iPhone AC 番外レポート

iPhone や iPad(スマホやタブレット)の、主にゲームアプリのレビューを行っています。

物理シミュレーション

Sand Slides

砂時計のように流れる流砂を、画面をなぞって床を作り、指定の場所へと流していく。
そんな見た目が綺麗なパズル要素のあるショートゲーム。
それが「Sand Slide」です。

当初は無料で公開されていたようで、そのためダウンロードランキングの上位にも入っていました。
現在は有料化されたためかランキングから消えていますが、それでも 115 円と安く、ゲームも十分に面白い秀作だと思います。
こんなにすぐ消えてしまうべきではないゲームだと思いますね。

Sand Slides

上から落ちてくる色の付いた砂を、画面下の同色の受け皿の中に流していきます。
画面を指でなぞるとそこに「床」が作られ、砂はそれに当たると重力に従った動きで流れを変えていきます
昔、このような砂の流れをシミュレートした JAVA アプリなどが流行りましたが、それをゲームにしたという感じですね。

砂は次々と流れてくるので、1つの砂の処理が終わっていないうちに別の色の砂が落ちてくる場合もあります。
こういう時は床をコップのような形で描き、そこに砂を貯めて一時凌ぎをする必要があります。

ただし床は3つまでしか描けず、3つ書くと最初に書いたものが点滅し、4つ目を描いた時点で消滅してしまいます。
床はダブルタップで消すことも出来るので、次に消える床を消したくない場合は他の床を先に消しておく必要があります。
この辺りの床の描き方がポイントになると言えますね。
また、「時間で消える訳ではない」というのも覚えておくべきポイントです。

異なる色の砂を同時に受け皿に入れていくと「コンボ」となり、コンボボーナスが加算されていきます。
よって余裕がある時は砂の流れを途中で止めて、うまくコンボを重ねていくこともハイスコアのポイントとなります。

Sand Slides

グラフィックとサウンドも良く、背景の波の動きがとても綺麗で、BGM もノリの良い曲が流れます。
もちろん砂の流れもスムーズです。

やや残念なのはオンラインランキングに対応していないことでしょうか。
Game Center には対応しているのですが、実績のみとなっていて、ローカルではランキングがあるのに、なぜか Game Center のスコア別ランキングはありません。
でも「実績」の種類はかなり多く、やり甲斐があるものも多いので、それらを達成していくのも面白いですね。

iTunes のレビューには「落ちる」という意見が多いようですが、私がやった限りでは1度も落ちませんでした。
バージョンアップで安定性が改善されているので、現在は修正されているものと思われます。

価格は前述したように 115 円
見た目が綺麗でルールも解りやすく、タッチパネルにもマッチしています
そんなに長時間続くようなゲームではないので気軽にプレイ出来ますし、ちょっとしたパズル性もあり、非常に iPhone / iPod touch に向いたゲームだと思います。
私的には「定番アプリ」になっても良いんじゃないかと思っています

iPhone と iPad の双方に対応しているユニバーサルアプリでもあり、万人にオススメできるゲームですね。

Sand Slides(iTunes が起動します)

Coin Dozer - Christmas

ちょっと前に Coin Dozer & Cookie Dozer の新作(感謝祭版)が出たと思ったら・・・ また新バージョンが登場してきました。
Coin Dozer - Christmas」、すなわちクリスマスバージョンです。

※現在は季節イベントバージョン「Coin Dozer - Seasons」の中に含まれています。

なんだかコレばっかり紹介してるような・・・ さすがに登場間隔短すぎ。
まあアメリカでは秋から冬にかけて、ハロウィン → 感謝祭 → クリスマス と行事が続きますからねぇ。
「またか」と思いつつもやってしまいます。

ただ、今回はシステム的には些細なものだけど、バランスの面では非常に影響が大きい変更が加えられています。

Coin Dozer - Christmas

ゲームセンターでよく見かける、コインプッシャー(コイン落としゲーム)です。
画面上部をタップしてコインを落とし、それが前後している壁によって押されて、手前に落ちたコインや景品は自分のものになります。
これまでの Coin Dozer や Cookie Dozer と内容は同じです。

