iPhone AC 番外レポート

iPhone や iPad(スマホやタブレット)の、主にゲームアプリのレビューを行っています。

アドベンチャー

ゴースト トリック

「裁判」を扱ったユニークな推理型法廷アドベンチャーゲーム「逆転裁判」。
漫画や小説、舞台にまでなった大ヒット作ですが、その逆転裁判を手がけた 巧 舟 さんが作った新しいスタイルのアドベンチャーゲーム
それが「ゴースト トリック」です。

元は 2010 年の夏に発売された「ニンテンドーDS」のソフトでしたが、それからわずか半年後の 2010年12月 に iPhone にも移植されました。
解像度が高い iPhone 向けにグラフィックが修正されており、DS 版よりも綺麗な画面でプレイする事が出来ます

iTunes レビューも「超」高評価で、実際にそれが頷ける完成度です
今年最後のレビューは、この作品を取り上げたいと思います。

ghosttrick

ゲーム内容は、設定やシステムからして非常に特徴的です。
主人公は謎の死を遂げた正体不明の「幽霊」。
自分の正体を知るために、関係者が死んでいくのを物に「取り憑いて」、それを動かす事で防いでいきます。
題名の「ゴーストトリック」のトリックは、「取り憑く」という意味もあるようですね。

主人公は死者に取り憑くことで、その死者の死亡時刻の4分前に時間を遡ることが出来ます。
これを利用して死を回避出来るまで、何度でも「運命の改変」に挑戦することが可能です。 実質ゲームオーバーはありません。

死亡時刻の4分前に遡ると、そこから死の瞬間までの「動画」が再生されます。
主人公の幽霊はこの死までの動画に介入し、物に取り憑き、動かし、死の要因を取り除きます。
つまりこのゲームはある意味、史上初の「リアルタイム・アドベンチャーゲーム」と言えるかもしれません。

死を回避する方法も様々で、犯人の近くにある物を動かして犯行を邪魔する場合もあれば、ピタゴラスイッチのように物を動かして事故原因を取り除く場合もあります。

ただ、主人公の幽霊は近くの物に取り憑くか、取り憑いた物を作動させることしか出来ず、自由な移動は行えません
遠くのものには取り付けないうえに、大きな力は働かせられないので、それが一種のパズルや推理の要素になっています。
例えば、離れた場所に行くために扇風機に取り憑いてスイッチを入れ、それによって飛ばされる紙に素早く取り憑いて遠くに移動する、といった具合です。

ghosttrick

幽霊や死を扱ったゲームなので、説明だけ聞くと恐そうに思えますが・・・ 実際にはヘンな人が次々登場してボケとツッコミ(?)が連発される、かなり笑えるゲームです。
この辺は「逆転裁判」をやったことがある人なら解ると思います。
シリアスな設定に反して、ゲームは終始明るい調子で進行しますね。

もちろん謎が謎を呼ぶ奥深いストーリーも魅力の1つで、ここはもう「さすが」と言うほかありません。
シリアスなシーンとお笑いシーンがうまく盛り込まれているゲーム性は、逆転裁判のものをそのまま受け継いでいます

iPhone / iPod touch の逆転裁判は「各章が切り売り」「クリアまでに何度も追加課金が必要」という問題がありましたが、ゴーストトリックはラストまでまとめて購入出来るシステムで、この点も改善されています。

※現在は逆転裁判も全章のまとめ購入が可能です。

ghosttrick

あえて批判が出そうな点を言うと、今回は「事件を推理する」という要素は少ないので、探偵物や刑事物が好きな人だと、ちょっと思っているのとは違うかも。
そもそも主人公は死の4分前に遡り、事件の一部始終を目撃出来る立場ですからね。

もちろんこれはこれで面白いので、難点という訳ではないのですが、この辺りは逆転裁判とは異なります。
「先に事件が全部説明される」というのは、ある意味で「刑事コロンボ」的かも。

以下は Youtube で公開されている、公式のプロモーションムービーです。
ニンテンドーDS 版のものなのですが、ゲーム自体は iPhone / iPod touch と変わりません。



