iPhone AC 番外レポート

iPhone や iPad(スマホやタブレット)の、主にゲームアプリのレビューを行っています。

対戦

ブロックス

「ドイツゲーム大賞」というのをご存じでしょうか?
ドイツを発祥とする、近年流行している新しいタイプのボードゲームを「ドイツゲーム」と呼び、その優秀作の表彰を行うものです。

有名な「Catan(カタンの開拓者たち)」も、この「ドイツ年間ゲーム大賞」の 1995 年度の受賞作品です。

そんなドイツ年間ゲーム大賞の 2002 年度のノミネート作品「Blokus」が、Gameloft によって iPhone / iPod touch に移植されています。
その名も「ブロックス」。

ちなみにこのブロックスはフランス生まれのゲームで、一般に「ドイツゲーム」に分類されていますが、ドイツ生まれではないです。
「ドイツゲーム」というジャンルは「新タイプのボードゲーム」の総称になので、日本で作ってもフランスで作っても「ドイツゲーム」と呼ばれるようですね。

blocks

見た目はすっごくシンプル。
実際にルールもシンプルですが、やってみると見た目以上に面白いゲームです。

特定の位置に1つ目のブロックを置き、以後は自分のブロックの「角」と「角」が接していて、かつ「辺」が接していない形にブロックを置いていきます
ブロックはテトリスのような形になっていて、1~5マスで構成されています。

2人か4人でプレイし、順番にブロックを1つずつ置いていき、置いたブロックのマスの数だけ点数が入ります。
置ける場所がなくなったらそのプレイヤーはゲーム終了で、最終的に点数(マスの数)が一番多い人が勝利となります。

シンプルながら思考性が高く、「いかに相手を塞ぐか」「いかにすき間に割り込んでいくか」がポイントで、パズルゲームでありながら明確な「攻防」が存在します。
4人プレイだとどちらに延ばして行くか、誰を邪魔するかもポイントになりますね。
ドイツゲームは「勝利条件を早く満たす」「より多くの点数を稼ぐ」というものが多いのですが、このゲームは「邪魔のし合い」と言える展開で、明らかな対戦ゲームと言えます。
一方でゲームは短時間で終わるので、気軽にプレイすることが出来ます。

Gameloft だけあってアプリの出来栄えも良く、日本語訳も完璧
演出やグラフィックも綺麗で操作性も悪くなく、BGM やサウンドもしっかりしています
置ける場所の表示や、置けないブロックが暗くなるなどの解りやすい表現もあり、とにかくプレイしやすいです

メインの「カップモード」はチーム戦や特殊な勝利条件を満たしながら、順番にステージをクリアして行くモードで、条件を満たすことで入手出来るトロフィーもあり、長く楽しむことが出来ます
こういう所は Gameloft らしいと言えますね。

blocks4

とにかくシンプルながら面白く、アプリの完成度も良いゲームです。
しかもこれが現在、セールで 115 円! かなりお得ですね。
ただ、定価は 600 円するらしく・・・ 600 円だと、ちょっと割高な気もします。

ゲーム内容やアプリ自体はとても良いので、多少高くてもいい人なら定価でも悪くないと思いますが・・・
Gameloft はセールを良くするので、それを狙った方が良いかも。
いずれにせよオススメできるアプリです。

・ブロックス(公開終了)
  

Hadoken Fighter (波動拳ファイター)

波動拳」を撃ち合って相手を倒す、シンプルな対戦型ショートゲーム。
それが「Hadoken Fighter(波動拳ファイター)」です。

名前が直球でインパクトがあるので、iTunes のランキングでも上位にあるのですが・・・
自分が思っていたのとは全然違ってました。
なんだか「コレジャナイロボ」を貰ってしまったような印象ですね・・・

hadouken

「波動拳ファイター」という名前ですから、皆さん「ストIIの波動拳を撃ち合って戦うんだ」と考えると思います。 自分もそう思ってました。
ところが実際にやってみると、「画面を連打してパワーを貯め、画面を横にスライドして弾(もしくはビーム)を撃ち、相手を画面端まで押すゲーム」でした。

つまり、一番重要になるのはコマンド入力ではなく、連打によるパワー貯め。 単なる「連打勝負」なのです。

駆け引きのようなものはあまりなく、連打してパワーを貯めてから波動拳を撃っていれば、連打が早ければ連勝し続けられます
そもそも「波動拳」と言ってるのにコマンドが 下・右下・右 じゃなく、単に画面を横にスライドするだけですから、その時点で「コレジャナイ」感が爆発。

