iPhone AC 番外レポート

iPhone や iPad(スマホやタブレット)の、主にゲームアプリのレビューを行っています。

リメイク

三國志2

コーエーの歴史ゲームシリーズの大定番「三國志」。
その三國志シリーズの第二作目「三國志2」が iPhone / iPod touch アプリとして発売されました。
コーエーの三國志の中でも名作と名高いゲームです。

このアプリ、12月16日に発売されていたようなのですが、大作ラッシュの影響で完全に埋もれてて、先日偶然見つけるまで全く気付きませんでした。
ニュースリリースとかも全くなく、だから大手のゲーム情報サイトなどでも発売のお知らせは皆無

「三國志2」と言えば相応に大きなタイトルだと思うのですが・・・ いいのかコレで。
広報に忘れられてるんじゃないのかこのアプリ・・・

ともかく、ゲームはちゃんと「三國志」しています
前作は初代の三國志がベースでしたから、最近の三国志しか知らない方には「劣化版」にしか見えなかった難点がありましたが、三國志2は「その後の三国志のスタイル」を作り上げたゲームなので、旧作を知らない方でも受け入れられると思います。

三國志2

ゲームのインターフェイスは前作「三國志 Touch(三國志1)」を踏襲していますが、各所に改善が見られます

内政画面では画面下のアイコンから命令を出すのですが、前作は「機能」や「情報」などのボタンは画面下をスライドして切り替えなければ表示されませんでした。
しかし今回は「情報・機能・進行」の3つは画面右に別枠で表示され、スライドで切り替える必要は無くなりました。

画面上部に表示されている都市情報もより細かくなり、特に「人口」を簡単に確認出来るのは地味に嬉しい変更点です。
命令を与える時の武将の選択画面も、能力値や忠誠度などの表示を切り替えるボタンが追加され、より解りやすくなりました。

大きすぎたボタンもやや小さくなり、その分画面が広くなっています。
より洗練されたインターフェイスになったという印象ですね。

操作の基本説明をしてくれるチュートリアルも用意されており、今回はボケる劉備とツッこむ諸葛亮のコンビでお送りされます。

三國志2

ゲーム内容は、携帯向けに簡略化した部分も多く見られますが、基本的には「メジャーな三國志」のシステムです。
つまり、コマンドは武将ごとに実行することができ、ちゃんと兵士数の編成や輸送などの一般的なシステムが存在していて、委任も自動輸送などを含め細かく指定できて、計略も色々と用意されている、「おなじみの三国志」ですね。

前作は原作を知らない方から、「命令が1つしか出せない」「輸送がねぇよ」「編成できねー」と散々批判されました。
「初代三國志は元々そう言うゲーム」だったので、無いのが当たり前なのですが・・・ それでも、iTunes では酷い言われようをしていました。
しかし三國志2は基本システムが整っているため、そういった形で非難される事はないと思います。

三國志2の大きな特徴は、外交や計略の使者がマップ上を移動し、他国を通過する時に捕まることがあること。
この時、手紙を没収されたり、運が悪いと相手に捕縛される事もあります。
もちろん他国の使者が通過した時に、こちらがそれを捕らえることもあります。
この使者の移動はその後の三國志には受け継がれませんでしたが、私は面白くて好きですね。

もう一つの大きな特徴は「計略」が豊富で、かつ強力なこと。
相手の忠誠度を下げる「偽書疑心」、戦闘中に寝返らせる「敵中作敵」、味方武将を相手国に潜り込ませる「埋伏の毒」などがあり、敵国に武将を埋伏させるとその国の武将の忠誠度が徐々に下がっていく効果もあります。

このゲームは計略を実行し、軍師が「失敗します」と言っても、戻って再び選択し直すと内部の乱数が変化して、軍師のセリフが「妙手です。ぜひ行いましょう」とかに変わる場合があります。
そうなるまで繰り返してから実行することで、計略を高確率で成功させることが出来ます。
軍師の助言は必ず当たる訳ではないのですが、知力が高いほど確実性が増すため、質の良い軍師の存在が非常に重要なゲームでもありますね。
知力が 100 だと「助言が 100 %外れない」ので、諸葛亮の存在は非常に強力で、孔明が神やコンピューターのように言われ始めたきっかけのゲームでもあります。

