iPhone / iPod touch の傾きセンサーを使って擬似的にバイオリンを演奏するミュージックアプリ。
それが「String Trio - 弦楽3重奏」です。
このアプリはゲームではなく、演奏を楽しむ「ミュージックアプリ」です。
よって基本的にゲームを取り上げるこのブログの趣旨には合っていないのですが・・・
しかし、あえて言いたいと思います。 このアプリは「音ゲー(音楽ゲーム)」です。
しかも「音ゲーの理想」に非常に近いアプリと言えます!
登場したのは去年(2009年)の年末のようなので、かなり前からあるアプリなのですが、最近曲が追加されて価格も下がったためか iTunes のランキングで急に上位になっています。
iPhone を左右交互に振ったり傾けたりすることで、バイオリンの疑似演奏が可能です。
傾きの大きさで音の強弱を付けることでき、本体を少し傾ければ小さめの音が、大きく傾ければ大きな音が出ます。
プレイ前に右上にある「LOAD」のボタンを押すことで曲を選択でき、再生を開始すると画面左にバーが現れ、上から下へと流れていきます。
(演奏中に画面右のスライドバーを下まで下げると曲中断、Rewind は曲の最初に戻り、Play は演奏再開です)
上から流れてくるバーが画面下のラインに重なった時に iPhone を横に振るか左右に傾けると、曲に合わせた音階の音が鳴ります。
ここまで言うとビートマニアのような「音ゲー(音楽ゲーム)」に似た印象を持つと思いますが、このアプリが違う点は「プレイヤーのタイミングに合わせて、プレイヤーのテンポで、プレイヤーの好みの強弱で、曲を奏でることが出来る」ということ。
音ゲーのようにタイミングが合っていなくてもミスになることなく、音を鳴らさなくても再生は待機状態になります。
そして音が出されると同時に再生が再開され、演奏のタイミングが全体的に早かったり遅かったりした時は、それに合わせたテンポに速度が調整されます。
傾きセンサーの強弱で音の大きさを調整できるため、例えば少し傾けてから徐々に傾きを大きくしていくと、最初は小さい音で徐々に大きくなる音を鳴らす、なんて演奏を行う事も可能です。
つまりこのアプリは「自分でアレンジして演奏を楽しむ事が出来る」訳です。
以下は Youtube で公開されている公式トレーラーです。
上記の動画では実際のバイオリンを弾くように iPhone を左右に振っていますが、これだと音の強弱が付け辛くアレンジがし辛いので、私は「傾き」をメインにしてプレイしています。
ただ、慣れないうちは左右に振る操作の方が演奏はしやすいと思います。
ただしこのアプリは「自分で好みのアレンジ演奏を行う事が出来る」のが楽しいものなので、曲をアレンジして演奏するという事に楽しさを見いだせない方や、そもそも自分のスタイルで演奏するという考えがない人だと、まったく楽しめないと思います。
よって人を選ぶアプリであり、万人が楽しめるというものではありませんので、その点はご了承下さい。
私は昔、少し「キーボード」をやっていた事があります。
昔のキーボードはオルガンのように音の強弱を付けることが出来なかったのですが、最近はタッチセンサーという機能が付いていて、ピアノのように強く叩くと大きな音が、弱く叩くと小さな音が出るものが(安いものでなければ)一般的になっています。
音の強弱が付けられないと自分のスタイルの演奏が出来ないため、アレンジ演奏が全く出来ないコナミのビーマニシリーズを始めとする「音ゲー」は個人的にその点で不満でした。
ゲームである以上「スコア」を付けなければならないので、プレイヤーのアレンジをゲームに反映させ辛いというのは確かにあるのですが、しかし音の強弱ぐらいは付けさせてくれてもいいだろうと言うのは昔から思っていたのです。(技術的に十分可能だったはずなので)
そのため String Trio の「音の強弱もテンポも自在にコントロールできるシステム」は、私的には画期的でした。
これが最初に「音ゲーの理想」と表現した理由です。
音楽をやっている人でなくても、簡単に「自分のスタイルの演奏」というものを体験できるのが、このアプリの良い点ですね。
