iPhone AC 番外レポート

iPhone や iPad(スマホやタブレット)の、主にゲームアプリのレビューを行っています。

戦略戦術SLG

三國志2

コーエーの歴史ゲームシリーズの大定番「三國志」。
その三國志シリーズの第二作目「三國志2」が iPhone / iPod touch アプリとして発売されました。
コーエーの三國志の中でも名作と名高いゲームです。

このアプリ、12月16日に発売されていたようなのですが、大作ラッシュの影響で完全に埋もれてて、先日偶然見つけるまで全く気付きませんでした。
ニュースリリースとかも全くなく、だから大手のゲーム情報サイトなどでも発売のお知らせは皆無

「三國志2」と言えば相応に大きなタイトルだと思うのですが・・・ いいのかコレで。
広報に忘れられてるんじゃないのかこのアプリ・・・

ともかく、ゲームはちゃんと「三國志」しています
前作は初代の三國志がベースでしたから、最近の三国志しか知らない方には「劣化版」にしか見えなかった難点がありましたが、三國志2は「その後の三国志のスタイル」を作り上げたゲームなので、旧作を知らない方でも受け入れられると思います。

三國志2

ゲームのインターフェイスは前作「三國志 Touch(三國志1)」を踏襲していますが、各所に改善が見られます

内政画面では画面下のアイコンから命令を出すのですが、前作は「機能」や「情報」などのボタンは画面下をスライドして切り替えなければ表示されませんでした。
しかし今回は「情報・機能・進行」の3つは画面右に別枠で表示され、スライドで切り替える必要は無くなりました。

画面上部に表示されている都市情報もより細かくなり、特に「人口」を簡単に確認出来るのは地味に嬉しい変更点です。
命令を与える時の武将の選択画面も、能力値や忠誠度などの表示を切り替えるボタンが追加され、より解りやすくなりました。

大きすぎたボタンもやや小さくなり、その分画面が広くなっています。
より洗練されたインターフェイスになったという印象ですね。

操作の基本説明をしてくれるチュートリアルも用意されており、今回はボケる劉備とツッこむ諸葛亮のコンビでお送りされます。

三國志2

ゲーム内容は、携帯向けに簡略化した部分も多く見られますが、基本的には「メジャーな三國志」のシステムです。
つまり、コマンドは武将ごとに実行することができ、ちゃんと兵士数の編成や輸送などの一般的なシステムが存在していて、委任も自動輸送などを含め細かく指定できて、計略も色々と用意されている、「おなじみの三国志」ですね。

前作は原作を知らない方から、「命令が1つしか出せない」「輸送がねぇよ」「編成できねー」と散々批判されました。
「初代三國志は元々そう言うゲーム」だったので、無いのが当たり前なのですが・・・ それでも、iTunes では酷い言われようをしていました。
しかし三國志2は基本システムが整っているため、そういった形で非難される事はないと思います。

三國志2の大きな特徴は、外交や計略の使者がマップ上を移動し、他国を通過する時に捕まることがあること。
この時、手紙を没収されたり、運が悪いと相手に捕縛される事もあります。
もちろん他国の使者が通過した時に、こちらがそれを捕らえることもあります。
この使者の移動はその後の三國志には受け継がれませんでしたが、私は面白くて好きですね。

もう一つの大きな特徴は「計略」が豊富で、かつ強力なこと。
相手の忠誠度を下げる「偽書疑心」、戦闘中に寝返らせる「敵中作敵」、味方武将を相手国に潜り込ませる「埋伏の毒」などがあり、敵国に武将を埋伏させるとその国の武将の忠誠度が徐々に下がっていく効果もあります。

このゲームは計略を実行し、軍師が「失敗します」と言っても、戻って再び選択し直すと内部の乱数が変化して、軍師のセリフが「妙手です。ぜひ行いましょう」とかに変わる場合があります。
そうなるまで繰り返してから実行することで、計略を高確率で成功させることが出来ます。
軍師の助言は必ず当たる訳ではないのですが、知力が高いほど確実性が増すため、質の良い軍師の存在が非常に重要なゲームでもありますね。
知力が 100 だと「助言が 100 %外れない」ので、諸葛亮の存在は非常に強力で、孔明が神やコンピューターのように言われ始めたきっかけのゲームでもあります。

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また、このゲームは戦争に5部隊しか派遣できないのですが、防御側は10部隊で守る事が出来ます。
つまり相手の兵力が高いとどうしても不利になるのですが、計略で戦争中に相手を寝返らせれば攻撃側でも6部隊以上になるので、その点でも重要です。
義理が低い呂布や魏延だと計略なしで忠誠度100でも寝返ったりするので、呂布の裏切りっぷりが凄く、酷い時には1度の合戦で数度寝返ったりしました。

このあたりはゲームバランスの都合上、その後の三國志では修正されたのですが・・・ このぐらい極端な方が、武将の個性はあった気がしますね。

「共同作戦」が導入されたのもこの三國志2からで、同盟した国に同時進攻を依頼し、一緒に攻めることが出来ます。
この方法でも攻撃側が6部隊以上になるし、このゲームは同盟の締結と破棄が割と簡単に行えるので、かなり有効に活用できます。

相手の共同作戦や救援要請に応じたり、捕らえた同盟国の使者をそのまま通過させることで「信頼度」も上がります。
この信頼度が高いと登用の成功率が上がり、武将の忠誠度も下がりにくくなるため、非常に重要です。