3gokusi26

また、このゲームは戦争に5部隊しか派遣できないのですが、防御側は10部隊で守る事が出来ます。
つまり相手の兵力が高いとどうしても不利になるのですが、計略で戦争中に相手を寝返らせれば攻撃側でも6部隊以上になるので、その点でも重要です。
義理が低い呂布や魏延だと計略なしで忠誠度100でも寝返ったりするので、呂布の裏切りっぷりが凄く、酷い時には1度の合戦で数度寝返ったりしました。

このあたりはゲームバランスの都合上、その後の三國志では修正されたのですが・・・ このぐらい極端な方が、武将の個性はあった気がしますね。

「共同作戦」が導入されたのもこの三國志2からで、同盟した国に同時進攻を依頼し、一緒に攻めることが出来ます。
この方法でも攻撃側が6部隊以上になるし、このゲームは同盟の締結と破棄が割と簡単に行えるので、かなり有効に活用できます。

相手の共同作戦や救援要請に応じたり、捕らえた同盟国の使者をそのまま通過させることで「信頼度」も上がります。
この信頼度が高いと登用の成功率が上がり、武将の忠誠度も下がりにくくなるため、非常に重要です。

三國志2

合戦は前作(三國志 Touch、三國志1)を踏襲していて、iPhone / iPod touch 用のやや小さめのマップになっています。
ただし取られたら負ける「兵糧庫」の概念はありません。

今回は部隊の機動力が多いため、訓練度さえあれば5マス以上一気に移動出来ます。
ただし敵に隣接すると移動が止まるため(俗に言う ZOC がある)、敵の近くではあまり動けません。
森に入ると部隊が見えなくなり(伏兵)、そこに敵が踏み込んでくると奇襲攻撃を行うというユニークな要素もあります。

火計は前作のように「一撃必殺」ではなくなりましたが、より燃え広がるようになっているので、場合によっては「火の海の中で逃げるので精一杯」という状況になる事もあります。(しかも防御側のコンピューターはやたら火を付けまくる)
この火計の派手さも三國志2の面白さと言えますね。
「突撃」は敵を倒せなくても反対側に貫通するため、いざという時はこれで逃げる方法もあります。
ただ、攻撃の基本が敵を囲んでの「一斉攻撃」である点は変わりません。

三國志2は「一騎打ち」が最初に導入されたゲームでもあり、開戦前に武力の高い武将を戦わせることが出来ます。
(と言うか、たいてい武将が勝手に一騎打ちを申し出ます)
勝った方は相手を(兵士ごと)捕える事ができますが、もちろん負けると捕らえられます。
リスクもありますが、三國志らしいと言えますね。

三國志2

難点は iPhone / iPod touch 用に内政が簡略化され、開発値が上がるのが早く、上限にすぐ達するため、内政では早期に「やることが無くなる」ことでしょうか。
国作りの楽しさのようなものは、あまりありません。

オリジナルの三國志2もその傾向はあったのですが、治水や武装度と言った数値がカットされたため、ますますそうなっています。
その分「計略をして下さい」ということでしょうか。
まあ、治水や武装度は重要度が低い数値でしたし、簡略化されたことはゲームのテンポアップにも繋がっていますけどね。

シナリオは3つ、「董卓の横暴」「諸葛亮登場」「三國の鼎立」。
オリジナルと比べると少なくなっていますが・・・ 基本となるシナリオは押さえられています。

新武将は 30 人まで登録可能で、新君主としてプレイする事も出来ます。
この「オリジナル武将の作成」の要素も、三國志2から導入されたものです。
武将の能力を上げる「アイテム」が登場するのも、このゲームからですね。


全体として「コーエーの歴史シミュレーションゲームの基本」が形作られており、そのため 三國志 Touch(三國志1)に不満だった方でも、こちらなら楽しめると思います。