このゲームは前述したように、最初は ニンテンドーDS で発売されたのですが、ユーザーの評価が高かった反面、売上げは今ひとつだったようです。
確かに内容を考えると、小学生を中心とした低年齢層が主要ユーザーのニンテンドーDS には、あまり向いていなかった気がします。

しかし非常に面白いゲームであることは確かなので、ぜひ iPhone 版がきっかけとなって、知名度が上がって欲しいですね。

価格はアプリ自体は「無料」
ただし2章までしかプレイ出来ないので、無料のままでは実質体験版です。
全章プレイするには 1500 円 のアプリ内課金が必要となります。

iPhone / iPod touch で 1500 円というと正直高いと思いますが・・・
しかし半年前に DS 版が 5000 円で発売されたばかりで、それよりもグラフィックや動画の質が大幅に良くなっているので、それで 1500 円というのはむしろお得だと思います。
ゲームの内容も十分 1500 円の価値がある面白さです。

とりあえず2章まででも十分に面白いので、やってみて損はありません。
ぜひ多くの iPhone ユーザーに体験して欲しいゲームです。

ゴースト トリック(iTunes が起動します)

シャドーガーディアン

各地の古代遺跡などを探検しながら、宇宙の謎を紐解くという秘宝を探す「3D フリークライミング」のアドベンチャーゲーム
それが「シャドーガーディアン」です。

このゲームを一言で言うと「ゲームロフトのアンチャーテッド」なのですが・・・
「アンチャーテッド」というゲームは PS3 でしか発売されていないアメリカのゲームなので、国内の知名度は低く、知らない方も多いでしょうね。
しかし欧米では非常に有名なゲームで、数々のゲーム賞を受賞したという近年のヒット作の1つです。

壁や崖、屋根の上など、一見移動出来そうにない場所を「フリークライミング」のようによじ登っていき、建物や遺跡に潜入してお宝を探す内容で、B級映画のようなストーリーと連発されるピンチシーン、そして FPS のような銃撃戦があるゲームです。
似たジャンルのゲームに、今では映画の方が有名になった「トゥームレイダー」がありますが、その流れのゲームの1つと言えます。

シャドーガーディアン

まず最初に言っておくべき事として・・・ このゲームは iPhone 4 か 3GS、及び第三世代 iPod touch 以降にのみ対応しています。
iPhone 3G などの旧機種ではプレイ出来ないので注意して下さい。
(iPad は専用版の HD が用意されています)

ゲームロフトのゲームは基本的に「旧機種を切り捨てない方針」でした。
しかしこのゲームはゲームロフト初の「新機種専用アプリ」となっていて、そのためグラフィックの質は大きく向上しています。
その画面の綺麗さは、上の画像を見てもよく解ると思います。

正直、Infinity BladeRAGE HDReal Racing 2 などの最新のハイクオリティーグラフィックのゲームと比較すると、やや角張った形状が目立つグラフィックで、それらに匹敵する程ではないのですが、しかし旧機種を切り捨てただけあってゲームロフトの中では間違いなく最高のグラフィックです。
ステージに何ヶ所かは「うぉぉ、こりゃ凄い」「これは綺麗だ」と思うグラフィックの場面が用意されていて、「俺たちだって本気になればこのぐらい出来るんだ!」というゲームロフトのアピールなのかもしれません。

旧機種の切り捨ては、iPhone 3G や数年前の iPod touch を使っている人は残念に思うと思いますが、しかしそこがボトルネック(足かせ)になっていた事も確かです。
そろそろこういった、「フラグシップ」「技術アピール」的なゲームが出てくる時代なのかもしれませんね。

シャドーガーディアン

ゲーム内容は、「3D グラフィックのフリークライミング型アドベンチャーゲーム」と言えます。
それに、たまに FPS 的な銃撃戦が付いている、という感じです。

勘違いしてはいけないのは、このゲームはその「銃撃戦」の部分はメインではないと言う事。
複数の銃を装備していて、銃弾もあって、遮蔽物に身を隠しながら撃ち合える FPS 的なシーンは確かに存在します。
iTunes のスクリーンショットでも銃撃戦のシーンが最初に掲載されています。

