iTunes が起動します)
 

Angry Birds Halloween と ソーシャルゲームプラットフォーム

600 万ダウンロードを突破し、もはや世界的大定番アプリとなった投射型物理シミュレートパズルゲーム「Angry Birds」。
それにハロウィンバージョンが登場しています。
それが「Angry Birds Halloween」です。

そしてもっと注目なのが・・・
この Angry Birds を販売していた iPhone / iPod touch アプリの大手パブリッシャー(公開元) Chillingo が、EA(エレクトロニック・アーツ)に買収されたというニュース。
買収価格は2千万ドル(1ドル100円とすると20億円)と言われています。

しかしこの動きに Angry Birds の開発メーカー Rovio は反発しており・・・ 「もう Chillingo とは契約しない」とコメント。
今回公開されたハロウィンバージョンも販売元が Rovio 自身になっています。

今回はアプリのレビューだけでなく、急に進み始めたその辺りの iPhone アプリ / モバイルゲーム の動きも合わせてご紹介したいと思います。

まずは Angry Birds Halloween の内容ですが・・・

angrybirdshalloween

ゲーム自体は、普通の Angry Birds と変わりません。

簡単にゲーム内容を説明すると、投射機で鳥の姿をした「弾」を放り投げ、木や石の板などで構成された建物の中にいる「ブタ」を倒します。
建物は鳥が当たると「物理シミュレート」された動きでリアルに崩れていき、その壊れる様子を見るのも楽しいゲームと言えますね。

ハロウィンバージョンは背景が黒と赤のハロウィン風のグラフィックで、サウンドも不気味なホラー風のものになっています。
カボチャやランタンなども登場し、カボチャは破壊すると笑い声共に破裂してコウモリが飛び出していきます。

ステージも新しいものが収録されていて、合計 75 ステージ
本編よりは少なめですが、115 円という価格を考えると相応のボリュームがあると言えます。
また、難易度は本編よりかなり高く、10 ステージ目辺りから早くも本編の後半に匹敵するぐらいの難しさになります。
よって基本的には Angry Birds 経験者向け、と言えますね。

※現在、Angry Birds Halloween は Angry Birds Seasons に変わり、季節ネタ全般を扱うものになっています。
そのためハロウィンだけでなく、クリスマスやバレンタインをテーマにしたステージも追加されています。

Angry Birds Seasons(iTunes が起動します)


さて・・・ この Angry Birds、本家は前述したように 600 万ダウンロードの大ヒットアプリとなりました。
そのためか今回の Chillingo 買収のニュースでも、一般のビジネスニュースでは「Angry Birds の Chillingo が」と言うような表現をされることが多いようです。

私的には、ChillingoiDraculaMinigoreDefender Chronicles など他にも多くの名作ゲームを販売しており、Angry Birds はむしろ後発のアプリなので、「Angry Birds の」と表現されるのは違和感があるのですが・・・
その Angry Birds の開発元が今回の買収で真っ先に「異を唱えた」と言うのは皮肉なものです。

Chillingo と言う会社はパブリッシュ(出版・公開)とプロモーション(販促・広報)を行う「パブリッシャー」と呼ばれる会社で、Chillingo 自身がゲームを開発している訳ではありません。
パブリッシャーという言葉は元々は書籍の「出版社」という意味なのですが、つまり「作家は別にいる」訳ですね。

こうしたゲームのパブリッシュ専門会社というのは日本ではあまり馴染みがありませんが、実際には日本でもスクウェアやバンダイナムコ、カプコンなどの大手会社は、外注で制作されたゲームを販売・監修しているので、日本でも大手メーカーは同時にパブリッシャーでもあります
(まあ世界的にも Chillingo は特殊な会社だったとは思います)

今回の EA の Chillingo 買収劇でどうして Angry Birds の開発元 Rovio が反発しているのかは解りませんが、提携メーカーとしては自分の会社の版権が意図せず EA に流れていくような事に反発する動きもあるのでしょう。
EA は Chillingo を吸収する訳ではなく、Chillingo は今後も独自に活動していくようですが、子会社になる以上はその権利は親会社のものにもなるでしょうから、中小メーカーとしては Chillingo を利用し辛くなるかもしれません・・・