価格は 1300 円と高めですが、コーエーのアプリだから高いのは仕方がないところでしょうか・・・
アプリ自体は良く出来ているので、コーエーの歴史 SLG が好きなら、値段分の価値はあるはずです。
追加の要素として「武将列伝」と、新しい武将(黄月英などの女性武将も含む)が加わっています。

三國志2は私にとって思い出のゲームであり、子供の頃、友人たちと集まって夏休みの全てをこのゲームに費やした事があります。
昨今のコーエーは無双シリーズを中心とする歴史シミュレーション以外のジャンルに傾倒していますが、やはりコーエーは「歴史SLG」が中心にあってこそのメーカーだと思いますし、そこからズレた事が昨今の収益悪化に繋がっているのではないかと思います。
無双も面白くはありますが、iPhone / iPod touch で「三國志」と「信長の野望」が展開されていることは、良い流れなのではないでしょうか。

三國志2(iTunes が起動します)

Dig Dug REMIX

最近はナムコのアプリが値下がりし、さらにセールされる事も多くなっています。
と言う訳で、今回はそんなナムコのアプリの1つ「Dig Dug REMIX」を取り上げたいと思います。

Dig Dug(ディグダグ)は日本のアーケードゲームの初期、ナムコ黎明期の頃の名作です。
地中を掘り進んでモンスターをポンプ(空気入れ)と岩石落としで倒すという内容で、どのように掘り進むかがポイントになる、ちょっとした戦略性のあるアクションゲームです。

ただ、先に言ってしまいますと、このアプリは全くオススメ出来ません
操作性が非常に悪く、操作しにくいことで定評のある(?)ナムコのアプリの中でも、特に操作が劣悪なものの1つと言えます。

Dig Dug Remix

ゲームにはグラフィックが一新され新キャラやアイテム、巨大なボスなども登場する「リミックス」と、旧来のディグダグである「オリジナル」の2つがあります。

プレイヤーは方向キーかドラッグで主人公を操作し、地中を掘り進んでいきます。
敵はその掘られた穴を通って移動し、地中を通過してくる事もありますがこの時は速度が低下します。
よって掘り方によって敵の動きをある程度コントロールする事が可能で、これがゲームのポイントになります。

ボタンを押すと敵に「モリ」を撃ち、そのままボタンを連打すると相手を空気入れで膨らませパンクさせて倒すことが出来ます。
また地中には岩があり、その下を掘ると岩が落下して敵に当たれば押しつぶす事が出来ます。
多数の敵とまとめて押しつぶすと高得点ですが、すぐ逃げないと自分も押しつぶされるので注意が必要です。
リミックスモードには横に転がっていく丸い岩も存在します。


さて、ゲーム内容はともかくして、最初に述べたようにこのゲームは操作性が劣悪です。
操作には「方向キー」と「フリック」の2種類がありますが、方向キーを選ぶとキーの部分から少しでも指が外れるとすぐにキャラが動かなくなり、フリックを選ぶとそもそも誤操作が連発されます。

方向キー」の場合、例えば上に移動する時、タッチパネル上では指が上に動きます。 その時点で方向キーの中心部から指はズレる訳です
そこからさらに右に指を動かしたりすると、さらに指はズレていきます。
だからと言って一度指を離してキーを押し直すという方法では、タッチパネルだと方向キーに「感触」がないため、正確に各方向を押さえられているかどうかプレイヤーは確認出来ず、どのみちズレ初めてしまいます。

そのため最近の iPhone / iPod touch のゲームの多くは、この指の動きに合わせて移動方向を調整したり、方向キー自体の場所を移動させたりします。
方向キー自体も大きめにして、判定範囲も拡大し、より操作しやすいよう配慮されている事が多いです。
こうした調整がうまく行われているゲームは、方向キーでプレイしていてもほとんど違和感は感じません。

