iPhone AC 番外レポート

iPhone や iPad(スマホやタブレット)の、主にゲームアプリのレビューを行っています。

カプコン

ゴースト トリック

「裁判」を扱ったユニークな推理型法廷アドベンチャーゲーム「逆転裁判」。
漫画や小説、舞台にまでなった大ヒット作ですが、その逆転裁判を手がけた 巧 舟 さんが作った新しいスタイルのアドベンチャーゲーム
それが「ゴースト トリック」です。

元は 2010 年の夏に発売された「ニンテンドーDS」のソフトでしたが、それからわずか半年後の 2010年12月 に iPhone にも移植されました。
解像度が高い iPhone 向けにグラフィックが修正されており、DS 版よりも綺麗な画面でプレイする事が出来ます

iTunes レビューも「超」高評価で、実際にそれが頷ける完成度です
今年最後のレビューは、この作品を取り上げたいと思います。

ghosttrick

ゲーム内容は、設定やシステムからして非常に特徴的です。
主人公は謎の死を遂げた正体不明の「幽霊」。
自分の正体を知るために、関係者が死んでいくのを物に「取り憑いて」、それを動かす事で防いでいきます。
題名の「ゴーストトリック」のトリックは、「取り憑く」という意味もあるようですね。

主人公は死者に取り憑くことで、その死者の死亡時刻の4分前に時間を遡ることが出来ます。
これを利用して死を回避出来るまで、何度でも「運命の改変」に挑戦することが可能です。 実質ゲームオーバーはありません。

死亡時刻の4分前に遡ると、そこから死の瞬間までの「動画」が再生されます。
主人公の幽霊はこの死までの動画に介入し、物に取り憑き、動かし、死の要因を取り除きます。
つまりこのゲームはある意味、史上初の「リアルタイム・アドベンチャーゲーム」と言えるかもしれません。

死を回避する方法も様々で、犯人の近くにある物を動かして犯行を邪魔する場合もあれば、ピタゴラスイッチのように物を動かして事故原因を取り除く場合もあります。

ただ、主人公の幽霊は近くの物に取り憑くか、取り憑いた物を作動させることしか出来ず、自由な移動は行えません
遠くのものには取り付けないうえに、大きな力は働かせられないので、それが一種のパズルや推理の要素になっています。
例えば、離れた場所に行くために扇風機に取り憑いてスイッチを入れ、それによって飛ばされる紙に素早く取り憑いて遠くに移動する、といった具合です。

ghosttrick

幽霊や死を扱ったゲームなので、説明だけ聞くと恐そうに思えますが・・・ 実際にはヘンな人が次々登場してボケとツッコミ(?)が連発される、かなり笑えるゲームです。
この辺は「逆転裁判」をやったことがある人なら解ると思います。
シリアスな設定に反して、ゲームは終始明るい調子で進行しますね。

もちろん謎が謎を呼ぶ奥深いストーリーも魅力の1つで、ここはもう「さすが」と言うほかありません。
シリアスなシーンとお笑いシーンがうまく盛り込まれているゲーム性は、逆転裁判のものをそのまま受け継いでいます

iPhone / iPod touch の逆転裁判は「各章が切り売り」「クリアまでに何度も追加課金が必要」という問題がありましたが、ゴーストトリックはラストまでまとめて購入出来るシステムで、この点も改善されています。

※現在は逆転裁判も全章のまとめ購入が可能です。

ghosttrick

あえて批判が出そうな点を言うと、今回は「事件を推理する」という要素は少ないので、探偵物や刑事物が好きな人だと、ちょっと思っているのとは違うかも。
そもそも主人公は死の4分前に遡り、事件の一部始終を目撃出来る立場ですからね。

もちろんこれはこれで面白いので、難点という訳ではないのですが、この辺りは逆転裁判とは異なります。
「先に事件が全部説明される」というのは、ある意味で「刑事コロンボ」的かも。

以下は Youtube で公開されている、公式のプロモーションムービーです。
ニンテンドーDS 版のものなのですが、ゲーム自体は iPhone / iPod touch と変わりません。



このゲームは前述したように、最初は ニンテンドーDS で発売されたのですが、ユーザーの評価が高かった反面、売上げは今ひとつだったようです。
確かに内容を考えると、小学生を中心とした低年齢層が主要ユーザーのニンテンドーDS には、あまり向いていなかった気がします。