起動時のかけ声などは勇ましいのですが、グラフィックも内容もシンプルで、正直「無料アプリレベルだろう」ってのが本音ですね。

「波動拳」の名前で売れている印象ですが、「ストIIの波動拳の撃ち合い」とは全く違うものです。
それをイメージしている人は買うとガッカリなのでご注意下さい
違う内容でもゲームが面白ければ良いのですが、私的にはこれで有料ではお勧め出来ませんね。

まあ 115 円なのでそんなに高い訳ではないし、Bluetooth を使った対戦モードもあるので、多人数でやればそれなりに面白いかも知れません。
連打がそんなに早くない人の方が、楽しめるかもしれませんね。

Hadoken Fighter(波動拳ファイター)(iTunes が起動します)
 

ポケットベガス

日本の iPhone 情報の中心地と言える「appbank」さんが開発したゲームアプリ、「ポケットベガス」がついに公開されました。
対戦型の「ソリティア」がプレイ出来るアプリです。
(将来的には他のゲームも追加していく構想のようです)

ソリティア」は Windows にも付属されているメジャーな1人用のトランプゲームですが、それが短時間でプレイ出来る対戦型にアレンジされています。

※現在はポーカーやブラックジャック、大富豪や麻雀なども導入されています。

appbank さんは「儲けるために appbank をやっている」「アプリの販売と運営で儲けることを目標としている」と公言されているため、どんな価格設定にするのか注目していたのですが・・・
なんと「無料」。 これは意外。

対戦に使う「コイン」をアプリ内課金で購入するシステム
で、こちらで収益を出そうというコンセプトのようですが・・・
でも、これってリスク高いよなぁ。 開発や運営を委託すると相応に費用もかかるだろうし。
しかし appbank さんらしい、野心的な課金スタイルですね。

pocketvegas1

さて、ゲームの方はどんな感じかというと・・・

それを語る前にまず言っておきますが、私は今まで「ソリティア」というゲームをやったことがありませんでした。
Windows で何度か起動したことはありますが、やり方がさっぱり解らず、すぐにやめていました。
私はソリティアよりも「マインスイーパー」を起動していた人です・・・

そんな訳で、まったくの初心者の意見だと言うことを念頭に見て頂ければと思います。


さて、そんなソリティアが解ってなかった私ですが・・・
この「ポケットベガス」には非常に解りやすいチュートリアルがあって、それをやったら一発でルールを理解できました。

かなり丁寧に教えてくれるので、ソリティアを知らない方でもこれを見れば安心です。
アプリが無料ですから、本格的にやるつもりがなくても、「ソリティアを学ぶためにやってみる」というのもいいかもしれません。

pocketvegas2

ゲームは、1人用の普通のソリティアも出来ますが、「対戦モード」がメインです。
この対戦は有料課金で購入する「コイン」を賭けて行うのですが、コインは無くなっても時間の経過で自動的に貯まっていくので、課金しなくてもある程度は対戦できます。

対戦中には、対戦を盛り上げてくれる様々なメッセージが流れます
「○○さんが逆転!」とか「○○さんが先制!」とかいう表示が出てきて、連続でポイントを取っていくと「この調子なら勝てるかも!」みたいな応援も出てきたりします。
グラフィックなども綺麗で、BGM も盛り上がるものになっています。


ただ、やっていて気になるのは・・・ 対戦ゲームであるにも関わらず、他プレイヤーとの「関わり」がほとんどないこと。
このゲームに「ぷよぷよ」で言うところの「おじゃまぷよ」みたいな存在(他プレイヤーへの攻撃など)はありません。
プレイヤー同士の干渉は全くなく、単に同じカードが配られて、スピード勝負をやるというのみ。

だからメッセージや演出で対戦している感じはあるのですが、ゲーム的にはあくまで「一人でやってるソリティア」であって、それをみんなで隣り合ってプレイしているに過ぎない。
ここはちょっと「対戦」という感じが希薄な印象も受けます。