しかしこのゲームはそんな調整一切なし。 おまけに方向キーも小さく、これでは常に操作を気にしてプレイしなければなりません。

フリック操作」の場合、このゲームは移動方向が4方向です。
よって指は「上下左右」に動かさなければならない訳ですが、右に動いて上に動くような場合、どうしても指は「ナナメ」に動きがちです
通常、こうした場合には多くのゲームで判定の補正が行われ、指が右に動いた後にナナメ上方向に動いた場合は「上へ動かそうとしているんだ」というような入力の調整が行われます
この調整があれば、フリック操作でも快適に動かせる訳ですが・・・

しかしこのゲームはそんな調整一切なし。 きっちり上下左右に指が動いていないとキャラクターは反応しません。
さらにオリジナルモードの場合、「フリック操作でも画面左下の辺りで操作しなければならない」という制約があって、これがフリック操作と完全に矛盾しています。

つまり、まったくもってタッチパネルでの操作に対する配慮がなされていないのです。

Dig Dug Remix

そして何より解らないのは、こんな劣悪な状態をずっと放置している事。
なぜならナムコにとって、ディグダグとかのオールドゲームはまさに「ドル箱」「売れ筋」であるはずなのです。
にも関わらず、iTunes のレビューでもこれだけ操作性について文句を言われているのに、まったく意に介していない状態です・・・

以下は推測も含みますが、おそらくこれらリミックス版のディグダグなどは、外注に製作が依頼されているのではないでしょうか。
そして開発側は当然パソコンでそれを作る訳ですが、実際の iPhone / iPod touch でのテストプレイは全くやっておらず、ナムコ側もほとんど iPhone でのチェックはしていないのだと思われます。
ちょっとやればすぐに解ることが解っていないのですから、パソコン上でのプレイしかしていないのでしょうね。

そして外注は開発が終わればもうアプリにはノータッチに。
ナムコの iPhone 担当側はそんな状況を知らないのか、それともどうすることも出来ないから対応する気がないのか、そのまま放置。
加えてネームバリューのあるゲームだから iTunes に並べていればそれだけで相応に売れるので、企業的には大して問題にしていない。
そんなところではないでしょうか。

これが個人や小規模メーカーなら、開発者はそのまま販売者でもあるから悪い点があれば自分で修正する訳ですが、ナムコのこの辺りのアプリは開発とマーケティングが完全に別個になっている印象です。

でも、ネームバリューのあるアプリだからこそ、まともにプレイ出来ないものを放置するというのは、ナムコにとっても、iPhone にとっても、もちろん購入者にとっても、悪い影響しかもたらさないと思います・・・

最初の頃はスクウェアやタイトーのアプリも操作に問題があるものが多かったのですが、こちらは今はきっちり調整が行われています。
カプコンは最初から操作性を重要視している印象です。
いまだにダメなまま放置なのは、ナムコぐらいです。

まあ、リッジレーサーはかなり良くなっているので、モノによっては対応可能なのでしょうが・・・
いい加減、ナムコが本来重要視すべきオールド系ゲームの改善も、外注やら企業間の問題やらがあるのかもしれませんが、見直すべきではないかと思います。

と言う訳で Dig Dug REMIX、なんだかゲームの内容についての解説がほとんどなかった気もしますが・・・ ともかくオススメ出来ません

それにリミックスモード、スピード感が足りなさすぎですね
ディグダグって後半ステージはスピーディーでかなり激しい展開になり、それが面白さでもあったと思うのですが、リミックスは終始ノロノロした感じなので、この点もあまり好きになれません。

Dig Dug REMIX(iTunes が起動します)
 

魔界村 騎士列伝2

往年のカプコンの名作「魔界村」。
その魔界村の携帯アプリ版として開発されたのが「魔界村 騎士列伝」で、昨年(2009年)末に iPhone / iPod touch 版も公開されました。

この魔界村 騎士列伝、「魔界村は2週エンドで真のエンディング」という魔界村のお約束を完璧に無視し、2週目はなくストーリーも「未完の形」でゲームが終わっていましたが、その続きとなるのが今回発売された続編。
魔界村 騎士列伝2」です。