ただ、今回は前述したようにゲームバランスが大きく変化していて・・・
コイン1枚1枚がこれまでより「重い」のです。

そのため押しても押しても、なかなか手前に押し出されてこない。
おかげで全然コインをゲットできません。
質量が増しているためどうしてもコインはサイドに流れてしまいやすく、よってサイドの穴に落ちる「ガター」が連発されまくります。

Coin Dozer は「複数のコインをまとめてゲットすると景品やスペシャルコインが出現する」というシステムなので、コインをなかなか手前に落とせなくなったおかげで、景品やスペシャルコインの出現率も激減
これも難易度の上昇にさらに拍車をかけています。

結果、40 枚のコインはあっという間になくなり、全然楽しめないまま短時間で終わってしまいます
なくなったらまた数時間経たないとコインは復活しませんが、そのコインもまたあっという間に・・・

そのコインの減りっぷり・増えなさっぷりは初期の Dungeons and coins にも勝るほどで、「コイン落とし系で一番すぐコインがなくなるゲーム」になってしまいました・・・
さすがにこれでは、ちょっと楽しめませんね。

Coin Dozer - Christmas

アプリは無料で提供されていますから、あまり文句を言うのもお門違いですし、今後アップデートで修正される可能性もありますが・・・

現時点では、初めて Coin Dozer をやる人の場合は他のバージョンの方が良いし、すでに Coin Dozer をやっている人の場合は急にコインが落ちなくなってストレスが貯まるでしょう。
よって正直言って、「誰にもオススメできないバージョン」となっています。

ほんのちょっとの調整の変化で、ここまでゲームが変わってしまう・・・
そんなゲームバランスの微妙さが解るアプリと言えますね。

コインプッシャーが好きな人なら、タダだしやって損はないとは思いますが、レベルアップ時の効果の表示が違っているなどのバグもあるので、私的にはアップデートを待った方が良いとは思います・・・

Coin Dozer - Seasons (iTunes が起動します)

Cookie Dozer - Thanksgiving

ゲームセンターでおなじみの「コイン落とし」ことコインプッシャー。
それを iPhone アプリ化した Coin Dozer シリーズにまたまた新作が登場しています。
Cookie Dozer - Thanksgiving」です。

先日 Coin Dozer のハロウィーン版 が出ていたので、Cookie Dozer の別バージョンは出ないのかなぁ、と思っていたら・・・
クッキーは「感謝祭(Thanksgiving)」の方に持ってくるとは。
こうやってこのシリーズは、季節イベントに合わせたバージョンを今後も出していくのでしょうか。

うまいやり方だし、ユーザーも新バージョンを次々楽しめるから嬉しいし、良い方法かもしれませんね。
内容は今までとほとんど変わらないのですが、何度やっても楽しめるアプリです。
ちなみに Thanksgiving(感謝祭・収穫祭)とは北米の祝日で、秋の収穫に感謝しつつ、七面鳥を食べる日として知られています。

Cookie Dozer - Thanksgiving

画面の上部をタップすると手持ちのクッキーを落とします。
クッキーは前後している壁により「物理シミュレート」された動きで前に押し出され、手前の穴に落ちたクッキーは自分のものとなります。
サイドに落ちた場合はガター(アウト)です。

クッキーの他に多くの景品があり、これを集める事でゲームが有利になる特典を得られる要素もあります。
クッキーはなくなると一定時間経たないと補充されませんので、時間をかけて少しずつ進めていくタイプのゲームと言えます。
まあ、この辺の基本はこれまでの Coin Dozer や Cookie Dozer と同様です。


ただ、今回はちょっと変化した部分も見られます。
まずなんと言っても違うのは・・・ クッキーが丸くない。 葉っぱ型です
おかげで動きが不規則で、今までとはちょっと違う感覚です。
クッキーのサイズ自体も Cookie Dozer の時より一回り小さいので、難易度は上がっている印象ですね。