まあ、このゲームに「攻撃」みたいなのがあったら、それこそ上級者が初心者をフルボッコする展開になってしまう気もするけど。

そして、予想はしていましたが・・・ ソリティア初心者の私が対戦をしても、全く勝てませんでした。
何度もやっていればうまくなるかもしれませんが、今は無料だからいいものの、これで有料で何度も負け続けながらお金を払って上達するまでやるかというと、疑問が残ります。
前述したように他プレイヤーからの干渉といった要素がなく、同じカードが配られますから、運が介在する余地が少なく、そのため実力勝負である反面、ヘタな人はどうやっても勝てません。

また、気になるのが「マッチング(対戦者選び)」。
パッと見でこのゲームにはプレイヤーの腕前を示す「レート」がない。
ランキングはあるようなので内部的に勝敗やレートは付けられているのかもしれないけど、それがマッチングに影響しているように見えない。

通常、自動マッチングのオンライン対戦ゲームはプレイヤーの腕前を示すレートがあって、そのレートに応じたマッチングが行われるのが一般的です。
つまり、初心者は初心者同士の、うまい人はうまい人同士の対戦になるのが普通な訳ですが、このゲームにはそう言う配慮が感じられません。
一応、開始前に「最適な相手と接続中」とは出るのですが、少なくとも私は初心者で、かつずっと負け続けていたけど、「初心者っぽい人」とマッチングされた事はほとんどありませんでした。

もちろんその時にこのゲームをやってたのが上手な人ばかりだった可能性もある訳ですが、マッチングにおいてプレイヤーの腕前が考慮されているように見えません。
そのぶんマッチングは非常に高速で、同じレートの人を捜してなかなかマッチングされない、という事はないのですが・・・
おかげでますます初心者は一方的に負けるしかない状態ですね。

加えて、「誰かが手詰まりになるか完全クリアすると、その一定時間後にゲームが終了する」というシステムなので、4人対戦で1人は上手い人が混じっている現状、早期にゲームが終わって、初心者だと練習にすらならない事も多いです
こう言うと「先に1人で十分練習してから来い」という話になりますが、1人で練習し続けるんだったら、それは単なる普通のソリティアです。
(対戦の練習モードもありますが、ゲーム自体は1人でやるソリティアと差がありません)

アーケードの人気ゲーム「三国志大戦」なんかだと、「同じ腕前の人が見つからないので一人プレイで始めます」というケースがあり、相手が見つかるまでコンピュータと練習する形になっていて、「対戦レート」を重視したマッチングが行われています。 この辺はゲームデザインの意識の違いでしょうか。
まあポケットベガスのソリティアは短時間で終わるので、いつまでも時間をかけてマッチングしてられない、というのもあるのでしょうが。

まあ、これらは私が弱いのが一番の問題なのですが、とりあえず今の感想としては「ソリティアをやったことがない人は、入り込む余地はないかな」という印象です。
今は対戦もほぼ無料なので負けながら学べばいいのですが、対戦用のコインが有料化されたら、その傾向はさらに強まるだろうなぁ、と感じます。


と、色々ゲームとして思うところもありましたが、でも確かにこれは面白いです。
やっぱり1人で黙々とやるより、他のプレイヤーと対戦している方が楽しいですね。
負けまくっていても、それでもやり続けてしまうほどの熱中度はあります。
レスポンスやゲームのテンポも非常に良く、「サクサク」遊べます

「落ちる」という意見や「動作が鈍い」という意見も多いですが、私がやった限りでは、ゲーム中の操作感はそんなに悪いとは思えません。(重くなった事や落ちた事ならある)

「落ちたらコインが減った!フザケルナ!」という意見も多いようですが、落ちてペナルティがない仕様だと「強制終了して逃げる」という行為が横行する結果になります。
ただ、アプリが不正落ちして有料で買ったコインが減ったら「金返せ!」って事になるけど。

しかし負けるほど課金が必要なシステムだから(勝った方はコインが増える)、有料になったら私はプレイしないだろうなぁ・・・
いまのうちにどれだけファンを取り込めるかが勝負になるでしょうね。

いずれにせよこのアプリは、将来的には海外展開がメインなのではないかと思います。
今はまだ日本での運営のみだと思われますが、海外展開を考えているからこそ世界的にメジャーなトランプゲームを題材にしたのではないでしょうか?

と言う訳で、色々な意味で今後に注目してみたいアプリです。
とりあえず、今は対戦が無料だし、対戦しなくても1人用ソリティアも出来るので、オススメできるアプリですね。

・ポケットベガス(公開終了)
 

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