三國志2

合戦は前作(三國志 Touch、三國志1)を踏襲していて、iPhone / iPod touch 用のやや小さめのマップになっています。
ただし取られたら負ける「兵糧庫」の概念はありません。

今回は部隊の機動力が多いため、訓練度さえあれば5マス以上一気に移動出来ます。
ただし敵に隣接すると移動が止まるため(俗に言う ZOC がある)、敵の近くではあまり動けません。
森に入ると部隊が見えなくなり(伏兵)、そこに敵が踏み込んでくると奇襲攻撃を行うというユニークな要素もあります。

火計は前作のように「一撃必殺」ではなくなりましたが、より燃え広がるようになっているので、場合によっては「火の海の中で逃げるので精一杯」という状況になる事もあります。(しかも防御側のコンピューターはやたら火を付けまくる)
この火計の派手さも三國志2の面白さと言えますね。
「突撃」は敵を倒せなくても反対側に貫通するため、いざという時はこれで逃げる方法もあります。
ただ、攻撃の基本が敵を囲んでの「一斉攻撃」である点は変わりません。

三國志2は「一騎打ち」が最初に導入されたゲームでもあり、開戦前に武力の高い武将を戦わせることが出来ます。
(と言うか、たいてい武将が勝手に一騎打ちを申し出ます)
勝った方は相手を(兵士ごと)捕える事ができますが、もちろん負けると捕らえられます。
リスクもありますが、三國志らしいと言えますね。

三國志2

難点は iPhone / iPod touch 用に内政が簡略化され、開発値が上がるのが早く、上限にすぐ達するため、内政では早期に「やることが無くなる」ことでしょうか。
国作りの楽しさのようなものは、あまりありません。

オリジナルの三國志2もその傾向はあったのですが、治水や武装度と言った数値がカットされたため、ますますそうなっています。
その分「計略をして下さい」ということでしょうか。
まあ、治水や武装度は重要度が低い数値でしたし、簡略化されたことはゲームのテンポアップにも繋がっていますけどね。

シナリオは3つ、「董卓の横暴」「諸葛亮登場」「三國の鼎立」。
オリジナルと比べると少なくなっていますが・・・ 基本となるシナリオは押さえられています。

新武将は 30 人まで登録可能で、新君主としてプレイする事も出来ます。
この「オリジナル武将の作成」の要素も、三國志2から導入されたものです。
武将の能力を上げる「アイテム」が登場するのも、このゲームからですね。


全体として「コーエーの歴史シミュレーションゲームの基本」が形作られており、そのため 三國志 Touch(三國志1)に不満だった方でも、こちらなら楽しめると思います。

価格は 1300 円と高めですが、コーエーのアプリだから高いのは仕方がないところでしょうか・・・
アプリ自体は良く出来ているので、コーエーの歴史 SLG が好きなら、値段分の価値はあるはずです。
追加の要素として「武将列伝」と、新しい武将(黄月英などの女性武将も含む)が加わっています。

三國志2は私にとって思い出のゲームであり、子供の頃、友人たちと集まって夏休みの全てをこのゲームに費やした事があります。
昨今のコーエーは無双シリーズを中心とする歴史シミュレーション以外のジャンルに傾倒していますが、やはりコーエーは「歴史SLG」が中心にあってこそのメーカーだと思いますし、そこからズレた事が昨今の収益悪化に繋がっているのではないかと思います。
無双も面白くはありますが、iPhone / iPod touch で「三國志」と「信長の野望」が展開されていることは、良い流れなのではないでしょうか。

三國志2(iTunes が起動します)

SDガンダム Gジェネレーション タッチ

歴代ガンダムシリーズのキャラクターとモビルスーツが総登場することで人気の戦術シミュレーション・RPGシリーズ「Gジェネレーション」。
様々な機種で展開してきたこのゲームが、遂に iPhone / iPod touch でも公開されました。
SDガンダム Gジェネレーション タッチ」です!

この秋に発表されて以後、ユーザーからの期待が高かったゲームの1つですが・・・
しかし iTunes のレビューを見ても解る通り、ヒドい状態です

このゲームは元々ガラケーのアプリだったのですが、それを iPhone / iPod touch への最適化が不十分なまま「ベタ移植」した感じです。
この2年、ガラケーアプリのベタ移植じゃ iPhone では通用しないことは散々言われてきたはずなのに、まだこの有様ですから、ナムコの iPhone アプリへの認識が「相変わらず」だと感じずにはいられません。

操作性なども良くなく、それでいて価格は高く、iTunes のレビューが炎上するのも仕方のない出来で、「あえて言おう。カスであると!」と言う意見に賛同せざるを得ませんね。

※さらに現在、iOS5 以降への非対応が発表され、(最近の OS では)完全に動作しなくなりました。
それなのにアプリはまだ公開されているのでご注意下さい。


SDガンダム Gジェネレーション タッチ

ゲームは自分のターンに味方のユニットを動かし、武器を選択して攻撃、敵を倒せば経験値が入り、ユニットやパイロットのレベルがアップしていくという育成要素のある戦術シミュレーションゲームです。
敵を全滅させればステージクリアとなり、次のステージを選択できます。

いわゆるスパロボ(スーパーロボット大戦)を元とするゲームシステムですが、しかしGジェネレーションはスパロボとは異なるルールが多くあるため、スパロボと同じように考えていると戸惑うと思います。
PS2 で発売された「Gジェネレーション スピリッツ(魂)」とシステムはほぼ同じです。