ゲームではないのでスコアもステージクリアの要素もこのアプリにはありませんが、自分で思う通りの演奏が出来たかどうかは自分でしか判断出来ないので、それはそれで良いのかな、と思います。
ただ、思い通りに演奏できたデータをリプレイしたり、記録したりする機能は欲しかったかなぁ・・・ というのも本音です。
誰にでもオススメできるアプリではないのですが、疑似演奏を体験してみたい、アレンジ演奏をしてみたい、と思っている方にはオススメのアプリです。
楽器をやったことがない人でも、楽器をやることの楽しさを味わうことが出来るのではないでしょうか。
価格は 85 円と安いので、気楽に試せると思います。
・String Trio - 弦楽3重奏(iTunes が起動します)
・String Trio Lite(無料体験版、2曲のみです)
・String Trio Season(クリスマス曲バージョン)
音楽ゲーム
「ビートマニア」や「ポップンミュージック」、「DDR(ダンス・ダンス・レボリューション)」などが有名ですが、最近は(家庭用をのぞき)新作が途絶えていました。
しかし近年になって再び登場したコナミの音楽ゲームの新作、それが「Jubeat(ユビート)」です。
曲に合わせて4×4のパネルをタッチする、というゲームですね。
※現在は iPhone / iPod touch 版にも対応しています。
iTunes のレビューは大絶賛の評価&レビューになっていますが、これはアーケード(ゲームセンター)の Jubeat をすでにプレイしていた方の評価が多いからのようです。
しかし私はビーマニシリーズは一通りプレイしてきましたが、最近ゲーセンに行ってないのでこの Jubeat だけはプレイした事がありませんでした。
「そういった人間のレビュー」だと言う事もご了解下さい。
さてゲーム内容は、こう言う表現も何ですが・・・
曲に合わせて叩く「もぐら叩き」と言った感じですね。
iPad 版は画面のサイズの都合上、光るボタンを指先で次々と叩いていく感じなので、なおさら「もぐら叩き」っぽさがあります。
もちろん「音ゲー」なので、叩くタイミングは曲のリズムに合わせる必要があります。
パネルには光るマーカーが表示され、それが特定の大きさや模様になった時に叩くのがベストなのですが、目で見るよりも「リズムに合わせる事」の方が大切です。
それにこのゲーム、タイミングの「目押し」なんてしてられません。
マーカーが表示され始めてから叩くタイミングまで約1秒しかないうえに次々と出てくるので、ある程度リズムを体で刻みながら、表示されるボタンを「片っ端から叩きまくる」形になるのです。
ビートマニアや DDR だと次に押すべきボタンはかなり早くから画面に表示されていました。
だからプレイヤーは「どのボタンを押していくか」をそれなりに余裕を持って知る事が出来た訳ですが、このゲームには余裕なんてありません。
出たらすぐ押しにいく必要があり、「もぐら叩き」と言ったのはこうしたゲーム性だからでもあります。
正直、音ゲーとしては難易度は高いと思います。
音楽ゲームが苦手な方や、あまりゲームをしない方にはとても勧められません。
「コアな音ゲーマニア向け」なのかなぁ、という気がしますね。
まあ、それはそれで「ビーマニらしい」とも言えますが。
また両手で画面を激しく叩きまくらないといけないので、iPad を手で持ってプレイすることは出来ません。
基本的に本体は「机の上などに固定して」プレイする必要があります。
同時に4つのボタンを押す場面が多発したりするので、両手の指先を駆使してプレイしなければなりません。
あまり iPhone や iPad 向けではない気がするのが本音です。
グラフィックや演出などは、さすがに綺麗で良く出来ています。
マーカーの種類も数多く用意されていて、ネコの絵や花火、タイマー型など様々なものがあります。
操作性も良く、プレイしていて反応などが気になることはありませんでした。 ここはかなり調整されている印象です。
そして価格と曲数についてですが・・・
まず本体は「無料」。 ただし曲は3曲しか付いていません。
それ以上の曲をプレイするには、4曲 450 円の楽曲パックを購入して導入する必要があります。