しかし非常に面白いゲームであることは確かなので、ぜひ iPhone 版がきっかけとなって、知名度が上がって欲しいですね。

価格はアプリ自体は「無料」
ただし2章までしかプレイ出来ないので、無料のままでは実質体験版です。
全章プレイするには 1500 円 のアプリ内課金が必要となります。

iPhone / iPod touch で 1500 円というと正直高いと思いますが・・・
しかし半年前に DS 版が 5000 円で発売されたばかりで、それよりもグラフィックや動画の質が大幅に良くなっているので、それで 1500 円というのはむしろお得だと思います。
ゲームの内容も十分 1500 円の価値がある面白さです。

とりあえず2章まででも十分に面白いので、やってみて損はありません。
ぜひ多くの iPhone ユーザーに体験して欲しいゲームです。

ゴースト トリック(iTunes が起動します)

1942 -FIRST STRIKE-

カプコンのアーケードゲーム初期の名作シューティング「1942」。
それは 1943 や 1941 などシリーズ化され、カプコンの定番シリーズとなっていました。

そして先日、その 19○○ シリーズの iPhone / iPod touch アプリが登場しました。
1942 -FIRST STRIKE-」です。

いや、正確には・・・ 「以前から販売されていました」。
実はこのアプリ、欧米では半年ほど前から公開されていたのです。
日本で公開されていなかったのは、これがカプコンのヨーロッパ支社で作られたものだからのようで、つまり日本のカプコン本社はノータッチの模様です。

先に言ってしまいます。
このアプリは日本で言うところの「1942 シリーズ」ではありません。
海外開発のため本家の 1942 らしさはほとんどなく、ゲーム内容は完全に「向こうで作られたゲーム」です。
海外の別メーカーで作られたオリジナルのシューティング」だと思った方が良いでしょう。

1942 -FIRST STRIKE-

オーソドックスなスタイルの縦スクロールシューティングです。
自機は耐久力制+残機制で、ボムもあり。
武器は通常弾(パワーアップで貫通弾)、機銃弾、拡散弾(3WAY、4WAY)が用意されていますが、パワーアップは2段階しかなく、そんなに強化されません。
この点は初代 1942 や 1943 らしいとは言えます。

自機は 19○○ シリーズのメイン機「P-38 ライトニング」の他に、イギリスの名機「モスキート」、日本の幻の戦闘機「震電」の3機。
各機体は移動速度や攻撃力・防御力が異なりますが、能力はステージ開始前に所持資金でパワーアップできるため、最終的にはどの機体も同じような能力になります。 初期能力と見た目が違うだけですね。

操作は指の少し上に自機が移動するタイプですが、自機の速度には上限があるため、指を動かしたのと同じ速さでは動きません。
指を後から追従してくるような動きになるため、ややゆったりとした慣性が働いているような動きになり、最近のシューティングに慣れていると違和感を感じます。
指の上に位置するという性質上、画面の最下部にも行けませんし、「やや古い iPhone のシューティング」という感じの操作と言えますね。

私的には、それほど悪い操作性ではないと思います。
しかし画面下からも敵が出てくることが多い上に、その敵が指で隠れて見えない事が多く、海外製の縦シューにありがちな「イマイチ配慮がない内容」であるとは言えます・・・

以下は海外サイト The GameTrail による、Youtube で公開されたゲームトレーラーです。



基本的には「普通の縦シュー」で、あまり特筆する点はありません。
そんなに悪い点はありませんが、良いと思う点もありません。
背景はそれなりに綺麗ですが、演出はもの足りず、戦車や軍船を倒しても残骸なしで消えてしまいます。 敵の種類も少なめです。
これが登場したのが2年前なら、定番シューティングになり得たでしょう。
そんな感じの内容ですね。

今となっては「佳作」に過ぎず、海外での評判も芳しくありませんでした
ただ、海外版は「操作性が悪い、当たり判定デカ過ぎ」など散々な言われようだったのですが、私がやった限りではこれらの問題点は感じなかったので、日本発売の前に日本向けに調整が行われているかもしれません。

しかし 1942 シリーズらしさは背景や舞台設定だけで、カプコンの 19○○ の名を冠しているシューティングとしてみるとガッカリする事になります。
海外製のオリジナルシューティングとしてみると・・・ まあまあと言ったところでしょうか。