ユーザーにとっては、EA は開発力や資金力のある会社なので更なる拡張が期待できるし、日本語版を開発してくれるメーカーなので、日本人にとっても期待できる話と言えます。
まあパソコンのゲームソフトについては、EA に吸収されたためにその後に整理縮小され、消えていったタイトルが少なからずありますが・・・


さて、今回の買収の理由についてですが、これはどうやら「ソーシャルゲーム・プラットフォームの取得」というのが大きいようです。
「ソーシャルゲーム・プラットフォーム」は先日もご紹介したばかりですが、Apple の Game Center や、OpenFeintAGON などのゲームアプリを通じた「ソーシャル・ネットワーク・システム(SNS)」ですね。

海外では FaceBookMySpace などのコミュニティツール「SNS」が大きく発展しています。
これらは「実名による現実世界のコミュニティの補助」と言えるシステムなので、日本の環境にはまったく合っておらず、日本では鳴かず飛ばずの状態なのですが、海外では高い利益を上げています。
日本でも招待型の SNS である Mixi は大きな収益を上げていますね。

そして現在、SNS と同じぐらい成長を期待されているのが、OpenFeint などの「ソーシャルゲーム・プラットフォーム」です。
今回買収された Chillingo は Crystal というソーシャルゲームプラットフォームを持っています。
また、Chillingo に先だって EA に買収されたイギリスの Playfish という会社も FaceBook や MySpace でソーシャルゲームを作っていた会社です。

日本でも最近「モバゲー」を運営する DeNA が、Plus+ というソーシャルゲーム・プラットフォームを持っていた ngmoco というメーカーを4億ドルと言う超高額で買収しました。
ここは「Rolando」という大ヒットアプリを開発していたメーカーですが、本当の狙いは Plus+ を発展させた海外でのソーシャルゲーム展開であったようで、「今後はこれを収益の柱としたい」という意向のようです。

今年はディズニーも Tap Tap Revenge シリーズ を展開している Tapulous という会社を買収したのですが、Tap Tap Revenge 3 はそれ自体がすでに SNS となっています。

要するに、「ソーシャルゲームプラットフォームの取り合い」「ソーシャルゲームへの進出合戦」が行われているみたいですね。
日本でソーシャルゲームというと「Mixi のおまけゲーム」と「携帯電話のプチオンラインゲーム」みたいなものですが、世界的にはもっと大規模に考えられているようです。
ソーシャルゲーム・プラットフォームは普通のゲームにソーシャルネットワークのシステムを加えるものなので、FaceBook や MySpace などのオープンな SNS が盛んな海外では、日本以上の効果が期待されているのかもしれません。

あと数年経つとソーシャルゲームの世界でも、作り込まれた海外製の作品がどんどん日本に流入してくることになるかもしれませんね。
FaceBook や OpenFeint を見ていると、海外製のソーシャルシステムは日本じゃダメな気もするけど、EA や DeNA が絡んでくると、また違ったものになって行くかもしれません。

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PS ・ 先日の記事「Game Center 対応ゲーム情報」にも、対応アプリを追加しました。

ATOK Pad

※今日の記事はレビューではなく、速報レポートのようなものです。

以前から噂になっていた、iPhone 版「ATOK」・・・
iPhone の日本語変換の欠点を解決してくれるものと期待されていた訳ですが、その ATOK の「アプリ」が遂に登場しました。
ATOK Pad」です。

基本的にこのブログはゲームの紹介を行っている訳ですが、今回はこの ATOK を使ってみて感じた点をレポートしたいと思います。
今後バージョンアップが行われると思うので、あくまで「今の時点(2010/9/22)」の話だと思って下さい。
ちなみに私は普段からパソコンで ATOK を愛用しています。

残念ながらこの ATOK Pad はいわゆる「メモアプリ」で、iPhone / iPod touch の入力の代わりになるもの(IME)ではありませんでした。
これはもう、Apple がそれに関する情報開示と許可をしてくれるのを待つしかありません。
ただ、単なるメモアプリとしても、かなり高機能であることは確かです。

ATOK PAD

出来ることは普通の「メモ」なのですが、変換の精度が段違いです
さすが日本語変換の老舗、予測変換や変換候補のリストが良く、自動単語登録も良い感じで機能しており、本当に「サクサク」と文章が入力出来ます。