つまりこのアプリは「アイテム課金」(追加課金型アプリ)です。
1曲 115 円と考えると安い気がしますが、しかしフルバージョンではなく約2分ほどの長さですし、1回の課金で 450 円というのはやはり厳しい・・・
「まともに遊ぼうとするとかなり高額になる」と言うのは認識しておいた方が良さそうですね。
まあ JASRAC への使用料などもあるので、この点は仕方がないところでしょうか。
とりあえず、自分の好みの楽曲パックだけを入れていけるのは利点とも言えそうです。
後は「注目曲が公開されていくかどうか」がポイントでしょう。
現時点では個人的にあまり「欲しい」と思うものはなかったので・・・ 今後の充実を期待したいところです。
Jubeat はオンライン機能も大きな特徴だったのですが、現時点ではオンライン関連の機能は一切ありません。
協力や対戦プレイはもちろん、スコアのランキングなどもありません。
スコアを競うゲームなのですからランキングがないと魅力半減なので、ここは今後対応して欲しいところです。
本体は無料ですし、音楽ゲームとしては高レベルなアプリですが、難易度やシステムを考えると「面白い」と感じられる人は意外に少ないかも?
課金のことを考えても、人を選ぶアプリであることは確かでしょうね。
ただ、拡張性のある内部構造になっているとは思うので、出来ればオンライン対戦や称号やランキングやスキンやインディーズ楽曲の公開などが導入され、将来的に Tap Tap Revenge 3 の日本版みたいになってくれればいいなぁ・・・ なんて夢を持ってみたり。
・jubeat plus(iTunes が起動、現在は iPhone / iPod touch にも対応しています)
それがこの「Aero Guitar」シリーズです。
開発したのはビートマニアシリーズで有名な DJ.nagureo こと南雲玲生さんが運営を行っている会社ユードー。
AeroGuitar Ex が最初に登場したのは 2008 年末で、かなり初期から存在していた iPhone アプリの1つですね。
「Ex って付いてるけど、オリジナルは?」と思う人もいるかもしれませんが、元は Wii 用ソフトでした。
AeroGuitar にはいくつか種類が出ていて、前述の画面の上側は「AeroGuitar Ex」、下側は「AeroGuitar Evolution」のものですが、ハッキリ言って内容は同じなのでまとめて説明します。
右側から曲に合わせて丸い玉が流れてくるので、それが左側の枠に重なった時に画面を操作するのですが、操作方法が変わっています。
「○」ならタップ、「▲」なら画面を上にフリック、「▼」なら画面を下にフリックします。
タップやフリックする場所はどこでも良く、つまり曲に合わせて画面をなぞる方向を変える訳です。
この操作は割と画期的で、ギターっぽい操作だと言えますね。
iPhone / iPod touch 本体を「振る」ことでも操作が可能で、この点も面白い部分だと言えます。
ただ振る操作ではまともなプレイは困難です。 タイミング合わないし、画面も見えないし。
ゲーム中の曲はベース・ドラム・ボーカルの音と、ギターの音が別になっていて、演奏に失敗するとギター側の音だけ止まります。
つまりミスするとちゃんと音が出ないゲームになっていて、この点は Tap Tap Revenge より良い点と言えますね。
ただ、このゲームの場合はこれが欠点の一部にもなっていて、ボーカルなしの曲でベース・ドラムの音が小さい場合、操作に連続で失敗すると音が途切れてしまい、ほとんど曲が流れなくなります。
(メロディーラインがギターのみの場合が多い)
こうなるともう、流れてくる玉を「目押し」するしかなくなります。 これは音楽ゲームとしてどうかと・・・
ゲームのメインは3曲通してプレイする「EXPERT MODE」で、1つのコースをクリアすることで次のコースが出現するようになっています。
しかしイマイチな点も多く、まず1つは曲が少ない。
隠し曲を含めても7曲しかなく、序盤ステージは5つの曲しかありません。