でも、このゲームはあくまで遺跡の探索がメインで、言わば「3D の謎解き(と言うかルート探し)アクション」のような感じです。
銃撃戦の事だけを考えると、モダンコンバット2ブラザーインアームズ2 をやった方が良いので、その点は注意して下さい。

前述したように「フリークライミング」のようなシーンが多く、壁や柱をよじ登る場面が多くあります。
どうやって目的地に到達するか、いかにそのルートを探すか、その辺りがゲームのメインになっていると言えますね。
元となった「アンチャーテッド」もそう言うゲームと言えます。

シャドーガーディアン

ただ、これを良い点と言うべきか悪い点と言うべきかは難しいところなのですが、このゲームはどんな場所をよじ登っている場合でも、絶対に「落ちて死ぬ」という事はありません

ジャンプで失敗したり、行きすぎて足を滑らせたり、手をかけそこなって落ちると言う事はなく、つまり「決められたルートをなぞって行けば自然と誰でも登っていける」ようになっています。
そのため、どんな場面を登っている場合でも「スリル感」のようなものがありません。
これが「アンチャーテッド」だと、タイミングが悪かったりジャンプが遅れたりすると落ちて死ぬ場合があったので、スリル感もあったのですが・・・

とは言え、iPhone / iPod touch のゲームであることを考えると、あまりシビアな操作が要求される場面が出てくるのも問題です。
だからタッチパネルでの操作のことを考えると、これでも良いのかなぁ、とも思ったりして・・・ ここは難しいところですね。

クライミングシーンで残念なのは、アンチャーテッドは「足場が傾く」とか「持っていた棒が曲がる」とか「上から物が落ちてくる」とか、様々な「ピンチ」が連発されて、それがアクションと演出の面白さになっていたのですが、シャドーガーディアンは「手や足をかけている部分が崩れ落ちる」という場面ばかりが繰り返される事。
つまり「ピンチ」のバリエーションが少ない。
だからずっとやってると、「ああ、ここで崩れるんだろうな」というのがなんとなく解ってきます。
この辺もスリル感を損なっている部分と言えますね。

銃撃戦のシーンは、物陰に隠れて戦えるのは良いのですが、普通に撃っても敵に全然当たりません。
撃ったポイントが照準からズレるし、射程も非常に狭くなります。
エイム(狙撃)モードにすれば狙った場所に撃てるようになるので、エイムと通常状態の切り替えが重要なのですが、これが解りにくい

普通の FPS と同じ感覚でやってると、「照準を敵に合わせて撃ってるのに全然当たらない」という事になるので注意して下さい。
新機種用なのに iPhone 4 のジャイロに非対応なのも残念な点と言えますね。

シャドーガーディアン

ストーリーは、ゲームロフトのゲームの中では解りやすい方でしょうか。
「捕まった主人公の回想シーン」という形で各ステージが進むため、最終的にどうなるのか、先が見たくなる展開にはなってますね。

誰でもクリア出来る、非常にプレイしやすい携帯用のアンチャーテッド」という感じで、その意味では「非常にゲームロフトらしいアレンジのゲーム」と言えそうです。(ただ、ボスは相応に手強いです)

この手のアドベンチャーゲームでこんなにプレイしやすいゲームは他にないので、そこを「遊びやすい」と取るか、「物足りない」と取るかで評価が分かれると思いますが、私的には悪くないゲームだと思います。
映画を見ているような感じで楽しむのが良いゲームですね。

価格は 800 円と割高ですが、これだけのグラフィックとクオリティーですから、値段分の価値はあると思います。
ボリュームもかなりあり、1ステージの長さもかなり長めです。
(30分以上かかるステージも多いです)