しかし悪い点を上げるとキリがありません
登場キャラクターの絵の周囲のジャギー(ドットのギザギザ)がやたら目立つし、文字もドットが荒く明らかに iPhone の解像度に対応できていない。
要するに一見してすぐ「汚い」と思うグラフィックなのです。
ガラケーアプリの画像をそのまんま iPhone 用に拡大し、調整せずに表示している感じですね。
まだガラケーの方がマシなぐらいで、こんな画像で納得出来る iPhone ユーザーはいないでしょう。

操作性も良くなく、iPhone / iPod touch 用にタッチパネルの操作になっているのですが、勝手に画面がスクロールするし、二本指タップのスクロールも画面がヘンなところに移動するし、ピンチ操作にも非対応でズームも2種類のみ、ユニットの詳細も表示し辛いし、他にも追加移動時に敵ユニットの詳細を確認出来ないとか、HP のバーグラフがないので状況をパッと見で認識できないとか、もう悪い点だらけですね

※アップデートで操作性に関してはある程度改善されました。

戦闘シーンのモビルスーツの動きについては、「ガラケーアプリの画面を引き延ばしただけ」なのでドットが荒くて綺麗とは言えないものの、良く動くしアクションも派手で、一応ちゃんと「Gジェネ」しています
キャラクターボイスなども一切ありませんが、ここはアプリ容量を考えると仕方がないとは思います。

このアプリはガラケーアプリの「Gジェネレーション モバイル」の移植です。
この「Gジェネレーション モバイル」はガラケー用としては非常にハイレベルなアプリで、多くのユーザーから支持されていました。
アップデートも繰り返されており、そのため最終的にはかなりのボリュームとなっています。
だからこそナムコも自信満々で移植を発表したのでしょう。

しかしそれはガラケーアプリのレベルでの話。
それでも iPhone 用に表示や操作性が調整されていればまだ良かったのですが、どうみても「やっつけ仕事」な移植で、特に「文字のフォントがガタガタ」ってのはもう技術云々以前の問題だと思います。

無料体験版を公開して追加課金で収益を上げるのなら、その体験版の時点で「すごい」「面白い」と思わせなければダメな訳で、それなのにこの見た目ですから、マーケティングの基礎からして「なっていない」と言わざるを得ませんね・・・

ggene5

ただ、グラフィックと操作性を全く考慮に入れず、ゲームシステム「だけ」を見た場合・・・
そんなに悪くはなかったりします。

前述したようにシステムは PS2 で大ヒットした「Gジェネレーション・スピリッツ」のものを踏襲していて、かなりやり込み度の高いユニット育成と、戦略性の高い編成・戦闘システムなどを持ち、ストーリーに沿ったシチュエーションモードだけでなく、特殊なランダムステージ(クエストモード)なども用意されています。

ただし前述したように「Gジェネ」は特殊なルールが多く、それがゲーム内でほとんど説明されていないので、このシリーズを初めてやった方だとまるでシステムが解らないでしょう。
おまけにゲームバランスがかなり厳しく、初心者はもちろん上級者でもシチュエーションモード(メインのストーリーモード)の早い段階で詰まってしまうと思います。

今作は序盤に強いモビルスーツを作る事が出来ないため、同じステージを繰り返してモビルスーツとパイロットのレベルを延々と上げる「経験値稼ぎ」を行う事が必須となっています。
元々Gジェネは難度の高いゲームだったのですが、ますますその傾向が強くなっている感じで、正直言って「マニア以外」には勧められませんね。

SDガンダム Gジェネレーション タッチ

と言う訳で、大きな期待と話題を呼んでいたアプリですが、一般の方には全くと言って良いほどオススメできないアプリとなっています。
「Gジェネ」のファンなら、グラフィックに慣れてしまうと相応に楽しむ事は出来るのですが、ゲームバランスがキツイので、そのつもりでやった方が良いですね。

(と言うか、ガラケー版で可能だったMS開発の組み合わせの多くが利用できなくなっているようで、そのため使えるユニットが非常に限られています。 しかも序盤に陸上戦艦が入手出来ないのに早い段階で地上のクエストステージが次々と追加されるなど、おかしい点が見られます。
「追加ダウンロードで様々なMSが使用可能に」みたいなアナウンスがあるので、もしかすると追加ダウンロードを導入しないと上位のMSや戦艦をなかなか入手出来ないシステムなのかもしれません。
そうだとすると、今の時点ではGジェネ経験者でも手を出さず、アップグレードや追加コンテンツを待った方が良いような気がします。
しかしそれだとますます多くの費用がかかる訳で、なおさら微妙なアプリと言えますね・・・)

この秋、「ナムコバンダイゲームスから複数のガンダムアプリが iPhone に登場する」と各メディアで報じられ、かなりの話題になっていた訳ですが、フタを開けてみれば単なる「ガラケーアプリの移植」に過ぎませんでした。
おまけに iPhone / iPod touch 用にカスタマイズされていた訳ではなく、最適化されている訳でもなく、限りなく「ベタ移植」に近い形で・・・

私的にも残念ですが、ガンダムフリークの方は特にガッカリなのではないでしょうか。
ナムコの iPhone アプリのマーケティングは、一体どこまで「ナムコ」の名を貶めれば気が済むのでしょうかね・・・

SDガンダム Gジェネレーション タッチ(iTunes が起動します)