そのため3曲通してプレイする「EXPERT MODE」は、同じ曲を難易度を変えてプレイしたり、ハイスピード(玉が流れてくるのが早い)やヒドゥン(手前で玉が消える)などの異なる設定でプレイする事になります。
色々なモードがあるのは良いことではあるのですが・・・ 曲が少ないために、同じ曲が使い回されている印象をどうしても受けてしまいますね。
曲自体も Tap Tap Revenge などより短めで、1分半~3分ぐらいです。
まあ1曲5分ぐらいある Tap Tap Revenge や Guitar Hero は正直ゲームとしては長すぎる印象があったので、ゲームとしては1分半~2分ぐらいで良いと思うのですが、曲が少なくて1曲2分前後だと、ボリューム不足は否めませんね。
また、iTunes のレビューにも同様の意見が多いのですが・・・ イマイチ曲に魅力がない・・・
DDR やビートマニアの頃に聞いた、Dj nagureo の曲のイメージもありません・・・(って言うか作曲者は別の方です)
曲の印象については DDR S や、J-Pop などをそのまま使っている太鼓の達人の方がずっと良いですね。
さらに残念なのが演出。 背景が単なる1枚絵。
まったく動きません。 色も変わりません。
Tap Tap Revenge だってもうちょっと演出があって色ぐらいは変わるのに、あまりにも他のゲームと比べて演出面がショボイです・・・
と言う訳で「AeroGuitar」、iPhone 初期の音楽アプリのヒット作だったことは確かなのですが、今となっては見劣りするのは否めませんね。
ただ、タップとフリックでの操作はやってて面白いと思うし、タッチパネルに合っていると思います。
この操作を踏襲した、もうちょっと全体的なクオリティーを良くしたアプリが登場してくれれば・・・ とも思いますね。
(以下のリンクはすべて iTunes が起動します)
・Aero Guitar Ex (350円)
・Aero Guitar Ex Free
・Aero Guitar Evolution (350円)
・Aero Guitar Evolution Free
【追記】
無料体験版しかやってないので、まともな「レビュー」は出来ないのですが・・・
派生バージョンである AeroGuitar Samurai Rock は演出面が強化されていて、演奏がうまいとカットインなどが挿入され、玉の流れなどもスムーズになっていました。
曲はクラシック曲のロックアレンジです。
今やるならこちらの方が良さそうです。
ただ、こちらは最初は3曲しかなく、曲を追加購入していく必要があるようですが・・・
・AeroGuitar Samurai Rock(iTunes が起動)
・AeroGuitar Samurai Rock Free(iTunes が起動します)
それがこの「ギターDEミュージック2」です。
名前から解るように1作目「ギターDEミュージック」の続編ですね。
海外名は「Guitar Rock Tour」で、そのためインストール後のアプリ表示も Guitar Rock2 になっています。
発売されたのは 2009 年の夏ですが、完成度は高く、最近登場した音楽ゲームと比べても遜色ない内容です。
ゲームとしては、Tap Tap Revenge の亜種と言ったところです。
曲に合わせてギターのネックを模した4つのラインに玉が流れてくるので、それが画面下の枠に重なった瞬間にタップしていきます。
タップのタイミングは目で見て判断するのではなく、曲のリズムに合わせるのがポイントです。
ゲームシステムには、このゲームならではと言える特徴はありません。
たまに押しっぱなしにしなければならない玉が落ちてきますが、これは Tap Tap Revenge の頃からあったものですね。
うまく演奏を続けているとファイアパワーというゲージが貯まっていき、その後に「エフェクトスイッチ」を入れる事で一定時間スコアを倍にすることが出来ますが、この辺りのシステムも Tap Tap Revenge や Guitar Hero にも同様のものがあります。
ただ、このゲームには基本システム以外の面で、他の同種のアプリより優れている点が多くあります。
まずはなんと言っても曲が多い!