ステージ開始前にちょっとした 3D ムービーがでたり、ボス前に登場演出などが入ったりするのですが、ゲーム自体の演出がアレなので、そっちに力を入れるんならゲームをもうちょっと・・・ とか思ってしまいます。

1942 -FIRST STRIKE-


価格は 350 円ですが、今となってはこの値段でこのクオリティーでは高く感じてしまいますね。
「ケイブシュー」とまで行かなくても、AirAttack や Super Laser のような秀作シューティングが 115 円で売られているのですから、どうしても割高に思ってしまいます・・・

言われているほど悪くないと思いますが、「1942 の名を冠したカプコンのアプリ」である事が、酷評や期待外れに繋がったのもありそうです。
どうもカプコンは、日本で作ったものと、アメリカやヨーロッパの支社で作ったものの差が大きいように感じます。
この辺はセガもそうなのですが、海外支社製のものは日本の本社の物とは別の、「外注版」や「別メーカー版」だと考えた方が無難でしょうね。

1942 -FIRST STRIKE-(iTunes が起動します)

カプコンアーケード

カプコンの名作オールドゲームの数々を、ゲームセンター感覚で楽しめる無料アプリが公開されています。
その名も「カプコンアーケード」。

このアプリはたぶん PSP の「カプコン クラシックス コレクション」の移植に近いのではないかと思うのですが、この辺りについては後述します。
現時点では「ストリートファイターII」「1942」「大魔界村」「戦場の狼」の4つがプレイ可能で、毎月新ゲームを追加していく予定とのこと。

※現在はアップデートで以下のゲームも追加されています。
「ファイナルファイト」「1943」「超魔界村」「スーパーパズルファイター II X」「ストリートファイター II' Turbo」「マジックソード」。

アプリは無料、さらに1日3回まで無料でプレイする事ができますが、それ以上プレイするには課金が必要になるという形式です。
3回までなら無料で楽しめるのでお得と言えますが、多くの課金システムも備わっており、ある意味野心的なシステムと言えますね。
現在の iPhone / iPod touch はこうした「基本料金無料の追加課金型アプリ」が増えつつあるようです。

※2011年9月のアップデートで、フリーチケットは初回に10枚貰えて、以後は増えなくなりました。
最初のチケットを使い切ったら課金しないとゲームは出来ません。

このアプリは販売/開発元に「CAPCOM U.S.A.」と明記されているため、課金システムを見ると日本のカプコンも監修しているとは思いますが、基本的にはアメリカ側の開発だと思われます。

capcom

以下は各ゲームのレビューですが、正直「辛口」です。
そうしたレビューが嫌いな方は見ないで下さい・・・


【 ストリートファイターII 】

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言わずと知れた対戦格闘、そしてアーケードゲーム界の金字塔。
その「ストII」の初代が移植されています。

iPhone 版スト IV 風の必殺技ボタン(SPボタン)が付いたコントロールになっていますが、設定変更で6ボタンにする事も可能です。
しかし操作性は ストIV に大きく劣っていて、私はこの操作では波動拳も昇竜拳もまともに出せませんでした。
SP ボタンの挙動も微妙で、例えばガイルだとサマーソルトを出すのに「タメ時間の後に発動」という形になっているので、これじゃ「飛ばせて落とす」なんて不可能。

そもそも iPhone / iPod touch には非常に完成度の高い「ストリートファイターIV」がすでにあるんだから、こんな操作が劣化した ストII なんていらないだろ、ってのが本音。
無料で出来る事以外に利点はない気がしますね。


【 1942 】

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4つの中では一番マシです。 理由は「操作性が良いから」。
指の動きに追従して自機が動くスライド型の操作で、画面下には指置き場が存在するという、怒首領蜂エスプガルーダのような操作スタイルです。

ゲームは昔の 1942 のまんまで、今やると敵の動きがトリッキーで非常に難しいのですが、操作性が良く無難な作りになっているので、相応に楽しめますね。
さすがに今となっては古くさい印象は否めませんが、特に問題になるような点はないため、無料なら良いかな、とも思います。


【 大魔界村 】

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まず「画面が薄暗い」。 全体的に色あせてます。
何が原因でこうなってるのか解らないけど、この時点で問題外な気が。
ホラー系の「魔界村」だからこれでもまだ許せるけど、もうちょっと何とかできなかったのでしょうか。
(そう言えばスーファミ版も薄暗かった気が・・・ そのままですね)