また、クッキーを落とす上部が平らになり、広くなりました
これによってクッキーを落としやすくなり、実際プレイしやすくなった印象があるのですが・・・

しかしこれが罠でもあり、端の方にも落とせると言う事は、「ガター(両サイド)の近くに落とせてしまう」と言う事でもあります。
そのため不用意に落としているとサイドに落ちまくります
どういう形で落とすか考えないといけませんね。

さらに、まとめて5つのクッキーを落とせるようになりました
落とす場所が広くなったための対応だと思われ、壁が出ている時に一気に落とす方法もやりやすくなりました。
ただ、まとめて4つや5つ落としまくっていると、あっという間にクッキーが尽きてしまうので、これも気を付ける必要があります。

私はサイドに壁が出た時以外は、これまで通り中央に固めて3つ落としていますが、まとめて落とした方がスペシャルクッキーは出やすいので難しいところです。
まあ、プレイスタイルが広がったのかな、という気もしますね。

Cookie Dozer - Thanksgiving

今回から Game Center に対応し、「ランキング」も用意されました。
ゲーム中に「七面鳥の丸焼き」が出てきて、これを落とした数で順位や実績が付けられます。
七面鳥の丸焼き自体はゲームが有利になる効果はないのですが・・・ これが言わば「スコア」になっているようですね。

今までと大きく違う訳ではないのですが、相変わらず遊べます
なんと言っても無料ですから、これまで通りオススメできるアプリですね。
ちょっとずつゲームに変化が出て来ているのも、今後が楽しみになる兆しと言えます。
Cookie Dozer や Coin Dozer が好きだった人なら、今回も落としておいて間違いはありませんね。

Cookie Dozer - Thanksgiving(iTunes が起動します)

Toy Physics

画面を指でなぞって「板」を出し、上から降ってくる「おもちゃ」を木箱に入れていく、ゆるやか系(?)の物理パズルゲーム。
それが「Toy Physics」です。

ちょっとシュールでオシャレなグラフィックのゲームなのですが、全体的にゆったりとした動きとサウンドで、独特でゆるい世界観があるゲームですね。
開発したのはアメリカのメーカーのようです。

toyphysics

上からボールやキューブ、その他さまざまな形の「おもちゃ」が落ちてきます。
画面には色々な障害物があり、おもちゃはそれらに当たりながら、物理シミュレートされた動きで下へと落ちていきます。
一番下には木箱があって、ベルトコンベアーのように一方向に動き続けており、この木箱の中におもちゃを指定の数だけ入れればステージクリアとなります。
木箱以外の場所に落ちてしまうとミスとなり、3ミスでゲームオーバーです。

プレイヤーは画面をなぞることで緑色の「板」を出す事が出来ます
これにおもちゃを乗せたり当てたりして木箱に入れていく訳ですが、板は1枚しか出す事ができず、新しい板を描くと前の板は消えてしまいます
おもちゃはどんどん落ちてくるので、1つのおもちゃだけに気を取られていると他のおもちゃが落ちてしまうのが難しいところですね。
板はタップする事で、任意のタイミングで消すことも出来ます。

以下は Youtube で公開されている公式トレーラーです。



「物理・重力シミュレート」のゲームですが、あまり重力は強くなく、月面のようなゆるやかな感じの動きです。
サウンドも見た目もホノボノで、難易度もそんなに高くない、ゆったりしたゲームですね。
子供向けという訳ではありませんが、割と万人向けのゲームではないかと思います。

内容としては、「とびきり面白い」とか「ユニークなアイデアがある」という訳ではないのですが、ほんのりと(?)ストレスなく楽しめます。

ステージは全 40 ステージで、正直ボリュームがあるという程ではなく、集中してやると1時間ぐらいで終わってしまうかもしれません。
難易度には「ノーマル」「ハード」「エキスパート」の3種類があるのですが、ステージはどれも同じで、おもちゃの落ちてくる間隔が短くなるのみです。

toyphysics2

OpenFeint や Game Center などに対応していないのが残念ですが、とても丁寧な作りのゲームですね。

価格は 115 円と安いので、値段を考えると悪くないアプリと言えます。
どちらかと言うと、この洒落た雰囲気は「女性向け」と言えるでしょうか。
私的には iPhone / iPod touch にマッチしたゲームではないかなと思います。