最初に入っている曲は全 18 曲、それで価格は 350 円。
Guitar Hero や太鼓の達人よりお得感があります。
追加曲は発売から1年経っているのに、まだ2パック(1パック3曲)しか公開されていませんが・・・
でも、初期の段階で 18 曲もあれば十分に遊べます。
また、「キャリアモード」というステージクリア型のツアーモードが用意されていて、2つの曲をクリアすることで次のステージに進めるようになっています。
単に1つずつ曲をプレイするだけよりも、このようなゲームモードがあった方が、やっていて楽しむ事が出来ますね。
ツアーモードでは「ドラム」のステージが出てくる事もあり、ここではちょっと変わった譜面でゲームを楽しむ事が出来ます。
また、このゲームは通常の音楽とギターのサウンドが2つが同時に鳴っているようなスタイルになっていて、ミスをするとギター側のサウンドだけが中断するようになっています。
これにより、タップに成功しても失敗してもギターが鳴り続けているような事がなく、失敗すればちゃんとギター音が途切れます。
また、ギターソロが挿入される場面ではビートマニアのようにタップによって音が出るようになっているようです。
この辺りは常に曲が流れっぱなしの Tap Tap Revenge とは違う点で、音楽ゲームとしての完成度が高いと言えますね。
この系統(洋楽 Tap Tap 系音楽ゲーム)の代表作3つを一言で言うと・・・
オンライン機能やダウンロード機能が豊富なのが Tap Tap Revenge 3、ゲームシステムがよく出来ているのが Guitar Hero、初期曲が多くて一番遊びやすいのが ギターDEミュージック2、と言ったところでしょうか。
これらに DDR S と太鼓の達人を加えたのが現在の iPhone / iPod touch の音楽ゲームの定番でしょう。
私的には Tap Tap 系の3つの中では、「ギターDEミュージック2」はオススメしやすいアプリです。
ゲームロフトですからメッセージや解説が日本語化されていて、初期曲が多いので追加購入やダウンロードの手間をかけずに十分遊べますから、誰でも迷わず楽しめます。
1曲しかプレイ出来ませんが、無料体験版も公開されているので、どんなものか知りたい方は、まずそちらで試してみるのもいいですね。
・ギターDEミュージック2(iTunes が起動します)
・ギターDEミュージック2 ~無料版~(iTunes が起動します)
欧米で最も売れている音楽ゲームの1つで、海外では非常にメジャーな疑似ギター演奏ゲーム。
それがこの「Guitar Hero」です。
そのギターヒーローの iPhone / iPod touch 版が登場しています!