【 ちょこっと攻略 】

それでもやりたいという方や、すでに製品版にしてしまった人向けにシステムを簡単に解説しておきます。
プレイ時の参考にしてみて下さい。

【 編成 】
・編成ユニットには「マスター」と「グループ」が存在する。 マスターは主人公的な存在で、近くにいるどの味方ユニットからも支援を受ける事が出来る。 戦艦に帰還できないが、HP と EN はターン毎に少しずつ自然回復する。
・「グループ」は戦艦に格納されて出撃するため、戦艦が必要。
・1つのグループには最大2つの「チーム」が所属する。 チーム数やユニット数は戦艦によって決まる。
・戦艦の周囲には指揮範囲があり、この範囲外だと能力が低下する。 指揮範囲はパイロットの指揮能力で来まる。
・「チーム」の一番上のユニットは「リーダー」となる。リーダーユニットにも指揮範囲があり、チームのユニットはその範囲にいないと能力が落ちて支援も出来なくなる。

【 戦闘 】
・攻撃には EN を消費する。 消費した EN は戦艦に戻らないと回復しない。 戦艦の HP と EN はターン毎に自然回復していく。
・チームメンバー同士はリーダーの指揮範囲内にいて未行動なら支援攻撃に参加できる。 経験値は支援ユニットも入手する事が出来る。
・敵にトドメを刺すとユニットは再度行動が可能になる。 これを「チャンスステップ」と言う。 チャンスステップは敵を倒し続ける限り何度でも発生する。
・パイロットには精神力を示す MP という数値がある。 攻撃が当たったり敵を撃破すると上昇し、被弾すると下がる。 一定以上まで高まると「強気」、一定以下になると「弱気」になり、能力に補正がかかる。 どのあたりで状態が変化するかはパイロットごとに異なる。
・MP が最大になると「超強気」になり攻撃が全てクリティカルになる。 MP が非常に低くなると「混乱」し攻撃が出来なくなる。
・戦艦に所属しているユニットは、出撃中に戦艦が倒されると白旗を揚げる。 白旗を揚げている敵ユニットはこちらの戦艦で「捕獲」が出来る。 捕獲したユニットはステージクリア後にストックに入れるか換金するかを選べる。
・敵を倒すと「ハロポイント」が得られ、それによってクリア後の評価が判定される。
ハロポイントは倒しにくい敵を倒したり、敵を「オーバーキル」(相手の全 HP の倍以上のダメージを与える)で倒すほど高くなる。

【 開発 】
・今作では2つのユニットをかけ合わせると、素材となったユニットは消えてしまう
・開発にレベルは必要ないが、開発後のユニットの能力値やレベルは素材となったユニットの影響を受ける。
・ガラケー版の「Gジェネレーションモバイル」の開発の組み合わせはそのまま使えない模様。
ただ、イベントなどの発生条件は同じようです。

SDガンダム Gジェネレーション タッチ

信長の野望・全国版

日本の、いや、コンピューターゲーム界における「戦略シミュレーションゲーム」の金字塔にしてパイオニア
それがこの「信長の野望・全国版」です。

数々のゲーム機やパソコンに移植された名作ですが、遂に iPhone / iPod touch アプリとして登場しました。

・・・が、iTunes のレビューがあまりに酷すぎる!
「武将がないからクソ」だとか、「内容が(最近のものに比べて)無いよう」とか・・・
そりゃ今のものに比べれば内容は少なめです。
価格も 1300 円は高いと思います。

ただ、「信長の野望・全国版」は元々こういうゲームなのです。
ちゃんと「全国版」と明記されてますし、そういうゲームを買って「武将がないからゴミ」とか言ってレビューに★1を付けるとか、「じゃあ最初から買うな」としか言いようがありません!

・・・という訳で、まだ天下統一までプレイした訳ではありませんが、あまりにも iTunes のレビューが酷いし、今となっては「信長の野望・全国版」の事を知らない方も多いようなので、早めに取り上げて解説をしたいと思います。

信長の野望・全国版

信長の野望・全国版は 1986 年に最初にパソコンで発売されたゲームです。
内政を行って国力を高め、得られた収入で兵士を雇い、他国に攻め込んで最終的に天下統一を目指す「歴史シミュレーションゲーム」です。

武将は存在せず、「大名」のみです。
「信長の野望なのに武将がいないなんて!」とか言っている人がいますが、信長の野望・全国版は最初から武将はいないゲームです
また、大名の能力値もそれほど大きくゲームには影響しません。(ただし一部のコマンドは除く)

難易度が高いゲームで、コンピューターは自分より兵力が低い相手が近くにいると、逃さず攻め込んできます。
外交として「婚姻」があり、結んでおくと攻め込まれにくくなりますが、これも一時的な効果しかありません。

よって最近のゲームに慣れている人だと「難しすぎる」「ゲームバランスが悪い」などと思うかもしれませんが、この点も信長の野望・全国版は、元々そんなゲームです
失敗を繰り返しながら徐々に攻略を見つけていくゲームと言っても良いかもしれません。
初心者の方には難しいと思いますが、信長の野望・全国版をやったことがある人には、むしろしっくりくる難易度ですね。
セーブスロットは3つ用意されているので、慣れないうちは小まめにセーブしていきましょう。
難易度は1~5まで選択出来ますが1が普通です。 5だと異常な難しさです。