注目なのは、ゲームロフトが新機種専用のゲームも出してきたと言う事でしょう。
Unreal Engine の Epic Games や、FPS の老舗 id Software などが新機種用のハイクオリティーなアプリを出してきましたから、FPS のもう一つの大手 Ubisoft (ゲームロフトの親会社)も、うかうかしてはいられないと言ったところでしょうか。
来年の iPhone / iPod touch での各社の競走が楽しみなところです。

最後になりましたが、以下は Youtube で公開されている公式トレーラーです。



シャドーガーディアン(iTunes が起動します)
シャドーガーディアン HD(iPad 専用版です)

DWARF COMPLETE

韓国のメーカー「NC Soft」が開発・運営している、非常にメジャーなオンライン RPG 「リネージュ II」。
そのリネージュ2に登場するドワーフの女の子を主人公にした、ユーザー作成の謎解き Flash ゲーム。
それが「DWARF COMPLETE(ドワーフコンプリート)」です。

ユーザー作成の Flash ゲームと言っても、ちゃんと NC Japan 公式のもののようで、作成されたのも有名な Flash 制作者の ON さんという方。
ON さんのサイト「EYEZMAZE」は以下になります。
http://www.eyezmaze.com/jp/index.html

と言っても Flash ゲームのサイトなので、iPhone / iPad ではほとんど見れません。 念のため。

ドワーフコンプリートの Flash 版は 500 万プレイを達成し、mixi アプリなどにも移植されています。
知名度があったためか、iTunes でも登場と同時にランキング上位になっていたのですが・・・ 操作性の問題で酷評されていました。
しかし先日、操作性が改善されたアップデートが行われ、再公開されています。

DWARF COMPLETE

ゲームは「謎を解きながら」ダンジョンを探索し、アイテムを集めていくという内容です。
「謎解きアクション」として有名なゼルダの伝説から、アクション性を抜いたという感じでしょうか。
ゲームジャンルとしては「アドベンチャー」や「脱出ゲーム」になるでしょう。

グラフィックはいかにも「Flash ゲーム」という感じで、見栄えのする絵柄ではないのですが、味のある絵ではありますね。

様々な「謎」を解きながら進んでいかなければならないのですが、必ずどこかに謎のヒントがあります。
それは見た目のヒントだったり、罠や仕掛けがヒントになっていたりして、そのものズバリというヒントではないのですが、観察や推理、発想で思い付くようなものになっています。

そのためちょっと捻って考える事も必要で、そうした「推理や発見の積み重ね」が面白いゲームと言えます。
解法を見つけた時の達成感・優越感が楽しさと言えるでしょうか。

問題だった操作性は、「十字キーの固定」と「スライド操作」の導入で改善されています。
と言っても、お世辞にも「操作性が良い」とは言えないのですが・・・ それでも前よりはだいぶマシなようですね。

操作の設定はタイトルメニューの「CONTROL」で行えるので、すぐ「D-Pad」を「LEFT」にして固定するのをオススメします。
ただ、これだと十字キーの真下が見にくいという問題があるので、その辺りを見る必要がある時は、スライド操作も併用して補いましょう。
十字キーを ON にしていてもスライド操作は行えます

DWARF COMPLETE

難点・・・ と言えるかどうか解りませんが、やや問題かもしれないのは、ドワーフコンプリートは有名な Flash ゲームだったので、すでに各所で解法が掲載されていること。
つまりそれを見ながらプレイしてしまうと、あっさり終わってしまいます。

まあ自力でやっているうちは見なければ良いし、完全に行き詰まってしまうとゲームは楽しくないので、そう言う時にチラッと解法を確認できるのは、むしろ良いことかもしれませんけどね。

と言うか、タイトル画面で「RECORD」を選択し、そこで「Search」のボタンを押すと、なんとブラウザが開いて「ドワーフコンプリート」の Google 検索画面が開きます。
もちろんそこには解法サイトやヒントサイトが並んでいて・・・
これは、一応「救済措置」と思って良いのでしょうか?
でも出来るだけ自力で考えた方が楽しいですよ。