シリーズ作や派生版が非常に多く登場しているゲームですが、iPhone / iPod touch のものは移植版ではなく、iPhone 用に新たに作られているもので、名前も単に「Guitar Hero」です。
後発の音楽ゲームだけあってシステムやグラフィックの完成度は高いですね。
画面にはギターのネックを模した4つのラインがあって、曲に合わせて上から玉が落ちてくるので、下の枠に重なった瞬間にタップすると得点となります。
タップのタイミングは目で見るのではなく、曲に合わせるのがポイントです。
またこのゲームの特徴として、横に指をフリックする(はじく)操作が頻繁に出てきます。
これはギターの弦を弾くのを模しているためだと思われます。
押しっぱなしにする操作、さらにフリックした後で押しっぱなしにする操作もあって、これらが複合して出てくるので難易度は高いですが、単にタップするだけのものよりゲーム性は高いですね。
グラフィックも綺麗で、バックのギタリストの絵も迫力があります。
ただ、個人的には・・・ この操作はちょっと残念な気もします。
この Guitar Hero というゲームは、元々はギター型コントローラーで操作するゲームでした。
ギターのネックにある色の付いたボタンを押しっぱなしにして、その状態でギターのボディにあるレバーを弾くことで音を出し、疑似演奏するゲームでした。
日本のコナミのアーケードゲーム「ギターフリークス」と同じ操作方法だと言えば、知っている人には解るでしょう。
でも iPhone / iPod touch 版の Guitar Hero はそんな疑似演奏的な操作ではなく、単なるタップ操作になってしまっています・・・
ゲームとしては Tap Tap Revenge の派生型に過ぎません。
もちろん小さな iPhone でギターを疑似演奏できるような操作は難しく、これをギターのように持つと画面が見えないので、しょうがないと言えばしょうがないのですが・・・
単なるタップゲームになっている点は、残念に思えてしまいますね。
ゲーム中にミスした場合、ノイズが入ったり、曲の音程がズレて聴き取りにくくなったりします。
しかしビートマニアのようにタップごとに音が鳴るという事はなく、この点は簡略化されています。
ギターモードとベースモードの2つがありますが、曲自体は同じでタップによる発音もないので、単に譜面が異なるだけですね。
またツアーモードのようなものはなく、1曲ずつプレイするモードしかありません。
プレイによって経験値が貯まり、それによってランクが上がっていくという要素はあるのですが、それによって何か変化があるかというと・・・ 特にないようです。
実績を示すトロフィーのようなものは用意されていますが、連続して遊べる要素は欲しかったのも本音です。
また、最初に入っている曲が少ないのも残念な点です。
初期の状態では6曲しか入っていません。
これで価格は 350 円です。 追加曲パックは3曲で 230 円。
まあ「太鼓で達人」も 600 円で5曲、「DDR」も S+ は 230 円で3曲ですから、特別少ない訳でもないのですが・・・
でも、決して多いとは言えませんね・・・
ただ、追加曲パックはかなり速いペースで公開されており、すでに 15 パック以上(つまり 50 曲以上)が存在しています。
本格的に楽しもうとすると相応の出費になってしまいますが、今後も利用可能な曲は増え続けていきそうで、それを考えると洋楽ファンには見逃せないアプリかもしれません。
また、このアプリや Tap Tap Revenge 3 を見ていて思うのは、洋楽はこうしたゲームへの楽曲提供が盛んで、盛り上がりを感じる事。
日本の場合、太鼓の達人でも iPhone / iPod touch だとたったの5曲ずつ・・・ しかも価格は明らかに割高。
さらに iTunes への楽曲の登録を行っていないアーティストも多く、音楽のネット配信に否定的な意見もいまだに根強くあります・・・
決して著作権を軽視しろとか、CD で売るなとか言っている訳ではありませんが、こうした面で欧米と比べて日本が明らかに遅れているのは、音楽ゲームからも見て取れます。
もうこの辺は差が付く一方なんでしょうね・・・
と言う訳で Guitar Hero 、オススメかどうかで言うと、洋楽が好きな方にはオススメ出来ます。
音楽ゲームとしては iPhone / iPod touch で出ている中では上位の完成度と言えます。