弱い大名家はゲーム開始直後に謀反や一揆が起きてあっさり滅びたり、開始直後のターンで強国に必ず攻められたりしますが・・・
これもまあ、元々そうです。
ゲームとしてどうかと思うかもしれませんが、開始直後の謀反ラッシュはある意味、信長の野望・全国版の「おなじみの風景」ですからね・・・

戦争は、部隊は1マスずつしか進めません
これについても iTunes のレビューで文句が出ていますが、元々そういうゲームです。
それにこのゲームの戦争は、やり方次第で数倍の敵に勝つことも可能な、意外に戦略性や逆転要素がある面白いものです
「編成」と「地形効果」、「敵大将狙い」がゲームの大きなポイントになります。

なお、大将(第一部隊)を倒すと残っている敵兵力を貰うことが出来ます。
勝てば相手が持ってきた金や兵糧も奪えるので、戦い方次第では合戦が大きな収入になる事もあります。

信長の野望・全国版

オリジナルの「信長の野望」と比べて違う点は、以下の通りです。

・17ヶ国モードはない
シナリオが3つある(1560年、1571年、1582年)
・開始時にちょっとした歴史解説や大名プロフィールがある
大名ごとに能力値が設定されている
・寿命を「長命」「無限」にすることが可能
・「情報」コマンドはない。 いつでも他国の情報を確認可能
・GPS によって現在地を確認し、その場所の大名を強化する機能がある

大名ごとに能力値が設定されたのは、歴史ファンには嬉しいところですね。
また、iPhone ならではの機能として、GPS による地元大名の強化機能があります。
能力値が固定されたことで、弱小大名でのプレイがより困難になっていますが、この機能があれば弱い大名でも(地元なら)強くしてプレイ出来ます。
これなら宇都宮の野望も夢ではない・・・?
ただ、地元によっては後述する「暗殺」が強くなりすぎる面もありますが・・・

寿命を伸ばしたり無限にする設定もあるので、ゲームが始まって間もなく老衰で死ぬ事でおなじみの毛利元就でも天下統一が狙えます。

全体的にプレイしやすくなっている印象で、合戦マップも広すぎず、スッキリまとまっています。
ボタンなどの操作も iPhone / iPod touch 用にうまく調整されていますね。

また、「暗殺」の強さは相変わらずです・・・

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この「暗殺」が「信長の野望・全国版」の醍醐味(?)でしょう。
暗殺に成功するとその領地が「空白地」となり、隣接した国々でその国の「入札」が行われ、一番多い金額を提示した国がその領地を貰えます。
これを使えば全く戦わずに領土を拡大していくことも出来ます。
ただし暗殺は、相手より知力が高くないと成功しません。(難易度が高くても成功率は下がります)
よって大名の能力値は「知力」が一番のポイントになります。

この「暗殺」、最近の歴史シミュレーションをやっている人が見たら「なんだよコレ!」と思うかもしれませんが・・・
まあ、そう言うゲームです。 信長の野望・全国版は。


各コマンドやイベントに綺麗なグラフィックが用意され、操作性やゲームのテンポも良くなっており、十分高い完成度だと言えると思います

ただ、iTunes のレビューを見る限りでは、やはり「最近の信長の野望しか知らない人」にとっては、単なる劣化したシミュレーションゲームにしか見えないのでしょう。
確かに今のシミュレーションゲームを基準にして考えると、色々とおかしい点が多いゲームです。
だから、あくまで私的な意見ですが、もうハッキリ言いたいと思います。
「オリジナルの『信長の野望・全国版』を知らない人は、買わないで下さい」。
きっとオリジナルをやった事がない人がプレイしても、不満しか残らないと思います。

逆にオリジナルの「信長の野望・全国版」を知っている人には、悪くないアプリです。
価格が 1300 円のため、簡単に「オススメ」とは言えませんが、移植度やアレンジに関しては十分「及第点以上の出来栄え」だと言って良いと思います。

思えば、iPhone / iPod touch 版の三國志も完成度は良いと思うのに酷評が続いていて、なぜなんだと思っていたのですが・・・
つまりオリジナルを知る人間から見ると「再現版」だけど、最近のバージョンしか知らない人が見ると「劣化版」にしか見えないという事なんでしょうね・・・
そしてどうやら最近は、それが再現版であることすらも解らない人が多いらしい
まあ、これも時代の流れなのでしょうね・・・

信長の野望・全国版(iTunes が起動します)

TDOS3 Drill Edition for iPhone

小説やアニメなどで展開されている「涼宮ハルヒの憂鬱」に登場するゲーム「THE DAY OF SAGITTARIUS Ⅲ」(TDOS3)。
それを iPhone / iPod touch で再現した公式アプリが「TDOS3 for iPhone」ですが、その続編が登場しました。

それが「TDOS3 Drill Edition for iPhone」です。
「Drill Edition」となっていることから解るように、「訓練・演習バージョン」という位置付けの様ですね。
でも決して侮れない難易度であることを先に言っておきます。

ちなみにこのアプリをやるにあたって、原作の小説の第一巻「涼宮ハルヒの憂鬱」を読んでみたのですが・・・
いやー、面白かったです。 なるほど、これは大きなブームを起こすだけありますね。
まあこのゲームが出てくるエピソードは、第一巻じゃなかった訳ですが・・・

TDOS3 Drill Edition for iPhone

艦隊に陣形と移動先の命令を出して戦う、簡易的な RTS (リアルタイムの戦術シミュレーションゲーム)です。
陣形には移動重視や防御重視などの5種類があり、敵に近づくと自動的に弾を撃って攻撃します。