私は iPhone / iPod touch のデフォルトの変換ソフトもそんなに悪くないと思っていたのですが、これを使うと iPhone の変換がやはり劣ったものであった事を思い知りますね。

入力スタイルは普通のキーボードとフリック入力の他に、「リボルバータッチ入力」や「ダブルトリガー入力」を利用する事が出来ます。

前述の画像の左側が「リボルバータッチ」で、フリックする方向が上半分のみに集中しています。
これのおかげで、「下側の文字が指で隠れて確認できない」という事が無くなっています
文字の間隔が詰まっていますが、入力し辛さを感じることはなく、フリック入力としては確かにこちらの方が優れていると思います。
さらにフリック入力ではなく、「あ」を押してあ行を出してから「う」の部分をタップして入力するという「ダブルタッチ入力」にも対応
これはフリックに慣れていない人には使いやすいですね。

「ダブルトリガー入力」は前述の画像の右側のもので、左手で行を、右手でボタンを選択するもので、両手を使って素早く入力出来るという新しい入力タイプです。 これも使ってみると結構便利。

ただ残念ながら、これらの入力方法は ATOK Pad を使っている時しか利用できないので、こちらに慣れてしまうとそれ以外のアプリを使っている時に困りそう。
そのため結局、普通のフリック入力の方が汎用性がありそうなのが残念です。
これらを使うとますます「あぁ、これが iPhone の標準になれば・・・」と感じずにはいられません。

キーボードの ctrl キーを押すと、様々な機能キーが表示されます。
これは以下の様になっています。

ATOK PAD

見てのように日本語入力のための機能が一通りそろっています。
これに慣れると、もうメール打ちなどは ATOK でやるのがメインになりそうですね。

入力した文章をメールや SMS、ツイッターなどに送ることも可能
メールを併用して Evernote に送ることも出来ます。
しかしメールや SMS に関しては、送るのは簡単ですが「送られたメールに対する返信」では使い辛いので、ここが欠点でしょうか。
返信や他のアプリで使いたい場合は「クリップボード」にコピーして、メールや SMS を改めて起動してペーストする(貼り付ける)、という手順が必要になります。

iTunes には、「効果音ありだと、やや処理が重い」という意見がありますが、私的にはそんな感じは受けませんでした。
ただ、iPhone 3G だと本来の入力でさえ重いですから、機種によっては確かに反応が鈍くなることはあるかもしれません。
iPhone 4 だと効果音があっても概ね快適です。

なお、効果音は普通のキータッチ音の他に、ピアノと銃声があります。
銃声はリロードとか薬莢が落ちる音もあって結構笑えます。


そして、制限事項として現在のバージョンは「iPad では利用できません」「Bluetooth Keyboard には対応していません」という2つの欠点があります。
私的にはこの2つが一番期待するところなので、これが両方ダメって時点で使えない訳ですが・・・

Bluetooth キーボードに関しては、実は使おうと思えば使えます
以下は実際にやってみたシーン。 普通にタイピング可能です。

ATOK PAD

ちゃんと ATOK Pad の機能を使った入力が出来るので、変換についてはバッチリですし、何より「SHIFT + カーソルキー」で変換する文節の区切りを簡単に変更できます

iPhone や iPad の変換は、変換時の文節の区切りを変更したい時は画面を直接触って指定する必要があったので、キーボード使用時にはそれが非常に不便でした。
さらに最初の変換候補の中に変換したい文字がなく、変換候補の一覧を表示した場合、そこからの指定も画面を直接タップして行わなければなりませんでした。
しかし ATOK Pad + Bluetooth キーボードならパソコンと同じ操作でそれらが実行可能なので、(それが本来当たり前なんだけど)その点はかなり使いやすいです。

ただ、現在は色々とおかしい部分も多く、変換候補はスペースキーで進められるけど、戻ることが出来ません。
英数キーも正常に作動しないので、アルファベットを入力したい時に困ります。
さらに変換がおかしくなる場合が多く、例えば以下の様な症状が出ます。

atokpad3

どうやら外部キーボードを使うと iPhone / iPad 本来の変換機能が干渉してきて、ATOK が正常に変換できなくなる事があるようです

他にもちょこちょこ挙動がおかしかったりするので、まだ色々な問題がうまく解決できていないんでしょうね・・・
確かにこの状態で「Bluetooth キーボード対応です」なんて言ったら確実に iTunes レビューで叩かれるでしょうから、非対応とするのも仕方がない気がします。