ただし初期曲の少なさを考えると、洋楽に馴染みのない方にはオススメ出来ませんね。
無料配信曲も少し公開され始めていますが・・・ まだまだ少ない印象です。
・Guitar Hero(iTunes が起動します)
そして iPhone / iPod touch の音楽ゲームを紹介するうえで欠かせないのが・・・
この「Tap Tap Revenge」とそのシリーズです。
かつては大定番と言っても良いアプリでした。
ただ、大ヒットした事を受けて次々と新バージョンが登場し、それに合わせて価格や旧バージョンの内容が変わりまくり、さらに派生型や新しいシステムが導入され続けてシステムが膨張した結果、正直言ってもうワケが解らなくなっています。
ですので、ここではオススメはしません。
ただ、前述したように iPhone / iPod touch の音楽ゲームはこれがベースになっているものが多く、今でも「定番アプリ」として紹介しているメディアは多いので、ここで簡単に取り上げておこうと思います。
内容は簡単に言うと、ラインが3本のビートマニアです。
曲に合わせて上から丸い玉が落ちてくるので、それが下のラインに合った瞬間にタップすると得点になります。
タップのタイミングは目で見て判断するのではなく、曲のリズムに合わせるのがポイントです。
しばらく押しっぱなしにしなければならない玉や、リズムに合わせて iPhone を振らなければならない矢印が出てくる場合もあります。
タップが成功しても失敗しても、何の音も鳴らないし、曲も変化しません。
よって音楽ゲームとしては簡易的なものですが、そのおかげで追加曲の導入が簡単という利点もありますね。
初代の「Tap Tap Revenge」が大ヒットしたのは、無料でありながら質の高い曲が導入されていて、さらに追加曲も定期的に公開されており、内容も iPhone / iPod touch にマッチしていたから、と言うのが大きな点でした。
しかし「Tap Tap Revenge 2」の登場後、1が急に有料化されたり、新曲のダウンロードが停止されたりしてしまいます。
さらに Tap Tap Revenge 2 も、当初は人気になりましたが、新設されたオンラインモードが急に不通になったり、新曲のダウンロードが止まったり、料金が不安定に変わりまくったりと「迷走」を始めます。
(だから iPhone AC でもページを作ろうと思ってたけど、訳が解らなくなって作れなかった)
現在も Tap Tap Revenge (初代)はたった3曲しかなくて、追加曲のダウンロードも行えないのに 230 円になっているサギみたいなアプリになっています。
Tap Tap Revenge 2.6 は(少なくとも 2010/8 時点で)正常に戻っており、115 円で3曲、さらに無料で 27 曲を追加ダウンロード可能です。
その後、派生バージョンやコラボバージョンが次々と登場しましたが、あまりに数が多すぎるのでイマイチ把握できません。
現在の最新メインバージョンは Tap Tap Revenge 3 で、無料で公開されています。
これには「アバター」が追加されていて、他プレイヤーとのコミュニケーションが加わっており、ゲームのプレイによるレベルアップ、それによるダウンロード楽曲の追加などが導入されています。
(現在はオンラインプレイじゃないと経験値は増えないようです)
有料のダウンロード曲も日々追加されており、これ自体が1つのソーシャルネットワーキングのシステムになっています。
しかしシステムが多機能になりすぎているため理解しづらく、しかも英語なので、日本人には把握し辛いのが難点ですね。
でも単にゲームをやるだけなら簡単で、なにより無料で公開されているので、とりあえず今 Tap Tap Revenge をやるのなら、この 3 をダウンロードしましょう。
Tap Tap Revenge 3 Boost というものもありますが、これは通常版に追加のクレジットとゲーム内コイン、アバター用のボーナスアイテムなどが付属されたものです。
この Tap Tap Revenge 3 で特筆したいのは、このアプリを通じて曲を公開しているアーティストがたくさんいるという事。
基本的にはどこかの事務所に所属しているアーティストが有料で曲を提供している形ですが、メジャーなグループはもちろん、インディーズに近いアーティストも多数含まれているようです。
解る人にしか解らない解説ですが・・・