操作ボタンは iPhone / iPod touch 版の騎士列伝のものですね。
操作性は良いとは言えないけど、(この手のゲームとしては)悪くもありません。

非常に難しいゲームなのですが、これはオリジナルの時からそうです。
一応慣れれば進める難易度ではあるけど、iPhone 版の騎士列伝と同じ気持ちでプレイした人だと愕然とするだろうなぁ・・・
私も1面クリアがやっとでした。 昔はスーファミ版で2週クリアとかしてたんですけどね・・・

1日のプレイ回数が限られていて、それ以上プレイするには有料になる「カプコンアーケード」には、この高難度はあまりにもマッチしていない気がします。
オリジナルを知らない人は開始1分でゲームオーバーになって、もう二度とやらないでしょうね。
コンティニューしてると湯水の如くプレイコインが消費されます。


【 戦場の狼 】

capcom4

「乱射しながら突撃していく」という感じの縦スクロールシューティング。
まず操作性が最悪。
「戦場の狼」は元々自機が8方向にしか動かなかったので操作にクセがあったのですが、それが操作性イマイチなバーチャルスティックのおかげで、ますますクセの強い操作になっています。
とにかく思い通りに動かすが難しい。 この時点でシューティングとしては問題外。
さらに言うと手榴弾のボタンまで反応し辛い。 ダメダメです。

このゲームは「強制スクロール」じゃないので、スティック操作でないと再現できなかったのだと思いますが、その時点でタッチパネルには合ってなかったって事ですね。

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以上、4つのゲームです。
ぶっちゃけ 1942 以外、もっとやろうと言う気になれませんでした。
1942 もいまさら感は否めません。 ファンなら嬉しいかもだけど。

※アップデートで追加されたゲームについては以下のページをご覧下さい。
「ファイナルファイト」と「1943」、アップデート情報 2011/4 その2
「ストリートファイターII' Turbo」と「マジックソード」、アップデート情報 2011/8 その1
「超魔界村」と「スーパーパズルファイター II X」、アップデート情報 2011/6

前述したように1日3回までは無料で、それ以上やるには「115 円で 10 回分」のコインを買う必要があります。
つまり1プレイ約 11 円。 この安さなら課金しても悪くはないかなー、という気はしますね。 面白いゲームがあれば。

「ゲーム台を買う」という選択もあって、こちらは 350 円で購入したゲームが「フリープレイ状態」になります。
ただし 350 円あれば 30 回プレイ出来る訳だから、それ以上やる場合でないと損です。

さらに「スペシャルアイテム」という課金パワーアップアイテムもあって、例えば「魔界村で鎧が5回まで復活する」とか、「1942 で常にフルパワーになる」などが購入可能です。 こちらも1つ 115 円
「魔界村・騎士列伝」の時にこうした課金アイテムが好評だったようなので、おそらく収益のメインはこれだと考えているのではないでしょうか。

ただ、課金アイテムは「元のゲームが面白くないと買わない」訳で、現時点では操作性が悪いのもあって、厳しい気がしますね。
このラインナップも ストII は ストIV の、大魔界村 は 騎士列伝 の繋がりを考えてのものだと思うのですが、すでに ストIV騎士列伝をやっている人だと劣化版にしか見えないのが本音です・・・

もっと今後魅力のあるタイトルを増やさないと厳しいと思います。
って言うかローンチタイトル(最初のタイトル)の選定を間違ってる気がしないでもない。
「人気作は取っておきたかった」と言うのもあるかもだけど。
(確かに 1943 の後に 1942 じゃ順番おかしいし・・・)


さて、以下は推測の話も含むのですが・・・
この「カプコンアーケード」は、おそらく PSP 版の「カプコン クラシック コレクション(以下 CCC)」のゲームを移植したものだと思われます。

収録されているゲームは全て CCC にあるものばかりであり、特定条件で貰える「おまけ」なども CCC のものを使っているようです。

この PSP 版「カプコン クラシック コレクション」は欧米で大ヒットしたソフトで、そのためゲームが増えたリミックス版も欧米のみで販売されています。
このアプリの開発にアメリカ支社が関わっていることも、この辺が影響しているのかも・・・? (操作性がダメなのもそれが理由だと思うけど・・・)