グラフィックは見てのように初期のコンピューターゲームのような古くさい簡易的なものですが、これは原作やアニメがそうなっているので、それを再現しているようです。
原作に出てきたゲームを再現しているところに意味があるアプリですから、これはこれで良いのだと思います。
サウンドや BGM もチープなものですが、雰囲気は出てますね。

これらの基本的な内容は前作の「TDOS3 for iPhone」と同じですので、そちらのレビューも参考にしてみて下さい。

そして今作「Drill Edition」の内容についてですが・・・
ハッキリ言って、こちらが本編と言っても良い内容です。

まずステージ数が増大し、全 24 ステージ。
さらにメッセージが日本語化され、ステージごとにアドバイスも表示されるなど解りやすい内容になっています。

前作は非常に難しく、この手のゲームに慣れていない人だとまともに進めないような難易度だったのですが、今回は序盤はかなり簡単になっており、ドリルエディションの名の通り「訓練しながら」進めて行くことが出来ます。

でも、簡単なのはステージ 10 ぐらいまで。
それ以上になると戦力差も大きくなってきて、勝利条件も厳しくなり、正攻法では勝てなくなってきます。
そうなると前作同様にステージごとの攻略を考える必要があり、終盤になると前作の後半ステージ並の難易度になっていきます。

ですから単なる「練習バージョン」と言う訳ではありません
これもこれで1つの本編と言えますね。

TDOS3 Drill Edition for iPhone

難点は、やや操作がし辛いことでしょう。
艦隊をタップして陣形を選び、移動先をタップするという手順なのですが、画面が狭いのでこれを何度も繰り返しながら移動させていく必要があります
二本指ドラッグで画面をスクロールするなど出来れば良かったのですが、そういった操作はありません。
右下のレーダー画面で画面をスクロールさせることも出来ますが、やや使い辛いですね。
ズームも三段階しかなく、ピンチ操作でのズームイン/ズームアウトも出来ません

また、画面左の艦隊リストをタップしても任意の艦隊を選ぶことが出来るのですが、その艦隊の場所に画面がスクロールしてしまうため、「先に移動したい場所を表示してから艦隊を選ぶ」という操作ができません。

このあたりの操作性の問題は前作でも同様だったのですが、今作はステージ数が増えて細かい指示を出したくなる場面が増えたため、よりやり辛く感じます。

また、これは原作やアニメに合わせてデザインされているため、言うのは間違っているかもしれませんが・・・
やっぱり画面が綺麗なモードが欲しかったかなぁ・・・
このグラフィックじゃ、原作やアニメのファン以外は見向きもしないだろうし

と言う訳で、基本的には原作を知っている人向けのアプリですが、やりやすい難易度になっているため、RTS が好きな方なら原作ファンでなくても(このグラフィックを許容できるなら)楽しめる内容になっています

価格は 230 円で、ステージ数の増加によって前作よりボリュームが増しているため、相応の価格かなと思います。

ちなみに全ステージをクリアすると、今回は YUKI.N のメッセージではなく・・・
これ以上は禁則事項です。

TDOS3 Drill Edition for iPhone(iTunes が起動します)

Dominion / Risk

戦略シミュレーションゲームの古典的ボードゲーム「Risk(リスク)」。
iPhone / iPod touch では、その Risk を元にしたシミュレーションゲーム「Lux」が公開されており、定番アプリの1つとなっています。

しかし最近になって急に、この Risk 型シミュレーションゲームのアプリが相次いで発売されました。
しかもその発売元は、1つは Chillingo、1つは EA
どちらも大手の販売メーカーです!

と言う訳で今回は、その最近発売された Risk / Lux 型シミュレーションアプリを取り上げたいと思います。
(なお、このページの解説は Lux を知っているものとして解説を行っています。 予めご了承下さい)


まずは Chillingo が発売した「Dominion」から。
開発したのは Dot Matrix というアメリカのメーカーです。

dominion

画面はコンピューターのレーダー画面のような、サイバーな雰囲気ですね。
マップは数種類用意されており、世界地図の基本マップの他に、北米、東ユーラシア、ヨーロッパなど複数の地域のものが用意されています。

ゲームの基本ルールは Lux と同じなのですが、異なっている点も多くあります。
特に大きいのが、「カードがない」という事。
カードによる大きな戦力補充がないため、Lux や Risk にあったダイナミックな展開がありません
その分、各地域から得られる戦力を慎重に使っていく必要があるため、戦略性は高まっています

また、各地域を占領したり特定の条件を満たすと、条件ごとに決められた「特殊効果」を各ターンに1つ使う事が出来ます。
特殊効果には、「攻撃時にサイコロを1つ高くする」「攻撃前に戦力移動が出来る」「空軍の周辺の戦闘でサイコロの目を増やす」などの効果があります。

ただ、オリジナルの Lux / Risk より戦略性を高めようとしたのは解るのですが・・・
カードがなく大きな戦力補充もないので展開が地味で、演出もかなり地味。
グラフィックや BGM も暗い感じなので、全体的に淡々とした印象です。

さらに勝利条件が「特殊効果を得るための条件を指定個数満たすと勝利」で、世界征服が条件じゃない。
そのため中途半端なところで終わってしまう印象で、「どうせなら統一までやらせてくれよ」という気になってしまいます・・・