(一般の)携帯アプリとしては昨年末にすでに発売されていましたが、iPhone / iPod touch 版はグラフィックが完全に一新されており、迫力のある 3D グラフィックで表現されています。

makaimura

魔界村は俗に言う「横スクロールのジャンプアクション」で、攻撃で敵を倒しながらジャンプで障害物を越え、最後にいるボスを倒せばクリアとなるゲームです。

オリジナルの魔界村は非常に高い難易度で知られていましたが、iPhone / iPod touch 版はかなり簡単な調整になっていて、あまりゲームをやらない方でもプレイ可能なレベルになっています。
今回の「2」は、前作よりさらに難易度が落とされている印象ですね。

ゲーム自体は前作「魔界村 騎士列伝」とほぼ同様です。
ただ、細かい変更点は多く、特に「方向キーやボタンの配置を自由に変更できるようになった」のは、嬉しい点でしょう。
前作は方向キーがやや画面中央寄りで、ボタンも横並びだったので指で画面が隠れる面積が多かったのですが、今回は自由に配置可能になっています。

ただ、操作性が良くなったかというと、決してそうとは言い切れず・・・
スティックがナナメに入りやすいため、しゃがもうとして横に歩いてしまったり、ボタンの反応範囲が広すぎて、攻撃のつもりで一緒にジャンプをしてしまったと言うミスが多発します。
前作はスティックがナナメに入りにくく、しゃがみたくないのに勝手にしゃがんでしまう事が多かったので、今回はすぐしゃがまないようにしたのだと思いますが・・・ なんだか調整が極端な印象

この辺は個人差もあると思うのですが、私的には前作より誤動作でダメージを受けたり、下に落下してしまったりすることが多くなったので、前よりやりにくい気がしますね。

全体的なゲームスピードが前作より少し増しているのも、地味ながら重要なポイントでしょうか。


そして一番大きな変更点は、新しいプレイヤーキャラクター「パーシバル」の登場でしょう。
なんと「接近戦用キャラ」という、魔界村では初の性質を持ちます。

makaimura2

飛び道具がないんじゃ、このゲーム辛くない? と思うかもしれませんが・・・ 実際、ちょっと辛いです。

ただ、攻撃力がかなり高めに設定されていて、武器によっては火の玉が出たり前方三方向に氷が出たりするので、離れて戦う事も可能です。
また、見た目より攻撃判定が大きいので、慣れれば割と有利に戦う事も出来ますね。

さらにパーシバルの大きな特徴は「ダッシュ攻撃」が出来ること。
これはアーサーの魔法に相当するものですが、魔法の鎧がなくても使用可能で、ダッシュ中は無敵なので回避に使ったり、さらに「ジャンプ→上ダッシュ→ジャンプ」という操作で疑似3段ジャンプも可能です。

しかも場所によっては、このダッシュ攻撃で破壊できる壁があり、それを見つけることで「ショートカット」をすることも可能です。

makaimura3

こういう「別のルートを探す」というのは、魔界村では初めてだと思います。
色々な意味で新しい試みのキャラクターと言えますね。

また、ステージ開始時やミスした時の再開時には、おなじみの「ステージマップ」が表示されるのですが、その時に「一言アドバイス」が表示されるようになりました。
しかもその一言アドバイスはやられた場面に応じて変化し、例えば落ちて死んだらジャンプに関するアドバイスが、ボスで死んだらボスの攻略法などが表示されます。
この辺りも「初心者向け」「ライトプレイヤー向け」を意識しているなぁ、という印象ですね。

また、今回も「有料のパワーアップ」が色々と用意されており、どうしてもクリア出来ない人はそれらを使ってゲームを簡単にすることが出来ます。
iPhone / iPod touch は普段ゲームをしない人も多いので、こうした配慮は嬉しい点と言えますね。

ただ、この手のゲームに慣れている人だと、あっという間にクリア出来てしまうと思います・・・
私も今回アーサーでやったところ、そのままストレートに終わってしまいました。
ゲームは「クリア出来るから楽しい」というのもあるし、これはこれでいいのかなぁとも思いますが、何かの「やり込み要素」のようなものがもっと欲しかったようにも思います。
この辺りはアップデートに期待でしょうか。
(ただ、鎧がなくなって武器の強化や魔法もなしになり、宝箱の意味もなくなる、前作の「ボクサーモード」のような安易なモードの追加には反対ですが・・・)