そのため今後追加されていくというアプリも、おそらく CCC から移植されるのではないかと思われます。
その中には「1943」や「ソンソン」、「エグゼドエグゼス」や「ザ・キングオブドラゴンズ」なども含まれます。
リミックス版だと「ファイナルファイト」や「マジックソード」などもあるので、この辺りは期待しても良いのではないでしょうか。
来月は ストII' のようなので、それだけだとガッカリ感が否めないけど。

まあ、今後のタイトルに関する話はあくまで推測です。
しかしこれから魅力的なタイトルが出てくるかどうか次第なことは、間違いないでしょうね
とりあえず無料なので、落としておいて損のないアプリだとは思います。
今の時点では遊べるゲームは少ないですが、今後に期待しましょう。

カプコンアーケード(iTunes が起動します)

魔界村 騎士列伝2

往年のカプコンの名作「魔界村」。
その魔界村の携帯アプリ版として開発されたのが「魔界村 騎士列伝」で、昨年(2009年)末に iPhone / iPod touch 版も公開されました。

この魔界村 騎士列伝、「魔界村は2週エンドで真のエンディング」という魔界村のお約束を完璧に無視し、2週目はなくストーリーも「未完の形」でゲームが終わっていましたが、その続きとなるのが今回発売された続編。
魔界村 騎士列伝2」です。

(一般の)携帯アプリとしては昨年末にすでに発売されていましたが、iPhone / iPod touch 版はグラフィックが完全に一新されており、迫力のある 3D グラフィックで表現されています。

makaimura

魔界村は俗に言う「横スクロールのジャンプアクション」で、攻撃で敵を倒しながらジャンプで障害物を越え、最後にいるボスを倒せばクリアとなるゲームです。

オリジナルの魔界村は非常に高い難易度で知られていましたが、iPhone / iPod touch 版はかなり簡単な調整になっていて、あまりゲームをやらない方でもプレイ可能なレベルになっています。
今回の「2」は、前作よりさらに難易度が落とされている印象ですね。

ゲーム自体は前作「魔界村 騎士列伝」とほぼ同様です。
ただ、細かい変更点は多く、特に「方向キーやボタンの配置を自由に変更できるようになった」のは、嬉しい点でしょう。
前作は方向キーがやや画面中央寄りで、ボタンも横並びだったので指で画面が隠れる面積が多かったのですが、今回は自由に配置可能になっています。

ただ、操作性が良くなったかというと、決してそうとは言い切れず・・・
スティックがナナメに入りやすいため、しゃがもうとして横に歩いてしまったり、ボタンの反応範囲が広すぎて、攻撃のつもりで一緒にジャンプをしてしまったと言うミスが多発します。
前作はスティックがナナメに入りにくく、しゃがみたくないのに勝手にしゃがんでしまう事が多かったので、今回はすぐしゃがまないようにしたのだと思いますが・・・ なんだか調整が極端な印象

この辺は個人差もあると思うのですが、私的には前作より誤動作でダメージを受けたり、下に落下してしまったりすることが多くなったので、前よりやりにくい気がしますね。

全体的なゲームスピードが前作より少し増しているのも、地味ながら重要なポイントでしょうか。


そして一番大きな変更点は、新しいプレイヤーキャラクター「パーシバル」の登場でしょう。
なんと「接近戦用キャラ」という、魔界村では初の性質を持ちます。

makaimura2

飛び道具がないんじゃ、このゲーム辛くない? と思うかもしれませんが・・・ 実際、ちょっと辛いです。

ただ、攻撃力がかなり高めに設定されていて、武器によっては火の玉が出たり前方三方向に氷が出たりするので、離れて戦う事も可能です。
また、見た目より攻撃判定が大きいので、慣れれば割と有利に戦う事も出来ますね。

さらにパーシバルの大きな特徴は「ダッシュ攻撃」が出来ること。
これはアーサーの魔法に相当するものですが、魔法の鎧がなくても使用可能で、ダッシュ中は無敵なので回避に使ったり、さらに「ジャンプ→上ダッシュ→ジャンプ」という操作で疑似3段ジャンプも可能です。