Toy Physics(iTunes が起動します)
Toy Physics Lite(iTunes が起動します)

Reckless Racing

美しく書き込まれたコースを上空から見下ろした、ドリフトしまくりなオフロード・カーレースゲーム
それが「Reckless Racing」です。

こうした空から見下ろした感じのレースゲームは昔は良くあったのですが、最近はあまり見かけませんね。
しかしゲームとしては解りやすくて面白いタイプだと思います。
また、このアプリは非常に細かく書き込まれたグラフィックと物理シミュレートされた動きによって、昔ながらのゲームシステムでありながら、むしろ新鮮さを感じる内容に仕上がっています

発売元は EA(エレクトロニック・アーツ)、開発元はスウェーデンの Pixelbite という新興メーカー。
このメーカーの創設者は iPhone / iPod touch 初期のレースゲームの名作「Fastlane Street Racing」を作った方のようです。
そのためか、レースゲーム中心の開発を行っているようですね。

Reckless Racing

まず目に付くのがグラフィックの細かさ。
非常に美しく書き込まれた風景、タイヤの跡が付き砂ぼこりが舞うリアルな演出など、上空から見た形のレースゲームとしては「最高クラス」と言って良いグラフィックではないでしょうか。

さらに車の挙動なども「物理シミュレーション型レース」と言っても良いぐらいリアルで、画像では 2D に見えますが実際の画面は 3D で表現されており、看板やコーンにぶつかるとそれもリアルに吹っ飛んでいきます。

オフロードレースなので車はドリフトしまくりで、常に横滑りしながらコーナーを抜けていく感じです。
さらにコースにはジャンプ台とか崖とか池とか、いかにもデンジャラスなものが各所にあって、転倒するわ谷底に落ちるわ池にハマるわのハデな展開が繰り広げられます。
しかし走行不能になっても短時間で復帰でき、しかも「イャーホォゥ!」とか言う歓声が上がります。
いわゆる「事故る(事故らせる)のも楽しいゲーム」ですね。

Reckless Racing

1レースは1~2分で終わるため、1回のプレイはかなり短いゲームです。
「ショートゲーム」と言っても良いでしょう。
しかし難易度は ブロンズ・シルバー・ゴールド の3種類が用意されていて、ゴールドはかなり手強いので、思わず勝つまで繰り返してしまう楽しさとテンポの良さがあります。

コースは全部で5コース。 逆走コースもあるので合計 10 コース。
ただ、基本コースが5つというのはちょっと少ないかな、というのも本音です。

オンラインランキングに対応していて、レース終了後にすぐ現在の順位が表示されるため、上位ランキングを目指すのが最終的な楽しみ方になるでしょうか。
気軽にオンライン対戦が出来る「マルチプレイ」もあるので、そちらで遊ぶのも楽しいのですが、現在のところマルチプレイでのレートや戦績はないようです。
なお、大きなコースで指定の場所まで荷物を運ぶのを繰り返す「デリバリーモード」も用意されています。

車は全部で6種類。 特に説明はありませんが、車の挙動は少し違うようで、例えば小型ジープは小回りが効き、トレーラーは車体が重いためかなり流されます。

このゲームは iPad 版も用意されています。
そして iPad 版には iPhone / iPod touch 版にはない、3つのコース(逆走を含めると6つ)が追加されています。