また今作の欠点として、「進むべき道が解りにくい場面が多い」というのがあります。
下に落ちないと進めない場所があるのに下が見えず、どこから落ちればいいのか解らない、落ちたら死ぬ場所と死なない場所との区別が付かない、といったケースが間々あります。
こうした場面は前作にもあったのですが、今作はさらに増えています。

加えて、「少し待つと床が現れて先に進める」という場面で、その床が現れるのが遅く、しかも床を待たずに進むと死んでしまうため、「一度死なないとそれが解らない」という場面が何ヶ所かあるのが気になります。
初心者向けに調整するなら、こういう所こそもっと調整すべきだったように思います。


とは言え「魔界村 騎士列伝2」、iPhone / iPod touch のアクションゲームとしては、やはり完成度は高いです。
定価は 600 円と高めですが、それだけのボリュームと内容があり、現在は発売記念セール中なのでお得と言えますね。
ストーリーは前作の続きなので、出来れば「魔界村 騎士列伝(1)」をクリアしてからやるのをオススメします。

ただ、前作をクリアしてから2をやると、2はあっけなく終わる可能性もなきにしもあらずですが・・・

魔界村 騎士列伝2(iTunes が起動します)
 

Hostile Tides

むかしむかしあるところに・・・
ランパート」というゲームがあったのをご存じの方はいますでしょうか?

テトリスのようなブロックでお城を囲い、囲った中に大砲を設置して、海からやって来る敵を砲撃で倒すゲームです。
敵も砲撃してくるので、一定時間経過後にまたブロックを使って城壁を修復しなければなりません。

そんな「ランパート」をリスペクトしたようなゲームが、
今日ご紹介する「Hostile Tides」です。

hostiletides

見た目はモロにランパート
でもゲームは結構違っていて、城壁は好きなように作れます。
城壁修復中の制限時間などはありませんが、戦闘シーンで敵を倒して得たポイント分だけしか、城壁の設置や大砲の配置は出来ません。

戦闘シーンでは画面を直接タップして大砲を撃ちます。
ただ砲弾は着弾まで時間がかかるので、船の移動先を撃たなければなりません。
この辺りはオリジナルのランパートと似ていますね。

ポイントが足りなくて町を城壁で1つも囲えなかったらゲームオーバー。
全ての町を城壁で囲う事に2度成功するとステージクリアです。

このゲーム特有の要素として、城壁は2重3重にする事ができ、壊れにくく出来ます
また大砲の強化が可能で、耐久力・装填速度・攻撃力を上げられます。
しかし敵も火炎弾やグライダー攻撃などを行ってきて、特に火炎弾は着弾地点で燃えて障害物となるので非常にやっかいです。

ランパートをやった事がある人なら、懐かしみながらプレイ出来ると思いますよ。
ランパートを知らない人でもそれなりに楽しめるゲームだと思います。
操作が独特ですが、ヘルプが「ムービー」になっていて、解りやすく解説してくれます。

Easy は割と簡単なのですが、Medium だとやたら難しく、最終ステージとかクリアできる気がしません・・・
また、敵の船の種類が少なく、ステージも6つ。
城壁修復シーンがテトリスじゃなくなってるので、パズル要素もほとんどありません。
やり込み要素やパワーアップ要素がある訳でもないので、それほどボリュームがあるゲームではないですね。

しかし価格が 115 円と安く、無料版もあるので、気楽に遊べるゲームではあります。
ランパートを知っている人はもちろん、ちょっと興味のある方も、試してみるといいかなと思います。

Hostile Tides(iTunes が起動します)
Hostile Tidas Lite(iTunes が起動します)

METAL SLUG TOUCH

3D グラフィックのゲームや対戦格闘ゲームが全盛だった 1990 年代後半、アーケードで 2D のアクションゲームとして登場し孤軍奮闘。
唯一と言っていい 2D アクションゲームのヒット作となり、アメリカではベストアーケードゲームにも選ばれたコミカルなミリタリーアクション。
それが「メタルスラッグ」です。

NEO GEO の名作シリーズで、どちらかと言うと日本より海外で評価され大ヒットとなりました。
それがなんと iPhone / iPod touch に登場しました!

metalslug

本来のメタルスラッグは、主人公が銃を撃ちまくりながら進んでいく横スクロールのアクションゲームで、たまに戦車や飛行機などの乗り物に乗っていましたが・・・
iPhone / iPod touch 版はなんと、ずっと戦車や飛行機に乗ったままです!