世界征服でゲームクリアになる「クラシックモード」もあるのですが、このモードには特殊効果がないので、元々カードがないことと相まって、展開がさらに地味。

価格は 230 円と手頃ではあるのですが・・・ ちょっとイマイチ感が否めませんね。
オンラインプレイが用意されているため、どちらかと言うとオンライン向けの調整なのかも知れません。


もう1つは、EA(エレクトロニック・アーツ)が開発・販売した「Risk」。
元祖 Risk の名をそのまま受け継いでいるのが特徴です。

risk1

ゲーム内容はぶっちゃけ・・・ Lux と変わりません。
Lux は Risk のルールを、コンピューター上でほぼ忠実に再現したゲーム。
そしてこのアプリは、Risk を名を冠してその内容を再現したゲーム。
となると・・・ 内容は変わらない訳です

ただ一点、「戦力移動はルートが繋がっていれば遠くにも一気に移動できる」という部分のみ異なります。
なぜこの部分だけ新ルールになっているのかは解りませんが・・・

「核兵器」のようなボタンがあり、これを押すと爆発が起こって1発で勝負が決まるため、これも新ルールのように思えますが、実際にはこれは「どちらかが全滅するまで攻め続けるボタン」であり、内部的には通常のルール通りの攻撃を繰り返しています。

マップは世界地図を元にしたものが1つだけ
オリジナルの Risk がこのマップですから、それを再現していると言えますが、ゲーム内容が同じなので、マップが選べる Lux(Lux DLX)の方が良いとは言えますね・・・

ただ、演出やグラフィックは明らかにこちらの方が上です
補充フェイズや攻撃フェイズなどの際に表示されるカットインがカッコ良く、戦闘時に表示される兵士のグラフィック、爆発の演出などもあって、シンプルなゲームですが地味な印象は受けません。
プレイ中に得られる勲章を集めるという、ちょっとしたやり込み要素もあります。

risk2

一方インターフェイス面では、領土数やカード枚数、補充数などのデータがメイン画面に表示されていないのが難点。
いちいち切り替えないと確認出来ません。
カードの枚数は「他プレイヤーを滅亡させたときにカードを奪える」というルールがあるため重要で、それをパッと見で確認出来ないのはちょっと不便ですね。

また、価格が 600 円と高いのが難点
まあ Lux も 600 円なのでそれに合わせているのだと思いますが、マップが選べないので、「それなら同じマップをタダでプレイ出来る Lux Touch(Lux の無料版)の方がお得じゃん」という気も・・・
グラフィックと演出に 600 円の価値を見いだせるかがポイントですが、私的には 600 円じゃあなぁ・・・ って感じです。

あと、これは個人的な意見ですが・・・
「Risk のオフィシャルゲーム」を名乗っているのに、グラフィックが完全なオリジナルで、クラシックな雰囲気が全くないのはどーだろう? と少し思います。


と言う訳で結論としては、「やっぱり Lux が一番良いような気がする」というところですね。
長々と解説しておいて、「結局結論はそれかよ」って感じですが・・・ ^^;

Dominion(iTunes が起動します)
Risk(iTunes が起動します)
 

ソングサマナー 歌われぬ戦士の旋律:完全版

スクウェア・エニックスが iPod のために開発した、iPhone / iPod touch オリジナルのシミュレーション RPG。
それがこの「ソングサマナー」です。

iPod に入っている楽曲ファイルから戦士を作り出し、それを使って戦うというユニークかつ iPod ならではのシステムを持ちます。

iPhone 版の FINAL FANTASY が発売され、こちらにも興味を持っている方が多いと思われますので、ご紹介したいと思います。

songsamaner

iPod の中に入っている楽曲ファイルを読み込んで、それを元に「ミュージックファイター」と呼ばれる戦士を作成します。
昔流行った、バーコードで疑似戦士を作って戦う「バーコードバトラー」のようなシステムですね。

作ったファイターは「ナイト」や「マジシャン」などのいくつかの職業や、50 に及ぶ様々な外見を持っており、戦闘で使うことでレベルアップさせる事が出来ます。
スクウェアだけあってグラフィックは非常に綺麗、魅力的な外観のキャラクターがそろっています。

戦闘はターン制の戦術シミュレーションゲームであり、ユニットを順番に動かして直接攻撃や魔法などで敵にダメージを与えます。

単に音楽ファイルからファイターを作るだけでなく、元となった音楽を iPod で聞くことで、次回起動時にその聞いた回数を集計しファイターをパワーアップさせられるという、面白いシステムも導入されています。
まさに「iPod のために作られたコンセプトのゲーム」ですね。


しかし、オススメ出来るかというと・・・ 正直言って微妙

その最大の理由は、あまりも「簡単すぎる」。
音楽ファイルからどんなファイターを作れるのかが楽しみなゲームですが、せっかく強いファイターを誕生させても、あまりその価値がない
ぶっちゃけ、弱くてもラクにクリアしていけるからです。
ファイターを作り、強化するのが楽しいゲームだと思うのですが、そんなに強いファイターが必要ない。

さらに出撃できるキャラクターの数が少なすぎる
1つのステージで2~3体しかファイターを出撃させられません。
様々な音楽ファイルから色々なファイターを作り出しても、使えるのが2人とか3人じゃあまり意味がありません。

おまけにストーリーの進行で仲間になるキャラクターもいて、これが相応に強いので、そもそも音楽ファイルから作った「ミュージックファイター」を使う必要さえ無い

そしてストーリーが「子供向けすぎる」。
いかにも悪者なロボット軍団が人間にひたすら悪いことをしてて、それを撃退するという感じのストーリー。
敵のセリフやデザインも完全に子供向け。
このストーリーで楽しめるのは小学生までだと思います。