と言う訳でドワーフコンプリート、現在(2010/12)はオープン記念と言う事で「無料」で公開されています。
定価がいくらなのかは不明で、また NC Japan のアプリは元々無料のものが多いので、有料になる予定があるのかどうかも解りませんが、とりあえずタダのうちは落としておいて損はないと思います。
ちなみに Flash によるパソコン版は こちら のページでプレイが可能です。

DWARF COMPLETE(iTunes が起動します)

NOIZ QUBE

あのカラオケシステム JOYSOUND が開発したという、「音を聴いて仕掛けを解く」という脱出型アドベンチャーゲーム。
それが「NOIZ QUBE」です。

音がギミックになっているという点が面白く、急にアプリランキングの上位にも入っていたため、試してみたゲームですが・・・
私的には、ボリューム不足の感が否めません。 ただ、アイデアは良いと思います。
ヘッドホン推奨のゲームで、実際にヘッドホンで聴かないとクリア困難な謎が存在します。

NOIZ QUBE

矢印タップでその方向に移動、画面内にある物をタップすることで音が鳴ったり、ズームしたり、何らかの反応が生じたりします。

部屋には数字の書かれたドアがあって、「何か」をすると鍵が外れ、次の部屋に進むことが出来ます。
何をすれば良いかはどこかにヒントがあって、画面にある物を元に推理しながら解いていく形になります。
また、前述したように「音」がヒントになっている場面も多く、ヘッドホンでよく聴きながらプレイする必要がありますね。

以下は開発元が公開している Youtube のプレイ動画です。



しかしこのゲーム、残念ながら・・・ ボリュームがありません
部屋は全部で 10 部屋。 1つの部屋を3分ぐらいでクリアしたとすると、30 分ぐらいで終わってしまいます。
おまけにアドベンチャーゲームですから一度クリアしたら終わり
何度も楽しめるようなものではありません。

一応スコアがあって、プレイごとに一部の解法も変わるため、「タイムアタックでスコアを競う」という要素もあるのですが、手順はまったく同じだし、何度もプレイするようなゲームではないですね・・・

謎や仕掛けはそんなに難しくありませんが、難しすぎても楽しくないので、難易度としてはちょうど良いぐらいだと思います
雰囲気なども良いため、出来ればもっとボリュームがあれば・・・ と思いますね・・・

NOIZ QUBE

価格は 230 円ですが、このボリュームでは高いと思います
高すぎる価格ではありませんが、ミニアプリと言った感じの内容なので、遊べる時間を考えると有料でも 115 円が妥当な気がします。
ただ、コンセプトは非常に良いゲームなので、ボリュームがある続編が出て欲しいと思うアプリではありますね。

演出が寂しく、エンディングのようなものもありませんが・・・ ここは「そういう雰囲気やデザイン」だということでしょうか。

あまりオススメできるアプリではありませんが、ちょっと変わった脱出ゲームがやってみたいなら試してもいいかも?

・NOIZ QUBE(公開終了)

ギャングスター : Miami Vindication

欧米で大人気となっているゲームのジャンルに「クライムゲーム」(クライムアクション)というものがあります。
クライム(Crime)とは「犯罪」の事で、町中を自由に散策し、あらゆる犯罪が出来てしまうという自由度の高い、しかし道徳的には問題のあるゲームの事です。
暴行・窃盗・強盗・殺人などが自由に出来てしまう「GTA(グランド・セフト・オート)」というゲームが特に有名です。

そんなクライムゲームをモバイル用のゲームにしたのがゲームロフトの「ギャングスター」シリーズです。
そのギャングスターの iPhone / iPod touch 第二弾が、今回ご紹介する「ギャングスター:Miami Vindication」です。

舞台はアメリカのリゾート地「マイアミ」。
平気で窃盗や殺人を繰り返せる主人公が、さらわれた弟を助けるため町中でギャングやマフィア、さらには警察と抗争します。

ギャングスター : Miami Vindication

ゲームは基本的には、「ミッション」を繰り返すことで進行します。
ミッションは「指定の場所まで行け」「指定の車を盗め」「警察から逃げろ」「相手車両を尾行しろ」など非常に豊富
合間にはストーリーシーンも挿入され、ミッションの数も75以上とかなりの数
1つのミッションを 10 分ぐらいで終わらせても最後まで十数時間以上かかるという、かなり大ボリュームのゲームとなっています。