※現在は iPhone 専用版が廃止され、iPhone / iPad 両用の「Reckless Racing HD」のみとなっています。

Reckless Racing HD

海岸のショッピングモールや工事現場、夜の倉庫など、iPad 用コースはちょっと変わったものが多いですね。
難易度は総じて高めです。

価格は iPhone / iPod touch 版が 350 円、iPad 版が 600 円です。

※現在は両用版が 120 円になっています。

1プレイが短時間で終わるショートゲームではありますが、クオリティーを考えると決して高くはなく、むしろ割安なぐらいではないでしょうか。

気軽に短時間で遊べて、技術・グラフィックのレベルも高い、秀作のゲームだと思います。
今後のアップデート次第では定番アプリになり得るのではないでしょうか。

Reckless Racing HD(両用版です)

Angry Birds Halloween と ソーシャルゲームプラットフォーム

600 万ダウンロードを突破し、もはや世界的大定番アプリとなった投射型物理シミュレートパズルゲーム「Angry Birds」。
それにハロウィンバージョンが登場しています。
それが「Angry Birds Halloween」です。

そしてもっと注目なのが・・・
この Angry Birds を販売していた iPhone / iPod touch アプリの大手パブリッシャー(公開元) Chillingo が、EA(エレクトロニック・アーツ)に買収されたというニュース。
買収価格は2千万ドル(1ドル100円とすると20億円)と言われています。

しかしこの動きに Angry Birds の開発メーカー Rovio は反発しており・・・ 「もう Chillingo とは契約しない」とコメント。
今回公開されたハロウィンバージョンも販売元が Rovio 自身になっています。

今回はアプリのレビューだけでなく、急に進み始めたその辺りの iPhone アプリ / モバイルゲーム の動きも合わせてご紹介したいと思います。

まずは Angry Birds Halloween の内容ですが・・・

angrybirdshalloween

ゲーム自体は、普通の Angry Birds と変わりません。

簡単にゲーム内容を説明すると、投射機で鳥の姿をした「弾」を放り投げ、木や石の板などで構成された建物の中にいる「ブタ」を倒します。
建物は鳥が当たると「物理シミュレート」された動きでリアルに崩れていき、その壊れる様子を見るのも楽しいゲームと言えますね。

ハロウィンバージョンは背景が黒と赤のハロウィン風のグラフィックで、サウンドも不気味なホラー風のものになっています。
カボチャやランタンなども登場し、カボチャは破壊すると笑い声共に破裂してコウモリが飛び出していきます。

ステージも新しいものが収録されていて、合計 75 ステージ
本編よりは少なめですが、115 円という価格を考えると相応のボリュームがあると言えます。
また、難易度は本編よりかなり高く、10 ステージ目辺りから早くも本編の後半に匹敵するぐらいの難しさになります。
よって基本的には Angry Birds 経験者向け、と言えますね。

※現在、Angry Birds Halloween は Angry Birds Seasons に変わり、季節ネタ全般を扱うものになっています。
そのためハロウィンだけでなく、クリスマスやバレンタインをテーマにしたステージも追加されています。

Angry Birds Seasons(iTunes が起動します)


さて・・・ この Angry Birds、本家は前述したように 600 万ダウンロードの大ヒットアプリとなりました。
そのためか今回の Chillingo 買収のニュースでも、一般のビジネスニュースでは「Angry Birds の Chillingo が」と言うような表現をされることが多いようです。

私的には、ChillingoiDraculaMinigoreDefender Chronicles など他にも多くの名作ゲームを販売しており、Angry Birds はむしろ後発のアプリなので、「Angry Birds の」と表現されるのは違和感があるのですが・・・
その Angry Birds の開発元が今回の買収で真っ先に「異を唱えた」と言うのは皮肉なものです。

Chillingo と言う会社はパブリッシュ(出版・公開)とプロモーション(販促・広報)を行う「パブリッシャー」と呼ばれる会社で、Chillingo 自身がゲームを開発している訳ではありません。
パブリッシャーという言葉は元々は書籍の「出版社」という意味なのですが、つまり「作家は別にいる」訳ですね。

こうしたゲームのパブリッシュ専門会社というのは日本ではあまり馴染みがありませんが、実際には日本でもスクウェアやバンダイナムコ、カプコンなどの大手会社は、外注で制作されたゲームを販売・監修しているので、日本でも大手メーカーは同時にパブリッシャーでもあります
(まあ世界的にも Chillingo は特殊な会社だったとは思います)