しかも場所によっては、このダッシュ攻撃で破壊できる壁があり、それを見つけることで「ショートカット」をすることも可能です。

makaimura3

こういう「別のルートを探す」というのは、魔界村では初めてだと思います。
色々な意味で新しい試みのキャラクターと言えますね。

また、ステージ開始時やミスした時の再開時には、おなじみの「ステージマップ」が表示されるのですが、その時に「一言アドバイス」が表示されるようになりました。
しかもその一言アドバイスはやられた場面に応じて変化し、例えば落ちて死んだらジャンプに関するアドバイスが、ボスで死んだらボスの攻略法などが表示されます。
この辺りも「初心者向け」「ライトプレイヤー向け」を意識しているなぁ、という印象ですね。

また、今回も「有料のパワーアップ」が色々と用意されており、どうしてもクリア出来ない人はそれらを使ってゲームを簡単にすることが出来ます。
iPhone / iPod touch は普段ゲームをしない人も多いので、こうした配慮は嬉しい点と言えますね。

ただ、この手のゲームに慣れている人だと、あっという間にクリア出来てしまうと思います・・・
私も今回アーサーでやったところ、そのままストレートに終わってしまいました。
ゲームは「クリア出来るから楽しい」というのもあるし、これはこれでいいのかなぁとも思いますが、何かの「やり込み要素」のようなものがもっと欲しかったようにも思います。
この辺りはアップデートに期待でしょうか。
(ただ、鎧がなくなって武器の強化や魔法もなしになり、宝箱の意味もなくなる、前作の「ボクサーモード」のような安易なモードの追加には反対ですが・・・)

また今作の欠点として、「進むべき道が解りにくい場面が多い」というのがあります。
下に落ちないと進めない場所があるのに下が見えず、どこから落ちればいいのか解らない、落ちたら死ぬ場所と死なない場所との区別が付かない、といったケースが間々あります。
こうした場面は前作にもあったのですが、今作はさらに増えています。

加えて、「少し待つと床が現れて先に進める」という場面で、その床が現れるのが遅く、しかも床を待たずに進むと死んでしまうため、「一度死なないとそれが解らない」という場面が何ヶ所かあるのが気になります。
初心者向けに調整するなら、こういう所こそもっと調整すべきだったように思います。


とは言え「魔界村 騎士列伝2」、iPhone / iPod touch のアクションゲームとしては、やはり完成度は高いです。
定価は 600 円と高めですが、それだけのボリュームと内容があり、現在は発売記念セール中なのでお得と言えますね。
ストーリーは前作の続きなので、出来れば「魔界村 騎士列伝(1)」をクリアしてからやるのをオススメします。

ただ、前作をクリアしてから2をやると、2はあっけなく終わる可能性もなきにしもあらずですが・・・

魔界村 騎士列伝2(iTunes が起動します)
 

ストリートファイターIV

※現在は続編でオンライン対戦対応の ストリートファイターIV Volt が登場しているため、そちらの方がオススメです。
※このアプリは iOS9 以降に対応していません。2017年8月に削除される予定です。


噂になっていたカプコンのキラーソフト「ストリートファイターIV」が遂に登場しました!
iPhone / iPod touch でスト4ですよスト4!

「タッチパネルで格闘ゲームって操作大丈夫か?」「iPhone でまともにスト4が動くのか?」という疑問と心配が各所で述べられていましたが・・・
蓋を開けてみれば、素晴らしい完成度です

先日のスクエニの Final Fantasy といい、カプコンのスト4といい、ようやく iPhone / iPod touch でも「国内メーカーが本気になった」という気がしますね。

streetfighter4

すでに周知の人が多いと思いますが・・・
「ストリートファイター」は「対戦格闘ゲーム」というジャンルの代表的存在で、特に「ストリートファイター2」は日本中で一大対戦格闘ゲームブームを起こした超有名なタイトルです。

ストリートファイター4はそのシリーズ4作目で、コンセプトとしては「原点回帰」として作られています。
「スト3」の時にマニアックになりすぎて、それほど人気が出なかったのを反省し、「スト4」はグラフィックを強化してキャラクターを 3D グラフィックで表現しつつも、ゲーム性やシステムを「スト2」時代をベースにしたものに戻しています

私は「スト3」や「スト4」はほとんどプレイしていないのですが、今回「スト4」をやってみたところ、まさに「スト2」や「ストZERO」と同じように戦う事が出来ました。
ホント良い意味で、「グラフィックを最新にして、追加要素を加えたスト2」と言う感じですね。


iPhone / iPod touch 版は、パンチボタンとキックボタンがそれぞれ1つしかありません
他に「防御からの攻撃(受け身攻撃)」となる「セービングアタックボタン」と、必殺技を出す「SPボタン」が付いています。