でもこのゲームの醍醐味は、そんなお決まりのミッションをこなしていく事ではなく、犯罪でもなんでも自由に行えてしまうことでしょう
その辺の通行人をバットで殴りお金を奪うことも、運転手をぶっ飛ばして車を強奪することも、通行人に車で突っ込んでひき殺すことも、町中で銃を乱射して無差別殺人することも出来てしまいます。

まあそんなことをしていると「指名手配」されて多数の警官に追われ、ボコボコにされてしまいます
だから実際には「何でもやり放題」という訳ではないのですが、「やろうと思えば出来る」というところがこのゲームの特徴でしょう。

様々な乗り物に乗れるのも大きな特徴で、車やバイクはもちろん、ボートやヘリまで登場。 それらで「レース」を行うシーンもあります。
町はかなり広く、作り込まれていて、昼夜の移り代わりもあります。
色々なところにお金やアイテムが落ちていたりするので、広い町を適当に散策してみるのも悪くありません。

ギャングスター : Miami Vindication

ただ、個人的には・・・ 言われているほど面白いとは思わなかったですね。

確かに「何でも出来る自由度」は良いと思いますし、歩きだけでなく様々な乗り物を操縦して広い町を自由に動けるのも素晴らしい点です。

ただ「ゲーム」として見ると、戦闘シーンや銃撃シーンがそんなに作り込まれている訳ではないし、キャラクターの造形や動きもそれなりで、「何でも出来るけど、1つ1つのレベルは低い」という印象を受けてしまいます。
キャラクターの動きにもゲームロフト特有の質感の無さを感じます。
もちろん「総合的に評価すれば」完成度は高いんですが・・・ 

また、このゲームは「好き放題やってしまう」のが面白いゲームなのだと思いますが、私は一般人を襲っても別に面白いとは思わないので・・・

iTunes の評価は非常に良いのですが、価格を考えてもこのアプリは「こうしたジャンルが好きな人」しかやっていないと思うので、それで高評価なのかなと思います。
道徳的にもゲーム的にも、あまり一般向けではないと思いますね。

でも iPhone / iPod touch アプリであることを考えると凄いゲームだと思います。
豪邸のプールで泳いだり、階段を上ってモノレール駅に行き線路の上を歩いたり、やろうと思ったら手榴弾でその辺の車を爆破しまくったりも出来る、かなり作り込まれたゲームです。

グラフィックはやや荒い気もしますが、iPhone 3G でも動作可能で、旧機種対応としては最高レベルの 3D グラフィックでしょう。
ただ、かなり大容量のゲームなので、iPhone 3G でプレイする場合は事前に本体を再起動した方がいいでしょう。

価格は 800 円。 それだけのボリュームと内容は十分にあります。
iTunes の評価を見ても解るように、好きな人には総じて高評価のアプリです。

ギャングスター:Miami Vindication(iTunes が起動します)
ギャングスター:Miami Vindication HD(iPad 専用です)

Prince of Persia Retro (プリンス・オブ・ペルシャ レトロ)

映画「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」。
この映画は PS2 で発売された同名ゲームを元に作られたものですが、元々はパソコンの黎明期に作られた、古いゲームソフトがベースになっています。

それが元祖「Prince of Persia」(プリンス・オブ・ペルシャ)。
そしてそれを iPhone / iPod touch に移植した物が「Prince of Persia Retro」です。

多くの家庭用ゲーム機に移植されたかつての名作で、私がプリンス・オブ・ペルシャを初めてやったのはスーパーファミコン版でした。
当時としては非常に滑らかなキャラクターの動きが話題となったゲームで、実際の人の動きを再現する「モーションキャプチャー」の技術を、初めてゲームに使用したソフトだったと思います。