ただ、すでに SHIFT + カーソルキーで文節を変えられるのを見ても解るように、外部キーボードにも対応しようとしているのは伺えます
現時点でも結構使えるので、さらに開発が進むことを期待したいですね。
そして iPad にも対応してくれたら、私的には「メモアプリ」として文句はありません。


と言う訳で、現時点ではまだ改良の余地がありますが、現段階で公開したのは「ユーザーからの意見を取り入れたい」という考えもあっての事だと思いますので、今後のアップデートに期待したいところです。
iPad 版については iPad 用の iOS4 公開を待っているのかもしれません。
将来性を感じられるアプリなので、今後の発展に期待したいですね

ATOK Pad(iTunes が起動します)
 

Doodle God

2つの素材を選択する
ただそれだけの繰り返しで「世界を創造する」という、壮大だかそうじゃないんだか解らないシンプルゲーム。
それが「Doodle God」です。

「ゲーム」と言えるのかどうかさえ微妙なほどの単純な内容ですが、それでも思わずハマってしまう楽しさがあるのが不思議なところです。

Doodle God

プレイヤーは「神」となり、最初に「火」「水」「土」「風」の4つの元素を持っています。
この元素を2つ選んで組み合わせると、別の素材が出来ます。
例えば、火と土で溶岩、水と土で沼、火と風で煙、と言った具体ですね。
これを繰り返して様々な素材を作り出していき、それをさらに組み合わせて植物や生物、そして人間や文化的なアイテムをそろえていきます。

やることは終始、素材を2つ選ぶだけ。
ゲームと言えないほどシンプルなのですが、それでも面白いのは「世界を創造する神」という壮大さと、その雰囲気を盛り上げる優れたサウンド、素朴で味のあるグラフィックのおかげでしょう。

素材が多くなってくると組み合わせを探すのが難しくなり、だんだん「総当たり」していかないと見つからなくなってきますが、4分に1回「ヒント」を使う事が出来るため、完全なハマリにはなりません。
このヘルプがあるのも良いところですね。

化学反応や進化論が考慮されているようなゲームですが、実際にはその辺はあまり深く考えられておらず、例えば私の場合、魚よりも人間が出来る方が早く、木よりも家を作る方が早かったです。

また、「金」を作るには魔術師に水銀を与えて「賢者の石」を作り、それで錬金術を行うというユーモアのある組み合わせになっています。
人間にアルコールを与えるとヨッパライになり、ヨッパライに車を合わせると交通事故で死体が出来るというブラックユーモアもあります。

Doodle God

最近、ゲームのシステムは「先祖返りしている」と言われます。
テレビ CM でおなじみの「怪盗ロワイヤル」のように、コマンドを選んで結果を見るだけのような、非常にシンプルな内容のソーシャルゲームがウケています。

ただ、こうした「結果を見るだけのシンプルなゲーム」は誰でも理解できる分、潜在的な万人ウケする要素があり、パチスロなんかもその類と言えます。
そこに SNS やギャンブルといったものが組み合わさる事で、爆発的に流行し得るものになる訳です。

結局、ゲームというものは「上手く行くから面白い」というのがある訳で、それを突き詰めれば「開始と上手く行った結果だけがあれば良く、経過はなくても構わない」という点に行き着くのかもしれません。
もちろんそれだけがゲームではないのですが、こうした形式も1つの形なのでしょうね。

※この文章は 2010 年、ソーシャルゲームの流行初期に書いたものです。

ともあれ Doodle God、シンプルだけど面白いです。
コンセプトと雰囲気の勝利、という感じのアプリでしょうか。
価格も 115 円と安く値段も内容もお手頃で、それでも雰囲気は壮大です。
こう言うのもアリなんだな、という感じのゲームですね。

※現在は 240 円になっています。
またアップデートにより、見た目はかなり変わっています。


Doodle God(iTunes が起動します)

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