パンチとキックのボタンが1つだけですが、レバー操作との組み合わせて複数の技が出せ、そのキャラクターのポイントとなる技はほぼ全て押さえられているので、ボタン1つでも割とオリジナル通りに戦えますね。

「セービングアタック」はスト4からの技なので私はまだ使いこなせていませんが、「当て身」技として使う感じです。
「SPボタン」は簡単に必殺技が出せるボタンで、ゲージを消費して使用する「EX必殺技」などを出す際にも使います。
これらの技はアーケード版では「ボタン2つ同時押し」で使うものだったので、iPhone / iPod touch 版では操作がしやすいよう、別にボタンが用意されたようです。

心配されていた「レバー操作」も快適で、さすがに「アーケード版や家庭用ゲーム機と同じように」とはいきませんが、タッチパネルでも不自由なく操作する事が可能です。
少なくとも、戦っていて「操作性」が気になる事はほとんどありません。
この点はだいぶ調整したんだろうなぁ、というのが伺えます。

必殺技の操作についても、たとえば波動拳(下・右下・右・P)や昇竜拳(右・下・右下・P)はサクサク出せます。
さらに、必殺技が出しやすい「カンタン必殺技」モードが付いていて、例えば波動拳なら「SPボタン」を押すだけで出せ、昇竜拳も「右+SPボタン」で出せるようになっています。
これはタッチパネルでの操作に加え、iPhone ユーザーには普段あまりゲームをしない人も多い事を配慮したのだと思われます
一部の必殺技は通常操作だとやや出しにくく感じましたが、まあ必殺技の操作にやや慣れが必要なのは、オリジナルも同様ですしね。


心配されていた動き・動作速度も全く問題なく、サクサク動きます。
「iPhone 3G」(3GSではない)でプレイしましたが、全く重くなりませんし、非常に快適に動き、アプリもとても安定しています
これだけのアプリをよくこんなに 3G で快適に動かせるなと感心します。
背景は動きませんが、キャラクターは 3D で美しく表現されており、かなり「見栄え」のするゲームでもあります。

やや残念なのはやり込み要素に乏しい事で、1人用の通常対戦(総当たり戦)と、相手を選んで戦う自由対戦しかないこと。
難易度は4種類ありますが、キャラクターごとのストーリーのようなものはなく、エンディングもムービー(これは全キャラ一緒)の後に1枚絵が出るだけですね。
一応、クリアタイムはキャラクター/難易度ごとに記録されていきます。

ただ「やり込み要素」と言えるかどうか解りませんが、iPhone / iPod touch 版オリジナルのモードとして「道場」があり、ここではゲームのプレイ方法や攻略方法、対人向けの技の出し方までを、ステージクリア形式で教えてくれます。

streetfighter42

ステージ数(鍛錬の数)は相応に多いので、練習モードではあるけど、相応のボリュームはあります。
この「道場」も、本来は携帯電話や音楽プレイヤーでありゲーム用の機器ではない iPhone / iPod touch のユーザーのために、用意されたものなのかなと思います。


まあ、対戦格闘の醍醐味は「人との対戦」です。
その「対人戦」は Bluetooth 接続による対戦しかないので、近くに iPhone / iPod touch を持ってる人がいないと行えない訳で、そこはやや残念だと言えます。
でも「快適なオンライン対戦」なんてそう簡単に導入できるものじゃないから、これは仕方がないかな。

もうちょっと1人用のやり込み要素(トロフィー集めやクリアタイムのオンラインランキングなど)を増やしてくれれば・・・ と思いましたが、これだけスト4が快適に動けば十分でしょう。
対戦の内容を「リプレイデータ」として保存する事も出来ます。

キャラクター数は8人で、家庭用やオリジナル版に比べると少なめですが、私的には「足りない」と言う程の数ではないと思います。
(エンディングムービーには未登場のキャラクターが出てくるので、今後もしかして・・・)

やはり「ストリートファイター」はカプコンの看板タイトルだけに、気合いを入れて開発されているのが伺えます。
価格は 900 円と iPhone / iPod touch アプリとしては高めですが、十分に価格以上の価値があるクオリティーです。

なんと言うか、「携帯電話のアプリが遂にここまで来てしまった」という感じのゲームですね。

ストリートファイターIV(iTunes が起動します)

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