ただしこのゲームは非常に難易度が高く、今でも難しいゲームの代表格として名前が挙げられることが多いです。

Prince of Persia Retro

ペルシャの王子が悪い大臣に捕まったお姫様を助けに行く、ステージクリア型のアクションゲームですが、即死トラップがてんこ盛りで、高所から落ちても死ぬし、抜ける床も多いし、トゲに刺さると死ぬし、敵兵に斬られても死にます。
その死にっぷりは「スペランカー」に勝るとも劣らない勢いで、とにかく高難度なゲームです。

このゲームはどちらかと言うと、アクションゲームよりアドベンチャーゲームに近く、「どうやってしかけやトラップをかいくぐり、ゴールに向かうか」を試行錯誤していくのがメインと言えます。
ただしシビアなアクション操作も要求されるため、とにかく難易度は高いです。
ただ、1つのステージはそんなに長くないし、トラップの対応法もやっているうちに解るので、徐々に攻略していける楽しさもあります。
長めのステージだと死んでも途中から再開できますし、アクションも「手順が解っていればクリアは難しくない」というぐらいの難度です。


しかし最近のゲームしか知らない人だと、あまりにもすぐ死ぬうえに死んだらステージの最初からやり直しというゲーム性に、辟易するかもしれませんね。
「今この難易度だと、付いて来れる人は少ないだろうなぁ・・・」というのも本音です。
挑戦するなら、「手強いゲームである」というのを承知の上で挑みましょう。

このアプリは映画「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」のアピールのために公開されたものだと思いますが、ゲーム中にそれに関連した広告が出るようなことはなく、あくまで「旧作の移植」という形に留められています。

Prince of Persia Retro

価格は 115 円と安く、ボリュームは十分にあるので、価格と内容を考えると、かなりお得なアプリと言えます
でも「難しいゲームはイヤだ!」とか「死にまくるゲームはストレス貯まるから嫌い!」という人というには勧められませんね・・・
逆にレトロゲームファンには特にオススメでしょうか。

人を選ぶゲームだと思いますが、かつての市販ソフトがそのまま移植されているため、たっぷり遊べる内容であることは確かですね。

Prince of Persia Retro(iTunes が起動します)


このゲームはキャラクターの移動や操作が独特ですが、アプリ内に操作に関する説明はほとんどありません。
おそらく最初から、かつて「プリンスオブペルシャ」をプレイしたことがある人をターゲットにしているのだと思います。

しかしそれでは初めてプレイする方には厳しいので、ここで基本的な操作と攻略方法を解説しておきたいと思います。

【ちょこっと攻略】

・▲ボタン以外の、画面のすべてが「アクションボタン」になっています
物があるところでアクションボタンを押す(画面のどこかをタップする)と拾います。
剣を持っている時はアクションボタン(画面のどこかをタップ)で攻撃します。
段差に手が届く時に、アクションボタンを押しっぱなしにする(画面をタップし続ける)と段差を掴んで「ぶら下がり」ます。

・アクションボタンを押しっぱなしにして(つまり画面のどこかをタップしながら)左右移動すると、「すり足」で移動します。
「すり足」で移動すると、穴や段差、トラップなどのギリギリの位置まで移動する事が出来ます
・「すり足」ならトゲトゲの上に移動しても、トゲに刺さりません。
プリンス・オブ・ペルシャ

・ジャンプで手が届く段差は、上向きの▲ボタンを押しっぱなしにすることで、そのままよじ登ることが出来ます。
・「すり足」で足場の端まで行き、穴とは逆の方を向いてから下向きのボタンを押すと、段差から降ります。
この時、アクションボタン(画面)を押しっぱなしにしておけば、段差から降りる時にすぐに飛び降りず、ぶら下がったままになります。
プリンス・オブ・ペルシャ

・すり足で穴のギリギリの位置まで移動し、そこから前にジャンプ(横と上のボタンを同時押し)すると、2タイル分の穴を飛び越えられます。
・ダッシュしながらジャンプすると、3タイル分の穴を飛び越えられます。
・ダッシュしながらジャンプしてアクションボタン(画面)を押しっぱなしにしておくと、4タイル先の段差に指を引っかけてぶら下がれます
Prince of Persia Retro