操作は本体の傾きで左右に動き、画面を上にフリックするとジャンプ、下にフリックするとしゃがみ、画面の左右の矢印をタップすることで機銃を撃つ方向を動かすという、かなり独特なものです。
あまりに独特で操作には慣れが必要で、しかもずっと戦車に乗りっぱなしってのがどうも違和感があります。

ずっとメタスラに乗ってるメタスラって、メタスラなのかぁ!?」と思ってしまいます・・・

が、しばらくやってると、どうしてこうなったのかも理解できてきます。
iPhone / iPod touch のタッチパネルで本家のメタスラの操作が快適に出来るはずもなく、もっとも iPhone に向いているであろう操作を選んだらこうなった、というのが伝わってきます。
仮想パッドを使ったゲームは操作性が良くないものが多いですからね。
でも、この操作も独特すぎるので、結局操作に関しては微妙だなぁ。
ハードの制約上、ゲームを簡略化する必要があって、それで「メタスラに乗りっぱなし」という形式になったのもあるかもしれません。

「脱出ボタン(AVOID)で戦車から人が出てきて、すぐにまた乗り込んで、それで一時的に無敵になる」という仕様があるのはいかにも経験者向けな感じですが、どうしてアレで無敵になるのか経験者でない人には解らないに違いない。(本家の一種の裏技的テクニックです)

ただ、最初は違和感を受けまくりだったけど、しばらくやってると、これはこれで楽しくなってきます。
避けながら撃ちまくるというメタスラの基本的なところは出来ているので、それらしい雰囲気はありますね。

結局、オススメなのかどうかは微妙です。
本家のファンでない人には難しいだろうし、本家のファンにとっては違和感がかなりあります。
操作に慣れればゲームとしては相応に楽しめますが、本家をやった事がある人は「普通のメタスラがやりたい」と感じてしまうに違いない。
iPhone アプリとしては価格が高め(600円)なのも、ちょっと難ですね。

METAL SLUG TOUCH(iTunes が起動します)

Galaga REMIX

本日 iPhone AC に、「全方向/固定画面シューティングゲーム」のページを追加、Mini Squadron と Galaga REMIX を追加しました。

今回はアプリ紹介というよりも、Galaga REMIX に関して思ったことをちょっと記載したいと思います。

galaga1

「Galaga REMIX」は往年の名作「ギャラガ」オリジナル版と、新しく作り直されたアレンジバージョン「リミックス」が1つになったアプリです。
ただ、iTunes の評価は極めて良くないです
その批判の多くは操作性の問題。

確かに「オリジナル版」の操作性はダメダメでした
方向キーは反応がワンテンポ遅れるし、ボタンからちょっと指が外れたらすぐ動かなくなる。
スライド操作は自機の速度や画面の大きさに合っていない。加速度センサーの操作は問題外。
これでは本家のギャラガを期待していた人は怒っても仕方ないですね。

でも、リミックス版の方は「スライド操作」にすればなかなか遊べます
スライドなら操作性は悪くないし、ゲームもとても面白いと思いました。
難度は低いけど iPhone / iPod touch であることも考えると、カジュアル向けのこの難度設定でもいいんじゃないかなと思います。


ただ、それでも iTunes の評価が非常に悪いのは頷けます。
なぜなら「ユーザーのニーズとゲームの内容が合っていない」から。

ギャラガのアプリを今ダウンロードする人なんて、古くからのゲームファンか、シューティングファンぐらいです。
そう言う人の多くはリミックス版ではなく、「オリジナルのギャラガ」を期待して購入します。
すると、オリジナル版がダメだとその時点で評価は低くなってしまいます。