かつて Windows でビートマニア・シミュレーターと言える「BM98(BMS)」というフリーソフトが流行しました。
これはビートマニアのデッドコピーだったため著作権的にグレーだった訳ですが、この BM98 を通じて多くの同人や草の根アーティストがオリジナル曲を発表していた事も事実です。
Tap Tap Revenge 3 は公式な活動をしているアーティストの曲がメインなので、BM98 とはちょっと違いますが、連日曲が追加されていることからも解るように、かなり BM98 に似た雰囲気があります。
曲ごとに異なるグラフィック(スキン)が用意されているのも、それっぽい感じがありますね。
こうしたアプリで、日本人にも使いやすいものが登場してくれればなぁ・・・ なんて思う今日この頃です。
当然海外の曲しか入っていない訳ですが、洋楽好きや海外のマイナーアーティストが好きな人なら、見逃せないアプリとは言えますね。
同時に多人数でプレイしてスコアを競う「オンラインプレイ」も、なかなか楽しめます。
ただし1つ注意点が。
このアプリで曲をダウンロードすると言う事は、そのまま「楽曲ファイルを iPhone / iPod touch 本体に入れる」という事なので、その分だけアプリのファイルサイズが増えていきます。
普通の曲を1曲入れるのと同じだけ容量を使うので、本体の容量が少ない方はご注意下さい。
・Tap Tap Revenge 3(公開終了)
【追記】
この記事を書いてから知ったのですが、先日この Tap Tap Revenge を作った Tapulous 社がディズニーに買収されたそうです。
また今後変わっていきそうですね・・・
【後年追記】
Tap Tap Revenge はその後、4 が公開されたのですが、何かの権利の問題が起こったのか、2014 年に入って全シリーズ削除されました。
サーバーの運営も 2014年2月 に止まり、運営元の終了宣言も出されています。
それがこの「Auditorium」です。
「音ゲー」や「リズムゲー」ではないのですが、最近コンピューターグラフィックスの世界でよく行われている「音を視覚で表現する試み」を、パズルゲームに仕立てた感じのアプリですね。
無料アプリなのですが、後半ステージをプレイするには追加課金が必要になります。
でも無料のままでも相応のステージ数を遊ぶ事が出来ます。
画面に風のような「流れ」が表示されていて、それがオーディオのメーターのような部分を通過すると音が鳴り、メーターが上昇します。
矢印の付いた円形をタップで動かし「流れ」の上に置くことで、「流れ」の向きや勢いを変えることができ、すべてのメーターの上を通過させるとステージクリアとなります。
ゲームとしてはシンプルなのですが、難易度は結構高く、かなり考えないとクリア出来ないステージも多いです。
流れがメーターの上を通過すると音が鳴るのですが、そのサウンドが非常に綺麗で、幻想的な雰囲気を醸し出しています。
サウンドをよく聞くためにも、ヘッドホンやイヤホンでのプレイを推奨します。
ステージが進むと向きを変えるだけでなく、流れの勢いを増したり、重力をかけるように曲げる円形も現れ、パズルとしての難易度も上がります。
難点は、円形のサイズをドラッグで広げ、影響する範囲や強さを変える事が出来るのですが、その操作が難しい事。
「円形をタップしながら、円形の外側にある枠をドラッグする」のですが、その枠が小さいので、すでに円をタップしている指が邪魔になって、枠をドラッグすることが難しく微調整も困難です。
ドラッグ時の反応もイマイチで、広げた円を縮小させるのもなぜか難しいですね・・・
操作性はあまり良いとは言えません。
しかし、この「音の流れが視覚で表現された」ようなグラフィックとサウンドは一見の価値があります。
無料でもプレイ出来るステージ数は多く、クリアが難しいステージも含まれているので、割と長く遊べるはずです。
課金するとステージが追加され、最大でも 115 円×3 で 345 円なので、それほど高くはありません。
まあ私的には、「課金しないと最後までプレイ出来ない」というアプリは好きではないですけどね・・・
とりあえず無料分だけでもやってみる価値はあると思います。
芸術性がウリのゲームなので、やや人を選ぶと思いますが、iPhone / iPod touch らしいクールなアプリと言えますね。
・Auditorium(iTunes が起動します)