今回の EA の Chillingo 買収劇でどうして Angry Birds の開発元 Rovio が反発しているのかは解りませんが、提携メーカーとしては自分の会社の版権が意図せず EA に流れていくような事に反発する動きもあるのでしょう。
EA は Chillingo を吸収する訳ではなく、Chillingo は今後も独自に活動していくようですが、子会社になる以上はその権利は親会社のものにもなるでしょうから、中小メーカーとしては Chillingo を利用し辛くなるかもしれません・・・

ユーザーにとっては、EA は開発力や資金力のある会社なので更なる拡張が期待できるし、日本語版を開発してくれるメーカーなので、日本人にとっても期待できる話と言えます。
まあパソコンのゲームソフトについては、EA に吸収されたためにその後に整理縮小され、消えていったタイトルが少なからずありますが・・・


さて、今回の買収の理由についてですが、これはどうやら「ソーシャルゲーム・プラットフォームの取得」というのが大きいようです。
「ソーシャルゲーム・プラットフォーム」は先日もご紹介したばかりですが、Apple の Game Center や、OpenFeintAGON などのゲームアプリを通じた「ソーシャル・ネットワーク・システム(SNS)」ですね。

海外では FaceBookMySpace などのコミュニティツール「SNS」が大きく発展しています。
これらは「実名による現実世界のコミュニティの補助」と言えるシステムなので、日本の環境にはまったく合っておらず、日本では鳴かず飛ばずの状態なのですが、海外では高い利益を上げています。
日本でも招待型の SNS である Mixi は大きな収益を上げていますね。

そして現在、SNS と同じぐらい成長を期待されているのが、OpenFeint などの「ソーシャルゲーム・プラットフォーム」です。
今回買収された Chillingo は Crystal というソーシャルゲームプラットフォームを持っています。
また、Chillingo に先だって EA に買収されたイギリスの Playfish という会社も FaceBook や MySpace でソーシャルゲームを作っていた会社です。

日本でも最近「モバゲー」を運営する DeNA が、Plus+ というソーシャルゲーム・プラットフォームを持っていた ngmoco というメーカーを4億ドルと言う超高額で買収しました。
ここは「Rolando」という大ヒットアプリを開発していたメーカーですが、本当の狙いは Plus+ を発展させた海外でのソーシャルゲーム展開であったようで、「今後はこれを収益の柱としたい」という意向のようです。

今年はディズニーも Tap Tap Revenge シリーズ を展開している Tapulous という会社を買収したのですが、Tap Tap Revenge 3 はそれ自体がすでに SNS となっています。

要するに、「ソーシャルゲームプラットフォームの取り合い」「ソーシャルゲームへの進出合戦」が行われているみたいですね。
日本でソーシャルゲームというと「Mixi のおまけゲーム」と「携帯電話のプチオンラインゲーム」みたいなものですが、世界的にはもっと大規模に考えられているようです。
ソーシャルゲーム・プラットフォームは普通のゲームにソーシャルネットワークのシステムを加えるものなので、FaceBook や MySpace などのオープンな SNS が盛んな海外では、日本以上の効果が期待されているのかもしれません。

あと数年経つとソーシャルゲームの世界でも、作り込まれた海外製の作品がどんどん日本に流入してくることになるかもしれませんね。
FaceBook や OpenFeint を見ていると、海外製のソーシャルシステムは日本じゃダメな気もするけど、EA や DeNA が絡んでくると、また違ったものになって行くかもしれません。

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PS ・ 先日の記事「Game Center 対応ゲーム情報」にも、対応アプリを追加しました。

Coin Dozer - Halloween & Coin Dozer Pro

ゲームセンターに良くあるコインプッシャー(コイン落としゲーム)を iPhone / iPod touch 上で再現した人気アプリ「Coin Dozer」にハロウィーンバージョンが登場しました。
それが「Coin Dozer - Halloween」です。