加えて、そう言う人はシューティングゲームに相応に慣れているから、リミックスの低めに調整された難易度では手応えを感じられない。
つまり、この難易度設定もユーザーのニーズとズレていると言えます。

私は Galaga REMIX のリミックスモードはすごく面白いと思うし、このデキなら万人にオススメできると思います。
ナムコ側の調整もそれを狙ったものでしょう。

でもこのアプリは価格も高めで 700 円です。
今はセール中で 350 円ですが、いずれにせよ「ギャラガというアプリにこれだけのお金を出すユーザー」は、やはりライトユーザーではないはずです。
そうなると、旧来のギャラガファンとはニーズが合ってないこのアプリは、この点でも評価が低くなりがちだと思います。


そしてこの辺りは iPhone アプリのもう一つの問題点も含んでいると思われます。
バンダイナムコやスクエニのような大手だと1つのゲームに関わる人数が多いし広告費もかけるし、部署が利益を上げないといけないから、どうしてもアプリの価格を高くしないと釣り合わない

しかし大手じゃない小規模な開発会社、さらには一個人が、次々と低価格で優秀なアプリを世界規模で出し続けている iTunes 市場においては、価格が高くて質がそれなりだと一斉に叩かれることになる。
そしてそれでなくても大手メーカーは期待が大きい反面、叩かれやすい

もしかするとナムコは新しいユーザーを iPhone / iPod touch で開拓したいのかもしれませんが、それにしては価格が高いです。
でも会社の規模とかかる費用の面を考えると、これ以上の低価格には出来ないから、結局中途半端になっているのかもしれません。

最近、「iPhone / iPod touch のアプリは飽和状態で価格も下がりすぎて儲からない」という意見が出ていますが、これはまさに大手メーカーや企業視点の見方です。
iTunes においては大手メーカーは、従来の考えでの開発方法や販売方法では立ち行かないように思います。

「ボーカロイド」なんかを見ていても思いますが、やはり「埋もれた才能が出てくる場所・ツール」というものが普及して、個人やグループレベルの活動が活性化すると、大手企業には厳しい状況になりますね。
現在でも iTunes は個人やグループ、小企業にとっては魅力的な市場ですが、だからこそ大手企業にとっては恐い存在でしょう。
もちろん私としては、大手メーカーもどんどんゲームを出して欲しいとは思うんですけどね。

ちょっと話がズレましたが、「iPhone だから」とカジュアル志向に向きすぎているメーカーが多いように思います。
携帯電話と iPhone は別にして考えるべきで、「そのゲームを手に取るであろう主要ユーザーがどの範囲か」を考えていないと辛いと思います。

まあギャラガに関しては、オリジナル版の操作性がもっと良かったら・・・ という気がします。
っていうかオリジナル版、これだったらむしろ無かった方がいいんじゃ・・・
だってオリジナルがあったからこそ、そこで判断され、悪評を付けられてしまったケースが多かった気がする。

「力を入れるべき場所」と「ユーザーのニーズ」を間違っていたという事でしょうか・・・
あと、操作性の問題を甘く見ていたか。

大手メーカーだとアプリを開発するにあたって、開発者が他の iPhone のゲームをプレイしないものなんですかね?
他のアプリをやっていれば、「どうすれば良くて、どんなものが悪いのか」は解ると思うんですが・・・
大手メーカーだと上から任命されて、知識がないまま開発に入るって事もあるのかなぁ・・・

あと、バージョンアップが鈍いのも大手メーカーだからなのでしょうね。
「バージョンアップ」って企業側からしたら「無償のボランティア作業」ですし、グループや個人だとすぐ動けるけど、メーカーだと中の人は「ソフト完成」→「次のプロジェクトに異動」ですから、出来てしまったらもう動かないんだろうな・・・

最後に。 なんだか偉そうなこと言ってすみません。<(_ _)>

Galaga REMIX(iTunes が起動します)

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