・崩れる床や天井は、ジャンプして着地した時に少し揺れるのでそれで判別できます。
「すり足」でも崩れる床の前で一旦止まるので解ります。
・崩れる床は走って行けば落ちる前に走り抜けられます。
真上の天井が崩れる場合、下からジャンプすると壊せます
ただし破片が落ちてくるのですぐ避けないとダメージを受けます。

・ステージの合間に出てくる姫のシーンには、砂時計があります。
この砂時計は「残り時間」を表しており、これが尽きてしまうと救出失敗になってしまいます。
砂時計の砂はプレイ時間 60 分で尽きます。
死んだ時の分は含まれないので、ゆっくりやらない限り大丈夫だと思いますが、時間制限があることは念頭に入れておきましょう。
 

Hungry Shark

サメになって他の魚や人を襲って食べ尽くす、残酷なゲームが「Hungry Shark」です。
私はホラー以外の残酷表現のあるゲームは好きではないのですが、ずっと iTunes ランキングの上位にあるアプリですね。

ゲームとしては、アクション性のあるショートアドベンチャーといえるでしょうか・・・?
海の中を自由に探索し、様々な生き物を食べてライフを回復しつつ、海底に沈んでいるレアアイテムを集めていく内容です。

昔、「エコー・ザ・ドルフィン」という世界的に評価されたイルカが主人公のゲームがあったのですが、それにやや似ている雰囲気です。
・・・残酷な部分以外は。

hungryshark

iPhone / iPod touch 本体の傾きでシャークを操作し、近くにいる魚やら人間やらを襲ってバクバク食べながら、広い海洋を探索していきます。
泳いでいるだけでヘルス(体力)が減っていくため、どんどん食べて回復しながら進んで行かなければなりません。

浮かんでいる機雷に触れたり、膨らんだハリセンボンに刺さったり、深海魚に噛み付かれたりすると大きなダメージを受けてしまいます。
また、サメは食べるほど体が大きくなっていくので、次第に回避が難しくなっていきます。
画面をタップするとダッシュすることが出来るので、深海魚やハリセンボンはそれをうまく使えばダメージを受けずに噛み付けます。

海はかなり広く、南国風のビーチから海底洞窟、氷山の下まで変化に富んでいて、生き物も小さな魚から回遊魚、ペンギンまで様々です。

基本的にはスコアを稼ぐのが目的ですが、海のどこかに 10 個のレアアイテムが沈んでいて、それをすべて集めるのが最大の目標になりますね。

hungryshark2

海は広いのですが、それでもしばらくやっていると、割と早く全体像が見えて来ます。
もうちょっと広ければ・・・ と思うのも本音です。

残虐表現がある点も万人にオススメ出来ない部分ですが、これは「サメ」を主役にしている以上、仕方がないかな・・・
イルカとかが主人公ならもっとフレンドリーなゲームになっただろうけど、それだとまんま「エコー・ザ・ドルフィン」だからなぁ。

まあ、こういう「人を襲う」みたいな部分が好きな人も多いでしょうから、この辺は好みの問題でしょう。
とりあえず、子供にはお勧めしませんし見せないように。


「ショートゲーム」として見るとなかなかの秀作だと思います。
もっと探索したい、もっと泳ぎたい、と思う気持ちもありますが、携帯のゲームであることを考えると、「このぐらいが手軽に遊べていいのかな」とも思います。
でも、もっと奥深さと広さがあれば、I Dig It! に負けない「探索ゲーム」になった気もするので、その点では惜しい気もする・・・

定価は 230 円と安く、セールで 115 円になっている事もあるようです。
価格を考えるとお買い得なアプリですね。
ただし何度も言いますが、残酷な表現が嫌いな人にはオススメしないので悪しからず。

Hungry Shark (新バージョンの ハングリーシャーク エボリューション が公開されたため販売終了)

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