日本じゃいまいちピンと来ませんが、欧米ではハロウィーンは大きなお祭りで、ゲームでもハロウィン用のアップデートやアイテム配布が行われたり、オンラインゲームでハロウィン用イベントが開催されたりするのは良くある事です。
Coin Dozer のハロウィンバージョンもその1つと言えますね。

今回のハロウィンバージョンの公開に合わせ、広告のない Pro バージョンも登場しているので、こちらも合わせてご紹介します。
と言っても Pro バージョンは広告がない「だけ」なので、ゲーム自体は全く変わっていないのですが・・・

Coin Dozer - Halloween

落としたコインが物理シミュレートによってリアルに押し出されていき、手前に落ちたコインは自分のものとなります。
たくさんのコインや巨大コインが落ちてくる「スペシャルコイン」、集めると様々な特典を得られる「プライズ」も存在します。

まあゲーム内容については、オリジナルの「Coin Dozer」と全く同じなので、そちらの解説ページをご覧下さい。

ハロウィンバージョンがオリジナルと違うのは、見た目と演出についてですね。
プライズがオバケやカボチャなどのホラー系アイテムになっており、スペシャルコインの効果が出る時も画面が暗くなり、落雷の音がするなどの演出があります。
何もしてなくても狼の遠吠えが聞こえるなど、全体的に演出とサウンドが強化されています

また、Coin Dozer はバージョンアップによって「経験値」と「レベルアップ」が追加されました
これはハロウィン版だけでなく、オリジナル版や Cookie Dozer も同様で、レベルアップによってスペシャルコインの効果が発生したり、プレイしていない時に貯まるコインの最大数が増えたりします。
経験値が多めに増えるスペシャルコインも追加されました。

ただ、そのためかゲームが全体的に重くなっていて、多数のコインが落ちてくると動作が引っかかる場面が目立ちます
iPhone 4 でもそうなので、iPhone 3G だと尚更かも・・・ この点はご注意下さい。

レベルアップが追加されても、ゲーム的には以前とあまり変わっていないのですが、「前と同じ楽しさがある」のも確かですね。
やや難点なのは、ハロウィンバージョンは「ホラー系」なので、「目玉」などの不気味なアイテムもあることでしょうか・・・
ちょっと好みが分かれるデザインで、私的には普通のコインドーザーの方が好きですね。

また細かい点ですが、現時点(10/17)のハロウィン版コインドーザーはプライズ(景品)の説明が広告で隠れてしまう難点があります。
(普通の無料版コインドーザーは解説が正常に表示されています)

Coin Dozer - Halloween

なお、今回 Coin Dozer と Coin Dozer - Halloween に 350 円の Pro 版が公開されましたが、これは「広告の有無」の違いだけのようです。

Paper Toss なんかも無料版と、広告がない有料版の2種類がありますが、それらと同じ形式だと思えばいいでしょう。
「Pro」とか言うから機能拡張版なのかと思ってしまいがちですが・・・ 内容に違いはありません。

初期の頃はこうした「広告付き無料版」と「広告のない Pro 版」の2つがある iPhone アプリは結構あったのですが、最近はあまりないので、こうしたものを見るのは初めての方もおられる思います。
そんなに広告が邪魔になるゲームではありませんが・・・ 長くやっていて、広告がないバージョンも欲しいなと思った方は、Pro にしても悪くないかもしれませんね。
広告の非表示だけで 350 円というのは正直高い気もするけど。
また「別アプリ扱い」なので、データの引き継ぎはありませんから、当然ゲームは最初からになりますのでご注意下さい。


Coin Dozer シリーズはおそらく「無料の広告表示型のアプリ」としては、一番成功しているものではないかと思います。
そして成功しているからこそ、こうしたハロウィーン版も出せるというのがあるのでしょうね。
今後も新バージョンやアップデートに期待していきたいところです。

Coin Dozer - Halloween(iTunes が起動します)
Coin Dozer - Halloween Pro(iTunes が起動します)

普通の Coin Dozer と Cookie Dozer はこちらを。
 

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