全体を見て感じるのは、「ライトゲーマー向け」「子供向け」に作っているのかな、という印象です。

iPod はゲーム機ではありませんから、ゲーマーと言える人は少ない訳で、そういう人でも楽しめる難易度になっているのかもしれません
また、キャラクターをたくさん集めて戦うというコンセプトは「ポケモン」や「ムシキング」などに似ています。
そういった「低年齢層」を狙ったのかな、とも思います。

しかし iPhone や iPod touch を持っている人は相応に年齢が高い人が多い訳で、ターゲットがズレているというか、狙いすぎているというか、そういう印象を受けます。

songsamaner2

音楽ファイルを使ったコンセプトは非常に面白いと思います。
ただ、肝心のゲームバランスとシステムが、それを行かせる形になっていない・・・ そんな内容ですね。

グラフィックやサウンドは良く、完成度は高いのですが、高めの価格(1200円)に応じた価値や面白さがあるかどうかは疑問です。
もうストーリーは無視して、単にキャラクター(ミュージックファイター)を集めて鍛える事のみを楽しんだ方が面白いかもしれません。

と言う訳で、あまりオススメ出来るゲームではないのですが・・・
このコンセプトを引き継いでゲームバランスやシステムを改善した続編(もしくは別のゲーム)が出る事は、すごく希望したいです。 そんなアプリですね。

・ソングサマナー 歌われぬ戦士の旋律:完全版(配信終了)

Palm Heroes (Palm Kingdoms Classic)

海外では Wizardry(ウィザードリィ)や Ultima(ウルティマ)などのシリーズと並び称された、RPG の大定番かつ古典的シリーズ「Might and Magic」(マイトアンドマジック)。

その Might and Magic の外伝とも言うべきシミュレーションRPG が、「Heroes of Might and Magic」です。

西洋ファンタジーの世界観を忠実に再現したシミュレーション RPG で、人気のシリーズだったのですが、開発スタジオが倒産して版権が買収されるという展開が続き、最近は新作が登場していません。

Palm Heroes」はその Heroes の iPhone / iPod touch 版で、「Palm」とは「手のひらサイズ」とか「小さな」という意味です。
日本風に言うと「ぷちヒーローズ」でしょうか。

※版権の問題のためか、現在は Palm Kingdoms Classic という名前に改名されています。
オリジナルの許諾を得て作られたものではなかったようです。


heroes

「ヒーロー」を移動させてマップ上を探索し、生産設備を占領したり、様々な宝物や装備を探したり、敵と戦ったりします。
街を占領すれば資源や資金を使って施設を建てることができ、さらに西洋ファンタジーに登場する数々のユニットを雇用して部隊に加えることが出来ます。

戦闘ではそれらのユニットを使って戦う「ターン制の戦術シミュレーションゲーム」となります。
戦闘によりヒーローはレベルが上がり、特殊なスキルを覚え、魔法を使ったり率いている部隊を強化したりすることが出来ます。

最終的には、他勢力の街を全て占領し、敵のヒーローを全員倒すことが目標となります。


このゲームはパソコン版では5作目まで登場しており、II、III、IV は日本語版も発売されています。
私はこの II~IV までの Heroes をかなりプレイしていて、友人と共にハマりまくっていました。

だから iPhone / iPod touch 版が出たのを知って喜び、すぐに購入してプレイしたのですが・・・
正直、ガッカリでした・・・ クオリティーが低すぎる・・・


まず、画像が荒すぎる
遠景だと割と綺麗な画面なのですが、全体的に小さくて何がどこにあるのか解り辛い。
そのため拡大表示に出来るのですが、そうするとドットが荒すぎて何がどうなってるのかよく解らない・・・
どこが通れるのか、どこに敵がいるのか、どれが施設なのか、すごく見難い。

heroes2

そして戦闘シーン。 音がない。 無音。
BGM がないのはもちろん、効果音さえない。
これじゃあ戦闘が全く盛り上がらない・・・


※2010年6月のアップデートで、戦闘シーンに BGM とサウンドが付きました。
戦闘シーンが寂しかったのは、これで改善されています。


さらに街の画面。 字だけ。 グラフィックというものがない
パソコン版には街の画像があって、建物を建てるとそれが街の風景に追加されたりしたのですが、文字が羅列しているだけで、建物を建てても実感がない。
パソコン版はオペラ歌手が歌っていた美しい街の BGM も話題だったりしたのですが、もちろんそんなものは存在しない。

ゲームシステム自体は、ほぼそのまま再現されています
だからオリジナルを知っている人なら遊べると思うのですが・・・

でも、このクオリティーだととても人に勧めたり、攻略ページを作ろうという気にはなれないな・・・
好きなゲームであるだけにガッカリで、なんだか悔しい気持ちがします。
あぁ、せめて戦闘シーンに効果音だけでも付けてくれれば・・・

と言う訳で、残念ながらオススメ出来るアプリではありませんでした。
でもオリジナルの Heroes はホント面白いですよ。
西洋ファンタジーが好きな人なら、さらに楽しめると思います。

今後のアップデートで改善してくれれば、攻略ページを作りたいと思うんですが・・・ たぶん望み薄だろうな・・・

Palm Kingdoms Classic (タイトル改訂版。iTunes が起動します)

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