それがこの「パンツァーエリート」です。
iTunes のスクリーンショットには月面で UFO と戦ってるシーンが映っているため、いかにも SF な感じのゲームに見えるのですが、実際には実在の戦車の写真が出てきたり、「アルデンヌ」や「クルスク」などの実際の戦場を模したステージが出たりする、第二次世界大戦を元にした硬派なゲームです。
開発したのは Easy Inc という中国のメーカーですが、パクリではなく、ちゃんとしたオリジナルゲームを開発・公開しているところです。
「欧陸戦争」を開発したメーカーですね。
なお、余談ですが・・・ パソコンに「Panzer Elite」という同名の戦車に乗って戦う FPS のようなゲームがあって、てっきりそれに関連したゲームなのかと思って買ったら、全然別物でした・・・
まあ、「パンツァーエリート」ってありきたりな名前だしなぁ・・・
フィールドの左右に敵と味方の基地があって、自然に増えていく資金を使って戦車を派遣し合います。
フィールドは4本のラインに区切られていて、派遣した戦車はそのライン上をまっすぐ進んでいき、敵に遭遇したり敵基地に到達すると自動で砲撃を開始します。
敵の基地にダメージを与えて破壊すれば勝利、自軍の基地が破壊されると敗北ですね。
ゲームとしては、一般的な「一本道 RTS (ラインウォー)」のシステムだと言えます。
ただ、他の同型のゲームとちょっと違うのは、フィールドの真ん中あたりにパラシュートで補給物資が次々と落ちてくること。
これには攻撃力アップや防御力アップ、資金アップや基地回復など様々な効果のものがあって、もちろん敵も回収します。
言わば「早い者勝ち」なので、これが落ちてきたラインにはいち早く戦車を派遣した方が良いことになります。
この補給物資のおかげで、状況によっては積極的に前に出たり、足の速い戦車や装甲車で回収を優先した方が良い事もあるなど、戦闘の幅も広がっていますね。
地雷をしかけたり、ライン上に爆撃を行ったりすることもできます。
また、敵にしかけられた地雷は装甲車で撤去することが可能です。
でも、このゲームの一番の魅力は・・・ やはり第二次世界大戦の実在の戦車が登場し、さらに「ドイツ軍」も自軍として使用できる事でしょう。
iPhone / iPod touch のアプリはほとんどアメリカやイギリスが自軍であることが多いので、こうした「枢軸国」(ドイツ・日本・イタリア)をプレイヤーとして選べるゲームは数少ないです。
まあ細かい性能のようなものはなく、単に「名前と見た目が登場する」という程度に過ぎないのですが、それでも「ティーガー」とか「パンター」とか「T-34」とかの名前にハァハァ出来る人なら、登場するだけで嬉しいはず。
選べる国は「アメリカ」「ドイツ」「ソ連」の三ヶ国です。
残念なのはアップグレードに関するシステムで、ゲーム中に稼いだポイントでユニットや兵器などをパワーアップできるのですが、このポイントはステージ内で敵を撃破することで貯まっていきます。
つまり、楽勝でクリアできる状況や、一気に押し込んで勝てるような状況でも、「ワザと手加減して」敵を倒し続けてポイントを稼いでおかないと、パワーアップが出来なくて後で困るのです。
でも、「ワザと戦いを長引かせないとポイントが稼げないゲームってどうよ?」と思ってしまいます・・・
しかもクリア出来ない時に「前のステージに戻って鍛えてくる」という事が出来ないため、ポイントをあまり稼がずに先に進んで、敵が強くて倒せなくなった場合、前のステージに戻ることも出来ないので、どうしようもなくなりハマってしまいます。
どうもこの辺りのゲームシステムやバランスに、「詰めの甘さ」みたいなものを感じますね・・・
と言う訳でゲームとしてオススメかどうかと言うと、正直微妙です。
一般の人に勧められるようなゲームではないですね。
しかし「ドイツ戦車」や「ソ連戦車」に萌えられる人には、なかなかオススメです。
それらを自軍に出来るゲームって少ないし、ラインウォー(一本道RTS)としては相応に遊べる内容で、しかも価格が 115 円とかなり安いので、この手の設定やゲームが好きな人なら楽しめるはずです。
iTunes のゲームアプリのランキングに「ARMS ROAD Eastern Front」がいつまでも出たり入ったりしているのも、「この手の需要」が結構あるからではないでしょうか。
まあ、人を選ぶゲームであることは確かでしょうけどね。
・パンツァーエリート(iTunes が起動します)